みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
7.ファンタジーの物語はいいとしてイマイチ深みの感じられない現実世界のストーリーでしたが、世界遺産の映像美、強烈な衣装デザイン、そして少女のピュアな表情に知らず知らずのうちに引き込まれます。 エンディングであの有名なカットされたキスシーンの連続が頭をよぎりますが、不思議なワクワク感に思わず二度見してしまいました。 【ProPace】さん [地上波(字幕)] 8点(2021-01-21 22:15:59) 6.映画監督だけが仕事なわけではないアーティスト、ターセム・シンの作品数は少なく、1本1本が貴重。 近作「インモータルズ」が影と闇に支配されていたのとは対照的に、この映画の空想部分は光と色に溢れ、世界遺産めぐりの旅でもあり、至福のひととき。 遺跡を舞台としイメージや舞踊をとりいれることで、それ自体も新たな生命を帯びてくるよう。 一方現実の方はかなりシビア。 たびたびスタントのことにも言及したのは、縁の下の力持ちの彼らが映画を支えているのに思いをはせてほしいからなのですが、負傷のスタントマンにスポットをあてるなぞ嬉しくもあまりない趣向。 ラストは「ニュー・シネマ・パラダイス」より好きかもしれず、無謀より果敢という言葉がふさわしい、表舞台に出ることはないはかない英雄たちの勇姿の数々。 彼らの代表であるロイと少女アレクサンドリアの繋がりが、夢のような映画を夢で終わらせておらず、「落(堕)ちる」ことの痛みとそれへの抵抗が、美しい映像に縫いこまれていたように思います。 力強さより浮遊感のある作風も特徴か。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-01 07:00:04)(良:1票) 5.《ネタバレ》 面白かった。物語を物語の中の人物に語らせるのはかなりの力量が必要だと思うが、軽やかにやってみせるあたりにそれを感じる。 悪意を原動力に作られた心地よいロイのお話に、少女だけでなく不覚にも観ている私まで思わずワクワクしてしまう。その心地よい都合の良さともったいぶらされ感に確かに続きが観たくなる。その計算された陳腐さは妙に後を引く。 ところが中盤以降、ロイの心が病むことでその心地よさは徐々になくなり融通の効かなさを感じさせる。とうとうロイが現実に対して折れてしまうと、すべてが破綻する。それは、そこにあるロイの願望がロイ自身の、心からの望みであることに気がついてしまうと言うことだった。 しかし、生きようというかすかな思いが彼とその物語の結末を文字通りの終わりから、少しだけ押しとどめた。その後、不可避な現実にどのように折り合いを付けていったのはは分からないが、本人も知らずのうちに寓意を込めたその物語はときには幼稚に、ときには陳腐に、ときには他愛のない空想にも映ることだろう。しかしそれは美しい映像をまとった紛れもない冒険であり心躍る物語だ。ちょっぴり厳しいエールがのっかった物語は彼の心をギリギリ踏みとどまらせた。 映画の中のキャラクタが映画の中で物語の中のキャラクタを演じ、見ている私はその映画の中に入りこんでその話をせがんだ一人になったように感じることが出来た。見終わって、アレキサンドリアと一緒にさんざん励ました自分の背筋がちょっとだけ伸びたような気がした。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-05-13 23:31:47) 4.《ネタバレ》 子供の頃、歩道の色付きブロックを溶岩とマグマに見立てて歩いたことがあります。赤いブロックを踏んだらマグマに溶けて死ぬ。上手く行かなかった時の小さな敗北感は今でも思い起こすことが出来ます。お遊びとはいえ、負けは負け。想像の中の出来事でも、心が感じた喜びや悲しみはニセモノではありません。スタントマンのロイは「映画」の中に生きる人間。一般の大人に比べれば、空想の世界と現実の世界の距離は近い気がする。もちろん幼いアレクサンドリアも。2人にとって、創作話はただのお遊び以上の意味がありました。少女は仮面の男に、亡くした父親の姿を重ねていた。“物語”のエンディングで、彼女が泣いて仮面の男を助けて欲しいと泣いた気持ちは痛いほど分かりました。仮面の男の命を救う結末に筋書きを変えたロイ。彼自身もまた少女に命を救われた。作り話と同じように自分の人生の筋書も自分の意思一つで変えることが出来る。もちろんスタントの事故のように、思い通りには行かないかもしれないけれど、その時はまた新しい物語を書き直せばいい。力強い希望のメッセージが其処にはありました。どの場面を切り取っても、陰影が印象的で絵画のような美しさ。空想の世界を見事に映像化していたと思います。現実の世界も同様に美しいので、お話の世界との差異が曖昧ですが、本作の趣旨を考えればむしろ好都合だったと思います。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-04-07 19:18:13)(良:1票) 3.うーん!いい!とても美しい映画。映画館で見ればよかった・・・。女の子がかわいくて仕方がない。いかにも作り話なご都合なファンタジーが、心地よく、軽くてよかったのですが、すべてが最後まで軽かった。もっとシリアスにもできたと思うけど、でもこれでもいい気がする。 旅行に出たくなる映画。 【しゃっくり】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-05 03:02:49) 2.《ネタバレ》 子役の子どもらしい可愛らしさを巧みに引き出しているのが好印象。自殺志願の青年もごくありふれた青年という感じで、大人と子どもの会話がなかなか噛みあわない場面や、錯乱した女性を目撃した女の子が怖がる下りなど、割とリアリティ重視の作りとなっている。青年のバックグラウンドが描かれないのは、ほぼ全編を子どもの視点で描こうとしたからだろう。 空想世界は言うまでもなく、幻想的なプロローグからトーキー映画の引用を集めたラストまで目が離せない美しさだった。自殺を図るための方便でしかなかった作り話が、聞き手の少女の干渉によって、いつしか青年を救う道標となる。虚構の物語が人を救うというテーマに、作り手の映画への姿勢がそのまま重なって見える。 インドの国民的作家、タゴールの代表作に『もっとほんとうのこと』という短篇小説がある。これもやはり老人が孫娘に物語を聞かせる形式を取った作品で、老人は途方もなく壮大でロマンチックなおとぎ話を語る。しかし「これはほんとうよりもっとほんとうの話」で、けっしてただの作り話じゃないんだよ、と孫に言って聞かせるのである。ターセムがインド人だからというだけで影響を読み取るのは考えすぎかもしれないが、やはり似ていると思う。空想物語のなかに込められた真実の欠片が、人間にとってどれだけ大切なものかを教えてくれている。 ラストの喜劇映画の場面集は、落下に次ぐ落下で、むしろ飛行するような高揚感があった。『落下の王国』という題名は不評なようだが、個人的には好きだ。それは青年の空想世界だけでなく、自由な想像力の結晶である、映画そのものを示す暗喩でもあるように思う。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-03 14:42:43)(良:2票) 1.端正で美しい映像と、ベートーベンの7番がまさにベストマッチ。これは、ぜひ映画館で見ないと。っていっても、宇都宮での上映はもう終わりなんだよね。 子役の女の子は、どこまで演技してるって自覚があったんだろうか、と思うほど自然なできで、リー・ペイスも初めて見る役者だけど、演技もルックスも、とても気に入った。 少女がアメリカで暮らしている背景には、東欧らしき別の国で、家が焼き討ちにあって父親が殺されてしまう、という話があるのだが、ユダヤ人排斥かな? と思ったが、そのあたりは詳しく説明されない。 お話と現実が入り交じってしまうあたりに、何度かくすりとさせられた。 初期の映画産業を支えたスタントマンたちへのオマージュもかいま見えて、これもまた、映画への愛情を感じる作品だった。 【yhlee】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-11-02 15:17:11)
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