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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
14.《ネタバレ》 ルイ・マルの自伝的要素がこもった傑作。 この映画は、銃弾を1発も撃つことなく戦争の悲劇を伝える。 電車、駅、別れの挨拶を交わす母と子。クリスマス休暇を終えて寄宿学校に戻っていく子供の姿から、この映画は始まる。 学校では、人々の合唱が校内を包む。 寝静まる前のベッド、子供たちは新しい生徒への“挨拶”も忘れない。 窓の外で睨みを効かす軍人が、戦争を静かに物語る。 竹馬での遊び、空襲警報が続く中も防空壕で勉強を続ける熱心な教師。爆撃音が遠くで響く様子が怖い。 ピアノのレッスンでは、美しい女性が優しく教えてくれる。 空襲が続こうとも、ピアノの音色は度々響き渡る。 時々出入りする若い軍人たちもまた、寄宿生と年齢が少ししか違わない“子供”たちでもあるのだ。 森の中でのおにごっこは、まるで戦場を行くように描写される。今軍人として殺しあっている兵士もまた、彼らの様に遊びまわる子供時代があっただろう。 フランソワ・トリュフォーの「あこがれ」でも、そんな事をふと思ってしまうシーンがあった。 おにごっこの果て、洞窟の中に隠された探し物。 不安定な足場、徐々に暗くなる空の色が不安を煽る。 仲間と再会し一安心したのも束の間、薄暗い森の中には猪以上の獣も潜んでいるだろう。 そんな獣のように眼光を光らせる軍人に助けられるシーンは面白い。 食事の席で軍人たちが交わすやり取りが怖い。戦争はまだ終わらない。 劇中で流される「チャップリンの移民」でゲラゲラ笑う子供たち。俺もついツラれて笑ってしまう。 ピアノのカップルも口付けを交わす。 少年たちは戦争もなんのそので友情を深めていたが、その平和な日々は突然終わりを迎えてしまう。 ユダヤ人というだけで“別れ”なければならない悲しさ。 神父たちが「さよなら子供たち」と言い、壁の向こうに消えていくシーンが忘れられない。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-05-20 19:48:29) 13.《ネタバレ》 ルイ・マルが、表現者として、また、その時代を体験した者の義務としておそらく心の傷を抉るような思いで撮ったであろう作品。ルイ・マルの筆致は実に淡々と、日記をつけるように日常を語る。好きな本の話をしたり、相手の家庭に興味を持ったり、ケンカもしながら友情を育むカンタンとボネが微笑ましい。その日常を突如として切り裂く戦争の爪、静かに筆記具を片付けて従容としてゲシュタポに従うボネ。チャップリンの映画に笑い、ピアノが上手で博識で、つややかな頬の少年を待ち受ける苛烈な運命を思うと、胸が潰れそうだ。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-07-14 00:53:44)(良:1票) 12.「シンドラーのリスト」や「アンネの日記」などユダヤ人を扱った映画は数多くあれど、これはこれでまた良い。ルイ・マル監督の思いが込められたすばらしい作品だと思う。映画は途中までは学園ものかと思わせるほどの、微笑ましい日常生活が続くが、ドイツ占領軍のユダヤ人狩りは少しずつ迫ってくる。そしてひとつの密告から急展開に。 監督自身の少年時代の忘れられないできごとが基になっているため、とても説得力があるように思う。連行されるユダヤ人らを見送るラストシーンは、私自身も忘れることができない。なおピアノ演奏されるシューベルトの「楽興の時」第2番は、この映画に実によく合っていて、これまた心に深く刻まれる。 【ESPERANZA】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-05-28 08:43:56) 11.なかなかお目にかかれませんよね あちこち時間をかけて探してもなかなか見つからない 買うとしたなら中古市場でもウゲゲな値段になってるし、それに某ツタヤディスカスのDVD宅配レンタル在庫はたったの一枚しかないというのに、一位予約希望者が今では40名越えなんですよね これではラチあかない だから必死で探しましたさ 福岡県内を。でも置いてない見つからない何でないんだ だめじゃん福岡って諦めかけた時、幸いにも見つけてしまったんですよね ツタヤ老司店で。ありがとうツタヤ ナイス老司店 ナイス自分。観れてよかった 長年のまだ見ぬ恋人的存在だったんですよね さよなら子供たち。 残念ながらレンタル物件なんで手元には残らないんですが、7日間のあいだで十分3回観ました 堪能出来ました。 見方としては一度目フルに流して(子供たちの名前はどれが誰なんやら案外わからないまんま) 二度目は字幕が読めるスピードで中盤まで早送り(正直、前半部分の展開はかなりだるいんで早送りしてしまったのも致し方ないとは思ってる)。そして、子供たちの顔と名前、登場人物、出来事、結末を全て分かりきった上で観直した三度目、 一度目二度目を見終えた時以上に切なくてやるせない思いが沸々と増していた。それと同時に考え込むべき要素が増えていた。そんな自分的見方を参考に申し上げておきたいんですが、これ、一度流す程度に観ただけでは満足出来ませんよ 例え途中のだるい展開を早送りするなりしたとしても とにかく子供たちの顔と名前を一致させてから観る事により、もっと意味がわかってきます 悲しさが増します。 よって、せめて一度以上の鑑賞される事をお勧めしてみたいんですが、余計なお世話になってしまいましょうか どうもすみませんでした。 【3737】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-08-02 22:10:07) 10.《ネタバレ》 ルイ・マル監督自身の心の叫びのようなものがひしひしと伝わってくる。監督自らの幼かった頃の体験、戦争が親友を引き裂く。子供にとっては戦争なんて、大人達の、また国の身勝手さの前には何もすることが出来ないという叫びが静かに訴えかける作品になっている。二人の少年の友情と別れ、けして、大げさに叫んだり、わめいたりもしない。戦争映画ではあるけど、派手なアクションシーンもない。ラストのジュリアンとボネの別れのシーン、手を振るジュリアンに対して、それをただ眼で追うようにして、別れをする場面の悲しさ、お互い、もっともっと好きなことを語ったり、遊びたかったに違いない。だからこそ余計に心に染みる別れの刹那さ、言葉を交わすことなく別れてしまう二人の心に残るであろう、悲しみ、大人には解らない子供心の刹那さ、色んな意味でこの映画における戦争というものの許せなさ、校長先生の「さよなら子供たち」という言葉が子供たちの心に忘れたくても忘れられない言葉として、一生残るであろう!タイトルの「さよなら子供たち」何とも悲しく切ない子供たちの別れの映画として、ルイ・マル監督の映画の中でも監督自身が忘れられないと言っているそんな作品であって、また監督がチャップリンが好きなんだなあ!あの皆でチャップリンの映画を楽しそうに観ている場面が出てくるのを観るとそう思わずにはいられなくなるし、悲しい映画の中で唯一、楽しい場面であって、あれは戦争中であっても、映画ぐらいは楽しい映画を!何か一つぐらい皆で楽しみたい。という願いが込められているように感じずにはいられなくなります。ルイ・マル監督作品の中で最も好きな、面白い映画は「死刑台のエレベーター」だとすると、最も悲しくてやりきれない怒りが感じられる作品がこの映画です。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2010-06-05 19:57:51)(良:2票) 9.《ネタバレ》 ルイ・マル監督の少年時代の実体験を映画化したものです。ルイ・マル監督にとって、とても辛い仕事だった事でしょう。美しくもどこか寒々しさを感じさせる色調の映像が印象に残ります。今まで幾つもの映画を見てきましたが、この作品のラストシーンは最も強烈に印象に残るラストシーンの一つであり、忘れること事ができません。神父とユダヤ人の子供が一列になって連行されていく。それを見送る子供たちが誰からともなく「さよなら神父様」と口々に声を掛ける。それに神父が振り返り、たった一言「さよなら子供たち」と返す。それに続くジュリアンの何ともやるせない、物悲しい表情。非常に重く、忘れ難いラストシーンです。見送る者と見送られる者。この両者の間に人種や信じる神が違う以外に同じ人間として何の違いがあるというのか・・・。神というものが存在するならば何故こんな蛮行を見逃されるのか・・・。映画が終わり、劇場を後にしてからもいつまでもこんな結論の出ない思いが頭の中をぐるぐると回っていた事を思い出します。公開当時劇場で見てから20年が経った。観ようと思えば再び観るチャンスはあるのですが、いまだにもう一度観ることが出来ずにいる作品です。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-12-08 23:46:23)(良:2票) 8.《ネタバレ》 この作品は、あの大戦のホロコーストに関心があるかどうかで、 見る人それぞれに評価も分かれてくるかと思う。 当時12歳のルイ・マル監督が幼少時代に経験した出来事を描いた自伝的映画。 この作品では主人公が疎開先のカトリックの寄宿学校に向かうところから始まり、学校で知り合った友がナチスに連行される場面までを描いている。 ゲシュタポが摘発に訪れるその瞬間まで、 戦時下でありながらも学園内にはごく普通の日常の生活があった。 平和なはずの学校にまで忍び込んでくるナチス=戦争の恐怖と愚かしさ。 それを極力BGMを用いずに終始淡々と、しかししっかりと、この作品は描いている。 さよならと言い残すこともなく去っていったユダヤ人のボネ。 生徒を保健室のベッドで寝かせ、自分は戸棚に隠れ、 生徒を残して自分はひとり姿を消した男性教師。 「これが戦争さ」と吐き捨てるようにつぶやく用務員の少年。 ユダヤの子を匿い、最終的に命を奪われた神父。 いつだって戦争を起こすのは人間で、またその戦争が 人間を狂わせるのだということを改めて考えさせられる。 そしてあの少年が、静かに連行される場面、 初回も、2度目でも、彼のその後の運命を思うと 見るたびに涙がにじみ出る。 その後のラストのあの場面。 ユダヤの子とともに、逮捕され連行されていく校長先生。 「さよなら ジャン神父さん」 子供たちのその声に、校長として 「さよなら子供たち」と最後の言葉をかける。 連行される者達に、近寄ることも、抱き合うことも許されない。 唯一できることは互いに、別れの言葉を投げかけるのみであった。 同じ人間同士であるはずの彼らを分け隔てた、 捕われる側と傍観する側が対比する場の描写が、あまりにも悲しい。 【☆Tiffany☆】さん [地上波(字幕)] 9点(2007-08-11 11:07:08)(良:3票) 7.やりきれないけれど、これが人間がしてしまった大きな間違いであることは消せない。いつまでも残すべき作品だと思います。 【アンダルシア】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-11-19 16:49:15) 6.映画の中には誰もが観なくてはいけない、と言ってもいい作品があると思う。この作品はその中の一本だと思う。ユダヤ人迫害の歴史は勿論、差別だらけの人間のつまらなさが表れている。少年たちの表情が悲しく切ない。 【じふぶき】さん 9点(2004-09-20 22:00:41) 5.こどもたち=純粋無垢・天真爛漫な存在、と型にはめていないところがいい。悪ガキがいて、いじめがあって、それでも独自な「彼ら」の世界がある。けれども、響き始めた戦争の足音は、その全てを奪っていく。激しい戦闘シーンも、流れ続ける血や涙の描写も無いけれど、「彼ら」の世界が無残に葬り去られる様子が、降りしきる雪のようにただ淡々と描かれる。「さよなら」の言葉は、去り行く仲間に対してだけではなく、二度と戻らない「彼ら」の世界に対して向けられていたのかも知れない。そして、友人に対して何の力にもなれず、あの日に帰ることも出来ない、傍観者である「私」に対しても。 【中山家】さん 9点(2003-12-03 02:11:32)(良:1票) 4.子供たちの友情が淡々と描かれる中で、森の中を子供とともにカメラが駆け抜けるシーンが幻想的で、印象に残ります。で、その日々は、突然、ナチスによって断ち切られちゃいます。その瞬間は直接理解できない程深い衝撃。戦争を含めた、人生における不条理さに対する怒りみたいなものが、かなり抑えられた表現ですが、よく感じられます。オールヴォアール、レザンファン、仏語知らない私でも、さすがにこれは判る。グッときます。 【鱗歌】さん 9点(2003-08-24 12:01:05) 3.チャップリンを皆で観るシーン、私も一緒に笑ってました。カンタン君色っぽいですよねー。 【kawa】さん 9点(2003-05-14 19:17:01) 2. すごく切ないです。学校では、多少のいじめ(?)こそあれ、様々な人種が分け隔てなく遊んでいるのですが、それを一度に壊してしまったのが、この戦争なんですね。淡々としているのですが、シャルロ(チャップリン)を観て楽しむシーンや、ゲシュタポが入ってきたときの緊張感、何ともいえずリアルでした。結末も、さることながら、ジャンが握手をして去っていくシーン、哀しかった。 それにしても、ジュリアン君、可愛かったなぁ。 【アイカワ】さん 9点(2003-04-05 16:44:34)(良:1票) 1.これ、監督の実話なんですよね?ユダヤの少年が教室から連れられて行くシーン、監督は泣きながら撮影したそうです。私は2回映画館で観て、最後のシーンでは2回とも泣いてしまいました。ちょっとうろ覚えで説明間違ってたらスミマセン。でもとっても良い映画でした。戦争は残酷です… 【水玉】さん 9点(2003-03-28 18:32:53)
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