みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
15.《ネタバレ》 貧困や社会不安の中でナチスのとった民衆掌握の手法の数々が、何不自由ない現代の若者にもそのまま通用するという設定が少々強引であることと、あそこまで短期間で熱狂していく過程がやや不自然ではありますが、「発言は手を挙げて、私語は禁止、白いシャツに統一、教師に経緯を払う」って、そのまんま日本の中学校の教室風景だし、集団によるイジメなんて、この映画の様子よりひどいかもしれない。すると、日本の中学校システムはファシストの実習体験の場なんだ(ただし、日本の中学校教師に独裁者としての権限は微塵もないのだけれど)、ということにいまさらながら驚き、日本人の集団行動好きや指示待ち姿勢、お上に逆らわない態度などは中学校システムに根っこがあることに気付かされる怖い映画です。確かに私も中学校のクラスの一体感は小学校や高校よりも強く、甘美な思い出として深く記憶の底に根をはっていたりします。ああ、中学校システムとはなんて恐ろしいものなんだ。 【杜の都の映画好き】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-05-16 00:19:27)(良:1票) 14.《ネタバレ》 これは恐ろしい映画です。 何せ作中で行われている「独裁を疑似体験する為の授業内容」が、日本の義務教育に(それも多感な時期の子供が集まる中学校での風景に)瓜二つなんですからね。 ・全員が同じ制服を着る。 ・発言する時は手を上げて、起立してから話す。 他にも色々と当てはめる事は出来そうですが、この二つに関しては特に 「えっ? それって特別な事なの?」 と感じてしまう日本人が多いのではないでしょうか。 ナチスの記憶が残るドイツだけではなく、日本の教育を受けてきた者が観賞しても、色々と考えさせられるものがあると思います。 更に興味深いのは「独裁制度の利点」と呼べるような部分を、前半にてキチっと描いている事。 同じように「支配される」立場となった時、生徒達の間で連帯感が芽生え、差別意識も弱いものイジメも無くなっていく流れなどは、目を見張るものがありました。 また「スポーツ」「演劇」などの要素も取り入れられており、集団が一つの目的に向かって行動する際に、その意思を統一する事は決して悪い事ばかりではない、と教えてくれる事にも感心。 こういった内容の場合、どうしても堅苦しい作りになってしまいそうなのですが、全編に亘って爽快な曲調のロックが配されており、若き主人公達の青春群像劇としても観賞する事が出来るのだから、非常にバランスの優れた作品なのだと思います。 生徒達にリーダーとして崇められていく内に、自分を見失っていく体育教師が 「毎週月曜日には安定剤が必要だ。学校が怖いからな」 と心情を吐露する場面なども、胸に迫るものがありました。 一方で、その「青春」部分が劇的に作用し過ぎたかのような、終盤における生徒達の「死」に関しては、蛇足であるように感じてしまい、非常に残念。 自分としては教師が「これが独裁だ!」と宣告した場面で、スパッと終わってくれた方が好みでしたね。 その方が、歴史を学び過ちを繰り返したりはしない、人間の理性の勝利というハッピーエンドに感じられたと思います。 折角あれだけ丁寧に「独裁」の恐怖を描いてくれたのに、銃を持ち出されて殺人やら自殺やら行われてしまったのでは 「少年が簡単に銃を入手出来る、その事の方が独裁云々よりも重大な問題なのでは?」 と思えてしまい、どうも軸がブレているように感じてしまったのです。 それが作り手の狙いであったという可能性もあるかも知れませんが、自分の場合、純粋に思考実験を通して「独裁制度は間違っている」と証明してもらえただけで満足だったし、その後に「……何故なら、こうやって人が死んでしまうからだ」という説明を付け足すかのような行いは、無粋ではないかと思えてなりません。 ただ、そんな風に不満も覚える一方で、この展開ならではのラストシーンの良さも、確かに感じ取る事は出来たかと。 生徒を死に至らしめた「独裁者」として逮捕される教師の視点と、観客の視点とが重なり合う演出は、実にお見事。 「独裁制を支持してしまう恐怖」だけでなく「自らが独裁者となってしまう恐怖」さえをも、はっきりと追体験させてくれたところで、綺麗に映画が終わるという形なのですよね。 幽霊や殺人鬼が登場するホラー映画などよりも、こういった代物の方が「本当に怖い映画」と言えるのじゃないかな、と改めて実感させられました。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 7点(2016-05-19 07:54:30) 13.《ネタバレ》 「実話に基づく物語」冒頭に出てくるこの一言が、作品全体のリアリティを高める。作中、信じられないようなこともリアリティを帯びる。生徒の狂気もリアリティを帯び、観客は脚色無しの物語と思いこむ。生徒たちで集まる際には常に生徒目線の撮り方。上手いです。この監督のやり方、撮り方には唸るものがあります。一方で、マインドコントロールがどはまりすれば、ここまでエスカレートするのでしょうが、一部は現実社会でのマネージメントの参考になるのではないかとも思います。勉強になりました。 【Keytus】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-06-18 00:29:26) 12.esを思い出した。どちらがかというとesの方が好き。 【aimihcimuim】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2014-08-12 21:59:08) 11.《ネタバレ》 完全に実話なわけじゃないようで、実際どう収束したのか知りたくなりました。独裁政治が成立する条件を挙げていくくだりで「高い失業率と社会不満」との言葉が出てきてちょっとヒンヤリした。ただ日本人は今のところさほど不満を感じてなさそうだし、ネット上でプチ団結もどきして憂さ晴らしてそうなので大丈夫かな…? 今の日本は戦争直前の雰囲気に近いと聞きもするけれど…。日本は中高制服当たり前だけど、制服に別に反対する気はないものの黒とか紺とか夜道に見え辛い服でうろつかせるのはいい加減やめて欲しいものだ。ある人があるアニメについて「友情とか仲間とか、そういうのに弱いんです」とか言っていて、僕はそれに内心冷めて返す言葉も見つからなかったことがありますが、友達の数がどうのこうの言ったり、気に入らない奴のことを「きっと友達少ない(いない)」だの書き込んだりする連中て、もしかすると流されやすいのかもね…。仲間だ友だと力入れる人、そういうのは会社組織の派閥でも政治派閥でもヤクザの世界だって似たようなもんで、要はその集団が何を犠牲にして何を得たいのかの物差しの質が問われるんだと思う。映画の元になった事件は実際どんなものだったか知りませんが、危険性や取り返しのつかない生徒の心の傷のことはとりあえず置いておくなら、とても素晴らしい授業と思えます。しっかり抜かりない安全装置を確保できる指導案ができるならば、これほど生きた社会勉強はないと思うほど、教師の授業能力には感心しました。「いい面もあった」という生徒の言葉が妙に心の隅に残ります。思想信条自由すぎてみんなバラバラで不毛な世界も嫌だし、違う価値観を認める余裕を持たないガチガチの世界も怖いし、いろいろ考えさせられます。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 9点(2013-08-24 23:00:12) 10.《ネタバレ》 1967年にアメリカで起きた事件が基になっているが、かつてナチスを生んだドイツで映画化されているのが面白い。生徒たちが挙げていたように独裁の成立には高い失業率や政治への不信など様々な条件が必要になるが、もっと根本的なところでそもそも人間は団結力を持ったグループに属するのが心地良い。この心理のもと、短期間で組織が育っていく様にはハッとさせられた。最後は説教臭くなっちゃったかな…と思っていたが、実際の事件とは異なる展開が待ち受けていた。この後味…う~ん。面白い。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-04-15 18:38:18) 9.これはもっともっといろんな人に観てほしい。 すごい。映画としてもおもしろいし、本当に勉強になる。 独裁とはこんなものなのか・・・と驚愕する一方で、 日本では当たり前のことが向こうでは異常なのかもしれない、と 自分の身の回りの状況を顧みることができた。 展開が少々強引かもしれないが、観る価値は十分にある。 もっとこの作品を広めていきたい。 【らんまる】さん [DVD(吹替)] 8点(2013-04-07 14:29:59) 8.《ネタバレ》 ナチの思想統制を現代の困窮してない高校生に適応しても同じような恐ろしい結果になる!(なってもらわないと映画として成り立たないので困る)という製作者都合ありきでストーリーが作られているように見えました。 先生には特定の思想を植え付けようとする意思がなく、支配者になりたい野心もないし(しかも途中から蚊帳の外状態)、生徒たちもロゴ作りや敬礼ゴッコ、ユニフォームなどあくまで流行やファッションとして楽しんでるように見えるので、家庭に居場所のない男子生徒以外がウェイヴの存続にあそこまで固執したり、最後の思想の押し付けに入る演説であんなに扇動されているのにはかなり違和感がありました。 帰属意識から来る選民意識や万能感、他所者迫害の村社会化はファシズムそれ自体とは別のテーマじゃないかなーと思います。 【アキ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2013-03-18 05:18:41) 7.個人主義だとか全体主義だとかの境界線の曖昧さを、これ以上なくシンプルに描ききった怪作。ラスト、生徒たちが一教師に向けた蔑視が、なんとも苦味があり、恐ろしい。 【aksweet】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-08-02 00:38:37) 6.杜の都の映画好きさんも書いているが、これ何かに似ていると思ったら日本の学校だった。制服、手をあげて立って発言、○○先生と呼ぶ、運動会の行進、卒業式の起立は揃ってなきゃダメ。表面上は個性を伸ばす教育だとか言っているが、実際に義務教育では未だに独裁までは言わないが、全体主義をベースにした教育を行っているではないか!そして、中学生レベルではそれがどんなにおかしい事か気付くことなく、当たり前の事と思ってしまっている。恐ろしい!そしてショッキング。 それを改めて気付かせてくれるこの映画は凄い。 日本人こそ見るべきだと思う。 【のははすひ】さん [DVD(吹替)] 8点(2011-01-19 22:00:08) 5.《ネタバレ》 集団に属する気持ちよさ、わかる、しかもちょっと悪かったりしたら尚更だ。暴走族しかりギャングしかり、ファイトクラブだってそうだ。弱い奴でも集団の中にいると強くなれる気がする、この高揚感。俺だったら間違いなくウェイヴに入るね。 【長谷川アーリオ・オーリオ】さん [DVD(吹替)] 5点(2010-12-20 23:13:10) 4.《ネタバレ》 これはなかなか見応えありました。 「独裁」をテーマにした授業で、少しずつ生徒たちが豹変していく姿は怖かった。 しかも実話を元にしてるということで尚更。 完全に洗脳されてしまったあの生徒の姿は、とても切なくなりました。 【抹茶御膳】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-12-04 17:00:02) 3.《ネタバレ》 なかなかの掘り出し物で、異色の作品です。「独裁とは何か?」、「独裁になっていく過程」を学ぶことが出来ます。ナチス政権の勉強になりますね。ただ、展開は少々、強引であり、「ウェイヴ」が感染拡大していく過程の練りが少し甘いです。ただ、一概に否定できる訳でもなく、実際あの異常な授業の空間に居てるとすると、どういう影響を受けてしまうかは、体験しないと判らないです。日本人の性質で仮定すると、特に女性は団結していないと不安で仕方ないように思える。実際、教室の中で一人ハミられるのは、非常に心細くて、精神的にも縮まってしまう。「団結は力」というのは納得ですね。一人では気が小さいのに、仲間と集団で居てる時は、これでもかっていう程イキっている人は良く見かけます。この映画が伝えたいこと全てを鑑賞者に理解してもらうのは無理でしょうが、なにらかの影響を受けるだろう。見ても損はしないです。オススメです。 【マーク・ハント】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-31 02:32:15) 2.《ネタバレ》 esに比べて物足りなかった。 まず、生徒がああなっていくところにどうしてもリアリティがない。esには、「もし自分があの場にいたら、同じようになっていたのかもしれない」という気持ちにさせられるものがある。だけどもこの映画にはそれが無い。 この映画には“観測者”がいない。esには実験の主催者がいたので、それが観客の視点となり、心理の脆弱さに恐怖を覚えられる。しかしこの映画はその視点が無い。だからリアリティが無いのだろう。 そもそも、ナチスに心を奪われたあの民衆の「ジークハイル!」の大合唱(『意志の勝利』参照)は、心理実験で再現できるものなのだろうか。 どうせなら、学校中にあのウェイヴが広まって、取り返しがつかなくなってしまってからエンディングにいけば、面白い映画になったのだろうに。 【no_the_war】さん [DVD(吹替)] 7点(2010-07-11 21:48:09) 1.《ネタバレ》 ファシズムを推進していくことは非常に魅力的で楽しいことである・・・・・。非常に興味深いテーマを取り扱っているのであっという間に時間が過ぎていきました。 集団の中で一致団結すること自体は悪いことではなくむしろ良いことであると思うのですが、それを扇動し一つの方向を定めてそれ以外については排除してしまうことが問題なんですよね。特に、疎外された人間の劣等感を逆手にとって利用するような行為は絶対に許されるものではないと思います。 まあ、人間の心なんて本当に弱いものですからこういう映画をどんどん製作してもらって、絶えず警鐘を鳴らしていってもらいたいものです。 【TM】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-10-15 09:08:39)
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