みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
7.《ネタバレ》 原作未見。期待して見始めたが、開始の音楽がなんか予想外に軽いし、いきなり「ナンミョーホーレンゲーキョー」ではじまってかなり泡食った。どうでもいいような話がいくつも続くし、初のカラー作品だからとは言うものの、あの赤と黄色の対比はどうもしっくり来なかった。貧乏って、もっとくすんだ色だろうに。正直、前半で一時鑑賞を中断した。 が、思いなおして見てみると、不思議に一つ一つの話にぐいぐい引きずり込まれるのだ。あえて言えば本作の主題は「人間の愚かさ」である。どれもこれも救いようがない話だし、機知に富んだ話もあることはあるが(劇薬を飲む話)、結局のところ語られるのは人間の愚かさであり無力さである。こうなった原因はなんだろう。貧乏か。社会か。差別か。いや、何が原因であれ、この愚かさもまた人間の本質なのだ。 ここには「生きる」や「赤ひげ」のような美しく感動的で力強い結末など存在しない。誰かがちょっと手を貸してやれば助かるような子供ですら実にあっけなく死んでしまう。妻が改心して戻った話も、夫が一つでも言葉をかけてやれれば妻は救われるのにそれができない。哀れである。その哀れな中に美しいものが見える瞬間がないでもない。例えばかつ子が酒屋の配達をする男との別れ際に「ごめんなさい」とつぶやくセリフ。この相手に全く届かない(すでに自転車で去ってしまっているから)セリフが、はかなくも美しい。悪妻を非難された男が憤る場面もそうだし、他人の子供だとわかっているのに「みんな父ちゃんの子供だ」とにこやかに宣言する父親の姿も美しい。が、よく考えるとこの美しささえ、愚かさと同居している。 話としてまとまっていないとは私は思わなかった。むしろ人間の醜悪さを描く上で、この形式は逆に効果的ではないだろうか。醜悪なまたは弱々しい人間が醜悪な事件を重ね、そしてどの話も救いらしい救いがないまま物語は進行する。母の信心にもかかわらず毎日毎日何も変わらず走り続ける六ちゃんの電車のように。 あと一つ気になったのは根岸明美の長ゼリフの場面、役者の動きといいセリフといいカメラの動きといい、映画よりも舞台くさく、しかも素人くさかった。 さらに死んでしまう子供はかわいいけどセリフが……。どうしてもしゃべらなければならない場面以外は、ただうなずくだけでもよかった気がする。 【空耳】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-08-13 08:46:49)(良:3票) 6.すごい濃度。電車の絵に埋め尽くされた部屋の狂気と無邪気が同居した美しさ、それを中和する武満徹の音楽。オープニングからどんどんひきこまれました。さまざまな人間の局面を切り取って哀しくもあり、可笑しくもあり、一つ一つのシーン、映像、構図、台詞、完成されていて極上の紙芝居というか写真というかとにかくどこをとっても美しかった。 【なすび】さん 10点(2003-02-16 22:04:03) 5.黒沢明が始めてカラーに挑戦した映画です。石にまで色塗ったと言うじゃありませんか。画質がとっても悪いのにカラーに気合いが入っています。ストリーテラーという役割でろくちゃんが町中を電車のフリして走り回る。そして知恵おくれの自分と対比するがのごとく人間的にバカな人物が多くでできます。実は最も黒沢映画らしくない。そんな感じです。 【セクシー】さん 10点(2003-02-11 02:43:23) 4.masterpiece! 【鮭】さん 10点(2002-12-19 14:53:07) 3.勝手に黒澤映画の最高傑作に認定。 【ベン】さん 10点(2002-12-03 19:00:41)(良:1票) 2.頭師佳孝が電車の運転をするシーンで何も無いのに自然に電車の音が聞こえてくるシーンは、誰でもが持つ子供のころの感性を喚起させる。黒澤さんが楽しんで作ってと思う。全編を通じて少年の視点で撮られているような気がしますた。晩年の映像美も少年の感性で作ってある、 【きれぎれ】さん 10点(2002-08-13 19:47:04) 1.黒澤明の最高傑作。恐妻家の伴淳三郎と乞食の親子のエピソードは何度観ても泣ける。 【クチイシ】さん 10点(2002-01-18 21:54:53)(良:1票)
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