みんなのシネマレビュー

黒薔薇の館

1969年【日】 上映時間:91分
ドラマサスペンスラブストーリーミステリー
[クロバラノヤカタ]
新規登録(2014-12-24)【鉄腕麗人】さん
タイトル情報更新(2022-01-14)【イニシャルK】さん
公開開始日(1969-01-25)


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監督深作欣二
キャスト丸山明宏(男優)藤尾竜子
小沢栄太郎(男優)佐光喬平
田村正和(男優)佐光亘
西村晃(男優)大友
内田良平(男優)風間
川津祐介(男優)
松岡きっこ(女優)玲子
ジョー山中(男優)ジョージ(名義「城アキラ」)
脚本深作欣二
松田寛夫
音楽鏑木創
撮影川又昂
製作織田明
配給松竹
照明三浦礼
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【クチコミ・感想(8点検索)】

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1.この現世に「魔女」というものが存在するのならば、それは丸山明宏(美輪明宏)のことだと思う。
ちょうど10年前に、今作と同じく深作欣二監督作、丸山明宏主演の「黒蜥蜴」を初めて観た時と同様に、そう感じた。

インモラルなオープニングクレジットを皮切りに、その唯一無二の「存在」に圧倒され、陶酔してしまった。
それはまさに、「性別」という“脆い”概念を超越した「魔女」そのものだ。

勿論、日本には過去にも現在にも優れた「女優」は数多いと思うが、他のどの「女優」がこの映画の主人公の「女」を演じても、丸山明宏を超える存在感を出すことは出来まいと確信してしまう。
それくらいにこの映画と主人公「竜子」というキャラクターは、丸山明宏のためのものだったと言え、彼がいなければ作品自体が存在すらしなかっただろうと思える。
実際、「竜子」という女が、謎に満ち溢れながらも数多の富豪・文化人を虜にしていく様は、年齢・性別不詳で売りだした彼自身のデビュー当時の様そのものだ。

謎の女「竜子」に群がる男どもの面々がこれまた濃い。
男たちが、女に翻弄され人生を崩壊させていく様は、滑稽で禍々しいけれど、あまりに非現実的なこの「女」の妖艶さの前には、それも致し方ないと思えてしまう。
小沢栄太郎、西村晃ら熟練者の存在感は言わずもがなだが、やはりその群がる男どもの中で最も印象的だったのは、若き田村正和だ。

当時二十代半ばの田村正和は、あまりに瑞々しくて一寸誰か分からなかったけれど、“発声”した瞬間に彼と分かる喋り方は、今と全く変わらない。
映画の終盤は、丸山明宏演じる「竜子」と田村正和演じる「亘」との愛の逃避行へと突き進んでいくわけだが、両者の独特の口調が絶妙に混ざり合い、会話そのものが淫靡でクラクラしそうだった。

ストーリー自体は至ってシンプルでむしろ凡庸と言える。しかし、そこに息づくあまりに稀有な「存在」によって、唯一無二な映画に成っている。

今作もソフト化されていないらしい。「黒蜥蜴」と同様に早急にソフト化を求む。 鉄腕麗人さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-12-24 23:25:00)

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【点数情報】

Review人数 1人
平均点数 8.00点
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