みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
11.《ネタバレ》 普段は怒りも興奮もなく職務にまっとうしますが、タイプライターを素早く隠して肝を冷やしたり、クリスタ=マリアに1ファンとして熱烈に訴えたり、デブ専熟女デリヘル愛好者だったりするヴィースラーさんがとても可愛いです。鑑賞後はいつもとても清らかな気持ちになります。本作を超える映画が今のところありません。 【DAIMETAL】さん [DVD(吹替)] 10点(2014-08-17 02:24:07) 10.《ネタバレ》 久しぶりに良い映画を見た。 上質のブランデーのごとく、心地よい余韻があった。 そして、一度見ただけでは拾えなかった細かい個所をもう一度見ながら 詳さに検証した。 私にとって良い映画というのは、そういう映画であり 終わってすぐでも、続けて観賞に耐えられる映画なのだ。 ドライマンの部屋を覆うにぎやかさがあっても、全体を漂う静謐さ。 その静かさを補ってやまない、ヴィースラー大尉の瞳の雄弁さ。 澄み切った瞳を持つ大尉とは対照的な俗物たち。 主役だっただけではなく、ウルリッヒ・ミューエの存在がこの映画の肝だった。 最後のせりふと大尉の表情を私は一生忘れないだろう。 【バッハバッハバッハ】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-08-28 13:44:08) 9.《ネタバレ》 実は、冒頭10分位で一回飽きてレンタル返却前日に通して全部観たんだけど、結論、ここまでの作品は年に数本出会えるかどうかだと思った。ラスト15分、本当に素晴らしかった。あの車の中から新聞を配る彼を見つめるシーンは、ハリウッド映画だったら駆けつけて話をしちゃうんじゃないかなと思った。お互い本当は話をしたかっただろうし。ヨーロッパ映画のあの淡々とした演出が鑑賞後、全てのシーンの意味が繋がって感慨深い印象が残るこの感じ、大好きだ。 【ネフェルタリ】さん [DVD(吹替)] 10点(2012-04-05 10:03:22)(良:1票) 8.《ネタバレ》 悪役が次第に心変わりして人を助ける話に弱い。決して感情を顔に出さないヴィースラー大尉だが、意気消沈しているクリスタを励まし、恋人たちの危機を救い、2人が愛と信頼を回復しているさまを確認して、自分が冒した冒険の成果に酔いしれる。シャンパンのコルクが弾ける音に耳を痛打され、体制批判を繰り返す劇作家たちの言動に、「こらえろ」「みのがしてやる」とぶつぶつつぶやき、彼らの部屋が捜索される際には気をもみながらハラハラする。こんなかわいらしいおじさんが、泣く子も黙るシュタージ関係者とは驚きだ。無表情の彼の心情をどこまで視聴者が汲めるか試すような、決して饒舌ではない脚本の素晴らしさに舌を巻く。また、劇作家が自分の生活を盗み聞きしていた体制をクズと呼びながら、その実行犯に対して謝意を示すという複雑で繊細な心理を、この映画はとてもしなやかに、粋に描いている。人を許すこと、愛に生きること、人のために、自分のために生きることの尊さ等が、『善き人のためのソナタ』というラストの「書名」に収れんされていく…。 (「ソナタ」とはあるが、これは音楽、演劇、小説を問わず、あらゆる芸術の象徴として選ばれた言葉ではないかと思う) 【tony】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-03-13 10:34:19)(良:2票) 7.大尉の無表情な中、目で見せる演技が見事。見た人の内面にジワジワと染み込んでくるような映画です。愛を感じさせるラストシーンも素晴らしい。ヴィースラー大尉役のウルリッヒ・ミューエ彼が亡くなられたのが本当に残念です。自分の中では100点の映画です。 【akila】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-02-19 02:47:06) 6.《ネタバレ》 '00代は個人的に、比較的良作が少ない感じだったが、この年代では五指に入る名作。作家も脚本家も音楽家も演出家も、その他、芸術表現を志す人全てに見て欲しい作品。 芸術家とは、偽りのない感情で表現し、人間の心を動かす人のことだと思う。媚びを売った芸術では、人の心は動かせない。僕はこの映画から、そのようなメッセージを受け取った。 主人公は中盤に、「東ドイツで本音を語れる唯一の場所」で、心を揺さぶる本当の芸術に触れてしまった。監視者は観客になっていく。感情を殺して生きてきた主人公は、その後のシーンで娼婦を抱くのだが、このシーンが切なくて実にいい。主人公は、愛というものをそれまで知らなかったのかもしれない。感情を押し殺してきて、そんな瞬間を知らなかったから、これまで非情に振舞えた。その後も、ベートヴェンやブレヒトが上手くきいている。エレべーターの子供のシーンもうまい。 バーで主人公が、女優に話しかけるシーンで、「あなたの舞台を見た」という。あなたのファンだと。彼が云う舞台とは、冒頭で見た舞台とは別のことだろう。 その後も、感情がすこしずつ顔を出すようになる過程が◎。よく練られた巧い脚本だと思った。ラストシーンも納得。芸術の為に身を投じた主人公に報いる為には、本当の芸術で恩返しするしかない。それ無しでは、あわせる顔もないだろう。 ただひとつ不満なのは、邦題。ソナタは象徴的に使われてはいるが、なぜ本国で題名にされなかったかを考えれば、これはないんじゃないかと。ソナタとは盗聴器で聞いたすべての出来事だと捉えても、誤解を招く表現だと思う。 最後に、芸術家を育て上げた芸術家、ヴィースラー役を演じたウルリッヒ・ミューエのご冥福をお祈り申し上げます。あなた無しでは、このような芸術は生まれなかった。 【Nujabest】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-01-15 12:42:13)(良:1票) 5.単純な社会主義批判を超えて人間の優しさと強さを教えてくれる。言葉ではなくストーリーのみで主人公の心情を表現し切っているところが素晴らしい。ラストは映画史に残る名台詞だ。ずしんとした心地よい重さが残る。 【ぷりんぐるしゅ】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-02-01 12:17:18) 4.《ネタバレ》 一見したところ「善き人のためのソナタ」という題名の方がぴったりと来る印象なのに、原題はどうして「他者の人生」なのだろう。それを少し考えてみると、この映画をより深く味わうことができるように思います。・・・・・大尉はどうして変わったのか。・・・大臣とクリスタとの関係を、呼び鈴を操作して故意にドライマンに知らせたのは大尉でした。大尉は、ドライマンとクリスタとの関係が破壊され、ラズロ作戦の目的がより容易に達成されると判断したからでしょう。しかし、二人の愛は逆に深まってしまう。[・・この二人の孤独な魂がふれあうようなシーンは実に素晴らしい]・・大尉は自分と違う世界に突然に遭遇して混乱する。ベッドに手を当て、その世界が何であったのかを理解しようとする。・・・・そして少なくとも、その愛の行方を見届けたいという気持ちに強くひかれてしまう。・・・・酒場でクリスタは大尉にいいます。「guter mensch善い人ね」、・・・・他者の人生に接し、それを赦し、理解しようとすること、そしてそれが自分を変えることになるのなら、甘んじてそれを受けること、それが善きことの本質なのだ、と映画は語っていると思いました。つまり、旧東ドイツのシュタージを直接のテーマとしていながら、この映画はそれを越えた普遍的な事柄に迫っています。・・・・・・それにしても映像の美しいこと。また例えば大尉の報告書のインクリボンの跡など、細かな映像上の仕掛けなど、隅々まで素晴らしくできあがっていると感嘆しました。 【王の七つの森】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-01-29 12:28:02)(良:3票) 3.《ネタバレ》 静かな雰囲気の中淡々と、そして非常に丁寧に登場人物の心情を描いています。まるで小説を読んでるようでした。クリスタの女優としての道をとるか、恋人との愛を取るかの葛藤。そして最終的に愛を捨ててしまった時の心情。ドライマンがラストあえて声を掛けずに違う方法で彼に礼を述べたこと・・語りたいことは沢山ありますが、その中でも特筆すべき点はやはりウルリッヒ・ミューエ演じるヴィースラーの心情の移り変わりの描き方が本当に丁寧なことです。ドライマンが弾いた「善き人のためのソナタ」を聴くシーンから本当に少しずつヴィースラーの心情、考えが変わって行きます。完璧な社会主義者の彼が他人の生活(Das Leben der Anderen)の中で何を感じていったのか・・・そして変わり行く中であの東ドイツを見て何を思ったのか・・・それらが観ている自分に、じわじわと伝わってきました。ラストシーン、ドライマンからの礼を受け取りうっすらと笑みを浮かべたヴィースラーの表情がとても印象的で忘れられません。派手な演出は一切ありません、地味な演出がそっと心の琴線に触れます そういう心情を見事に表現したウルリッヒ・ミューエの演技にも注目していただきたい。ヴィースラーの心情の殆どを彼が、その演技で、その表情で表現してくれています。彼自身旧東ドイツの出身で当時の妻に行動を密告されていたという過去があったそうです、あの迫真の演技が出来た理由は実際にあの時代をあの場所で生きた。そんな実体験があったからなのでしょうか。良い役者に出会えたな、と思ったら胃癌のため急逝されたそうで・・・、御冥福をお祈り致します。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-09-23 01:53:19) 2.《ネタバレ》 観終わった後、素直に「ああ、素晴らしい映画をみたな」と思える作品でした。オープニングの掴み(非常に勉強になりました)も抜群で、ストーリーも淡々とした進行ながら社会主義政権下の監視社会の様子を上手く描いていて全く飽きさせることがなくラストも本当に見事な締めかたで、おまけに旧東独の様子や監視・取調べの手口なんかも知ることが出来るというまさに言う事なしの映画です。 【TM】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-09-09 00:25:51) 1.ヴォリュームもテンションも控えめで穏やかな終盤シーンにもかかわらず、展開の見事さに開いた口が塞がらない。皮肉による苦味も含みつつも、静謐で寡黙で感動的なピリオドの置き方が素晴らしい。かつて無いほど感動。泣く暇がないほどの感動って言うのも、あるんだなぁ。蛇足かもしれないが、1973年生まれのこの若き監督、これが初長編作品だという。 【aksweet】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-08-23 01:14:24)(良:1票)
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