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バッシング

Bashing
2005年【日】 上映時間:82分
ドラマ
[バッシング]
新規登録(2006-06-22)【ユーカラ】さん
タイトル情報更新(2013-04-07)【ESPERANZA】さん
公開開始日(2006-06-03)


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監督小林政広
キャスト占部房子(女優)高井有子
田中隆三(男優)高井孝司
大塚寧々(女優)高井典子
香川照之(男優)支配人
加藤隆之(男優)
脚本小林政広
撮影斉藤幸一(撮影監督)
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【クチコミ・感想】

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13.《ネタバレ》 自己犠牲というリスクを承知の上で海外とりわけ紛争地域へ赴き、困っている人々に手を差しのべると言う一つの生き方。本人にすればまるで生甲斐であるかのようだが、言い換えると、それは自らの居場所を模索する自分探しの旅でもある。しかし一つ間違えると、自らの意思に反して思いもかけない事態へと変転する危険性をも孕んでいる。実話をベースに、一人の女性の“その後”をドキュメント風に追い綴った本作は、人間社会の歪みから噴出する問題の一断面を抉り取っていく。この物語に登場する主人公は、普通の年頃の女性とは少しズレたところで行動を起こし、その結果として一般社会から見れば異端者いわば爪弾き者と見なされ、社会の規範や周囲の眼というものが彼女の生き方や考え方、或いは人格さえも否定してしまう。人々に救いの手を差しのべようとする者が、あたかも負け犬であるかの如く奇異の眼差しで見られ、そればかりか家族をも巻き込み、やがて崩壊させられていくという理不尽さ、そして真綿で締め付けられるような怖さは筆舌に尽くし難い。考え方に理解を示そうとする者さえも、批判の矢面に立たされるという観点から、かつての仲間は何処でどうしているのかという事までは語られない。映画はあくまでも一人の人間の意志と行動に焦点を充てて描き続けられる。その大人っぽさと子供っぽさとが共存しているかのような、不思議な存在感のある彼女の強固な意志は、ややもすると歪んだ形で表面化する。その典型的な例として、コンビニでの「おでん」に纏わる一連のエピソードで巧みに描写される。海辺にあるアパートの無機質さ。終始見られるどんよりとした空と澱んだ空気。寒々として暖かみというものが全く感じられないのは、単に季節が冬だからという理由だけではない。それら家族を取巻く環境は彼女の心象風景そのものであり、どこまでも虚無的で救いがない。自ら死を選択した父親の姿に、社会に圧殺された者の悲しみと憐れさを滲ませているが、その事が切欠となり、反発していた筈の義理の母親からの真の優しさと思い遣りに触れ、やがて心から向き合えた時、初めて見せる穏やかな表情こそ彼女本来の姿だろう。朝まだき仄暗い中、新たな旅立ちを迎え、遠くを見据える彼女の眼差しと表情は、更なる強い決意をもった大人の女の顔となっていた。本作は人間社会に於ける理解し合う事の大切さと難しさを問い正した秀作である。 ドラえもんさん [映画館(邦画)] 9点(2006-10-15 16:44:59)(良:2票)

12.《ネタバレ》 主人公と彼氏のやりとり。「私が迷惑をかけた?誰に?」「みんなにさ!国中のみんなにだよ!」。この部分に問題の本質が隠されています。彼女の認識も確かにおかしい。でもより問題なのは彼氏のほう。彼は決して「自分が迷惑した」とは言いません。なぜなら迷惑していないから。問題解決のために日本政府が払ったコストも、元をただせば私たちの税金。だからみんなが迷惑した。理論上は正しい。でもそれは理論武装のための理屈。多くの人たちは、実感として迷惑していないと思います。彼女のせいで晩のオカズが1品減ったわけではない。もっとも彼の場合は、マスコミに追われて本当に迷惑したかも知れない。でもそれなら「オレは迷惑した」と言えばいい。彼は巧妙に、いや無意識に、主語を「みんな」に換えている。そこにバッシングの本質がある。彼が自分を主語にしない理由は一つ。責任を負いたくないから。自分ではない“誰か”の批判を請け負っているだけ。だから心が痛まない。父親の自殺も彼女のせい。だから私たちは悪くない…。本作は、現実に起きた『イラク日本人人質事件』にまつわる“バッシング”をモチーフにしています。でもあえてその背景に踏み込まず、一般的な事例として扱っています。それが作品の“惹き”を弱くしている。また、主人公が叩かれるに至った経緯を省略したために、悲劇のヒロインのような印象を受けるのもフェアではありません。でも日本という“村社会”の有り様はよく分かる。私たちは、子供の頃からどっぷりその社会に浸かっています。どうしたらイジメに遭わないで済むかに、心を砕いて生きてきた。「攻撃は最大の防御」は常職です。攻撃している間だけは攻撃されない。だからいつでも生贄を探している。いなければ、仕立て上げてでも。それが現実だと思う。でもそんな醜いことをしているなんて、誰も思いたくない。私たちは善人に違いない。しかし突きつけられて心が痛むのは、それが真実だから。私たちは自身の姿を見つめなくてはいけません。本作は自身を映す鏡にはなる。最後にひとつ。彼女には非があります。生き方は不器用。でもそんな人間でも受け入れてあげる社会であって欲しい。彼女が明日の自分の姿で無いとは、誰も言い切れない。 目隠シストさん [DVD(邦画)] 7点(2007-08-24 18:23:35)(良:1票)

11.主人公が嫌い。陰湿なバッシングは許容されるべきではない。ただし、流れに棹差す生き方を否定するつもりもない。だが、この主人公はあまりに生きるのが下手すぎる。自分を拒む社会を拒絶したい反面、その内部に留まる限りそれと関わらずにはいろいろなものが成り立たないという現実。そしてそれに対する煩悶。それらをすべて放棄して逃げる主人公は、どのような大義名分を持っていても、この先も自己正当化を繰り返す永遠の逃亡者でしかない、ということに気づかないのだろうか。 さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-05-26 16:32:42)(良:1票)

10.《ネタバレ》 昨年の「東京フィルメックス映画祭」で観ました。映像で語る小林政広監督ならではの作品。イラクの日本人人質事件の被害者である女性ジャーナリストのバッシングを思い起こさせるこの映画は、前作「フリック」とは全く異なりドキュメンタリーのような重々しい雰囲気が漂うものの、そこを台詞ではなく映像・役者の表情で演出していたのはさすがだなあと思いました。とにかく占部房子演じる主人公・高井有子が、帰国後に様々なバッシングに煽られ、自分だけではなく恋人、家族、知人にまで迷惑をかけてしまう点は、主人公の気持に立つと本当に辛いです。父親はリストラを食い、それに伴ない自ら命を絶ったりと壮絶です。マスコミに煽動されて全ての白い目が一気に注がれる怖さを改めて感じました。また、それに毅然と立ち向かう静かでありながら意志の強さを感じる彼女の目が、この題材の柱になっている感じがしてとても良かったと思います。香川照之、大塚寧々といった小林監督作品の常連の存在も、この作品の存在に大きく意味をもたらせていると思いました。国内の批判の形についても色々と考えさせられるドラマです。 まさかずきゅーぶりっくさん [映画館(字幕)] 6点(2006-07-06 17:04:58)(良:1票)

9.《ネタバレ》 作品名の通り“バッシング”されまくる一人の女性を主軸に、その女性が原因でその家族までもがバッシングの対象とされ、悲劇が起こるまでの顛末を描いた、極めてシリアスな家族人間ドラマ。

私の最も好きな「東京フィルメックス」でグランプリを受賞した作品。
この映画祭でグランプリを獲った作品には今のところハズレが無い。

殺伐とした浜辺を眼前にそびえ立つ古びた団地。
そして荒涼とした工業地帯。
地味で地道な仕事に勤しむ人々。
それらの舞台設定が抜群に良く、このシリアスな題材に感情移入できるだけの、良い意味での映像的な「負のパワー」に満ち溢れている。

主人公を演じる女性は、とても自分勝手で、コンビニでわがままをタメ口で言ったり、決して美人とは言えない容姿など、冒頭から嫌悪感を振りまいている。
これは序盤から中盤で、この主人公の女性に同情的な感情移入をさせまいとする、計算づくの演出だったに違いない。
その序盤の彼女への印象が、終盤では見事に覆っていく。

いわばコンプレックスを抱えながら、貧しい環境で育ってきた一人の女性が、閉塞的な荒涼とした町の中で、いかに自分の居場所を失っていったか。
それは想像に難くない。

そんな彼女が、海外ボランティアを通して、自分の存在価値たるものを感じたかったと考えるに達するのは至極当然な流れである。

何不自由なく育った人には、他人事にしか思えないだろう内容だが、どこそこかにコンプレックスや居場所の無い孤独感を経験したことのある人なら、本作を鑑賞して、共感をおぼえるに違いない。

さすが「東京フィルメックス」のグランプリ作品だけあって、心の深い部分をえぐられたような衝撃を感じた。
これからも「東京フィルメックス」には注目していきたいし、過去の受賞作もできる限り観ていきたいと思う次第である。 にじばぶさん [DVD(邦画)] 7点(2011-08-22 23:34:09)

8.《ネタバレ》 主人公の女性を、とことん後ろ向きな甘えたヤツという設定にしたのには意味があると思う(聖女に仕立てられても却ってドン引き)。そんなヤツだからといって、匿名の誰かに批難されて良いはずはない、っていう前提になるわけで。まあ、「おでん」のシーンにそれを凝縮させたんでしょうが。見る者に、彼女に反感持たせるためのシーンなんだろうね、あれは。しかし、私が一番反感抱いたのはあの父親。何だよ、自殺って。彼女に理解を示したようなキレイごと並べといて、そらねェだろうよ。無責任の極み。だったら、娘を罵りながらも生きる道を選ぶべし。親父の自殺で、娘には一生十字架を背負わすんだからね。許しがたい。そして、そんな脚本を書いた監督にも怒りを感じるねえ。何が言いたいわけ? こんな悲惨な結果になりました~、ってこと? 親父殺さなくても、バッシングの不当性を描けるはずなのに、安易過ぎる。同級生の女性2人がベビーカー押して登場したり(しかもその女性たちの会話のわざとらしさよ! 呆れるゼ)、再渡航の準備のため買い物した帰りに元彼が婚約者と歩いているところを遠くから見たり、と陳腐な表現が多過ぎる。「結局、オンナの幸せは結婚」との対比の仕方ってどーよ、イマドキ・・・(絶句)。そんなこんなで、本筋とは違う部分に、不快になったのでした。 すねこすりさん [DVD(邦画)] 4点(2009-02-09 16:24:21)

7.この事件に関しては、バッシングする側・される側、どちらの肩をもつ気も無いですが、この映画の描き方はフェアじゃない気がする。 エムラ兄妹さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-06-22 04:13:37)

6.《ネタバレ》 馬鹿を馬鹿が撮るとこういう作品になる。こういう馬鹿のためにいくら我々の税金が注がれたと思ってるのか?主義主張を言いたいなら、自分でかかった費用を償ってから言え!そうそす全く同じこと書いている人いますけど、何で海外なん?日本で施設でも何でもボランティアしてればええやん。馬鹿の自分探しに付きあうほど日本人は馬鹿やないやろ。当時の小泉首相の意見は全く正しいと思います。 たかちゃんさん [CS・衛星(邦画)] 0点(2007-07-15 20:41:36)

5.《ネタバレ》 最初からずーと主人公を奇異な女として描いているから、ラスト近くで義母に2・3行の本音を言ってもこちらには何も伝わらなかった。ボランティア行為で自分が救われるのならなぜ国内の被災地や老人介護だったらだめなのか、彼女の言い分も含めて聞いてみたかった。
ラストシーンの表情を今度は死をも覚悟の旅立ちか・・と個人的に解釈していたけど時間がたつと、いや待てよ・・ああいう単純にわがままなタイプは結局必死で命乞いするんじゃないかと・・。 木村家の娘さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-07-12 18:42:48)

4.イラク人質事件の被害者が迫害されていくことの不条理さ、そして被害者を忌み、排除し、バッシングする日本社会の理不尽さを告発したいのであれば、主人公のあの女性だけを孤立させるのではなく、中立的な親友も登場させるべきであった。物語が多面的に描かれていなくて、このままでは「バッシング」という出来事が正義なのか悪なのかすら釈然としない。 no_the_warさん [DVD(邦画)] 7点(2007-06-20 00:45:02)

3.《ネタバレ》  非常に安っぽい作りの映画でしたが、自分たちの常識の許容範囲を外れた行動、人間に対して徹底的に叩いて自分の理解できるところまで戻そうとする、もしくは排除しようとする日本社会の姿を描いていてとても興味深い作品でした。(おそらく海外で評価されたのはこの部分だと思います。)
 まあ、日本の社会では「普通」でないと良くても悪くても生き辛いですからね、この作品の主人公のように海外へ行く、主人公の父親のように自ら人生を終わらせるという選択をしてしまうのも理解できないことではありません。(日本人に自殺が多い理由もこういう社会風土が影響しているような気がします。)
 いろいろと考えさせられる作品でした。
TMさん [DVD(邦画)] 8点(2007-05-19 13:23:43)

2.《ネタバレ》 全体的に暗い。暗く在るべき映画。
純粋に映し出す描写はむしろ潔く自分にはうつったし
ここまでしないと伝わらないこともある。
こういう問題がニュースで報道されるたびに
「ボランティアなんてどこでやろうがいいだろ、迷惑かけるな」という意見を聞く。
そのとおりかもしれないけど本当にそうだということで
こういう人の行動を全否定してもいいのか、と思いました。
人間の行動ってすべて言葉で言い表せることだろうか。
そういう言葉に出来ない、彼女の痛いほどの思いは批判する前にまず
耳を傾け理解しようということも大事なのではないでしょうか。
個人的には彼女を応援したい。

見てよかった映画。 05さん [DVD(字幕)] 9点(2007-04-21 23:38:38)

1.実に辛気臭い。
全編を通して漂う重苦しい雰囲気が堪らなく不愉快。
何だろう???これは不幸自慢?
どう考えても面白いものじゃない。
主人公がもう少し可愛かったり、性格が良ければ印象が違っていたかも知れないが、社会から疎外されるだけの理由が揃っていたように感じる。
社会が間違っていて、自分が正しいという論法では、これからも同じような不幸を引き起こすだけだろう。
まあ、こういうの好きな人も居るのかも知れないけど、僕はどうも苦手だ。 もとやさん [DVD(邦画)] 3点(2007-03-18 22:42:15)

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【点数情報】

Review人数 13人
平均点数 5.69点
017.69% line
100.00% line
200.00% line
317.69% line
4215.38% line
5215.38% line
617.69% line
7323.08% line
817.69% line
9215.38% line
1000.00% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review2人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review1人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 5.00点 Review1人

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