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三島由紀夫VS東大全共闘 50年の真実

2020年【日】 上映時間:108分
ドキュメンタリー政治もの伝記もの
[ミシマユキオバーサストウダイゼンキョウトウゴジュウネンメノシンジツ]
新規登録(2020-05-19)【LOIS】さん
タイトル情報更新(2023-12-31)【イニシャルK】さん
公開開始日(2020-03-20)


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監督豊島圭介
東出昌大ナレーション
出演三島由紀夫
瀬戸内寂聴
音楽遠藤浩二
撮影月永雄太
企画平野隆(企画プロデュース)
配給ギャガ
録音小川武
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2.《ネタバレ》 1969年5月、その日、東京大学駒場キャンパスのある教室は異様な熱気に包まれていた。何故なら、反体制を掲げ時に過激な行動で世間を騒がせた東大全共闘と世界的ベストセラー作家として名声を欲しいままにする三島由紀夫との討論会が行われたからだ。観衆も含め1000人を超える学生グループとたった一人敵地ともいえる教室へとやって来た大作家。片や共産革命を掲げる左翼思想グループ、片や天皇崇拝を主張し国家主義を是とする右翼的作家。真っ向から主義主張の異なる両者の対決は、文字通り命を掛けた激しい激論となった――。本作は、長い間テレビ局の倉庫に眠っていたそんな貴重な映像を再編集して50年目の今日、新たに世間に公表しようと試みた挑戦的ドキュメンタリーだ。中学生だった頃に三島由紀夫の傑作『仮面の告白』を読んで衝撃を受けた自分としては、感慨深いものを感じながらの鑑賞となった。当時の異様な熱気を生々しく写し取った映像は最後まで緊張感が途切れず、両者の激しい舌戦はまるで激しい格闘技を見ているかのような感覚にさせられる。特に、三島由紀夫の生涯のテーマとも言える「世界を変えるのは認識か行動か」という重要な思想が時折垣間見えるのが興味深い。高度な知性によって世界を変革しようという三島氏と文字通り暴力も辞さない行動によって世界を変えようという学生たちとの討論が最後まで噛み合わないのは当然だが、三島がそんな学生たちに理解を持って接していたのが印象的だった。もしかすると氏は、学生たちに深い羨望のようなものを感じていたのではないか。あくまで文筆活動で戦後のぬるま湯に浸かり切ったような日本を変えようとした三島氏が最期、あのような暴挙に出たのはもしかするとこの討論会で学生たちが見せた清々しいまでの若さに影響されたのかもしれない。もちろんかなり穿った見方であることは承知の上だが。ただ、討論会の途中から急に登場する、この時代のひろゆきみたいな芥氏という人物。この人の存在が自分は最後まで不快で仕方なかった。ずっとへらへらしながら自分以外の人間を小馬鹿にしているようなその態度が終始鬱陶しい。幼い娘を抱えながらこの討論会に参加しているのだが、それも「娘の子育てに忙しい自分が、ここで面白そうなことをしているみたいなのでなんとなく参加しただけだし」という言い訳を最初から用意している感じがしてなんとも不愉快。現在の年老いた芥氏にインタビューしているシーンもあるのだが、ここでも変わらず人を小馬鹿にしたような態度で「人ってどれだけ年取っても変わらないものだ」と思わず笑ってしまった。こんな男に最後まで真摯に対応した三島氏の度量の深さには改めて尊敬の念を抱かずにはいられない。反対に、悔恨を感じながらもあの頃の自分たちを肯定せざるを得ない心境で滔々と告白する全共闘の当事者たち。行動を起こしながらも結局世界を変えられなかった彼らには、三島の最後の長編『豊饒の海』にも通じる無常感すら感じる。この貴重な映像を50年後の今日、公開してくれた制作陣に改めて敬意を表したい。 かたゆきさん [DVD(邦画)] 8点(2023-02-13 09:13:15)

1.《ネタバレ》 右翼と左翼に分かれてはいても国家権力に対し変革を求めているという点で双方の目的は一緒であるということを三島由紀夫はわかっていたんだろううなと思いました。そして、学生側も三島のユーモアを交えた巧みなオルグに惹きこまれていくのが目に見えてわかりました。ただ、三島も全共闘も結局は目的は一緒だということを確認し合うだけで共闘を拒否し終わってしまったのが、今から見ると何だったんだろうかとおもいますね。双方の議論は面白かったですが、結局三島と相対することができる全共闘側のリーダー(芥氏はリーダーとはちょっと違う印象です)が不在で特別講師と学生の授業の枠を超えてなかった印象です。革命・クーデターという行動に際しては、純粋な知的エリートの甘さ・弱さは障害になるのだなと感じました。 TMさん [DVD(邦画)] 8点(2022-02-12 00:22:27)

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【点数情報】

Review人数 9人
平均点数 6.33点
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