みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
3.《ネタバレ》 見応えはある、ドイツらしい骨太な映画。 ヒトラーを暗殺しなければ、自由は奪われ、多くの無辜の民が命を落とすことになる。 狂熱に駆られて実行した暗殺だが、死んだのはヒトラーではなく、まさしく無関係の無辜の民。 ゲシュタポに捕まり、そのことを知らされたゲオルグの落胆と絶望は、想像してあまりある。 ヒトラー暗殺をたった一人で企て、綿密な準備の末に実行した男にしては、その行動は身勝手で整合性に欠けるように見えるが、それが逆にリアリティを生んでいる。完全無欠の義憤に駆られたヒーローなんて、不健康だし、信用できない。 ゲオルグの人間らしさは、かえってナチの血の通わない機械のような残酷さを際立たせる効果を生んでいる。 佳作。 【roadster316】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-09-15 23:25:54) 2.《ネタバレ》 すでに「ヒトラー 最期の12日間」という傑作を残しているヒルシュビーゲル監督が、今度は暗殺(未遂)者側からのものを作り上げました。冒頭でいきなりメインの事件に突入、間もなく主人公も拘束され、一気に話を広げていく手際はさすがです。現在と過去がクロスする構成がもたらすスリルもなかなかですが、一番の白眉は、主人公が1人で行動したのを取調官たちが「理解できない」こと。もっというと、「総統のお命を狙うような者は、たかがその辺の一平民であってはならず、対立国や対立政党の強大な陰謀あってこそ事態にふさわしい」と思っていたのかもしれないし、「もし本当に一平民ごときにそんな危機が起こせるとすれば、今後もこういったことは頻発するかもしれず、そんなことはあってはならない(あってほしくない)」というようなある種の恐怖を感じていたのかもしれない。その辺の微妙な心理の綾とバランスにきちんと焦点を当てたという点で、やはりこの監督の描写は優れているのです。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-27 01:25:04)(良:1票) 1.この邦題にもある「13分」という数字に、西欧では不吉なものを見るのかも知れませんが、映画の最後に出てくるタイトルを見ると、主人公の名前である「Elser」となってて、実際、この映画では「誤算」が何分であろうと、さほど問題ではなく、あくまで主人公個人を描いた映画なんですね。 それに、映画はその「13分」を直接は描かず、計画の失敗、拘束、拷問から物語が始まります。で、現在と過去が交互に描変えていく。現在の殺風景な留置施設の光景に対し、過去のシーンにおける自然の美しさが目にまぶしい。 ヒトラー暗殺計画は失敗し、無関係な人々の命を奪っただけに終わってしまう。過去に遡ったとて、そこに繰り広げられるのは、人妻との不倫関係に過ぎない。そこにあるのは、ただただ、寄る辺の無い主人公の姿。無力な主人公は、周りの人々の運命を狂わせただけで、所詮は無力な存在に過ぎなかったのかも知れない。のみならず、終盤で示される5年後のエピソードでは、主人公は何も無しえぬまま、思わぬ人の運命を思わぬ形で狂わせたことだけが虚しく示されます。 何とも、寂しい映画です。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-21 10:52:58)(良:1票)
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