みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
3.この作品のテーマは野球ではなく、一人の元メジャーリーガーの苦悩と成長です。将来のスーパースターと期待されたメジャーリーガーが選手としては挫折し、スカウトに転向し、GMになり、離婚をして、定期的にしか会えない一人娘を気にしながら、自分を見つめなおしていくストーリーです。そこには大金の契約金につられて名門大学の奨学金を蹴ってまでしてメジャーリーガーを選んでしまった後悔の念が常につきまといます。そんな複雑な心情の男を演じきったブラピの好演が光ります。彼のキャリアベストの演技でしょう。またアシスタントGM役のジョナ・ヒルも良い味を出しています。野球のシーンは実在の映像と俳優陣を効果的に混ぜながらうまく編集をしています。2001年、2002年当時のアスレチックスの試合をリアルタイムで観ていた自分にとっては感慨深いまさに特別な作品です。 【みるちゃん】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2019-09-07 10:28:16)(良:1票) 2.先駆者は常に批判を避けては通れないのだろう。自分の理論を信じて貫く主人公の、挑戦を諦めない姿はカッコイイ。 主題歌であるThe Showも作品にマッチしていて素晴らしい。 メジャーリーグの知識が少しでもあれば、十分に楽しめる映画になっている。 【アクアマリン】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2019-02-17 17:31:31) 1.《ネタバレ》 この映画の脚本は、アーロン・ソーキンとスティーブン・ザイリアンという2人のアカデミー賞受賞者が担当している。 ・・・弱小球団アスレチックスを、「マネーボール理論」によって奇跡の“再生”を実現した若きゼネラル・マネージャー、ビリー・ビーン。その半生を描くという展開だけを見るなら、これは米国版プロジェクトXというか、典型的なサクセス・ストーリー以外の何物でもない。 だが、ソーキン脚本の『ソーシャル・ネットワーク』がそうだったように、これは、実在の人物に材を得た単なる成功譚というより、はるかに同時代的かつ思索的な「内省」へと見る者を導く、すぐれて知的な映画だといえるに違いない。と同時に、ザイリアン脚本の『シンドラーのリスト』がそうだったように、これはひとつの「歴史」を変えた人物が、“何を成し遂げたか”という伝記的な側面より、その「内面」の変化(それを、「成長」とも「成熟」とも「覚醒」とも呼んでいい)を見つめた映画でもある。 そう、『ソーシャル・ネットワーク』は、主人公が“何かを成し遂げた(=成功した)ことで失ったもの”の大きさを、まさにひとつの「悲劇」として描いたものだった。一方、この『マネーボール』のビリーは、将来を嘱望されながらメジャーの選手として大成しなかった。そんな男が、今度は弱小球団のGMとして革新的な理論で優勝をねらえるチームづくりを実現してみせる。まさに、“失ったことで、何かを成し遂げた(=成功した)”人物なのである。そして、他球団から多額の年俸で引き抜きの声がかかっても、ビリーはアスレチックスにとどまる。彼は「金額」に置き換えられるような成功よりも、もっと「かけがえのないもの」があることを学んだのだ。あのオスカー・シンドラーのように。あるいは、驚嘆すべきザイリアンの初監督作、『ボビー・フィッシャーを探して』の天才チェス少年のように。 こうして『マネーボール』は、ソーキンとザイリアンという名脚本家たちの、理想的な合作ぶりを堪能できる作品となった。もちろん、それを見事に映像化してみせたべネット・ミラー監督の手腕も、高く評価されるべきだろう。メジャーリーグという喧騒と熱気に満ちた世界を描きながら、あくまでも静謐でクールな映像のなかから登場人物たちの“体温”が確かに伝わってくるような演出ぶり。まこと、これは近年最高のアメリカ映画の1本だ。 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 10点(2014-10-29 14:25:45)(良:2票)
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