みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(7点検索)】
6.《ネタバレ》 木村恵吾脚本・監督の、“元祖”狸御殿シリーズ。しかしコレ、どうもミュージカルというよりは、レヴューに近いですね。一応ストーリーはありますが、特にどうってことないですし(もちろん、つまらないとは言っていない)。一番メインに思えたのが、狸吉郎さんがやってきて国を挙げて歌い踊るちょっと長めの場面。全国各地の民謡をアレンジし、きれいどころのお姫様がとっかえひっかえ登場して(中村玉緒もいた)、聞いて楽しく見て楽しい。物語中心のドラマを期待するとちょっと違う気もするのですが、これはこれで見ものでした。でもそのおかげで、市川雷蔵もたいした芝居をしていないのですが。根本的には「お祭り騒ぎ」なんですね。 ドラマ部分としては、若尾文子の二役もよかったのですが、菅井一郎の親父狸(タヌキオヤジ?)が色々な意味で大活躍で、ほとんど主役級でした。雷蔵は単なる二枚目だし、勝新太郎も出番が多くないので、よけい目立っています。序盤はこの親父と娘の話がちょっと続き、本題になかなか入らないのが難点か。しかし単純に楽しめる作で、何も考えずに見るにはいいと思います。まあ木村監督以下スタッフは、単に「楽しい映画」を作ろうとしただけで、アホな作品を作る気なんて毛頭なかったと思いますが。 戦前の『歌ふ狸御殿』と比べると、音階になっている階段とか、羽根つきの場面が共通しています。ああいうところがこの監督の趣味のようです。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-09-08 20:03:24) 5.《ネタバレ》 いわゆる「狸もの」と呼ばれるジャンルがかつて邦画で隆盛を極めたということは知っていましたが、今回その「狸もの」を初鑑賞させて頂きました。監督の木村恵吾という人は「狸もの」の創案者で戦前から「狸もの」を撮っていて、本作がシリーズ初のカラー作品なんだそうです。 もう何本も撮られてきたので観客には周知している様なお約束ごとがあるみたいで、マキノ正博の『鴛鴦歌合戦』のような奔放な荒唐無稽さとは違った様式化された破天荒さが感じられます。なんせ何かあるたびに「さあ、狸祭りだ」と豪華絢爛な民謡ショーになっちゃうんですからね。それにしても、高倉健もそうでしたけど昔の映画スターの歌唱力はハイレベルですよね、でも鴈治郎の歌だけは放送事故級のひどさでしたけど(笑)。なぜか勝新が出てくると必ず登場するカッパ娘、実ははじめは自分にはカッパだと判らなかったのですが(だって頭にお皿が載ってないもん)、この二人のゆるーい踊りにはツボを刺激されました。 雷蔵と若尾文子の絡みも衣装を換えまくって見せてくれ豪華絢爛の一語です。エアー羽子板やらいろいろ優雅な舞いを見せてくれて、さすが雷蔵・若尾コンビです。でも梨園出身の雷蔵に言わせると、若尾の踊りは「なんかデンマーク体操やってるみたい」なんだそうです(笑)。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-01-19 20:14:59) 4.歌と踊りが理不尽に展開する、インド映画もびっくりの、おバカさ爆発ミュージカル。絢爛豪華なスタジオセットを舞台に、雷蔵が、眠狂四郎の対極を行く超サワヤカさ、その薄っぺらい(?)美しさに、心からウットリすべし。ついでに勝新まで美しかったりするんだ、これが。で、↓皆さん誰もが言及せずにはいられないのがメス河童、わたしゃ、子供のころ胸をときめかせた(?)キザクラのCMを思い出しますが。というわけで本作、うーむ。これぞまさに、古き良き時代の、映画の醍醐味ってやつか。ついていけん。ははは。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-26 09:11:42) 3.人間役は、出演の中で一番人間ばなれしている左卜全だけであった。ミュージカルといっても見どころはレビューショーで、別に映画であることを活用してはいないが、日本各地の民謡を狸うたにして巡ったり、チョーチンがいっぱい出てきて、ステージ階段があって、っていうあのレビュー的晴れやかさがたまらない。理屈抜きでシアワセになれる。後のほうでマヒナスターズが出てきて、なにやら脇で妖艶な女狸が大うちわをヒラヒラさせてるとこは慄えた。この題材の自在さ、セットの作り物の楽しみ、が今の映画には欠けていると思った。清順がちょっと復活してくれたけど。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-10-29 12:11:03) 2.まずはレビューを始める前に「テレビ東京さん、ありがとう!」こんなレアな作品を新春に放映してくれるなんて、さすが「オクトパス」をゴールデンタイムに2回も放映するだけのことはありまする(笑)。ここは敬意を込めて「東のサンテレビ」と呼ばせて頂きましょう(ただ、欲を言えばもう少しコマーシャルを入れるタイミングを考えて欲しかったな・・・)。さてさて、大映では戦前戦後を通じて「狸もの」と呼ばれるジャンルの作品を次々と発表していたそうで(今度鈴木清順がチャン・ツィイー主演で「オペレッタ狸御殿」という作品を発表するのだとか。楽しみ)、これもその一つ。内容は、やましんさんの仰っている通り、豪華スター競演の実に無邪気で明朗快活なお話。尚且つ美術セットの鮮やかな色彩も目に楽しいし、若尾文子と市川雷蔵のキスシーン(一度目は扇越し、二度目は波打つ水面に映させている)もイキな感じ。それとやましんさんが懸念(?)されてるメス河童のびーちくですが、あれはどうもスパンコールかなんかを貼っているような気配で、何だか「女子フィギュアスケートの衣装が大胆な露出で一瞬うぉう!と思ったら実は肌色の生地でがっくし」みたいな感がなくもないけど、あれはあれでギリギリ健康的なお色気ってことでなかなか良いです。つまりは、新年に無邪気に楽しめる作品。ただ、これは邪推ですが、あの「自分が狸であることを恥じて人間の姿でいようとするキヌタ姫」ってのは、当時の日本人の欧米(というか、アメリカ)に対するコンプレックスのメタファーではないかなーと、ちょっと思いましたです。だっていまだに「日本人離れした」という言葉は「ほめ言葉」として使われてるもんなあ・・・ま、これは野暮な余談でした。 【ぐるぐる】さん 7点(2005-01-04 17:09:16) 1.すでに『祇園囃子』と『赤線地帯』という溝口健二晩年の傑作で、すれっからしの現代っ娘ぶりを見せつけてくれた若尾文子が、なんと純情可憐なおぼこ娘と、ちょいとわがままだけど根はやっぱり純な姫君の二役を演じるなんて! しかも、どちらもその正体はタヌキ!! …まさに、見ているこちらが“化かされた(笑)”思いであります。でも、この奇天烈な「和製ミュージカル・コメディ(!)」の魅力の大半は、彼女の見事なカマトト演技と、市川雷蔵のこれまた呆れたくらいのバカ殿…もとい若殿ぶりにあること。さらにふたりを囲む芸達者な名優たちが、思う存分の怪演ぶりを見せてくれることにあるのは間違いないところでありませう。こ~んなにクダラナイ(失礼!)内容に、これだけの役者やスタッフが揃っているってことにも、「日本映画の黄金時代」だけに許された“贅沢さ”や“矜持”が感じられる。…やはりぼくたち映画ファンは、生まれる時代を間違えたのかもしれないなぁ。あと、これは余談だけど、映画の中に出て来るメス河童たちって…トップレス!? だったら、まさに小島功のマンガそのまんまやん♪ とっても気になります。艶っぽいです。いいねぇ~(笑)。 【やましんの巻】さん 7点(2004-05-14 21:12:26)(笑:1票)
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