みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
2.《ネタバレ》 ノーマークであったが、本作の評判を目に映画館へ。 混戦状態だった賞レースで作品賞サプライズ受賞の可能性もあっただけに、 本作も例に漏れず多様性を象徴していた。 前半にあまり乗れなかったものの、有力候補が次々と脱落していく権謀術数を巡らせる後半の展開に唸る。 もしかしたら主人公が後を継ぐのかと予想していたけど、新教皇の正体に唖然とした。 亡くなった前教皇はそれを知っており、当選率を上げるため、 選挙は主人公の行動も計算した上で全て彼の手の上で踊らされていたわけ。 ただ、新教皇が"手術"を受けなかったのは予想できなかったようだ。 信仰とは異なる存在への赦しと寛容である。 確信を持ってしまえば、変化も内なる疑念を抱くことも困難になる。 その象徴として、生粋のイタリア人で保守派のテデスコ枢機卿の、横柄な態度と終盤の台詞に、 ドナルド・トランプとダブってしまったのは自分だけか。 もしテロで枢機卿に死者が出てしまったら、テデスコが新教皇になる可能性があった。 トップを選ぶということは運命の悪戯で、社会を良くも悪くも変容させてしまう。 ラストシーンに伝統を重んじ閉鎖的なバチカンであることに変わりがないが、 僅かに光が差すような新たな時代の幕開けを感じさせた。 【Cinecdocke】さん [映画館(字幕)] 7点(2025-04-05 16:54:06) 1.《ネタバレ》 ■キリスト教を背景としたミステリーということで、『薔薇の名前』をイメージしたが、あちらは純然たるゴシックミステリーであるところ、こちらは極めて現代的な作品であった。 ■テロによる爆発で選挙会場のシスティーナ礼拝堂の高窓の一つが吹っ飛び、選挙の場に圧倒的な暴力がインパクトとしてもたらされた。あれはそこにいた枢機卿たちにとっては神の怒りのように感じられたに違いない。さほどに旧約聖書における神は荒々しい。その直後のシーンで、その高窓から差し込む日の光が礼拝堂の有名なフレスコ画を美しく照らすのだが、その神々しさが、あれは実に神の怒りであったことの証左となる。 ■最後の投票のとき、その破れた高窓からかすかに外界の喧騒が聞こえてくる。何百年と厳格に密室で行われてきたコンクラーベが、わずかにではあるがこのとき初めて外との接触の中で行われたのだ。その喧騒をBGMに、枢機卿たちは教会の歴史に新たな一歩を刻む一票を投じる。 ■この一連の流れによって、全体として神の意志によって教会の閉鎖性・保守性に風穴が開いたというつくりになっている。見事な脚本だ。いや、原作がそうなのかな? ■演技巧者ばかりの俳優たちの演技が、本当に素晴らしい。とりわけ主役のレイフ・ファインズ、新教皇にその位を引き受けるかどうかを聞く場面で、嫉妬を隠し切れない何とも言えない複雑な表情をする。お見事。 ■主役がいよいよ教皇の第一候補となり、「教皇名は考えてあるか?」と聞かれ、実に神妙に「ジョン…」と答える。後から考えれば、あれはコメディなんだね。ファインズの絶妙な顔芸が浮かんで、思い出し笑いしてしまった。 【麦酒男爵】さん [映画館(字幕)] 7点(2025-04-01 17:04:16)(良:1票)
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