みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
4.《ネタバレ》 生まれながらのサイコパスである英語教師が、ふとしたきっかけで本性を解放させ、担任するクラスの高校生たちを片っ端からショットガンで撃ち殺していくという、不謹慎極まりない映画である。 某トップアイドルのようにこの映画を観て激怒する人も多いのだろうけれど、それと同等以上に、この映画の「娯楽性」を堪能してしまう人も多いだろうと思う。 はじめのうちは、聖人君子の仮面を被った殺人鬼の教師が、生徒たちを何のためらいもなく、あたかも出席を取るように殺していく様に当然激しいおぞましさと嫌悪感を覚える。 しかし、彼の“鼻歌”に乗せられるように、次第にそのおぞましさがクセになり、一方的な殺戮をどこか楽しんでしまっている自分に気付く。 瞬間、自己嫌悪に陥り、「不謹慎」という言葉を持ち出してその感情を抑えようとするけれど、そんな言葉など意味がないという結論に行き着く。 非常にショッキングな映画であることは間違いないけれど、この映画のスタンスは見紛うことなくエンターテイメントであり、何の問題提起があるわけでもなく、ただただ主人公“ハスミン”の「狂気」を楽しむしかない映画なのだと思う。 主人公の人間性を疑うなんてことは完全にナンセンスなことで、ジェイソンやフレディ・クルーガーら名だたるホラー映画スターと同様に、“ハスミン”という新しい“モンスター”のキャラクターと恐怖を楽しむほかない。 というわけで、これまでの日本映画にはありそうでなかった、高い娯楽性を備えたバイオレンスホラー映画に仕上がっている。 この手の映画を作り出すにあたっては、国内には三池崇史以上の人材がいないことは明らかで、題材に相応しいバイオレンス描写を的確に導き出していると思う。 そして、何と言ってもこの映画の質を一段も二段も上積みしている要因は、伊藤英明の存在に他ならない。 キャラクター性の強い殺人鬼を嬉々として演じ上げた様は見事だったと言うしかない。 表裏のない真っすぐなキャラクターを演じることが多いこの俳優に、完全なる「裏」を演じさせてみて、凄まじい存在感を引き出したことは、監督にとっても俳優にとっても幸福なことだったと思う。 ラストは壮絶な死に様が見られるのかと思いきや……そうですかそうですか。 それじゃあ、更に暴走に拍車がかかった“ハスミン”の「二時限目」を期待しております。 【鉄腕麗人】さん [ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-11-03 01:17:54)(良:1票) 3.《ネタバレ》 実は大盛況の『ヱヴァ:Q』初日に入りきれずでの鑑賞だったのですが、これが大正解。不謹慎過ぎるエンターテイメント怪作、思う存分楽しませてもらいましたよ。何が良いってまずは伊藤英明。あの『海猿』を壮大な布石とした瞳孔開きっ放しの様がハマっています。普段の彼はお世辞にも演技巧者とは言えないと思いますが、これは単純にハマり役。文句無しです。そんな彼が水面下で変態性をチラつかせる前半を終え、いよいよ訪れるハンダゴテ蜂の巣処刑以降の異様なテンションの高さよ。階段の壁越しに漫画っぽくしぶきを上げる血のりの滑稽さよ。山田孝之のドラマーぶり&死に様よ。確信犯的に流れるTHE SECOND from EXILEのズッコケ感よ。2012年度マイベストのうちの一作です。 【HIRABAYASHI】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-01-08 22:25:45) 2.中身?ないですよ、そんなもの。エンターテインメントです。ただジャンルがジャンルだけにこれを単純に楽しめる人はそう多くないでしょうね。ちょっとコンビニいってくるーぐらいの感覚でハスミンがバンバンバンバン高校生をぶっ殺してく様を観て楽しむ映画です。大島優子とは逆に自分は一人殺されるごとにワクワクしましたね。いや、こう書くといささか趣味が悪いように思えますがwまあ要はB級映画ですよ。B級ホラー好きにはもってこいの一本だと思います。洋画のあのノリを邦画風に良くアレンジした感じ。 【ケ66軍曹】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-11-27 18:29:50)(良:1票) 1.《ネタバレ》 まず言及したいのがヤッパリ伊藤英明の怪演ですね。どう見ても善人にしか見えない外見を活かした見事なキャスティング、鑑賞後は蓮実役は彼以外に考えられないとまで思いました。三池監督は「十三人の刺客」でも稲垣吾郎に極悪人をやらせたりして観客の度肝を抜きましたが、今回も上手かった。この映画の主人公のキャラクターは共感性が欠落しているという演技が出来なければ成り立ちませんが、生徒が命乞いしても首を傾げて「なに不合理なこと言ってんの?殺さない理由がないだろ」って感じの顔はそれを説明するには十分過ぎる演技だったと思います。 またホラー描写も素晴らしいと思います。先生を信じて屋上前の階段で待っていた生徒を次々に射殺していく場面では、射殺される女子生徒は直接見せず、画面奥で銃声と共に飛び散る血飛沫で殺戮を表現したり、直接見せている場面よりずっと怖い。しかも主人公は"モリタート"を楽しげに口ずさんでいるというおまけ付き。歌を口ずさみながらの残酷描写ってのは『時計じかけのオレンジ』のアレックス以降お馴染みですが、不変しないホラー表現だと思います。 それから脚本もスマートでした。原作の『悪の教典』は「え?あれだけ色々描写されてた生徒が一瞬で殺されちゃうの?」という意外性が面白いのですが、映画化するにあたっては同僚教師や生徒の描写は基本的にカット。原作では釣井先生も蓮実と同様に結構人を殺してる人間なのですが、そういうエピソードは丸ごと切り、蓮実の話だけにしたのも良かったと思います。 ただご丁寧にAEDの録音機能について説明したり、清田梨奈の家の周りにありえないほどペットボトルを並べたりするのは説明過多なんじゃないかなと思います。観客はちゃんと勝手に考えて描写を補完するし、あれだけこれみよがしに見せられると観客をバカと思ってるのかなって気がしてしまいます。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-11-12 23:43:36)(良:3票)
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