みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(8点検索)】
4.《ネタバレ》 司葉子の魅力大爆発、邦画屈指のスーパー・メロドラマ。監督成瀬の演出力は遺作となったこの作品に至るまで高い水準を維持していた事を実感している。社会的・心情的に疎外感を味わっている男女が結びついていく様を細かく丁寧な演出情景を積み重ねていく事で「事故未亡人の女と加害者の男のよろめき」という、ともすれば安っぽい話にリアリティを感じさせるのは並みの監督では絶対に上手くはできない。またその作品世界を構築しているスタッフの仕事、特に武満徹の音楽と各役者の配分(浜美枝・中村伸郎・加東大介・浦部粂子・左卜全)には心地よさを感じる。ラスト15分の演出、一線を越えようとした二人が結局結ばれずに終わる流れが素晴らしい。別れに至るまでの心情描写がいいのだ。温泉宿へ向かうタクシーが踏切で立ち往生する=危険を暗示する踏切の「警報音」そして超えてはならない「線路」/バックミラーでチラ見する運転手=事故未亡人と加害者がつながる、という事への世間体からの「視線」/窓辺で聴く救急車のサイレン=男が以前交際していた女との別れの情景の再現、など。こういった不安が積み重なった上での帰結であったこと強調したい。でなぜこの点数か、マイナス2点①最良で最善の演技なのだが「罪の意識に苛まれる若手エリート商社マン」に加山雄三がしっくりこない、という点②温泉宿に向かう前の事故現場シーン。このショットを入れたことで観客は「この恋愛が偶発的な要素で駄目になってしまった=話を収束させる為のご都合主義」を感じてしまいかねないから。この点は「見せない」演出を貫き通して欲しかった。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-09-10 00:45:16) 3.《ネタバレ》 終盤、司葉子の心が乱れてからが凄い。それまで明晰な展開で持ってきてて、ここで画面を混乱の酩酊に一気に導く。加東大介の居どころを尋ね続ける森光子の電話、司の廊下の往復、じゃれ合っている新婚客のカットが飛び込み、時計のチクタク音が持続し、割れる茶碗、広い風景に変わって心中捜索の人々。危機感がスーッと滲みてくる。階段の上下で見つめ合い、車中の人となる。バックミラーから見つめてくる運転手の顔(雨のときの雨宿りの二人の男を思い出す)、長い長い通過貨車、そしてゆっくりくねっていくと現われる事故車、さらにくねって旅館に到着し、救急車も到着、担架の怪我人と泣く妻、ここで初めて司が「ごめんなさい」とセリフを吐く。なんかメロドラマの核心を満喫しましたなあ。世間が無表情に周囲を取り囲んでいくなかで、二人がおずおずと、時に緊張し時に馴れ馴れしさを装いながら、近づいていく。新婚旅行の回想では間に合わなかったバスが、この二人の雨のときは意識して去らせていく。そして武満の音楽が入り込んでくる的確さ。もっとこのコンビに作品を作っておいてもらいたかったなあ。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-04-30 12:20:47) 2.司葉子見たさにDVDを借りました。偶然が重なりすぎてストーリーに無理はあるけど、憎しみから愛に変わるまでの司葉子の心の動きが彼女の表情で見事に表現されていてよかったと思います。司葉子に惚れてしまいました。今じゃウィンクのお母さんか。 【marsplay】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-06-26 17:12:22) 1.《ネタバレ》 司葉子ショウだー! 小津映画のときには見られなかった可憐さだと思う。とにかく美しい。 物語は、確かに、メロメロなんだけど、やはり確かな演出と役者の演技で、最後まで引きつけられた。成瀬は遺作として、彼のキャリアをまったく傷つけることのない作品を残せたんだなあ。それは、本当にすごいことなんだと思う。(某巨匠K監督の晩年とか見てるとね。) あと、成瀬には珍しいカラーだけどつつましい色合いが結構好ましかった。(下の【放浪紳士チャーリーさん】の言からすると、フィルムが色あせているせいかもしれないけど。) 意外だったのは、あの武満徹が、こんなメロメロな音楽を書いていたこと。こういう音楽も書くんだね。 そういえば、この映画と同工異曲と言えば言えなくもないのが、ルビッチの『私の殺した男』(1932)。これは、もう、涙なくしては語れない、ルビッチの隠れた名作です! 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-03-20 22:43:17)(良:2票)
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