みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(3点検索)】
3.ドストエフスキー原作の映画化作品。 カットに次ぐカットということで、「これじゃ映画にならんわ!」 という黒澤監督の怒りの声が聞こえてきそうだが、鑑賞しているこちらにしてみれば 裏事情など関係ないし、仕上がった作品が全て。 冒頭、状況設定を長々とテロップで説明するシーンはあまりにもひどい。 当然ながら内容にもハショリが多いため、感情移入ができずに物語に入っていけない。 特にひどかったのが、この作品のキーポイントでもある原節子演ずる妙子。 彼女の描写の掘り下げが浅いので、一体何をやってるのか、何を考えてるのかピンとこない。 しかもここでもまたナレーションでの説明が入ってきて、ただポカーンとするばかり。 それでも黒澤マジックなのか、舞台劇を観ているような役者達の迫力ある演技のせいなのか、 荘厳な雰囲気だけは伝わってくるんだけどね。まあ、完全な失敗作ですな。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 3点(2011-08-13 06:36:49) 2.森雅之がすごくうまく演じてたなぁと。黒澤映画は好きだけど、これはちょっと合わないかな。 【夏目】さん 3点(2004-12-01 00:39:29) 1.DVDプレーヤーを買って最初に見たのが黒澤明の<白痴>とフェリーニの<道>です. どちらも聖痴愚(知恵遅れではなく,神懸りした普通と違う人のこと)である主人公の三角関係の縺れによる殺人事件を扱った作品ですが,そのあまりの芸術性の差に愕然としてしまいました. <白痴>の原作ではスイスのバーゼル(王の町の意味)で(キリストが乗った)ロバの鳴き声と共にムイシュキン公爵にキリストの霊が乗り移り,白痴の状態から脱してロシアに戻って来た事になっています. また,ナスターシャは名の日の祝いの席上で気が狂った(キリストの愛人だったマグダラのマリアの霊が乗り移った)という設定です. ナスターシャの殺された翌朝,マグダラのマリアの霊は一時的にロゴージンの体に移り,公爵は熱にうなされたロゴージンの頭や頬を(その前にナスターシャにしてやっていたのと全く同じ様に)撫でている所を発見されます. <道>のジェルソミーナは(フェリーニの知性からして当然ですが)聖痴愚の姿でこの世に現れた天使として描かれています. 一方,黒澤明の<白痴>の 亀田(ムイシュキン公爵)は文字通りの低能(馬鹿に限って人が良いのは常識ですが)として扱われています. 亀田が「僕は,僕は」と馬鹿の様に繰り返すのを見て,連続女性殺人犯の大久保清の口癖だった「僕ちゃん,僕ちゃん」という言葉を思い出し,おぞましさにぞっとするのは私だけでしょうか? ドストエフスキーは人間の無意識の深層まで降りて行って,今まで誰も見た事の無い向こうの世界を垣間見せてくれる超天才ですが,アメリカでは (自然と感情の描写しかできない)メロドラマ作家のトルストイより一段か二段下の探偵小説(罪と罰)や裁判物(カラマーゾフの兄弟)を書く通俗小説作家としてしか評価されていません. わが国の<世界的巨匠>黒澤明も<白痴>を唯の三角関係による殺人事件を扱った作品としてしか捉えられなかった様です. やはり,ヨーロッパ人でなければドストエフスキーの<血の呪い>は理解できないという事でしょうか. 黒澤明の<白痴>で一番寂しかったのは原作で最も感動的なナスターシャの台詞がすべて無視されていた事でした: ・時間というものを信じるのよ 何もかもなくなってしまうわ! ・公爵,生まれてはじめてほんとの人間を見ました! 【777】さん 3点(2004-03-27 19:55:06)
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