みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
2.《ネタバレ》 これは、本当にデジタルで撮られた映画なのだろうか。 まるで昔のカメラで撮ったかのような奥行きと映像美が拡がっているではないあ。 そう、今の時代には失われてしまったロスト・テクノロジーとでも言うべきか。 「ペドロ・コスタ」は、絶望に沈むある街で生きる人々を描くのだ。 消えゆく孤独な魂、消えていく土地の哀しみを・・・。 かつてロバート・フラハティは「極北のナヌーク」を撮った。 イヌイットと生活を共にし、彼らの生きた姿をフィルムに残した。 日本の小川紳介もまた。 ペドロ・コスタは、この時代にその域まで己の精神を研ぎ澄ました作家と言えよう。 作品は一見すると楽しみづらいかも知れないが、ドキュメンタリーとしても、一つの娯楽としても是非とも見て貰いたい作品だ。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 18:32:28) 1.スラムの住宅街。階上の窓から家具が押し出され、地面に落下するファーストショットから強度と重量感に満ち、重力を強く意識させる。 前作と比べてより低位置に置かれたカメラは、終始人物を地面に留まらせるかのごとく画面下半分の空間に捉え、背景の壁面を主体として浮かび上がらせる。 特徴的な深い陰影の中、経年を印すスラム地区の建物や壁面の混濁した色彩が醸しだす存在感は非常に濃密。テーブル上に置かれたグリーンの透明ボトル1本も豊かな色彩と光沢を画面に放つ。 一方で、移住先となる新しい集合住宅の鋭角的で無味無臭な白い壁は異質なコントラストを生む。 格別凝った照明設計を行ってはいない風でありながら、いずれのショットも豊かな明暗の領域をもって視覚を刺激する。 ラスト近くの屋外シーン。木々に反射する波光の揺れとカメラの緩やかな動きが美しい。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-11-10 21:08:30)
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