みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
11.《ネタバレ》 イイですよね~ 新米刑事とベテラン刑事の仕事の違いで前半、観せるんですよね。 そして後半、一緒に犯人を追いつめていく。 ところが、ベテランの方が凶弾に倒れる。(亡くならないですけど・・) そして、新米刑事が自分の拳銃に最後、銃口を向けられる。 もうこんな筋書き、完璧すぎでしょ! 黒澤明は本当に凄すぎ! 【トント】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-05-10 23:37:40) 10.《ネタバレ》 ファーストシーンが最高にキマッてる映画は大抵傑作が多いが、この「野良犬」もそうだ。 オープニングの漆黒の犬! そこからまずインパクトがデカい。 ワクワクするね。 若い刑事が失態やらかしてそれを死にもの狂いで追っていく映画。 軍人だった三船にピッタリの役回りだ。 復員兵姿で闇市に潜入する場面なんか凄い様になってる。 若さと責任感に溢れる主人公だが、焦って間違いをおかしかねない危ない場面が続く。 真っ白白のスーツが印象的だ。 後編から現れるベテラン志村喬の刑事。 歴戦の勇士という感じで渋くてカッコイイ。 志村と共に事件を追っていく主人公。スーツも板に付いてきた。 そして犯人との一騎打ち。 仇の犯人を泥にまみれても捕らえる! その執念の様! スーツが黒く染まる姿が最高にカッコイイ! やっと新人刑事に「色」が付いて成長したわけだ。 新人刑事の悩みや犯人たちの苦悩。 戦争が犯罪も産んだ。 そんな様子が力強く描写されている。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-12-17 07:08:35) 9.《ネタバレ》 前半は単純に面白いサスペンスが続き、この刑事サスペンスの手際の良さからして驚愕の出来なのですが、後半に進むに従って「人間は何故悪に染まるのか?悪とはなにか?」という人間にとって根源的なテーマに突き進んでいく展開が素晴らしいです。そしてベテラン刑事、佐藤の家で呑んだ帰りがけ、「どんな人間でも悪に染まる恐れはある」と議論した後に映る、無垢な子どもたちの寝姿のカットの良さよ。数々のカットが物語のテーマを象徴し、観客に「君はどう思う?」と質問を突きつけて来る。実に映画的な魅力に溢れた作品だったと思います。 近年の映画は恐らく『ダークナイト』の影響でしょうが、絶対悪との戦いを通して善と悪を描いた作品が多くなっていますが(勿論、それも描くに値するテーマです)、本作の様に一義的な善悪の話に収まらない話も素晴らしいと思います。その象徴として段々と狂犬じみた相貌に変わっていく正義感・責任感溢れる村上刑事と、最後に子どもの歌を聞いて泣き崩れる遊佐の関係がある。最後の佐藤刑事の物語の締め方も実に良かった。 またホテルで佐藤刑事が遊佐に撃たれる場面ではバックにラジオから流麗な音楽が流れますが、こういうバイオレンス描写と美しいBGMを合わせるという手法も恐らくその後の映画に多大な影響を与えているんだと思います。私がパッと思い出すのは『時計じかけのオレンジ』『フェイス・オフ』『ドラゴンタトゥーの女』等ですが、そういう点でも大変映画史にとって重要な作品だと思います。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-07-27 11:10:08) 8.《ネタバレ》 とても印象的なシーンが多い作品である。戦後まもない東京。真夏である。冒頭の街の喧騒。闇市。警察署内の整頓された書類室。繁華街の片隅の寂れた様子。ダンスショーの楽屋。安ホテルの電話ボックス。郊外の田園風景。 真夏の暑さに茹だり、汗にまみれ、砂埃りが舞う。空気はジメジメとし、太陽はギラギラと照る。今とは違うであろう都会の匂い。そんなすえた匂いが画面から漂う。そして、雷雨である。雨に濡れ、その匂いを感じる。 僕が好きなのは、刑事役の志村喬と三船敏郎が仕事帰りに志村の自宅でビールを飲むシーンである。郊外の一軒家。開け放たれた縁側から夏の夜風が涼やかに吹き込む。そこで交わされる会話。最近の若い者は、、、アプレゲール!云々。戦後派の三船と戦前派の志村。でも志村の子供はまだ幼い。勤続20数年だから、まだ40代か。思いのほか、志村喬は若かったのか。。。 プロ野球の観戦シーン(巨人vs南海)は結構貴重なんだろうなと思う。ジャイアンツの青田、藤本、そして川上が打つ。選手たちの一挙手一投足に超満員の観客がわく。彼らはそれぞれに立ち上がり、喝采し、座る。鳴り物なんてない素朴な応援風景。テレビがない時代だから、観客は選手のプレイにとても素直に感動しているように見える。選手たちも自由気ままでとても楽しそう。 そして、最後のシーン。犯人役の木村功を追い詰める三船敏郎。緑の中を駆け回る。白黒の画面に、色のない映像に、目くるめく極彩色の光景が浮かび上がるよう。平穏なピアノ音の中で、静寂の中で、犯人の慟哭。 戦後という時代。復員者たちは、南方や北方の異国で戦争を戦い、多くの戦死者、餓死者を間近にし、幾多の犠牲の中で帰国する。また国内でも多くの人々が空襲の下で辛苦を味わい、銃後の混乱の中で、国民全体が敗戦を受入れた。そういう時代からたった4年後の物語である。そこにある物語は常に戦後の日本という時代を背景にせざるを得ない。そして、それは現在の僕らに響く。僕らは今でも戦後を出発点として連続した時代を生きているから。その原風景がこの映画に描かれており、だからこそそれが僕らに響くのである。 まだ「戦後」と呼ばれた時代風景の中で、その風景そのものが物語を綴っているような、それが現代の出発点だからこそ、僕らに響いてくる。その時代の貴重な空気、色、光と影、音や匂いが、ある種の思想として、そこにはあるのだ。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-05-13 00:33:46) 7.おもしれ~!と思わずうならされる刑事サスペンス。イタリアでは「自転車泥棒」が出没している頃、日本ではピストル泥棒が発生。暑い暑い最中、暑苦しい顔の刑事(ミフネ)が拳銃を盗まれてしまう。町中を彷徨う刑事(もちろん彼は他人の拳銃に手を出したりはしない、よね?)、その執念が前半描かれるのだけど、手がかりを持っているらしい女性を追い続ける場面の、セリフの無いパントマイム劇が見どころ。このシーンの音楽もなかなか絶妙。この映画、既成音楽の引用も多い(シーンと対比される明るい音楽がしばしば用いられる)のだけど、やっぱり早坂文雄のオリジナルスコアが、見事であります。さて映画後半は、ベテラン刑事(シムラのおっちゃん。結構若い)との捜査が描かれます。拳銃が悪用されるたびに大げさに悩むミフネ刑事の深刻ぶり加減が、良くも悪くもクロサワ映画だのう、と思っちゃうところなのだけど、そういう“舞台的”“戯画的”な部分が、この映画では特に、数多い登場人物の存在感をそれぞれ際立たせ、「うまい脚本だなあ」と思わせられるところです(脚本のウェイトの高さが、黒沢映画の批判を受ける部分かもしれませんが)。野球場のシーン、あるいは安ホテルのシーンでの、無類のサスペンス感覚。クライマックスの対決シーンも忘れられない。子供たちの歌声を背景にした、犯人の呻きは、時代そのものの呻きでもあります。戦後まもないこんな時代によくこれだけの作品を作った、と同時に、この時代でなければ生まれなかった作品、なのかもしれません。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2008-12-09 17:20:59) 6.皆さんが書かれている通りで今更付け加えることは少ないのですが、とにかく刑事ドラマ(映画)の最高峰であることは間違いありません。刑事モノの全ては直接・間接的にこの映画に影響を受けていると思います。全てが最高ですが、一番印象的なシーンは志村喬の登場シーン、アイスキャンデーと取調室のところでしょうか。よく言う「人間が描けている」という点でこの取調室のシーンは非常に勉強になります。 【Sean】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-07-24 13:36:41) 5.《ネタバレ》 三船敏郎さんが手がかりを求めて延々とずっと闇市をさまよい歩くシークエンスが素晴らしい。台詞なしで、映像と音だけで、こんなに吸引力のある場面を作り上げられるなんて、なんて映画的な、素晴らしいセンスだろうと感激しました。音楽の対位法的な使い方(緊迫感のある場面にノーテンキな音楽が聞こえてくるとか)も冴え渡っていて、ラストの犯人との対決の場面とか、非常に効果的だったと思います。 【藤堂直己】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-02-12 03:27:58) 4.刑事ドラマの原点といわれる この映画ですが! 暑さを見事に表現していましたね そして雨が降るときは半端なく降る、本当に中途半端な事をしない監督ですね 【月読】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-02-10 21:39:15) 3.この映画はとにかく暑い! クーラーをつけて観てもまだまだ暑い! 特に延々と闇市を歩き回るシーンの暑さは凄まじい。逆にあの暑苦しさがないとこの映画は生きてこないと思う。三船・志村のコンビも非常にいい(この映画のように「動の三船」「静の志村」の組み合わせが好き)。あと出番は少なかったけど、『七人の侍』からは想像もつかないようなキャラを演じた木村功が光ってました。 【とかげ12号】さん [ビデオ(吹替)] 9点(2005-11-20 17:48:55) 2.若さゆえ犯人に同情的になってしまう三船とそれを是正する志村…この辺りのバランスが絶妙で良いです。 映像的にも人物と風景の絡みが絵になっているシーンが多く素晴らしいと思います。 【番茶】さん 9点(2003-11-20 22:51:30) 1.どのシーンも手を抜かないセットで今また重みが増します。夏の熱さをここまで精神状態の表現に利用出来た作品も珍しいのでは。エアコンがない時代の逸品。なんでも戦争のせいにするな、同じ目に合っても真っ当に生きている人もいる、という内容の三船のセリフが教訓になった。 【チューン】さん 9点(2003-10-22 10:06:34)
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