みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
5.アメリカに対する映画の意味を考えると、低い点は出せない。 ただ、やはり「ボーリングフォーコロンバイン」に比べると彼は悲壮感がなくなった。 その辺が、「エゴ」と世間で評価されてる見たい。 ムーアもリッチになってしまったんだと少しがっかり。 ただし、作品の完成を代行できる人物がいないという意味で、ムーア自体が戦場に行く必要はないと思う。その辺の道理は気にしないで次回に期待しますよ。 【セクシー】さん 10点(2004-11-27 11:14:38) 4.《ネタバレ》 正直「ボーリング・フォー・コロンバイン」ほどの衝撃と感動はなかった。恐らく事前情報が多すぎたせいだろう。ブッシュ家とラディン一族の関係やハリバートンなどは、TVなどですでに間接的に知っていたので驚かなかった。このテのドキュメンタリー作品は映像とかストーリーではなく、あくまで情報が肝なので、その点では個人的に致命的であった。とはいえ本作は「ボーリング」にみられた感傷やユーモアは影を潜め、視点と演出は限りなくシビアである。そういう意味で本作の方が評価は上だろう。そもそもハリウッド映画はほとんどプロパガンダに利用されているという事実と、アメリカのメディアではすでに報道の自由が著しく制限されているという状況を考えれば、決して偏向とはいえない。印象的な点をいくつか。まず大統領選のフロリダ。当時日本でニュースを見ている限りでは、結局何がなんだか不明だった。本作ではブッシュ側の不正によるものだとほぼ断定している。アフガンでの軍事作戦については、当時山岳地帯に大規模な正規軍を投入できないため特殊部隊を投入したという報道がされていて、信じてもいたが、本作の解釈ではブッシュがやる気がなかったということですね。なるほど。政治と企業の癒着という問題は決して他人事ではない。アメリカでは軍需産業だが日本では道路族と年金か。違いは直接的に人命が奪われるか、間接的に命をすり減らすかだけだ。一番印象的だったのはやはりフリントの惨状である。失業率50%!ありえない。貧困層の若者たちは生きるために入隊し、イラクで死んでいく。同じイラクでの兵士と企業派遣社員の給料格差。両方とも血税である。それにしても陰謀とか癒着は普遍的だが、ブッシュの何が問題かというと、そのあからさまなやり方とデリカシーのなさだと思う。彼に対する反感の理由は、彼らが大衆を舐めているとしか思えないことだろう。ここまでわかりやすいとどう考えても映画より有利だ。最早現実の方がフィクションより刺激的。そういう意味でも本作は映画史においてターニング・ポイントとなり得る。本作は情報量が多く、セリフ?が多いので他の映画のようには観れない。これから観る方は集中してのぞむべきでしょう。集中して観る甲斐はあります。上記のようにテーマのデカさの割に「ボーリング」よりは地味だ。しかし本作の方がデキは上です。必ずや心に残るものがあるでしょう。 【わいえす】さん 10点(2004-10-05 01:14:33) 3.「目の前の悲惨な現実に対し、映画というメディアは何かできるか」「映画作家としてどこまでリアルタイムな映画が作りえるか」これこそマイケル=ムーア監督の挑みであり、映画作りの真の狙いなんだと思う。そして、その狙いどおりこのフィルムはまさに、この時代の中でリアルに呼吸している。また監督は、封切1年経たずに今作品をTV放映に漕ぎ着けるつもりらしい。公開1年未満でのTV放映はアカデミー賞選考対象外となるらしいが、それでも、このフォルムの“旬”を誰よりも分かっている監督だからこそ、賞よりTV放映を選んだのだろう。僕は、こんな監督の試みとガッツに惚れた。映画の新しい可能性を感じ取れる。このムーアという男の風貌や体格はいかにも白人アメリカ人だ。だけどその眼差しは、さらに弱者の側にある。やさしい視線と、批判の矛先へのシビアな追求。ここに監督なりの“自国の愛し方”が感じられるんです。このフィルムからは「ブッシュ大統領を中傷してやれ」とか、そんなマイナスなエネルギーはあまり感じられなかった。むしろ温かい前向きなエネルギーに溢れていると思う。それが監督の誠意と信念に立脚しているに他ならない。が、そんなマジなところを映画で見せるのは照れ臭いのだろう、ブラックユーモアいっぱいのマイケル節となる。この辺りもご愛嬌であり、ドキュメンタリーでありながら、マイケル=ムーア監督の作家性や、人となりがふっと垣間見れる。敵に回したらコワイが、結構イイ奴なのかもしれない。 【BUNYA】さん 10点(2004-09-21 01:37:09)(良:1票) 2.マイケル・ムーアという人はドキュメンタリー作家というより寧ろ、既成の素材を編集して独自の解釈を示すコラージュ的手法(戦場の悲惨な現実の後に政治家のコメントを挿入したりするのが良い例)、あるいはヒップホップにおけるサンプリングに良く似た手法に秀でた作家だと思う。この作品で扱われている映像は、確かに「事実」の断片ではあるが、あくまでムーアの「解釈」が介在しており、全体的な「事実」とは言えない。例えば同様の手法を用いて(あまり良い喩えではないが)「夜の渋谷をたむろする女子高校生はほとんどが売春している」とか「北朝鮮は喜びと幸せに満ちた、素晴らしい国だ」というような「ドキュメンタリー」も(理屈の上では)作ろうと思えば作れる。だからこの作品で提示される「事実」とマイケル・ムーアの「解釈」を鵜呑みにして「アメリカひでー!ファックブッシュ!」というのはあまりに安易で危険だ、と僕も思う。 駄菓子華氏!そういう点を差っ引いてこの作品を観ても、その「事実の断片」に現れているあまりにグロテスクな現実―イラク復興を完全に「ビジネス」と捉えている企業家の発言や、「ムーアの強引なこじつけ」というには余りにもキナ臭い、ブッシュ一族とサウジ王家のつながり等々―に衝撃を受けずにはおれない。僕は日本で出版されているマイケル・ムーアの著書は全て読んでいるし、その中で書かれている事も映画に数多く登場したが、やはり文章で読むのと映像を観るのとでは、感情に訴えかけるインパクトが全く違う。 また本作はブッシュ叩きの作品というよりも、寧ろ非常にエモーショナルで即効性のある反戦映画として秀でていると思う。被害にあった一般イラク人の悲痛な叫び、米兵の率直な物言い、また彼らの感情が次第に壊れていく過程は、どんな軍事評論家の論説よりも戦争の悲惨さを物語っている。ニール・ヤングのエンディングテーマも非常に効果的で、例えばボブ・マーリィの「立ち上がれ、自らの権利の為に。闘いを投げ出すな」というメッセージが聴く者を高揚させ、奮い立たせるのと同様、観る者の心を強く揺さぶる。その結果、(アメリカ国民なら)ブッシュ以外に投票するか、あるいはもっと積極的に反ブッシュキャンペーンや反戦運動に関わるか、事実をより知るべく様々な本を読むか、また「果たして自分には何ができるのか」と考えるか。それはあくまで各々の観客に委ねられているのだと思う。 【ぐるぐる】さん 10点(2004-09-01 20:26:54)(良:4票) 1.確かに批判したくなる人の気持ちもわかる。娯楽性は少ないし、独り善がりだし、安直なところもあるし、空回りしてる部分も多い。でも、この作品は言わば映画によるテロ。現実の圧倒的不利を覆すにはこれぐらいのことはしなきゃ。エンターテインメントとしてぎりぎり成立する以外の部分を全部攻撃にまわしたと言うか、GK以外全員攻撃の状態(ひょっとするとGKもかも)。もちろんムーアが算盤はじいてないとは言わないが、少なくともこの世の中に対する怒りは本物でしょう。とにかく俺にとっては「見終わって身体が熱くなった映画」第1位の座を「燃えよドラゴン」から奪い取った作品、ぜひ見てください、お願いします。それで現実世界に何か持ちかえってもらえたらうれしいです。もちろん、何、こんなもんでテロ?笑わせるぜというかたがいたら、尊敬します。存分にやっちゃって下さい。ただしムーア同様、死人、怪我人のでない方法でお願いします。 【馬飼庄蔵】さん 10点(2004-08-24 13:40:28)(良:3票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS