みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
6.《ネタバレ》 1892年、いまだインディアンの脅威が去らぬアメリカ南部の田舎町。退役を間近に控えた、かつての戦争の英雄ブロッカー大尉に、恐らく最後となるであろう任務が下される。それは、過去に仲間を惨殺したアパッチ族の首長イエロー・ホークを故郷まで連れ帰るというものだった――。末期の癌を患い、長年囚われの身だった彼を人道的な見地から故郷に帰そうというのだ。殺された仲間のことを思い、当初は断ったものの、軍人としての義務と年金のために仕方なく任務を引き受けるブロッカー大尉。信頼する仲間たちを集め、首長とその家族を連れ荒野へと旅立つのだった。ところが初日、彼は荒野で悲嘆に暮れるある一人の婦人と出会う。話を聴いてみると、彼女はなんと凶悪なコマンチ族に幼い三人の子供たちと愛する夫を目の前で殺されたらしい。絶望の淵に立たされた彼女をそのままほっておくことも出来ず、大尉は彼女を連れて旅を続けることに。だが、目の前に拡がる広大な荒野は彼らに何処までも無慈悲だった……。雄大な大自然を背景に、そんな恩讐の中に生きる人々を冷徹に見つめた西部劇。監督は、『クレイジー・ハート』でアカデミー賞の栄誉に輝くスコット・クーパー。この監督らしい細部にまで拘った丁寧な演出は本作でも健在で、一つ一つのエピソードの見せ方などは相当巧い。特に、家族を殺され天涯孤独となってしまった未亡人が自らの手で家族を埋葬するための穴を掘るシーンなど、その絶望感がひしひしと伝わってきて僕は思わず涙してしまいました。彼女を演じたロザムンド・パイクの素晴らしい熱演は特筆に値します。彼女を助ける寡黙な軍人役のクリスチャン・ベールも渋さ爆発で大変グッド。彼らが大自然の中を旅するシーンは全てが美しく、まるで優れた絵画を観ているようで非常に良かったですね。ただ、残念だったのは後半の展開。てっきりこの凶悪なコマンチ族を彼らが復讐のために追い詰めるのかと思いきや、呆気なくこいつらは第三者に殺されてしまいます。そこから物語としての強度が明らかに弱まってしまったのが惜しい。この家族を殺したコマンチ族との対決をクライマックスに持ってこないとやはりカタルシスが得られませんって!それに、入植者である白人たちとアメリカ先住民族の和解のドラマもかなり唐突でいまいち説得力が感じられない。前半の展開がすこぶる良かっただけに、なんとも勿体ない作品でございました。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-10-29 00:20:42)(良:2票) 5.《ネタバレ》 重厚でリアリティがある。国の使命のためとはいえ戦争で殺人マシーンになってしまった兵士に生きて安息の日はやってくるのか。鋭い問いかけに正解など思いつかない。白人と先住民の関係の形をとっているが戦争なら共通の問題だろう。重厚とはいえセリフが無駄に長い部分があり映画のテンポの悪さが目立つのが玉にキズ。 【ほとはら】さん [DVD(吹替)] 7点(2023-05-23 13:58:19) 4.《ネタバレ》 見ごたえのある作品でした! 開始5分で画面を食い入るようにみてました! 全てが美しい!制作スタッフのパッションを感じます。 復讐のループや、過去の後悔、前に進むこと・・・ 色々考えさせられる学びのある作品でした。 最後の電車にのる演出は、鳥肌がたちました。美しい! 本当に良い作品でした。スタッフの方ありがとうございます。 【へまち】さん [DVD(字幕)] 10点(2022-06-04 15:52:11) 3.いや~ リアルな演出が 一級品! 1892年 アメリカ、インディアンとの戦いの英雄、伝説の陸軍大尉ジョー..突然、収監されていた 宿敵シャイアン族の酋長とその家族を故郷まで護送する という任務を告げられる..いわゆる ロードムービーですが..人の哀しみ、心の奥底の 苦しみ、憎しみ、そして ‟ゆるし” とは..それを 深く考えさせられる作品です..良作!! 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 8点(2022-01-23 10:46:21) 2.《ネタバレ》 新しいタイプの西部劇ですね。西部劇という括りで良いのだろうか。 主役のクリスチャン・ベール、ロザムンド・パイク、髭の曹長、シャイアン族、出演者それぞれとてもが良い。 だがこの物語、アメリカ正史を否定する内容になっており(インディアンに対する扱いは間違いであったと劇中で堂々と認めてしまっている)このあたり当のアメリカ国民はどう捉えているのか、いないのか。 物語は重厚に進み、じっくり観ることのできる良作。 でも生き残る人たちの顔ぶれが、物語的に都合よすぎなのが・・・そこだけが微妙です。 ※シャイアン族のリーダー役は、ダンス・ウィズ・ウルブズで悪いインディアン演じてたのか!! 今回すごく知的でカッコいいです。 【大治郎】さん [映画館(字幕)] 6点(2021-06-03 11:43:32) 1.先住民が白人の一家に襲い掛かり虐殺する、という発端。こんな風に先住民の悪辣ぶりを描くのは、昔の西部劇ならいざ知らず、昨今ではなかなか珍しいですが、とにもかくにも、母親だけが生き残る。彼女の慟哭。 彼女はクリスチャン・ベイル率いる部隊に同行することになるのだけれど、その部隊は、件の部族(コマンチ族)とは別の部族の先住民一家を居留地へ護送する任務を負っている。クリスチャン・ベイルは、家族を失い精神が不安定になっている彼女に対し、細やかな気遣いを見せるのだけど、そういう「ワカッてるヒト」である彼だからこそ、その彼が譲れない部分というのは、とことん譲れないのであろう、という、彼自身の不安定な危うさも感じさせます。何しろ、彼にとって先住民とは、かつて血で血を洗うような戦いを繰り広げた相手であり、いわば天敵ともいうべき存在。今回はその彼らを護送する役割なのだから。 さらには家族を失った母親にとっても、先住民は憎んでも憎み切れない対象。一方ではコマンチがいつ襲ってくるやも知れない危機感もあり、一行には何重もの危うさが漂っているのですが、その彼らを大自然がゆったりと包んでいる。映画全編にわたって、息を呑むような雄大な風景が、広がり、これが実にお見事。 ゆったりした流れの中で、いくつかの事件があり、登場人物たちが一人また一人と命を落とす。その悲しみもあるけれど、それも含めて生き残る登場人物たちの心の動きが、これもゆったりじっくりと描かれます。クリスチャン・ベイルの寡黙さの中の心の動き。こういうのは高倉健の専売特許かと思ったけど。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-04 10:54:59)
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