みんなのシネマレビュー

シシリーの黒い霧

Salvatore Giuliano
1962年【伊】 上映時間:124分
ドラマ戦争ものモノクロ映画犯罪ものミステリー歴史もの
[シシリーノクロイキリ]
新規登録(2010-11-27)【にじばぶ】さん
タイトル情報更新(2020-05-15)【イニシャルK】さん


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監督フランチェスコ・ロージ
キャストフランク・ウォルフ(男優)
脚本スーゾ・チェッキ・ダミーコ
フランチェスコ・ロージ
音楽ピエロ・ピッチオーニ
撮影ジャンニ・ディ・ヴェナンツォ
配給東宝東和
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【クチコミ・感想】

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7.《ネタバレ》 イタリアの戦後史に疎いこちとらには、この映画の背景なんてさっぱりでございました。シシリーといえばマフィアの本場ってぐらいの知識はありましたが、第二次世界大戦後にシシリー島に独立闘争があったなんてこの映画で初めて知ったぐらいです。まあ簡単に言うと、山賊からその独立闘争の武装勢力のリーダーになったジュリアーノという男がいて、彼が闘争が収まってからもマフィアと組んで共産勢力を虐殺して憲兵隊に追われる身になり、挙句の果てには射殺死体で発見されたという事です。ジュリアーノ一味の残党はその後に皆逮捕されてメーデー虐殺事件の裁判にかけられますが、その裁判の推移とジュリアーノ生前の活動が交互に描かれるので注意して観ないと何が何だか判らなくなっちゃいます。ジュリアーノは冒頭で死体となって登場するのですが、面白いことにその後の過去のシークエンスでも彼が部下たちの近くにいることは暗示されますが決して画面に映されないところです。終盤で仲間に射殺されるところでも部屋は真っ暗で姿を見せず、二言三言のセリフが辛うじてあったぐらい、これがジュリアーノ役の俳優が発した唯一のセリフでした。イタリアン・リアリズモの系譜に繋がる監督らしく音楽もほとんど使わずに徹底的なドキュメンタリー調、イタリアの政治情勢に詳しくないとそのリアリズムが仇となって余計に難解なストーリーに感じられます。それでもジュリアーノ一味壊滅のために村の男性を軒並み連行しようとする憲兵隊に女性たちが抗議に押し寄せるシークエンスは、迫力と緊迫に満ちた映像でした。しかしながらラストで射殺された男はいったい誰?と最後まで惑わされる映画でした。因みにあるレビューによるとその男はマフィアのボスだという事ですが、普通に観ていりゃそんなん判るわけないだろ! S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-12-11 21:54:01)

6.《ネタバレ》 白黒映画ですが、映像的には迫力があり見応えがありました。 ただちょっと全体像がわかりにくい。背景の予備知識を持って鑑賞するのが良いですね。 あろえりーなさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2020-04-20 21:48:51)

5.松本清張作品を臆面もなくパクった邦題なんですけれど、ああいう、独自の推理で黒い霧を晴らそう、ってな作品ではなく、真相という点ではなんとなく最後までモヤモヤしてます。しかし作品の印象は決してモヤモヤしたものではなく、ドキュメンタリータッチでトンガってます、むしろ神経質な印象。 しかし時系列がことさらにバラバラになっていて、なかなか全貌が掴めず、最後まで観てようやく全体が繋がるような感触があるのですが、それにしても、物語の冒頭で殺害されていた、ジュリアーノという人物。彼こそがこの作品の中心となるカナメの人物のハズなのですが、作品全体を通じて、その彼の存在感というものがまるで感じられず、映画の中心にポッカリ穴があいているような。 不思議な印象の作品です。 鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-16 20:14:34)

4.《ネタバレ》 何かの嫌がらせかと思うくらい、登場人物の立ち位置や相関関係が分かりにくい。後半は裁判シーンに収束していきますが、みんなが好き勝手に騒いでいるだけなので、それはそれでやはり分かりにくい。ところで、イタリアの刑事裁判のいい加減さは、本題とは別のところで衝撃的でした。これって戦後の話ですよね。 Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-02-09 23:40:05)

3.モノクロなのに印象強烈な陽光。影がくっきりと黒く濃く、舞い上がる砂埃に乾いた空気を感じる。映像は鮮烈なのだけど、ではお話はというと人物の見分けにも失敗し、古きイタリア映画特有の寡黙さに忍耐力もぎりぎり、シチリア独立戦争の知識もはなはだ乏しいときて、なんの感想も抱くことできず、つまり完敗した映画でありました。 tottokoさん [ビデオ(字幕)] 4点(2012-08-14 15:01:24)

2.前半はほとんど顔のない映画で、後半に至ってやっとピショッタが「登場人物」らしく登場する。ピショッタのほうがジュリアーノより印象深い。C級戦犯的悲劇というか。といってもそう善と悪が明確なわけではなく、ジュリアーノにしたって、最初はレジスタンスのようなスタートだったわけでしょ。村人の支持もあったわけ。村に軍隊が入ってくるシーンの緊張がすごい。街に太鼓が轟いて、人が水汲みに出てきて、銃声が聞こえてくるまでのワンカット。人が引っ立てられていって、街角を曲がるとずらっと兵士が向こうの果てまで並んでいる。あきらかに最初は「人民」の支持があったのに、メーデー虐殺事件などから怪しくなってくる。あのシーンの終わりのパンがすごい。死体や馬の影が長く伸びて。とにかくこの映画、影と言うか、黒の印象が強い。細くあけた窓のほかを全部黒が埋めてる感じ。ドアの隙間とか。正義の背後にある黒。信頼の背後にある裏切り。銃のすぐ脇から遠くを走るジープを捉えるなど、ドキュメンタリータッチのカメラが生きてる。 なんのかんのさん [映画館(字幕)] 7点(2011-07-07 09:55:03)

1.《ネタバレ》 コスタ=ガヴラス辺りのシリアスな社会派劇と比べてしまうと、面白さにしても、緊迫感にしても劣る印象はぬぐえない。 それにコスタ=ガヴラスの作品には、アートとしての画的な美しさもあった。 シシリー島内での、マフィアや山賊、そしてイタリア軍部や警察などの争いを、克明に描いている。 シシリー島の雰囲気や、その歴史を知る上では意味がある作品だ。 だが逆に言えば、よっぽどシシリー島の歴史に精通していないと、理解が中途半端になる気がする。 イタリア人が観れば楽しめると思うが、日本人にはあまり合わない作品なんじゃなかろうか。 にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 4点(2010-11-27 21:21:38)

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【点数情報】

Review人数 7人
平均点数 5.29点
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200.00% line
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4342.86% line
5228.57% line
600.00% line
7114.29% line
8114.29% line
900.00% line
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