みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
10.《ネタバレ》 チャン・イーモウ監督の「菊豆/チュイトウ」のストーリーは、徹底的に悲惨です。 今までにも何本か、気が滅入るくらいの悲惨なストーリーの映画を観てきましたが、この映画はそんな中でも間違いなく、その悲惨ベスト5に入ります。 菊豆という若くて美しい人妻が、強欲で意地悪で不能で、年上の夫に苦しめられ、他の男性に愛されることで苦しさから逃れようとする物語です。 そこまでやるかというくらい、残酷で不幸で理不尽でやりきれないストーリーなのですが、とても美しい映像になっているのが特徴です。 原作の舞台は農村なのだそうですが、映画では染物屋になっています。 黄色や青や赤の長い反物が翻るシーンが数多く出てきて、実に印象的です。 これらの色鮮やかな布は、映画の中で効果的な大道具であると同時に、粋な小道具にもなっています。 残酷なのに、限りなく美しい映画というのはよくあるものです。 例えば、ジャンルは違いますが、「コックと泥棒、その妻と愛人」や「サスペリア」も同様でした。 やはり「赤」が美しい映画でしたから、「赤」というのはひとつの象徴なのかもしれません。 この「赤」から連想されるものは「血」とか「情熱」です。 菊豆の天青に対する想いは、年月が経っても全く薄れることなく燃えたぎったままでしたし、まるで"血の池"のような赤い染料のプールの中で溺れ死んでいく夫、ラストシーンの火事の炎など、到るところに「赤」のイメージがあり、まさにこの映画は「赤の映画」だなと思わせられました。 これでもか、これでもかというくらいの悲惨な終焉なのですが、後味が悪くないというのは驚きでした。 これはひとえに、チャン・イーモウ監督の演出の手腕だと思います。 【dreamer】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2019-03-24 10:22:40) 9.《ネタバレ》 チャン・イーモウ監督の作り出す映像美は本当に凄い。いつもながら色使いの上手さ、赤、青、黄色と巧みに使いこなすその映像センス、これだけ赤、青、黄色の三色を上手く使いこなせるのは他には信号機ぐらいです。おっと、信号機のことよりもこの映画について触れないとまずい。コン・リー演じる菊豆がいたぶられる場面のあの美しさ、女性が男に暴力を受ける場面など本来は醜くて汚い、グロテスクなものなのに、この場面なんて何と言う美しいシーンだ!さほど多くは見たことがないので、よく解らないけど、下手なアダルトビデオのレイプシーン、SMシーンよりもずっとずっと美しく感じるから大したもんです。それも偏にコン・リーという女優の持っている美しさ、外見的なものだけでない内面的な美しさと両方とを持った女性としての美しさと感情的表現における演技力あればこそ見られる美しさ、女性が虐められる場面でこんなにも美しいのを私は今まで見たことがあったか?自分がやがて夫となる男に覗かれていることを知った時のあの表情の素晴らしさ、コン・リーあっての映画であることは少なくとも間違いないと私はこの映画を見て感じました。最後に二人の間に生まれてきたあの何とも憎たらしいガキといったらまるで何だか亀○兄弟でも見ているようでして、いや、本当に何だかあの息子の面構えといい、暴力的ふるまいといい、坊主頭な所までそっくりだ!それにしても本当にどの場面においても映像美が美しいのには流石、チャン・イーモウ監督だと思いました。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-05-31 11:16:45) 8.反物の流れひとつでラブシーンや愛憎を語らせるテクニックに陶酔。 また映画史上に残る子育て失敗の巻でしょう。まだまだ続きそうな悲劇を思うと気が滅入ります。8月15日に精進食べないということも知りましたが、中国の暦は今日と違うのかも?ですね。「川で洗濯」のイメージもイマイチ不明だったのでちょっと浴室でやってみました。ふーーん、なる、、。 【かーすけ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-08-15 22:23:52) 7.映像がすごくきれいだった。こんなふうに紅い色を見せつけられると体が熱くなってしまう。生きる人間が持つ、紅への反応がここにあった感じがした。 【にゅうたいぷ】さん 7点(2005-03-15 15:36:14) 6.因果応報。というか、もうほとんど「業」みたいなものか。どぎついのに美しい色使いはさすがチャン・イーモウ。 【あさ】さん 7点(2004-03-26 11:57:40) 5.染物屋が舞台になっているだけあって、色彩がすばらしい。それからコン・リーの演技もよかったです。「跡継ぎ息子を産め!」といって妻を虐待する子供のない老人(こんなふうにして子供ができるわけないでしょう)に耐えかねて主人公は「自分の身を守るためにはどうしても子供を生まねば・・・。」と決意しますが、封建的な中国社会に特有かもしれない家(それに加えて自分の身)を守り、跡継ぎを確保しようという意図がポルノまがいのストーリーとシーンにつながっていくのにはぞっとさせられました。この映画、決してポルノ映画ではないけれど、中国で上演禁止になったというのもわかります。後半、子供ができてからはもっと怖い。「中国人よ、家の亡霊に取り付かれるのはやめろ・・・。」という作者の叫びが聞こえるようで、何事もいきすぎると変態じみていくのかと感じました。美しい映像が重苦しいストーリーをなんとか救っています。 【かわまり】さん 7点(2004-01-23 10:54:32) 4.どうしても、「おっさん、半身不随とは言え口はきけるんだから、こんなふうに虐めるなんてできるのかなあ(誰かに訴えればいいじゃないか)」という点が不自然に思えてしまったのですが。毒々しいまでの色彩は『赤いコーリャン』に負けず劣らず発揮されており、ストーリー性は高まっているので、観る者を引きつける反面、肝心のストーリーの方が、上記の点も含めちょっとヘンなので、ややチグハグな印象も。しかしあの子供はコワイ。チャン・イーモウ、いずれはホラーにも手を出すとみた。 【鱗歌】さん 7点(2003-12-28 02:19:50)(笑:1票) 3.全てに酔った。でも、棺を止めるシーンでは笑ってしまい、さめた。 【BAMBI】さん 7点(2003-12-16 11:46:57) 2.チャン・イーモウの作品っていわゆる「幸せ三部作」しか観てなかったんで、ちょっとびっくり。前半は谷崎作品のような純愛・変態スレスレ話だし、後半はドロドロの情念話になってくし・・・。その手の話は今まであんまり観てなかったんで、そういう意味では面白かったです。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-11-21 18:34:34) 1.主演の竹中直人似の人がくりだす、必殺パンチに驚きました。中国が誇れる大スペクタクル映画だと思います。でも、おちが微妙。 【ぅどぃg】さん 7点(2002-09-26 19:39:44)
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