みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
6.《ネタバレ》 復讐の連鎖はストロー一本で断ち切られた、と個人的にこの映画で思いました。実際自分ができるかどうかは別として。Fargoの淡々とした捜査をする女性警察官約とはまた違った角度で、今作でのフランシス・マクドーマンが静かに時に激しく怒り、悲しむのがなんともよい。悲しいですが不気味な始まりでずっと目が離せませんでした。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2018-12-10 16:33:47) 5.《ネタバレ》 ダメ人間が成長する話に弱いことを改めて実感。 ミルドレッドもディクソンも「怒りに囚われた」共感できないどうしようもない人間だが、いくつかの出来事を通して赦しを学んで成長していく、、かもしれない映画。 ディクソンが資料を死守し、レッドが赦しを与え、次第にミルドレッドも変化していく。。自己犠牲と赦し、成長、号泣してしまいました。 どうしようもないディクソンが一番変化するが、要するに子供がそのまま警官の制服を着てただけだったんだろうな。マイノリティがあるがゆえに、誰かに自己肯定してほしかっただけなのかもしれない。 それに引き換え、曲がりなりにも「大人」なってしまっていたミルドレッドは一筋縄ではいかぬ。怒りに囚われているところを、手紙、ディクソンの行動、ジェームズ君とのデート(と決裂)で心理が変化していく過程が大変よい。 最後は、ありゃ殺さねーな。彼らは怒りから少し解放されているように見える。 【kosuke】さん [映画館(字幕)] 9点(2018-05-20 00:08:42)(良:2票) 4.《ネタバレ》 結論から言うと、大好きな映画。 死ぬまで記憶される映画の一つになった事は間違いない。 スリービルボードは「怒り」をテーマにした映画だ。 その中でも、特に大きな問題を抱えているのが、 フランシス・マクドーマンド演じるミルドレッド サム・ロックウェル演じるディクソン ミルドレッドは娘が殺され、その事件が解決されない事、警察が思うように仕事をしてくれない事に ディクソンは、自分が大好きな署長を貶された事、それを実行した女、加担した若者に そして彼らが、元々何かしら人間的に問題を抱えてたのも事実だ。 ディクソンも多くは語られていないが、かなり問題のある家庭で育っているようだ。 ミルドレッドも、ディクソンも、あの事件がなくとも、常日頃からどうしようもない怒りを抱えたまま生きている。 彼らは怒りを、直情的に何かに攻撃をする事でしか発散できない。 それは人間でもあり、モノでもある。 そして、田舎町が舞台であるから、人種や性別による差別の問題も色濃く残っており、 彼らの問題には拍車がかかる。 僕は、ディクソンがいつ感情を爆発させて、直接的な攻撃に出てしまうのか、 とてもハラハラしながら鑑賞していた。 案の定、広告社の若者に過剰な暴力を振るってしまう。 その結果は目に見えている。彼の同僚や上司も冷めた目線で彼を見る。 しかし、彼はいずれそのキれやすい性格のせいで、いつかは同じ運命を辿っていただろう。 感情に任せてあんな事をしなければ、と後から後悔する事になる。 だが、彼には救いがもたらされるのだ。 そしてミルドレッドにも。 物語の中盤、自殺したビル署長から手紙が送られてくる。 それを読んで彼は自分の中の良心に気付きはじめる。 ビル署長は、この映画では徹底して聖人君主だ。 僕が思うに、それは彼に死期がせまっていたからだと思う。 死ぬ時期が明確にわかれば人は変わる。 もし彼が末期癌ではなかったら、彼にも人間の悪の側面が残っていたのではないか。 彼の手紙がきっかけでミルドレッドもディクソンも少しずつ変わってゆく。 やけどを負って入院したディクソンは、同室のレッドに「すまない、悪かった」と謝罪を述べる。 映画を観てる人間は、そこでレッドがディクソンに対してどんな反応をするのか、ハラハラするだろう。 しかしレッドは彼にジュースを差し出すのだ。 僕はこの場面で涙が出た。 病気になったビル署長、怪我を負ったディクソンとレッド 単純に考えると、人間は弱くなってしまうと人に優しく出来るのかもしれない。 ミルドレッドもレストランで元夫と出会い、嫌味を言われる。 彼女はワインボトルを手に取り元夫がいるテーブルに向かう。 ここでも彼女はそのボトルで殴りかかるのでは・・・?とハラハラする。 しかし彼女はそうしない。 小さな変化ではあるが、彼女も変わったのだ。 ディクソンの行動により事件は解決に向かうかと思われた。 しかし、そうはならない。 ミルドレッドとディクソンは犯人かどうかもわからない人間を殺しに旅立つ。 2人とも乗り気ではない。 事件は何も進展しない。 だが、絶対に打ち解けられないと思っていた2人が同じ車に座り、笑いながら会話をしている。 それは、物凄く大きな進歩だ。 スリービルボードは前向きな映画。 人は変われるし、理解し合えると思わせてくれる。 【南雲しのぶ】さん [映画館(字幕)] 9点(2018-03-08 03:33:22)(良:3票) 3.《ネタバレ》 強い信念を持ち合わせた人間が 己の正義を盾にぶつかり合う物語。 その意外性と心打つ各俳優陣の演技により 近年稀に見る名作に仕上がっている。 特にサムロックウェル演じるディクソン。 後半の彼の「変身」に一杯食わされた。 こんな単純な男にここまで涙を流すとは思いもしなかった。 おそらく最後どちらの選択をとっても、 ディクソンとミルドレッドには 地獄が待ち受けているに違いない。 それでも、二人の心情の変化には何か希望を感じる。 [anger begets anger] 彼らの怒りに終止符は打たれた。 そして、怒りの連鎖は引き止められた。 先日2回目の鑑賞を決行したが、 同じ箇所で同じぐらいの量の涙を流してしまった。 こちらの作品に是非、アカデミー賞を勝ち取っていただきたい。 【鈴木】さん [映画館(字幕)] 9点(2018-02-28 21:26:29) 2.《ネタバレ》 「ゴーン・ガール」も同じフィクション映画だが、マスコミを多用してよりリアリティを持たせていた為に個人的には「ニュース」を追うようなイメージで世界観に没入できなかった(嫌いというわけではない) やはり「ファーゴ」「ツインピークス」のように実話のように始まって物語の世界観を作り出してグッと引き込む映画が好きだ。 「スリー・ビルボード」もその部類に入るのではないかと思う。 よく考えてみれば「ありえない」行動や設定があるものの、物語には必要となっているのではないかと思える。 「ノーカントリー」のように、「これで終わりか?」と思えるような終わり方も今思えば良かった気がする。 好みもあるだろうが、私は上映中ミズリー州の片田舎にいた気分になった。 【かのっさ】さん [映画館(字幕)] 9点(2018-02-19 16:57:44)(良:1票) 1.ある怒りに満ちた3枚の看板(メッセージ)を掲げた事から巻き起こっていくヘイトに満ちたドラマ。 問題提起から様々な中傷や煽りが当事者を襲うが、それに対して全くブレる事なく意思を貫く主人公が凄い。他を全く寄せ付けない存在感だ。 物語は決して被害者の味方をする訳ではなく、この事件に関わる全ての登場人物に対して平等な視線を投げかけており、かつそれぞれのドラマが決しておざなりにならず、微妙な絡み具合で展開していく為飽きさせないし、非常に観やすい映画だった。 時にこの映画の登場人物達は、常識人ならば理解しがたい行動を取るが人間とはそもそも予測不可能な生き物であるからこういう状況になってみないと何が正しくて何が悪いのかはもはや不明である。我々の常識でくくられる境界線が次第に揺らいでいく展開が面白い。 あと、とりわけフランシス・ マクドーマンドの演技が素晴らしかった。 【ヴレア】さん [映画館(字幕)] 9点(2018-02-06 14:42:00)(良:2票)
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