みんなのシネマレビュー

あの日のオルガン

2018年【日】 上映時間:119分
ドラマ戦争もの学園もの実話もの音楽もの小説の映画化
[アノヒノオルガン]
新規登録(2019-01-27)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2023-05-22)【イニシャルK】さん
公開開始日(2019-02-22)


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監督平松恵美子
キャスト戸田恵梨香(女優)板倉楓(戸越保育所・主任保母)
大原櫻子(女優)野々宮光枝(愛育隣保館・保母)
佐久間由衣(女優)神田好子(戸越保育所・保母)
三浦透子(女優)山岡正子(戸越保育所・保母)
堀田真由(女優)堀之内初江(愛育隣保館・保母)
萩原利久(男優)近藤信次(作太郎の次男)
福地桃子(女優)森静子(愛育隣保館保母)
山中崇(男優)大久保秀雄(靖子と辰雄の父親)
田畑智子(女優)坂本きく(まことの母親)
陽月華(女優)藤木玉代(健一郎の母親)
松金よね子(女優)近藤梅子(作太郎の妻)
林家正蔵(九代目)(男優)藤木勝男(健一郎の父親)
夏川結衣(女優)柳井房代(愛育隣保館・主任)
田中直樹(男優)脇本滋(戸越保育所・所長)
橋爪功(男優)近藤作太郎(南埼玉郡平野村・世話役)
脚本平松恵美子
音楽村松崇継
撮影近森眞史
製作朝日新聞社(映画『あの日のオルガン』製作委員会)
企画李鳳宇
プロデューサー李鳳宇(エグゼクティブプロデューサー)
特撮オダイッセイ(VFXスーパーバイザー)
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【クチコミ・感想】

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3.《ネタバレ》  保母さんと未就学児童の視点から戦争を描いた映画ね。
 戦時下、日本への空襲が熾烈になる中、まだ学校へ行っていない子供たちを東京から埼玉へ疎開させた人びと(シリアスな『翔んで埼玉』とか言っちゃダメ)の物語で、実話が元になってるのね。

 メインになっているのは人にも自分にも常に厳しい姿勢の戸田恵梨香と、未熟で子供と同次元で生きてるような大原櫻子。
 そして子供たちの面倒を見る保母さんたち、子供を預ける親たち。

 それぞれの、子供を大切にしようとする姿勢と、それを妨げるように起こる様々な問題がドラマを生むのね。
 映画は前半が大原櫻子、後半は戸田惠梨香が主役のような感じで、背景にある戦況の推移に伴って厳しさを増してゆく中で見応えのある演技で魅せてくれるの。大原櫻子の可愛らしい存在感が辛さの中の輝きって感じで魅力いっぱいね。
 田中直樹の独特なテンポの中で生きてるカンジの存在感も良かったわ。彼の生死も含めて、結構多くのエピソードが投げっぱなしになった感もあるけど。

 この映画、終戦後からいっぱい作られてきたタイプの、ありがちな感じのやつ。戦争があって、日本では多くの犠牲が出て悲しい悲しい、って。そういう意味ではちっとも進歩してないわ。平成も終わりだっていうのに思いっきり昭和よ。

 だけど今またこういう映画が必要になっているような情勢になってしまって。いつのまにか、戦争はダメ!って当たり前のことを声高に叫ばなくちゃいけない世界になっていて。
 国と国、民族と民族、宗教と宗教、人と人とを隔てて対立するのが当たり前になってしまった世界で、こういう映画が否定され、封じられていかないように、取り違えられた「表現の自由」が大きな声でがなり立てて、本来の「表現の自由」を封殺してしまわないように、気をつけなければいけないわ。 あにやん‍🌈さん [映画館(邦画)] 7点(2019-03-05 20:36:23)(良:1票)

2.一番伝えたかったのはどこだったんだろう?
どこに主眼を置いて観たらいいのかわからなくなった。
たくさんのエピソードを詰め込んだために、
どれも中途半端に終わってしまった感が否めない。

タイトルのオルガンの存在感が…。 愛野弾丸さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-10-05 21:57:00)

1.《ネタバレ》 保育園が主導した戦時疎開の話である。保育園というのは時間限定で預かるもの、という前提ならこんなことはしないだろうが、東日本大震災でも親元に返す途中の悲劇があったように思うので、施設主体で安全に守れるならそれに越したことはない。死ぬなら一緒に死ねばいいとはならないはずだが、それでも保護者からの批判として、親子を引き離して構わないと思うのは独身者や男だけ、と決めつけられたのは心外だった。結局誰かが死ぬまで人々は動かないということらしいが、子どもの生命は親のためでなく、みんなの未来のためにあると思わなければならない。

物語としては時系列的に出来事を追いながら、淡い恋心とか友情とか戦争関連のエピソードで起伏をつけている。妙なドタバタとか召集令状の後出しなど苛立たしくなる演出もあり、また川原の場面は話を作り過ぎだったが、最後の場面はこの物語にふさわしい終幕に感じられた。題名のオルガンは大して重要でなかった感じだが、時間稼ぎでオルガンを弾いて歌いまくる場面は確かに印象的だった。
ほか15年も戦争したとわざわざ言わせるなどはお決まりの反戦アピールのようでもあるが、それほど言いたい放題でもなく、怒りを感じたというところで止めているので政治色はあまりない(怒りだけなら誰でも感じる)。また自分としては賄い担当の人が、みんなが笑顔でいるのが文化的生活だ、と言っていたのは共感した。誰かを攻撃して貶めるのが目的の文化などには全く価値を感じない。
なお劇中の疎開先はよくある偏狭で陰湿な田舎という設定だったようで、南埼玉郡平野村の印象は悪くなる映画だったというしかない。

登場人物に関しては、現地の主任保母が何かと激昂して怒鳴るのが非常に不快だが、それでいて理解のある上司には甘えがあり、支えてほしいという心情を見せたりするのがかえって反感を増す。また歌好きの新米保母は、おまえはガキか(意訳)と言われたりしていたが、これはこれで得がたい人材だったらしく、そのことを含めていろんな人々がいて保育現場が成り立っていることの表現だったかも知れない。個人的にはラムちゃん言葉の人が、実直そうで温和そうで感じのいい人だと思った。
キャストでは、中堅保母役の三浦透子さんが色気皆無のおばさん風で(何歳の想定なのか)個性派女優ぶりを見せていたが、さすがに本人はこういう体型ではないと思われる。ほかどうでもいいことだが、「けんちゃん」の父母は顔の大きさが違い過ぎだ(母親役の陽月華という人は宝塚の出身)。

[2020/4/18追記] DVDが出たので家の者に見せたが、やはり疎開先の住民が否定的に扱われているため素直に見られないようだった。うちの地元は戦争中に学童疎開の受入側になり、その当時はいろいろトラブルもあったかも知れないが(カッペ呼ばわりで侮蔑されるなど)、それでも現在まだ地域間交流が続いているからには悪いことばかりだったわけはない。常に誰かを悪者にして自らを正当化する態度では共感も連帯も生まれない。
しかし今になって点数を落とすのも大人気ないのでそのままにしておく。 かっぱ堰さん [映画館(邦画)] 6点(2019-12-07 11:22:26)

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【点数情報】

Review人数 3人
平均点数 6.00点
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5133.33% line
6133.33% line
7133.33% line
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