みんなのシネマレビュー

異端の鳥

The Painted Bird
(Nabarvené ptáče)
2019年【チェコ・スロバキア・ウクライナ】 上映時間:169分
ドラマ戦争ものモノクロ映画小説の映画化
[イタンノトリ]
新規登録(2020-10-19)【Y-300】さん
タイトル情報更新(2020-11-22)【Y-300】さん
公開開始日(2020-10-09)


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監督ヴァーツラフ・マルホウル
キャストステラン・スカルスガルド(男優)ハンス
ハーヴェイ・カイテル(男優)司祭
ジュリアン・サンズ(男優)ガルボス
バリー・ペッパー(男優)ミートカ
ウド・キア(男優)ミレル
原作イエジー・コジンスキー
配給トランスフォーマー
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【クチコミ・感想(9点検索)】

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3.《ネタバレ》 むかし『LIMBO』というゲームがあって、ゲームではあるのですが個人的になんか本作に色々似てるな、と思ったのですね(特にモノクロで、かつ音楽が無い、というあたりが)。

個々の描写の凄惨さは高度ですが、全体としてはストーリーはごく淡々と進む、とゆーか、その残虐行為がごく淡々としたものに(途中から)見えてくる、とゆーか、静かな様でコレはごく「悪しき」静けさ、だとも思いましたかね。

一方で、お話(個々のエピソード)の起承転結自体には意外と因果応報な側面も無くはない…とゆーか、発端の暴虐に対する「復讐」が描かれる場面も結構多かったりするのです。ただ、此処からもやはりごく「悪しき」モノがまた感じ取れる…とゆーのが、鑑賞者としての我々さえ(少なくとも私は)その「復讐」の場面において次第にどこか確実に「胸が空く」のを覚える様になる(覚えてしまう様になる)、そのコト自体が私にはもはや一種の「恐怖」でしかなかったです。その意味でも、諸々とやはり実に恐ろしい映画だ、とも思いましたね。

もう一つだけ、コレもごく限定された時代・場所・状況設定を舞台背景にしている様に見せかけて、種々の工夫や少し非現実的なまでにショックシーンが連続する展開は本作を多分に寓話的なつくり話にも見せている、その意味では、架空と現実の「好いトコ取り」をしている様な映画だ、とも個人的には感じました(コレって、率直に相当に難しい仕事だろうな、とも)。傑作かと。 Yuki2Invyさん [DVD(字幕)] 9点(2022-01-30 01:55:38)

2.《ネタバレ》 【前置き】
重く・苦しい映画ながら、鑑賞しながら頭の中に何故か本作の副題が浮かんできた。
「世界チョイ住み!(かなり悲惨な状況付き)」・・・某国営放送の番組から拝借
「名も無き少年 ~一期一会じゃなきゃやってらんない~」・・・某有名な映画から拝借 とか・・・
冒頭からふざけてしまい、すみません。
 
【本題】
本作鑑賞のきっかけは、滅多に5点満点を出さない日経紙金曜夕刊の文化欄で本作が満点評価されていたから。
また、全編がモノクロで陰影に富んだ自然の描写が荘厳で素晴らしいとの評もあった為。
金曜朝9時、私も含めて観客は5人と言う環境で鑑賞した次第。

凄まじい映画だった。
私は開始数分で、本作がモノクロで有る事に感謝した。
カラーだったらとてもではないが正視に堪えない場面の連打。

物語の構成は、ナチスドイツの迫害から逃れるべく両親と離れ叔母の下に疎開してきた主人公の少年(役名は無い)の
様々な体験を短編形式で綴っている。
心温まるエピソードはほぼ無く、人間の持つ業や悪しき部分を寓話の形を借りて極めて冷めた視点で描いている。

主人公の少年の描き方が興味深い。
物語当初は、酷い方法で殺されたペットの小動物の亡骸を泣きながら埋葬してあげる優しい面を持っていたのに、
エピソードが進むに従いどんどん無表情になり言葉を発しなくなり、しまいには自らの手で人を殺めてしまうまでになる。

小鳥屋の老人の最期に少年が取った行動の意味。
若い女性に対し抱いた思春期らしい思いと、嫉妬から取った過激な行動の意味。
色々と考えさせられた。

観ている私も少年の体験に併せて各エピソードで綴られる描写に耐性が付いてしまうのか、酷い事の数々が描かれているにも関わらず、
終盤はいたって冷静にスクリーンを見つめている自分に驚いてしまった。

人間と言う物はこの私も含めてつくづく罪な存在だと思いつつ、何故かこの手の作品にありがちな鑑賞後に重たい思いを引き摺る事も無く
私は家路に付いた次第。

【終わりに】
本作にとっての一服の清涼剤とも言える3人に付いて書いておかなければならない。
ハーベイ・カイテル、ステラン・スカルスガルド、そしてバリー・ペッパーの登場は予期していなかっただけに驚いた。
そしてその役回りも心に残るものだった。

それにしても、バリー・ペッパーに狙撃銃を持たせるとは制作陣の皆さん判っていらっしゃる。このシーンは思わずニヤリとしてしまった。 たくわんさん [映画館(字幕)] 9点(2020-10-19 11:55:49)

1.《ネタバレ》 ひたすら続く暴力描写に目を背けながら観ていた。
どうして同じ人間がこんな恐ろしいことを他の人間にできるのかと。

しかし、少年をレイプしていた男がネズミがうじゃうじゃいる穴の中に落ちたとき、自分は全く動じずにスクリーンを見つめていた。
むしろ「やった!」と喜んでいた。当然の報いだと。
なんなら落ちる前から「落とせ!落とせ!」と期待していた。
結局、自分も暴力を肯定していることに気付いて怖かったなー。
その根本は「少年が彼から逃げてほしい」というものであったとしても、あの男にくたばってほしいと思っていたことに変わりはない。

「これは悪だ」と信じてしまったら、それに暴力を振るうことを悪だとは思わなくなる。
第二次世界大戦時に数多のユダヤ人が犠牲になったホロコーストに限らず、ほぼ全ての暴力、殺傷はその心理から来るのだろう。
そして、自分も他人事ではない。 Y-300さん [映画館(字幕)] 9点(2020-10-19 09:29:30)

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【点数情報】

Review人数 12人
平均点数 7.25点
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100.00% line
200.00% line
318.33% line
400.00% line
500.00% line
6216.67% line
7325.00% line
8325.00% line
9325.00% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review1人
4 音楽評価 5.00点 Review1人
5 感泣評価 6.00点 Review1人

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