みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
5.《ネタバレ》 サイレント時代は漲る若さで撮った「大人の繪本 生まれてはみたけれど」、 そしてトーキーにおける小津の最高傑作は、個人的に「戸田家の兄妹」あたりだと思う。 小津の作品と言うと説明的で説教臭い話が多く、俺のような人間にはまず肌が合わないタイプ。 そんな俺でもこの「戸田家の兄妹」は良い作品だと思ったよ。メッチャ良い! 「東京物語」ほどかったるくないし、何より家族が崩壊していく様子をストレートに描写していくところに惹かれる。 突然の死や老いた家族のたらい回しなんか「東京物語」より残酷さを感じた。 戦前の映画で家制度の崩壊をここまで辛辣に描けたのは、家族を何十回と描いていく小津だからこそ出せた答えだ。 葬式の後に遅れてやって来た昌二郎は、正に家族への怒りをストレートにぶつける代弁者。江戸っ子人情を噴出させる小津のな。 「食うや食わずの人間だって、親と子の関係はもっと暖かいもの。どれもこれも一つの腹から生まれながらこの有様はなんだ!」 こ の 有 様 は な ん だ ! ! 「人が何と言おうとそんなこと構いやしないよ、対面だとか体裁だとか、世間体とか、そんなことじゃ何にも出来やしないよ。」 何故だろう・・・説教臭い匂いが無い。だって誰もが思う怒りがここに集約されているもの。 良い意味で小津の「家族」描写が完成された作品。唐突なラストもまた意味深だったりするのかも。 斎藤達雄はこれと「宗方姉妹」を最後に小津作品に出なくなってしまった。もう少し見たかったよ・・・。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-01-08 10:16:38) 4.佐分利信は間に合わない。集合写真、父の死に目、一周忌、ことごとく遅れて登場する、規格外の服で。世間体に背を向けるかのようなアウトローといえば言い過ぎだが、そんな振る舞いが、バッサリと身内を、世間を断罪する。そんな必殺シリーズのような構造ですが、この作品は手の動きの細やかさが楽しい。高峰三枝子がエプロンを叩きつけた後にそれを撫でる、エプロンの裾をつかんで人を迎える、糸をお手玉のようにして遊ぶ、孫がおばあちゃんの手を取る、ライターや扇子を触りながら話をする男たち、縫い物に勤しむ女たち。手は口ほどに物を言う。 【彦馬】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-12-12 17:53:08) 3.ひさしぶりに小津作品が観たくなり、そこで手に取ったのがこの作品。『東京物語』で心から感動した僕は、家族の崩壊を題材にした小津作品が他にもあると知り、そこで拝見したのがこれ。序盤では、なんら家族に異常はなく、ストーリーはたんたんと穏やかに進んで行く。しかし、後半に入ると遂に崩壊が始まり、理不尽で、無責任な子供達の行動の数々に、怒りを感じずにはいられなかった。壁に丸い拳大の穴を開けてしまいそうになった。そして終盤では『東京物語』では無かった、無責任な兄妹達の行動に対し、次男が厳しく説教する場面があるが、あれは非常に爽快だった。良くぞ言ってくれました!と歓喜の拍手を贈りたくなるほど感激しました。腹が立つ事もありましたが、終って見ればとても晴れがましい気持ちで胸が一杯です。この小津作品もとても素晴らしい内容の、素晴らしい作品でした。 【ボビー】さん 9点(2005-01-07 19:30:02)(良:1票) 2.『東京物語』につながる、家族の崩壊をテーマにした傑作です。『東京物語』では、崩壊を受容していく老夫婦を主人公に据えていますが、本作では若き次男を中心に据え、崩壊を徹底的に否定する視点をラストに盛り込んでいます。小津監督は『東京物語』では老夫婦に、本作では若き次男に自己を投影させていると考えると、年月を経て、同じテーマを別の視点で扱った2作品の比較はとても興味深いものがあります。『東京物語』のレビューで「年を重ねないとわからない映画」という思いが付きまとう、と書きましたが、こちらはまさに胸のすくような痛快な作品になっています。『東京物語』では老夫婦が「まあ、わしらええほうじゃよ」と言うのに対し、本作では、満州帰りの次男が「食うや食わずの人間だって、親と子の関係はもっと暖かいもの。どれもこれも一つの腹から生まれながらこの有様はなんだ!」と、強烈にまくしたてます。家族の崩壊という必然を否定する要素を強調したことで、『東京物語』には存在した、死生観や無常観といったものは削ぎ落とされてはいますが、小津作品の中では一番のお気に入り映画です。『東京物語』の息子や長女の態度はちょっと我慢成らぬぞ、という方はこちらですっきりして下さい。 【スロウボート】さん 9点(2004-01-12 20:49:35)(良:1票) 1.小津作品初めて見た。とてもおもしろかった。なんか火垂るの墓のおばちゃんを思い出しました。あのしゃべりかたできっついなぁと。でも実はそんな不幸ってわけでもないんですけど、なんかすごい不幸そうに見える。一周忌のところのシーンかっこいいです。 【バカ王子】さん 9点(2004-01-05 22:07:15)
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