みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
7.《ネタバレ》 恥ずかしながら、沖縄戦でこれほどの激戦地があったとは知りませんでした。前半は主人公のニヤケ顔が今ひとつ好きになれませんでしが、それも過酷な後半への伏線だったのでしょう。戦闘シーンはグロい遺体の数々もさることながら、とにかく敵との距離が近いので迫力があります。数々の戦争映画の中でも、これほど接近戦を描いたのは珍しいんじゃないでしょうか。 それはともかく、たしかに主人公の行為は間違いなく立派ですが、ちょっと〝盛りすぎ〟な感じがしないでもありません。激戦地とはいえ米軍側が圧倒的に有利だったことは間違いないので、その火力があってこそ活躍できたのかなという気がします。また本人はキリスト教的な戒律云々というより、もはや〝衛生兵ハイ〟のようなワーカホリック状態だったのかなと。主人公が日本兵にまでモルヒネを刺すシーンで思い出したのは、不謹慎ながら「モダンタイムズ」でした。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-02-20 02:39:08)(良:1票) 6.《ネタバレ》 実在の人物ではあるが今までにない主人公であることに見どころがあった。決して信念を曲げない姿は見ているこちらが心配になるぐらいだが最終的には全員を認めさせる姿は格好いい。銃を持つだけが戦いではないと実感させられる。ただ日本人のガムシャラ感は相変わらずだなと思った。 【ぷるとっぷ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-03 17:46:30) 5.《ネタバレ》 良心的兵役拒否者としての信念から銃を手にすることを一切拒否、しかしながら衛生兵として多くの負傷兵の命を救った一人の男の姿を実話を基にして描いた戦争ドラマ。舞台となるのは第二次大戦中、日本国内では唯一大規模な地上戦が行われた激戦地・沖縄。監督は、私生活でいろいろと問題行動の多いメル・ギブソン。この人の思想信条や考え方、そして宗教観は個人的には嫌いなのですが、それでも映画監督としての才能はやっぱりピカイチなんですよねー。完成度は抜群に高いです、これ。前半、誰に何と言われようと銃を手にすることを一切拒否し、周りに迷惑をかけまくる主人公には同僚でもなんでもない観客の僕たちまでイライラさせるとこなんてホント巧い。「じゃあ兵隊に志願なんてするなよ!」と誰もが思うことでしょう。アンドリュー・ガーフィールドの頑固で変わり者キャラがばっちり嵌まっててなかなかナイスなキャスティングじゃないでしょうか。後半、壮絶な沖縄戦に突入してそんな頑固者の主人公が一転して英雄となり周りからの信頼を勝ち取ってゆくとこもカタルシスがヤバいです。なかなかよく出来た脚本と言えるでしょう。凄惨を極めた戦場描写も容赦がなく、地面にごろごろと転がっている無残な死体の中を自らの命を顧みずに走り抜けてゆく兵士たちからは一秒たりとも目が離せません。皮膚の焼けただれる臭いが今にも漂ってきそうな火炎放射器の炎、そこらへんに容赦なく散らかった剥き出しの内臓や千切れた手足、我先にと餌にありつく巨大なネズミたち…、リアリティに満ち溢れたそれらの描写には日本人としてとても胸に迫るものがあります。まあこの監督らしい一面的な描き方――例えば、襲ってくる日本兵が全員野蛮な狂信者として描かれているとことか、これを観たアメリカ人にまた原爆投下肯定論者が増えそう――は、相変わらずですけれども。それでも悔しいかな、日本人としてそんな微妙な部分も作品としての質が大幅にカバーしちゃってます。全編に貫かれるキリスト教礼賛描写も鼻につきますが、総合的な完成度はすこぶる高い戦争ドラマの秀作と言わざるを得ません。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-04-05 03:25:32) 4.《ネタバレ》 映画人として完全に終わったと思われていたメル・ギブソンが、彼を毛嫌いするハリウッドの住民たちをも納得させてオスカー大量ノミネートと2部門受賞という栄誉を勝ち取った作品こそが本作なのですが、なるほど、本作を観ればメル・ギブソンは映画を撮るという才能に溢れた人物であることがよく分かります。 主人公・デズモンドの人格を形成したものは何だったのか、また軍隊や社会は彼の主張にどう反応したのかが描かれる前半部分は簡潔ながら非常によくまとまっています。メル・ギブソンは実生活では信仰心の厚すぎる人物なのですが、本作では宗教という要素をバッサリと切り落とし、父と子の物語として再構築した辺りの見切りの良さも光っています。ヒューゴ・ウィーヴィング演じる父親は頑固で酒飲みで女房子供に暴力を振るう最低野郎なのですが、その一方で息子が軍刑務所に入れられて窮地に陥っていると知るや、自分のコネを使って何とか息子を助け出そうとする優しさも見せており、善悪では割り切れない複雑な人間性というものがきちんと表現できています。また、当初はデズモンドの信仰を理解できず、彼に対して辛く当たっていた戦友達が徐々に変化していく様も自然に表現されており、人間ドラマとして非常によくできています。 戦場はまさに地獄。そこら中に手足や内臓が散乱し、それらの周囲には血の海ができているという表現は、これまで見たどの映画よりも実際の戦場写真に近いものであり、まさにリアリティの塊となっているのですが、本作が特殊だと思うのが、このリアリティの極限の中に娯楽的な誇張を紛れ込ませているという点です。散乱する死体を左手で引っ掴んで盾のように構え、右手でマシンガンを乱射するという突飛な見せ場や、投げられた手りゅう弾を蹴り返す場面、また文字通り血の雨が降る場面などが登場するのですが、これがリアリティある戦場描写にちゃんと馴染んでいるのです。そもそも全体の構成自体も、史実では一定期間でなされた行為を本作では一夜の出来事として見せており、かなり無理のあるまとめ方をしてはいるのですが、これに違和感を覚えさせられない辺りが脚色や演出の妙なのでしょう。『ブレイブ・ハート』でも感じたのですが、メル・ギブソンはリアリティと虚構を混ぜるのが本当に巧い監督だと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2018-01-05 20:15:17)(良:1票) 3.実際の出来事を基にしているため、ストーリーにドラマが少ないんですね。これがフィクションなら、もう少し演出を加えて、ドラマチックになるのでしょう。でも、映像はすごいですね。迫力がありますし、スリル満点。戦争映画を楽しむ、と言っては不謹慎かもしれませんが、戦闘シーンの出来はとっても良いです。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-07-07 23:28:14) 2.《ネタバレ》 周りがどれだけ過酷な状況であったとしても、個人の経験はあくまで自分自身が選ぶのだ、そして自分が望むように生きるには、強い信念が必要だ。という、まさに宗教めいたメッセージが込められていたように思うし、そのメッセージは根底で「暴力脱獄(Cool Hand Luke)」に通じるものがあると思った。衛生兵として武器も持たずにひたすらに傷ついた兵士(敵、味方関係なく)を助ける姿はとても尊いものに見えた。それにしてもハクソー・リッジを登った後に始まる戦闘の凄まじさは特筆に値する。オスカー受賞も納得の音響がとにかく物凄く、迫力ある映像と相まって、迫力がありすぎて劇中涙が出てしまった。(そこに至るまでの演出が割と抑えられているので、ギャップがすごい。)迫力がありすぎて涙が出るというのは個人的に初めての経験であった。どんどんとやられる日本人兵を見るにつけ日本人である我々の気持ちは複雑になるだろうが、どちらもまさに必死で、やらなければやられる世界であるということがその血みどろの画面から伝わってくるし、徹底的にやりきった戦闘演出は逆に戦争を憎んで人を憎まずという姿勢を感じさせた。(視点を返せば、我々の祖先は日本を守るためにこんなに壮絶に戦ったのだと見ることもできる。)一方、最後の最後に1、2カット、明らかにCG(合成?)とみられるシーンがあり、そこで冷めてしまったのが残念だ。とはいえ、上映時間も全く気にならないほどの緊張感が貫かれた作品。とにかくその音響を体験するためにも劇場で見た方が良いと思う。 【rain on me】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-07-04 22:34:56) 1.《ネタバレ》 良作。 多くの敵を倒した者 = 英雄、と思っていた価値観を揺さぶられた。 戦争映画では突撃兵や狙撃兵が印象に残るが、今回は「衛生兵」に焦点が当たってて斬新。 主人公ドスの『ライフルを握らない』という一貫した信念が伝わり感心した。 その信念のバックボーンである幼少期のエピソードも交えられていて説得力あり。 凄惨な現場で、こんなにも多くの命を助けたのは奇跡的。 【カジノ愛】さん [映画館(字幕)] 8点(2017-07-01 19:44:44)
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