みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
15.地上波で流れているのを見かけ、不意に三度目の視聴。 本監督らしいエンターテインメント映画でありながら、質も高い作品だと感心しながら見ていたが、 見ているうちにそのエンターテインメント性が何か別のものに転化していった。 本作で最も批判されているシーンが最も素晴らしいシーンであるのは皮肉である。 生きることの閉塞感、それも、閉じているというよりも、閉じていくというような、たまらなさ。 それが開放されるということもなく、本作は終わっている。 観終えた後、この作品について話そうとしたとき、不意に涙が溢れて止まらなくなった。 生きることについて、タルコフスキーの「サクリファイス」を優れた作品だと考えていたが、 本作のほうがずっと上だと今回考えを改めた。 【浅田荷葉】さん [地上波(邦画)] 10点(2019-04-13 01:02:19)(良:1票) 14.主人公を通して日本人の魅力、心が描かれていて…言葉が詰まるほど、素晴らしい映画でした。 監督が、自身の映画で泣いたと言う事、これが最後という気持ちも分るくらい。 描写も情景も美しく、飛行機の躍動感はジブリらしくて、映像だけでも何度も見たくなりました。 「見れて良かった」と心から思った一本です。 【sirou92】さん [インターネット(字幕)] 10点(2015-11-15 13:35:49) 13.真摯とは決して言い難い人生をイイカゲンにノラリクラリと謳歌している私ごときが恐縮ですが、人生をモノ作りに捧げた一人の男の、美しくもはかなく、そして力強い青春の軌跡に、すっかり魅せられた。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 10点(2014-07-02 01:21:52) 12.《ネタバレ》 号泣しそうになりました 女性がこっそり病院に戻るシーン 何だか9カ月たった今でもそのシーンで涙出そうです 【yoshi1900ololol】さん [映画館(邦画)] 10点(2014-06-16 13:55:48)(良:1票) 11.《ネタバレ》 なんだろう、この感動は。 ストーリーも飲み込みづらく、良さをうまく説明できない不思議な映画。 まず絵力がすごい。宮崎駿だからあたりまえかもしれないが、やっぱり凄い。 ディテールの細かさが面白い。最先端技術と牛による輸送とか、計算尺に感じとか。ジェラルミンの素材の話とか、沈頭鋲とか。それらを見てるだけで幸せな気分になる。 純粋な技術への探究がわかりやすい。政治色ぬきにして、ドイツの技術と日本の技術の比較、探究心が共感しやすい。 妄想シーンが気持ちいい。憧れの人物と妄想でふれあい永遠の親友になるとか、最高の草原のなか空をとぶとか、うらやましすぎる。 恋愛エピソードが素晴らしい。ヒロインが綺麗すぎる。完璧な結婚シーン。うらやましすぎる。 主人公のキャラがいい。よく解らない奴で変人だけど、我が道を進むエネルギーというか迷いのなさが宮崎駿らしい。 黒川のキャラがいい。愛想は悪いが良き理解者すぎる。時々髪の毛が浮くのが可笑しい。 映画を好きになったり感動したりするのは、プロットだけではない、多くの要素が絡み合ってがっちり自分にはまったときに感動したり好きになるんだな、と改めて感慨深いものがあった。 【kosuke】さん [映画館(邦画)] 10点(2014-01-05 18:57:42)(良:2票) 10.《ネタバレ》 退屈で感情の欠片もない画が延々と続く。台詞は棒読みの見本のように右から左へと流れる。結核を患っているとは到底思えぬ、明るく健康的なヒロインが唐突に登場する。平成生まれの現代っ子よりもモダンだ。美しい飛行機とは程遠いカプロー二の飛行機がこれでもかと飛んでくる。そして、主人公たちにより、サバの骨にヒントを得たぼってりした爆撃機が作られていく。せめて鳥の骨じゃないのか?飛ぶんだから。だめだこりゃ。しかし、もうすぐ終わりだと誰もが諦めの境地になった途端、最後に、奇跡のような画面が登場する。何と、あのゼロが編隊で飛んでくるのだ。とにかく美しい。贅肉を一切取り払い、無駄を全て削った、当時世界最高の完璧な戦闘機が我々の目の前を通り過ぎる。そうか、監督はこの最後の一場面のために、延々と醜い画面をつなげたのか。ブ○○クな女達を何十人、何百人と見続けたあとに、最後に、最高の美女を見たような気分だ。感動は何倍にも膨れ上がるよ。シンプルだが最高の演出だ。 【パセリセージ】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-10-08 22:44:12) 9.《ネタバレ》 潔さ、覚悟というものをじいさん(監督)は伝えたかったんだと思う。 主人公はなかなか迷わない。まるで心がないみたいに潔い。嫁も強い。 現代人には違和感を覚えるが、古きよき日本人のデフォルメだと受け取った。 ラストは妻が死に、それでもなお生きねば!と潔く前を向く主人公。 あの妻なら、そう望んだだろう。柔軟になりすぎた現代に芯を持て!という今一番のメッセージを込めた映画だと感じた。 【おでんの卵】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-09-16 00:19:41)(良:1票) 8.《ネタバレ》 ◆自分がはじめて飛行機に乗ったのは大学2年の帰省の時。羽田から徳島まで、今はもう無くなった日本エアシステム。離陸と着陸の時の独特の感覚は今も覚えている。あの感覚のせいで飛行機嫌いの方も多いと聞くが、自分の場合は、何かわくわくするモノを感じた。◆この物語はそんな飛行機に魅せられた天才青年の半生記。映画内の『現実』と二郎青年の『夢(妄想?)』を行ったり来たりしながら、かけがえない伴侶との出会いと別れを絡めていく作品。◆見る前は評価が分かれていたので不安だったが、見て納得した。評価が分かれるのも致し方ないかな、と。鑑賞者の人生観や経験した事によって、大きく感動のポイントが変わってくるのだろう。自分も独身だと仮定したら、そんなに深く感銘しなかったと思う。が、嫁や幼い息子の事を思い浮かべながら見ていると、本当に感慨深い作品だと思う。◆主人公の二郎にとって、設計の仕事は大空へ飛ぶ事につながる夢。でも、決して平坦な道ではなく、目の前で無残な現実を突きつけられていく。でも、彼は計算尺と鉛筆を離さない。一方、菜穂子との時間も決して平坦なものでなく、現実は厳しい。でも、二人の互いに慈しむ気持ちはスクリーンからダダ漏れしていて、思わず泣けてきた。たとえ、結末が辛く悲しいものであったとしても。◆話の中で特に印象的だったのは、刈り上げ頭がなんだかかわいらしい黒川さん。一見意地悪そうなこの人が実に良い人で、もし叶うなら黒川さんに焦点を当てたスピンアウトを見てみたいくらい。◆仕事の後に楽しそうに議論する光景、特高にねらわれて姿を消すときのやりとり、今の日本の会社からは無くなりつつある光景かもしれない。何でも『数値目標』に置き換え、目標設定と達成に汲汲とし、不要となったらゴミを捨てるかのように仕事仲間を捨ててしまう今の日本。宮崎監督なりの強烈な提言なのかもしれない。◆主人公の声は最初は一瞬驚いたが、後になるにつれ、二郎の『誠実さ』がよく分かるものに思えた。そういう意味では、中々絶妙な人選だったような気がする。◆生きていれば、山もあれば谷もある。でも、その火が自然に消えるまで、前を見て生きる事、それが監督の最後の『遺言』なのだと最後のシーンで思えた。心に残り続ける言葉を全力で投げかけて舞台を降りた宮崎駿監督に、心からの感謝を。 【ばびぃ】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-09-11 09:47:55)(良:1票) 7.僕自身が歳をとったこともあって、はじめて劇場で泣いた映画。加筆します! 【ようすけ】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-09-09 02:17:25) 6.《ネタバレ》 中盤は、ほぼ飛行機作りの話。 しかし後半にまわした恋愛の話がメインになると単なる少女漫画のようになってしまうし、逆に仕事の話が長すぎても偉人伝みたいな映画になってしまう。 この辺りのバランスの取り方が絶妙で、引き立てあっている。 見終わって、清々しい喪失感のようなものを感じた。 この感覚は、ナウシカを初めて見たときにもそう思った。 これは何なのだろう。 例えば、現実に身近で好きな人を亡くしたら、喪失感はあっても清々しさはない。 菜穂子もナウシカも、あまりにも美しく献身的に死んだ。 死によって与えられたものが、失ったものを上回るのだ。 こんな死は、普通ない。 宮崎駿監督だから描くことができたと思う。 【ジンロク】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-08-31 10:22:05) 5.《ネタバレ》 二郎は自己中心的で、美しいものにしか興味のない薄情者。実は二郎は自分の美しさにしか興味はない、ということを手紙の内容で悟った時の菜穂子の表情、彼女の決死の名古屋行き、二郎を支え、死ぬ間際に二郎のもとから去った菜穂子の人生は、僕の心を激しく揺さぶりました。これほど悲しい事はあるでしょうか?思い続けた男がこんな奴だったとは…でも、嫌いになれない気持ち。想像するだけで辛く、涙が出てきます。 一方、超がつくほどの秀才で、自信家で、薄情者で、美しいヒコーキをつくることに全力を注いだ二郎は、挫折の果てに見た夢で、妻・菜穂子に「生きて…」と語らせます。どれだけの苦悩・自殺欲が二郎を苦しめていたのか、想像もつきません。途方も無いものだったと思います。子供の頃から思い描き、人生のすべてを捧げた美しいヒコーキ作りは、多くの命を犠牲にしてしまいました。これまで戦争なんて関係ない、これは自分の夢だから、と無邪気にヒコーキを設計してきた彼に叩きつけられた最悪の現実。これを消化するためには、夢で菜穂子になぐさめてもらう他に、解決策はなかったのでしょう。当然、最後を見とれなかった妻への後悔・懺悔もあって、あのような夢を見たのだと思います。 ようやくヒコーキの呪われた運命と現実を知った二郎は、カプローニに認められ、共にワインを飲みます。この直前に映画はエンドロールに入りますが、二人が飲んだワインはきっと赤ワインだったのではと思います。同じ夢を描き、夢のなかで友情を育んできた二人。アキレスが亀に追いついたのが戦後だなんて、悲しくも美しい話です。 この作品が宮崎駿の引退作になるわけですが、これほど引退作にふさわしい映画はないのではないでしょうか。これまで兵器の美しさをこれでもかというくらいに映し出しながらも戦争反対の姿勢を貫いた宮崎駿が出した結論が、この映画なのですから。僕のオールタイムベスト映画です。 【カニばさみ】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-08-23 17:21:42)(良:1票) 4.世界は美しい。 【まぶぜたろう】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-08-23 17:15:59)(良:1票) 3.《ネタバレ》 本作を2回観たことで印象も変わったので、レビューを大幅更新して点数も上げました。 何度観ても関東大震災のテンションは素晴らしい。妙に臨場感のある地鳴り、画面一面にうごめく人波。 当時の街並みや乗り物も、アニメでこそ表現できるリアリティですね。美術を堪能するだけでも、劇場まで足を運ぶ価値があります。 印象が変わったのは恋愛部分。 最初の鑑賞では、古風なヒロインの描写があまりにも不快で、まるっと必要ないと思いました。再度観てもやはり菜穂子の純愛にはさぁーっと引いてしまうのですが、堀越二郎という天賦の才能を持った男の物語として、男に寄り添う「どこまでも都合の良い女」は必要だったのだと思い至りました。 宮崎作品の過去のヒロインたちは皆、過酷な使命を背負い、立ち向かっていますが、それらは例えば世界全体だったり家族だったり自分自身だったり、とにかく観客から見ればけなげな姿を応援したくなる人物像でした。 今回の菜穂子というヒロインが背負うのは「不治の病」と「美しいものにしか関心の無い男」。だいたい二郎という人物が理解されなければ、菜穂子の愛も共感を得られにくいだろう。二郎はつまり宮崎駿本人であり、菜穂子という女性は宮崎監督の究極の女性の理想像なのだから。 今まで数々の宮崎作品を愛してきましたが、結局のところ女性をこういうふうに捉えていたことが残念でもあり、「まぁ、らしいや」と納得する部分もあり、本作が宮崎監督の集大成と考えるならばこのヒロインであることは必然だったのでしょう。 定食屋でサバの味噌煮を食べて、骨の曲線を「美しい」と言う主人公の感覚、言わせちゃう監督のセンス。このセリフにニヤリとなるかどうかが、本作に共感できるかどうかの境界線じゃないかと思うのですがどうでしょう。 ・・・ということで、鑑賞後にあれこれと考えを巡らせると実に細かいところまで創りこんであることに気付かされたので、10点つけるしか仕方ないです。本作が監督の最後の作品になるのかどうかわかりませんが、これ以上のものは創れないでしょうね。 【denny-jo】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-08-10 15:16:12)(良:1票) 2.《ネタバレ》 もう宮崎監督は終わったと思っていました。ここでもさんざん批判しました。 ぽにょの出来はひどい。もうラピュタやナウシカの感動は永久に得られないんじゃないのか? ところが。 なんと、目を疑う驚くべき傑作。もしかしたら・・あの震災が彼を変えたのかも。 ラストを見て涙しない人はいないでしょう。号泣。宮崎アニメで初めて泣きました。 人それぞれとはいえ、賛否両論はとても信じられない。 これこそ宮崎監督の最高傑作。他のアニメ監督はもちろん、彼自身、これを超えるのは至難でしょう。 クリエイターのエゴ、愛、失ったもの、得たもの。 なぜ妻は夫から去ったのか。なぜ夫は妻を追いかけなかったのか。 二人にとって幸福とはなんだったのか。 宮崎監督が初めて正面から描ききった一大ラブストーリー。 同時に決してお涙頂戴の浪花節ではない激しい反戦映画です。 監督曰く、ファンタジーはもう描けない。とんでもないウソ。 「ドキュメンタリーの皮をかぶった、宮崎駿渾身のファンタジー」です。 【うさぎ】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-07-21 00:18:17)(良:2票) 1.「狂おしい」 ストーリーそのものは、とても古風でオーソドックスに見えるけれど、過去の宮崎駿作品のどれよりも、もっとも“狂おしい”までの感情に埋め尽くされた映画だと思った。 映画世界に対峙し、己の理屈においては明確な拒否感を感じている筈なのに、涙が溢れて止まらない。こんな映画は初めてかもしれない。 その“拒否感”の大部分は、「主人公」に向けられたものだったと思う。 この映画の主人公は、善人で、優秀な好青年である。 ただし、同時に「変人」であることも揺るがない事実だ。 堀越二郎と堀辰雄、実在した二人の人間に「敬意を込めて」と謳っているが、この映画で描かれる主人公の姿は、明らかに宮崎駿自身の投影であり、その「変人」ぶりにそのすべてが表れていると思う。 そういう意味では、この映画が過去作のどれよりも宮崎駿にとってパーソナルな作品であることも確かであり、それ故の“狂おしさ”なのだとも思える。 主人公の言動を理解し難い面は多く、主人公は世の中のすべての人から非難されてもおかしくはない。 しかし、主人公自身が自分を呪ったとしても、彼が愛したヒロインだけはどこまでも彼を守り愛し抜くだろう。 ならばそれがすべてだ。 余命幾ばくも無い病床の妻を囲い仕事に没頭する主人公も、養生を放棄し命を縮めても夫のもとで過ごしたヒロインも、その姿には、少し狂気じみたものを感じる。 彼らは二人の間に確実にあるはずの“障壁”なんて何もないように、繰り返しキスをして、そして愛を営む。 この「幸福」は二人だけのもの、そしてこの「悲哀」も二人だけのもの。 そこには、“観客”も含めて、周囲の他人が入り込む余地は全くなかった。 その二人の姿は、あまりに独善的で、歯がゆいけれど、何よりも美しく、涙が溢れた。 そう、この映画の主人公、そして宮崎駿自身が追い求めたのは、“美しさ”以外の何ものでもない。 誰に理解されなくとも、自分自身にとっての「美」を最後の最後まで追い求める。 この映画は、そういう“彼ら”の生き方における「覚悟」を描いた作品だと思った。 「ほかの人にはわからない あまりにも若すぎたと ただ思うだけ けれどしあわせ」 あまりにもはまり過ぎている荒井由美の「ひこうき雲」が延々と頭の中をめぐる。 映画館を出た。真夏の太陽が眩しかった。 空の青は、少し、“狂気的”に見えた。 【鉄腕麗人】さん [映画館(邦画)] 10点(2013-07-20 19:33:13)(良:7票)
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