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エッセンシャル・キリング

ESSENTIAL KILLING
2010年【ポーランド・ノルウェー・アイルランド・ハンガリー】 上映時間:83分
アクションサスペンスアドベンチャー
[エッセンシャル・キリング]
新規登録(2011-09-06)【lcs】さん

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監督イエジー・スコリモフスキ
キャストヴィンセント・ギャロ(男優)
エマニュエル・セニエ(女優)
脚本イエジー・スコリモフスキ
製作イエジー・スコリモフスキ
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【クチコミ・感想】

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8.うーん、確かにジャンルがよくわからない感じは面白いかもしれません。社会派映画なのか、サバイバルアクションを見せたいのか、宗教映画なのか、はたまた実はコメディなのか、ラストは西部劇風に締めたかったのか、それも常に各ジャンルから微妙にズレているようなところがあります。どこに連れて行かれるかわからない先の読めなさが魅力ではありますが、逆に言えばどのジャンルの要素も中途半端なまま満足に味わえずに終わってしまいます。83分という短さでなければ途中で投げ出したくなるかもしれません。母乳を飲むシーンとかはさすがにウケ狙いじゃないかという気がします(笑)。設定の割に政治的要素が希薄なのですが、まあこれを見て米軍に良い印象は抱かないと思いますので一応テーマは反米なんでしょうか。台詞がないのはいいんですが主人公が何を考えているのかよくわからないのは困りますね。あのフラッシュバックは一応主人公の記憶を表しているんでしょうか。全体として無意味な空虚さを描くのが目的にしては意味を読み取れる要素が多すぎますし、逆に意味を真面目に考えるにはドラマ性や構成が緩すぎます。 Сакурай Тосиоさん [インターネット(字幕)] 5点(2023-10-16 23:46:42)

7.《ネタバレ》 2012.12.9鑑賞。かなり気合の入った空撮映像から始まり期待させられるが、アクション映画を期待するのが無理があったか。主人公の生への渇望には圧倒される、それだけの映画。野生ではないものの、飼い犬が特に咬み付きもせず、吠えもしないのが、「グレイ」を今年観た自分としては拍子抜けだ。脚本があったら読んでみたい。 かんちゃんズッポシさん [DVD(字幕)] 2点(2012-12-09 16:20:29)

6.《ネタバレ》 “主人公の台詞なし”も然る事ながら、より驚かされたのはBGMの使い方でした。状況、心情を煽る楽曲が皆無なのです。正確に言うと、微かに流れているシーンはあるものの(笛の音?でしょうか)、現場の状況音を掻き消す程の音量ではありません。観客が耳にするのは、常に主人公が耳にするものと同じ。風の音、雪を踏みしめる音、野犬の鳴き声、ヘリコプター音、時にはカーステレオから流れる大音量の音楽。主人公の視線に肉薄するカメラワークと相まった臨場感の創出はお見事でありました。普段、如何に私たち観客が音楽演出に慣らされているかを理解しました。映画のBGMは料理で例えるなら調味料。濃い味付けや化学調味料を使うと、確かに分り易く美味しい料理が作れます。でも一つまみの塩で素材の良さを引き出すような一品に出会うと嬉しくなります。料理人(監督)の力量が窺えるというもの。一見、単純な脚本に見えますが、主人公の回想シーンに込められた意図も興味深く(未来の出来事が挿入されていたり、主人公が目にしていない情景が含まれていたり…まるで神の視点のよう)、表層的な理解のみで語る事の出来ない作品であると感じました。分り易いエンターテイメントのみが娯楽にあらず。本作も立派な“娯楽”作品と考えます。映画における表現方法の奥深さを教えてもらいました。 目隠シストさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-06 17:39:03)

5.《ネタバレ》 映画を純粋にアートとして撮るという意識で創られた作品を否定はしないが(そいいう映画のなかにこそ記憶に残る作品が多い)、それでも大前提として必要最低限の面白さがなければ僕は駄目だと思う。監督の前作がその意味において、なかなか良作だっただけに、それに比べれば今作は残念ながらぎりぎり鑑賞に耐えうるレベルに達していない。ぶれない姿勢やこだわりの映像美は確かに認めるけど、正直良い作品とは思えない。 かたゆきさん [DVD(字幕)] 4点(2012-06-06 14:23:40)

4.《ネタバレ》 う~ん、、、。正直言って、良さがわかりません。序盤こそまだ逃走劇ということで面白かったのですが、後半はだいぶアートな方向にいっちゃいます。主人公は、一切台詞がなく彼のバックグラウンドが知れるのは、劇中に嫁さんらしき人が出てきたことぐらい。蟻を食べたり、授乳中の女性の乳にしゃぶりついたりと、要するに欲求に対して正直なわけだが、それがもうただのアホにしか見えてこない。いやまぁ、意味を汲み取ろうと思えば出来るんです。アメリカに対する批判とか、あるいはもっとこう、人類の管理体制や理性からの情動の逃避とか。でもやっぱり、心にくるものがなかったというのが正直な感想です。 あろえりーなさん [DVD(字幕)] 5点(2012-02-17 02:49:32)

3.日米の予告を見る限りではソリッドなサバイバルアクションをイメージしたのですが、その内容はサスペンスアクションというよりも微妙なアート映画。”言いたいことは分かるんだけど、ねぇ…”という、「シン・レッド・ライン」を見た時と同じような印象を持ちました。主人公は名前も明かされず(エンドクレジットでようやく「ムハンマド」という名前が確認できる程度)、その人生も仄めかされる程度で、話の発端となる峡谷にいた理由も不明。会話をさせると観客にバックボーンを推測されてしまうという監督の判断からセリフは一切なく、それどころか性格すら持たされていません。ただ「生き延びる」という本能だけを持った真っ白な存在として描写されており、映画からはドラマ性が完全に排除されています。「ランボー」を彷彿とさせる前半部分にはそれなりの緊張感や視覚的な刺激があるのですが、追手の姿が見えなくなり、主人公の生存に的が絞られる後半部分にはとにかく退屈しました。この作品の言いたいことは”Essential Killing(必要不可欠な殺し)”というタイトルですべて片が付いています。「主人公は善人ではないし、惨い殺しもやるが、すべて生存のために必要な行為だった。君らは彼の行為を否定できないだろ?”生きる”ってのはそういうことなんだよ」、こういうことなのでしょうが、映画としてのサービスがあまりに欠けているため、ちっとも面白くありません。。。なお、本作はヴェネツィア映画祭で審査員特別賞を受賞しているのですが、「各部門につき受賞作品は一作のみ」というルールを曲げ、審査員長だったタランティーノの一存で与えられた受賞であることは明記しておくべきでしょう。「オールド・ボーイ」のカンヌ映画祭審査員特別グランプリ受賞もそうでしたが、自分の好きなジャンルに極端に肩入れして何か賞を与えようとするタランティーノは、映画祭の審査員には不向きな人であるように思います。 ザ・チャンバラさん [DVD(字幕)] 4点(2012-01-28 19:53:06)(良:1票)

2.すべてが終幕へと誘っている。 つまりひとりの男の死への誘いである。 そのための物語であり、その物語しか用意されていない。 つまりシナリオに書いてあるのだ。 男が雪の中を歩いてきて、地面を掘り返し、蟻を食べる、と。 そう書かれているから、そう撮ったのだ。 それをどう撮らえ、どうモンタージュしたか。 どう歩けば過酷であり、どのように歩けば死を感じさせられるのか。 ただそれだけに試行錯誤し映画を作ったのだ。 ただそれだけの純粋な映画なのだ。 映画の贅沢の極みである。 すぺるまさん [映画館(字幕)] 9点(2011-12-08 02:51:18)

1.《ネタバレ》 映画は映画であれば良い。読書ではないのだから。メッセージ(「いいたいこと」)やテーマを伝えたければ論文を書けば良いだけのこと。 文科省の読書感想文による主題論教育に従順に馴らされてきた者は一般的に映画においても画面を味わうことを知らず、まずテーマを読みたがり、そしてそれが自分の理解の範囲を超えたとたん、「芸術」を逃げ口上に使う。よって純粋な活劇はなかなか理解されることがない。 雪の白に擬態し、罠に嵌った犬を囮に使い、木の枝や蟻を齧り、崖から滑落する。 『ランボー』のサバイバルアクションを髣髴させつつ、その『ランボー』がラストにおいて嵌った饒舌な内面心理や社会性といったものも見事に削ぎ落としている。 言語も記憶も時制もことごとく排除され、生物の一次欲求だけが活劇を駆動していく。 代わりにその静寂のラストに訪れるのは『バルタザールどこへ行く』を連想させるような冷厳さだ。 右肩部分に血痕の付いた寡黙な白馬は、主人公(ヴィンセント・ギャロ)が野生へと転生した姿か。 回想シーンの幻聴や様々な状況音(ヘリの爆音、チェーンソー、犬の咆哮など)そして台詞の代わりに主人公の口から漏れる呻き、吐息、咀嚼音といった要素に意識を向けさせられるのもブレッソン的だ。 馬・鹿・犬たちの佇まいと躍動が素晴らしい。特に、ギャロの周囲に群がる犬の集団アクションは圧倒的なスペクタクルである。 ユーカラさん [映画館(字幕)] 9点(2011-09-19 18:14:36)

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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 5.62点
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2112.50% line
300.00% line
4225.00% line
5225.00% line
600.00% line
7112.50% line
800.00% line
9225.00% line
1000.00% line

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