みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
8.《ネタバレ》 殺人事件の被害者夫婦とその関係者は嫌な人間ばかり、事件を追う記者と妹は悲惨なトラウマを負っている。ぼーっと見ているだけでは人間関係と事件の脈略を読み切れず。無理やりと思われる展開もあるが、俳優陣の演技には引き込まれる。終わってもなお謎として残されている部分もある。 【エンボ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-04-30 01:45:34) 7.《ネタバレ》 イヤミスの名手、貫井徳郎の同名の小説の映画化。小説の愚行録は、4人家族惨殺事件の背景を、とある記者が関係者にインタビューすることで明らかにしていくという形の小説で、それをどんな形で映画にしてるのか興味津々で鑑賞したのですが、なかなかうまくアレンジしてあり、どこか不気味な雰囲気といい、淡々としてるけどなんか狂気的に怖い感じといい、ストーリーを知ってても映画に引き込まれました。特に主役の記者である妻夫木聡の絶望を通り越した人間が、フラッと立って、置物掴んで、ガツンとやるとこ、怖かったなー。他の登場人物もみんな、こんな嫌な人いそう感が出てて、鑑賞後の気分はまさにイヤミス。 【なにわ君】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-09-27 21:10:25) 6.《ネタバレ》 かなりネタバレします。 主役の名前が日本人では相当ありふれた田中武志でその妹が光子ときた。主役の割に簡単な名前だなあと何気なく思ったんですが、 そんなどこにでもあるような名前であることの意味に後半気付くことになるわけです。 どっちも田中さんであっても違和感がないんですよね。 兄は妹がやらかしたことを最初から知ってたんじゃないかな、この兄妹は繋がり、関係性がかなり深いですから学生時代から妹はなんでも兄に話してたんじゃないかと。 そして妹がネグレクトで逮捕されたタイミングで未解決である1年前の田向一家の事件の取材をなぜか再開してる。ネグレクト逮捕が別件の未解決事件も解決なんてこともありますし。 被害者をよく知る人物に喋りたいだけ喋らせて、メモをとるでもなく細かく質問するわけでもない。 しかし妹の名前が出た時に行動を起こすのよ、これが目的だったんだと私は思った次第です。 吸殻をとってあったのも偶然じゃないですよね。 そもそも冒頭のバスでのシーンで武志は相当ひねくれた腹黒い人間だとわかるので、正義感からではないし再取材は「何のため?」というのが後半までわからない。 妹を庇うというより、自己保身じゃないですかね。一家惨殺事件の犯人の実の兄であり生育環境から何から何までマスコミに書き立てられるのは雑誌記者の自分がいちばんよく知ってるしね。 光子を演じた満島ひかりの狂気と正気の狭間みたいな雰囲気と演技がいいです。 新興住宅地としてこれからって時に一家惨殺事件が起こり、それ以来人が寄り付かなくなってしまった閑散とした宅地という風景が素晴らしい。全体的にカメラワーク、ロケーションが良かったです。 【envy】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-03-13 15:53:08) 5.《ネタバレ》 『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督作品ということで鑑賞。まったく質の違う物語なのに、映像や音響で作られる空間はよく似ていて、しかもどっちもそれぞれの物語にぴったり合っている。特筆すべきは演技面。冒頭のバスのシーンから終始「死んだ目」の妻夫木聡、満島ひかりの狂気をはらんだ表情、そして登場人物たち1人1人のちっぽけな悪意と自尊心。役者陣の演出がどれも素晴らしく、必ずしも演技力で売ってるキャストばかりでないのに、みんな演技派に見えてしまう。原作どおりとはいえ、ステレオタイプな登場人物たちの言動にはうんざりするものの、いずれも他人から見た「回想」ということで、実はステレオタイプなのは1人1人の人間ではなく、私たちの人を見る目なのだ、というふうにも読めて、原作の難点を逆に活かしているのも感心でした。まあ、あんなに覇気がない事件記者なんているか?とか、兄は大手出版社で働き、妹は一流私大に進学と、それまでの境遇を考えると兄妹のポテンシャルの高さに驚くなど、いろいろ違和感はありますが、最初と最後のバスのシーンだけでも、この監督ただ者ではないということで、その力量にこれからも期待です。 【ころりさん】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-01-29 14:10:03) 4.《ネタバレ》 全然期待していませんでしたが、ミステリー、サスペンスとして、まあまあ面白かったです。ラストまで興味がつきることなく、あっという間に観終わりました。途中で間延びすることなくテンポも良かったです。鑑賞後も何とも言えない余韻が残りましたので、インターネットで本作の情報などを調べたりしました。後味は悪いけど、私は嫌いではないです。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-08 19:56:13)(良:1票) 3.《ネタバレ》 テーマは、未解決である一家惨殺事件の真相。 雑誌記者の主人公を演じる妻夫木聡が、様々な関係者を取材していくなかで、徐々に浮かび上がってくる真犯人。 点と点が繋がって線になる感じ。 演出はやや説明的でしたが、そのおかげで理解がしやすかったです。 そして、分かりやすい「どんでん返し」が何回か仕掛けられていてそれもた面白かったです。 市川由衣が演じる稲村という女、真犯人を知っているとうそぶいて妻夫木を呼び出していたが、結局あれは誰だと思ってたんだろう? 誰か教えてください。 あと大学時代の話が全員大学生に見えなすぎた。 【アーウーマンデ】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-04-12 19:48:34) 2.《ネタバレ》 人間の目を背けたくなるような嫌な部分をえぐりだすのがうまい。 冒頭でのバスの優先席をめぐるやりとりで、早くも主人公・武志の闇がうかがえる。 男同士のドン引きするような会話。色欲。計算高い野心。女のほうもしたたかさでは負けていない。女特有の嫌らしさ、プライド、嫉妬。 殺された田向は欲しいものには手段を選ばず労力も惜しまない。目指す就職のためにはコネを持つ女と付き合って平気で利用する。確信的なエゴイスト。欲しいものは手に入れるが、敵も多いタイプ。妻・友希恵も他の人を踏み台にしながら自分の幸せを追求する女。 あちこちで恨みを買っていそうな夫婦と幼い子を惨殺したのは、一体誰で、どういう恨みからなのか。 事件のサスペンスとリンクして、武志と光子の兄妹の抱えた闇が明らかになっていく。 妹への思いに兄弟愛を超えたものを感じたので、光子の子の父親のオチは途中から予想がついてしまった。 元々は兄妹の両親がろくなもんじゃなかったのが大きな要因。その両親のそれぞれの親たちにも問題があったのかもしれない。負の拡大再生産だ。 名家のお坊ちゃんお嬢ちゃんが通う名門大学では、セレブの多い内部進学者と外部からの入学生の隔たりがよく言われる。 内部進学者が外部生を下に見て相手にしないとしても、外部生がセレブの内部進学者にあこがれたり媚びるのがおかしい。 いろいろ出てきた愚行の中でも、その愚かさが印象に残った。 親から受け継いだものだけで他を見下すような手合いは、それこそ相手にする価値もないつまらない人種なのに。 光子もそれがなければ友希恵とも関わらなかったろうし、違った人生を歩んだに違いない。 内部学生らの性処理道具にしかならなかったのが、愚かで哀れだった。 恵まれた家庭ではなかったからこそ、何不自由のないセレブな学生たちに引寄せられたのだろう。 また、父親との体験から性的なハードルや自己評価が低くなっていたこともあるだろう。 それぞれのキャラやストーリーはあまりにステレオタイプにすぎる印象を拭えなかったが、妻夫木と満島の兄妹を始め、キャスティングが良かった。 妻夫木の頬の傷跡が役にプラスになっていたし、満島はキレイだけど健康的ではない病的なものが滲み出ていた。 小出恵介は例の淫行騒動があったせいで爽やかなイメージがなくなったのが逆に役にハマって見えたし、松本若菜も美しい悪女がピッタリだった。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-12-30 22:12:10) 1.《ネタバレ》 寒々とした曇天や冷ややかなな壁が硬質な白バックをつくる。 余計な装飾を排したそれらの白いシンプルな背景が思惑を秘めた俳優らの表情を見事に浮かび上がらせている。 終盤での妻夫木聡と満島ひかりの述懐もまたそれぞれの白バックを介してクロスカットされ、二人の横顔のショットは台詞に優位を譲らない。 序盤に登場する、殺人事件の起こった住宅街の坂道の寂れた風情も見事なロケーション。 小出恵介、市川由衣らの三角関係を示唆する役者配置の妙。屋外の階段を昇り降りし、エレベーターの扉をこじ開け、といった手持ちカメラによる 動線と空間性はキャラクターの感情を提示するなど、カメラワークもよく考えられている。 一方で、現在シーンの固定されたカメラは俳優らの語りと芝居をじっくりと持続的に見せてくれる。 松本若菜が平手打ちされるシーンでの、屋外から屋内へのカメラの切り替えの呼吸の素晴らしさ。 それら、外と内を仕切るガラス窓のモチーフがじわじわと反復されていき、ついには 妻夫木聡がその仕切りを越えるショットへと至る。 煙草の吸殻にしても、炎の音使いなど細やかにアクセントをつけて視聴覚的な伏線張りを反復するなど巧みだ。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2017-02-19 20:00:50)
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