みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
4.《ネタバレ》 この作品はNFCで三度(川島特集2度、アンコール上映1度)鑑賞したほど興味を引いた作品です。というのも、これまでの川島雄三には無い要素が多分に詰まっていたから。 まず、叙情性。かなり反映されている。この作品の舞台は今や「ディズニーランド」が建っている浦安です。原作でも表記があるんですが、この作品が製作された年でもかなり街が変わっている。この作品には、なにか「近代化されて無くなりつつ風景」という意図がみえて、かつてない叙情描写がわかりやすく盛り込まれている。 その湿地帯であり「べか」が並ぶ光景などを捉えた岡崎宏三のカメラがとても美しい。こういう自然描写はこれまでにはないです。そして、左ト全の老船長、山茶花究=乙羽の夫婦、母に捨てられた娘、等々の人物描写にもそんな意図がハッキリとみえていた。 そして、群像劇もこれまでには無かったと記憶してます。一つの建物に住む様々な人間模様(幕末太陽伝、しとやかな獣、貸間あり、雁の寺)など、狭い空間を得意とする監督が一つの街しかも異なるエピソードを繋いだ作品は他にはない(日活時代以降は全て観ているがない)。その内容も尺に上手く収めていると思う。あの時間であれ以上は酷であり、森繁=住人=街の光景のバランスが良かった。 で、この作品は作者(森繁久弥)が浦安の街を見聞するという話であり、主役はあくまで町人であり、森繁久弥云々ではないと思う。 以前(女は二度生れる以前)の作品にはない川島雄三のチャレンジ意識が感じられて、監督も必死に格闘している姿が鑑賞しながら私の頭に浮かびました。 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-09-15 23:37:57)(良:1票) 3.自身が転居を繰り返した山本周五郎は、その小説の中でも名もなき風来坊の物語に本領を発揮した。同じく、転居を繰り返し撮影所を転々とした川島監督も仮住まいの宿を好んで映画の舞台とした。その意味で、これは非常に相性の良い原作小説と映画であるように思える。映画冒頭とラストで浦粕橋を渡る流れ者としての主人公が、常に「出て行く」ことを前提として共にキャメラの側に背を向けて歩いているのは象徴的だ。原作は三十二の章から浦粕町という町自体とその住人たちの暮らしぶりを描出したもので、「場所」「移動」への拘りという意味でも川島的題材といえるだろう。映画の中でも、干潟や水路を航行するべか船の叙情、フランキー堺が新妻を乗せて川沿いを飛ばすバイクの疾走感がリズム感を生み、快い。原作の中でも最も映画的なエピソードのひとつといえるのが老朽汽船の船長の回想を描いた「芦の中の一夜」だと思うが、水路を進む蒸気船と、それを土堤の上で見送りつつ追いかける桜井浩子を船の側から捉えた幻想的な移動ショットなどは格別に美しい。また、「移動」に関連して川島作品のひとつの特徴である「脚」のカットは、乙羽信子夫婦の挿話に絡んで登場する。この部分は原作には無いため、歩行障害を患った川島監督自身あるいは新藤兼人による直截な創作エピソードという事になろう。山本周五郎と川島監督の半私小説的挿話の混交と、岡崎宏三の優れた情景ショットによって幻想的な趣の強い作品になっている。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-11-21 22:19:07) 2.川島雄三監督作品、自身20本目の鑑賞作。 フィルムセンターにて鑑賞。 これは退屈だった。 ほんとまいった。 退屈で退屈で。 川島雄三監督と森繁久彌の相性って、たぶん悪いんじゃないかと思う。 『グラマ島の誘惑』もそうだったけど、森繁にこういう愛嬌がなくぶっきらぼうな男を演じさせるのは良くない気がする。 『夫婦善哉』の森繁には、おとぼけた愛嬌があった。 だけど、本作の森繁にそれはみられない。 ただ単に、ぶっきらぼうな男なのだ。 フランキー堺が特別出演という形で出てくるが、彼の登場するシーンだけは例外的に面白かった。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 3点(2008-08-31 01:10:10) 1.う~ん?これまた何と言うのかなあ?今朝、観た「グラマ島の誘惑」に比べたら少しは楽しめたけど、川島雄三監督作品としてはかなり物足りない。どうも全体的にシリアス路線な部分とそうでない部分、例えば川島雄三監督ならではの笑いというものに欠ける気がしてならない。良い役者は男優も女優も揃っているのに、なんでだろう?川島雄三監督のファンだからこそ、敢えて言わせてもらうと、はちきれるようなパワーもなければ、何かこう感動出来る。応援したいというものが感じられなかった。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2006-07-09 21:06:56)
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