みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
4.《ネタバレ》 牧歌的な“古き良き”田舎暮らしにそぐわない鮮烈かつ容赦のない殺戮描写。A24ブランドの名に恥じぬハイセンスなサイコホラーが展開されます。聞けば3部作の2作目とのこと。1作目『X』より出来が良いと思いました。何といっても主演のミア・ゴスが素晴らしい。鬱屈した心情、爆発する狂気。圧巻だったのはエンドクレジット越しの「長すぎる笑顔」でしょう。もはや「顔芸」ですが、これを見せたいが為の映画だったとさえ思えます。絶品でした。だからこそ一瞬といえども予告編でこのシーンを使うのは悪手では。必殺技は出し惜しみしてください。 やはり気になるのはパールの「幼さ」「未熟さ」でした。夢を見るのは構いませんが、夢の中から出てこないのは困ります。相川七瀬(織田哲郎)の言う通り。彼女の犯した「殺戮」は「現実逃避」と同義。だから事後、必死に「いつもの生活」を演じたのでしょう。でも自分で自分を騙している自覚はあるから前述した「長すぎる“苦しみの”笑顔」になったと。恐ろしくも哀れです。『X』をみるに彼女はこの精神のまま年老いた様子。それは彼女の現実逃避を容認した者がいることを意味しました。夫=ハワードの罪は、パールの犯した罪と同等です。 得てして「若さ=正義」とされる風潮がありますが、精神が未成熟であることはむしろ悪です。ソクラテスの『無知は罪』ならぬ『未熟は罪』。パールの残虐性は幼さの裏返しでもありました。子どもが戯れに虫を殺すのと同じ。もちろん、同じ生き物を殺すにしてもグラデーションはあります。虫は殺せても小動物は殺せません。これが一般的に共有されている「越えられない一線」でしょう。そういう意味でタイトルバックにもなった「ガチョウ殺し」は、彼女が「こちら側」ではなく「あちら側」の人間であることを示唆しています。あるいはクロコダイルダンディもびっくり無類のワニ好きかもしれませんけど。 ところで今頃気づいたのですが『X』の年老いたパールもミア・ゴスなのですね。主役のマキシーンもミアですし二役でしたか。つまり本シリーズはミア・ゴス祭り。大したものです。でも大嫌いだった上司に似ているのでミア・ゴスは嫌いです。 【目隠シスト】さん [インターネット(吹替)] 7点(2024-07-19 18:22:46)(良:1票) (笑:1票) 3.《ネタバレ》 「X」を鑑賞した時には既に本作は完成していて、とは言え映画館では見損ねてしまいネット配信を今か今かと待ち続けていました。「X」については少なからず不完全燃焼でしたが、ミア・ゴスさんの熱演ぶりとその魅力を見事引き出したタイ・ウェスト監督の演出に期待せずにいられなかったというところです。 で、今回本作を観て納得。やはりミアさんスゴい。可愛らしさから恐ろしさに変貌する様はマジで怖い。命を奪うことに全く躊躇がない。寧ろ怒りの裏に喜びさえ感じさせられてしまう。この人、ホントにこういう人?と思えてしまう。独白のような告白とエンドロールの泣き笑いドアップも見事でした。それを引き出したウェスト監督も期待通り。このコンビ、次作を期待せずにはいられません。 ただし、個人的にはホラーで動物が犠牲になるのは最も好まない演出でして、その分-1の7点献上です。 (追記)お友達の亡骸解体シーンの首の部分は思わず「う”」と声が出ました。現実に見たことなどないし決して見たくありませんが、取れ具合があまりにリアルだったもんでつい声が… 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-07-13 23:42:43) 2.《ネタバレ》 いや〜、主役のミア・ゴスがすごい!これに尽きますね。 語りたくなるシーンが全編にわたって続いてましたが、特に印象深いのはやっぱりパールの長回しショット。 つまりは義理の姉妹に自分の思いを吐露するシーンと、それから旦那さん帰ってきてからのラストの泣き笑顔シーン。 長回しで吐露するシーン、あんな長いセリフよく覚えたなって思ったし鼻水垂らしながら喋ってて女優魂に惚れ込んじゃいました。 サクッと人を殺してしまうのはまさに狂気で恐ろしいんだけど、パールは自己分析自体はちゃんとしていてそれが尚更怖いし切ない。 ラストの泣き笑顔もそれがしっかり表情に出て伝わってきました。怪作です。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-12-14 13:00:50) 1.《ネタバレ》 個人的に前作は、なんとな~く『サイコ』っぽいな…とも思ったのですケド、コッチはナンと『何がジェーンに起ったか?』の方でしたですね(笑)。 でも、あの作品のベティ・デイヴィスって実際、実物としても完全にバケモノじみた糞ババアだったじゃねーですか(色々な意味で)。今作、似た様なコトを現時点のミア・ゴス…な~んてピッチピチに若くてカワイイ女の子に演らせてるモンだから、ラスト付近までは正直(比べちゃうと)その狂気の「説得力」という部分に少し弱さが在るかもな…と思って観てたのですよね⇒中盤以降は既に全然躊躇も無くって、でソレってもはや取り返しのつかない地点まで到達しちゃったキ○ガイだと思っとけば好い…のかも知れないのですケド、私には逆に単なる演出のミスじゃネ?(描写が軽すぎるダケなんじゃネ?)とも思えてしまってまして… しかし、クライマックスの例の(圧巻の)一人語りに因りまして、そんな疑念は粉微塵に吹き飛んでしまいました。そっから先はも~エンドロールまでを含めて、唯々ミア・ゴス凄いな…という感情しか湧かなかったです。このホラー三部作は、完全に彼女を活かす為ダケにつくられた、というコトで好いでしょう!(前作では、ゆーてソコまでだったかな…?とも思ってたのですケド、今作を以て完全に理解・納得したトコロです) まとめますと、今作は(描写の物理的なレベル、等々踏まえると)ホラーと言うよりはサイコ・スリラーの範疇に在る作品だと思いますし、お話の大筋自体はワリとオーソドックス、かつごく一本道であるとも思われます。が重ね重ねミア・ゴスの素晴らしき熱演・怪演に因って立派にワンランク上の作品に仕上がっていた…てのが私の結論です。次回作+彼女の今後も含めて、楽しみが尽きませんね。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 7点(2023-07-16 22:14:21)
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