みんなのシネマレビュー

終わらない週末

Leave the World Behind
2023年【米】 上映時間:141分
ドラマサスペンスSFパニックもの小説の映画化配信もの
[オワラナイシュウマツ]
新規登録(2024-05-14)【かたゆき】さん
公開開始日(2023-12-08)


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ブログに映画情報を貼り付け
キャストジュリア・ロバーツ(女優)
マハーシャラ・アリ(男優)
イーサン・ホーク(男優)
ケヴィン・ベーコン(男優)
製作ジュリア・ロバーツ
配給ネットフリックス
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【クチコミ・感想(8点検索)】

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2.今世界は、疑心暗鬼に満ちている。
自分以外の“他者”が、いつ、いかなる理由で「攻撃」をしてくるか分からない時代。人々は常にビクつき、防衛本能をフル稼働せざるを得ない。
どうしてこんな世界になってしまったのか。国家レベルから、一個人レベルに至るまで、私たちは息を詰まらせて苦悩している。

或る家族が急に思い立ったバカンスを過ごすためロングアイランドの別荘地に向かうところから本作は始まる。当然のことながら、何の危機感も感じていない普通の家族が、突如として「異変」に放り込まれる。
この唐突さこそが、今この世界に孕む危機の本質なのだろう。
災害にしても、パンデミックにしても、戦争にしても、テロにしても、一般市民に対する実害は、何の前触れも無く突然降りかかる。無論、適切なタイミングなど計ってくれるわけもなく、休日だろうが、深夜だろうが、徹夜明けだろうが、私たちは、今この瞬間にも命の危機を突きつけられてもおかしくないのだ。

いずれにしても、いざそういう状態になってしまったとき、人間はどのような対応を迫られるのか、そしてどのような対応ができるのか。
本作に登場する二つの家族の人間たちはみな善人であり、恐怖に包まれパニックに陥りながらも、人間らしい言動に努めているけれど、それでも発言や行動の端々にその人の本質が表れる。

自分や家族を守るための虚偽や卑怯や暴力は、一体どこまでが罪なのだろうか。
終盤、“隣人”の恐怖を象徴するような存在としてケビン・ベーコンが登場するけれど、果たして彼の言動を誰が断罪できるだろうか。彼にも娘がいて、守るべき家族があるのだ。

私自身、家を持ち、守るべき家族がいるけれど、本作で描き出されたような「分断」が本当に起きてしまったとき、どのような思考で、どう行動できるのか。自分自身に対して、それこそ疑心暗鬼になってしまう。


恐怖の正体が見えないとても居心地の悪い映画世界は、冷戦時代に製作された数々のスリラー映画を彷彿とさせた。
それは冷戦時代に世界に蔓延していた危機感、焦燥感が、今現在の世界と社会に重なることを雄弁に物語っている。

平穏な「週末」が、世界の「終末」に直結するかもしれない只中で、今私たちは生活している。
本作が、何十年か後、「こんな時代もあったね」という教訓や思い出話と共に“発掘良品”的に鑑賞される日が訪れることを心から願う。 鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-09-23 10:54:07)

1.《ネタバレ》 最近すっかり倦怠期に陥っているとある夫婦とその子供たち。少しでも気分転換を図ろうと彼らはこの週末、リゾート地の豪華な別荘に予約を入れるのだった。チェックインしたその別荘は大きなプールや広い寝室が備えられ、子供たちのテンションも自然に上がっていく。早速水着に着替え、近くの浜辺に海水浴へと出かける家族たち――。だが、彼らはすぐ異変に気づく。謎のサイバー攻撃により街は大規模な停電に見舞われ、ネットやテレビも全て遮断されてしまったのだ。さらには航行不能に陥った巨大タンカーが浜辺へと打ち寄せてきて、現場は大混乱に。すぐさま別荘へと逃げ帰ってきた家族にさらなる不穏な訪問者が。この別荘のオーナーだという怪しい親子が、一晩この家に泊めてほしいとやって来たのだ。はたして何が起こっているのか?この訪問者は本当に別荘のオーナーなのか?そして、家族は無事に週明けを迎えることが出来るのか?まったく期待せずに観たらこれがめちゃ面白かったんですけど!何がいいかって、とにかくこの全体を覆ういや~~~~~な空気。ずっと気持ちが落ち着かないカメラワークに不穏な音楽、なにより登場人物全員が人を嫌な気持ちにさせる要素をちょっとずつ持ってるところ!常にヒステリックで情緒不安定なお母さんにそんな妻に嫌気を差しつつも無気力に引き摺られちゃうお父さん、隣のエロいおねーちゃんの水着を携帯見るふりして盗撮しちゃうお兄ちゃん、ドラマ『フレンズ』の最終回を観ることだけが生きがいの妹……。別に普通の家族なのになんでここまで人を不快にさせるんでしょうか。途中から登場する、この民泊のオーナーの黒人親子もヤバい。物腰は丁寧なのに絶対人を見下してるだろってことが丸わかりの父親、常に人を小馬鹿にするような皮肉ばかりのたまう娘。この映画、とにかく人を不快にさせる作りが抜群に巧い。監督、絶対性格悪いだろ(笑)。そんなどっかで勝手にやってくれと言わんばかりの家族に徐々に世界の終末が迫ってくるわけだけど、これも絶妙に不安感を煽るもので大変グッド。特にピンクのビラを大量に撒くドローンや急に歯がボロボロと抜けちゃうお兄ちゃんが強烈。父親が途中で出会う、スペイン語しか話せないおばちゃんが自分はすんごく嫌でした。困っているのは分かるけけど、ちょっと落ち着いてくれよっていう。思わず置き去りにしちゃったイーサン・ホークの気持ちも分かる(笑)。何気に自分の保身のために家に閉じこもってたケヴィン・ベーコン(懐かしい!)が一番まともに見えるという。そして、ここまで大風呂敷を拡げといてどーオチつけるのかと思ったら、まさかのラスト!いやー、妹ちゃん良かったね、願いが叶って(友情ってサイコーとか言ってられへんくらい世界はむちゃくちゃですけど…笑)。ここまで人を不快にさせる作品ってある意味凄い。なんだかアリ・アスターをも髣髴させるこの監督の才能は、これから要注目だわ。 かたゆきさん [インターネット(字幕)] 8点(2024-05-15 10:23:58)

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【点数情報】

Review人数 5人
平均点数 7.60点
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