みんなのシネマレビュー |
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
241.幼なじみ同士で、秘かにお互い好意をいだきあっている武将と姫は、相手のことになるとふたりともすぐに赤くなって、うつむき、口ごもる。こんな風に“はにかむ人”というのを、映画のなかで本当に久しぶりに見たような気がする。…そう、かつての日本映画には、こういう“はにかみ”が溢れていたのではなかったか。男も、女も、誰もが何かあると恥ずかしげにうつむき、赤くなる。そんな、今やすっかり忘れかけていた日本人の、そして映画の美しい「表情」に、まさか『クレしん』で出会えるとは…。確かに、もはやこの長篇アニメーションを、テレビの『クレしん』ファンである大多数の子どもたちは理解しきれないかもしれない。けれど、又兵衛がいつしか未来からきた幼稚園児と対等に心開いたように、観客である子どもたちを相手にこんな世界観…というか“死生観(!)”をぶつける作り手たちの誠実さを、ぼくは信じる。それは、きっと何かを幼い心に残すはずだ…と。ともかく、この作品は、この近年でも最も「日本映画」らしい日本映画だ。素晴らしい! 【やましんの巻】さん 10点(2004-05-28 21:39:26)(良:6票) 240.《ネタバレ》 「お前は、空でも眺めていれば良い」…もう名セリフでしょう! 廉姫と又兵衛が話の主体。今回、野原一家は脇役に徹しているので、原作やTVシリーズを知らない人にも充分観るに耐え得る作品となっている。戦国時代にタイムスリップしても、そんな大事を子供の言う戯言として片付けない春日の侍は、現代人並みに理解力がある(乗用車なんて見たら、普通は失神してしまうぞ)。時代を越える意図性が些か不明確だが、最後の又兵衛の言葉がその必然性を生み、この作品を救っている。さりげない演出も素晴らしく、なにげなく“戦争否定”のメッセージを込めている所が、お役所が認めた決定打。今のところ、シリーズの中では一番ストーリーに徹底しているのではないだろうか。その為、野原一家に何かを求めてしまうと不満が残るかもしれない。特に、原作・TVシリーズを未読・未見の方に方にオススメ。ところで、「ラストで誰が撃ったのか」と言う話ですが、おそらくあの場にいた者は誰も撃ってはいないのでは…? それは、しんのすけが戦国時代にやって来た日に撃たれるハズだった銃弾が、その時を越えたのだとしたら―…(←あくまで仮説)。時は必ず過ぎ…そして逆らえない運命があるという事を、この作品は静かに教えてくれるのだ。 【_】さん 8点(2003-05-31 01:25:25)(良:5票) 239.《ネタバレ》 映画館で見たかったと後悔する作品。前のオトナ帝国でもそうだったけど、この作品は「世間から格好いいと大小判を押される」生き方よりも「自分の人生を自分なりに生き抜くことの素晴らしさ」を描いていると思う。又兵衛は「鬼井尻」という名前で春日の人からは尊敬されていた。そんな自分を半分は誇りに思っていたのかもしれない。しかし彼を愛する者は、そんな事望んでいなかった。日がな一日空でも眺めていて欲しかったのだ。だが時代が、価値観が、優しく不器用な、ただ愛する物を守りたいだけの人間を人殺しの舞台に送っていく。皆に尊敬される英雄なんて優しい人間がやるべきではない。素晴らしい生き方(というより幸せ・・かな?)とは、家族でも友人でも、身近な人の幸せを願いながら、出来る限りの範囲で生きていく事じゃないかと、私は映画を見てこう解釈した。 【ヤブラシ・ガイカン】さん [地上波(邦画)] 10点(2007-09-18 00:56:53)(良:4票) 238.《ネタバレ》 「ルパン三世」に「カリオストロの城」があるように、「うる星やつら」に「ビューティフル・ドリーマー」があるように、テレビアニメの劇場版には時々本来の作風とは全く違った作品が存在する。「クレヨンしんちゃん」にとっては本作がまさにそうで、徹底的に凝った時代考証はこれが本来子供向けのアニメであることを忘れるほど徹底している。合戦シーンはリアルで、とても素晴らしい。それにも増して素晴らしいのが又兵衛と廉姫のラブストーリーだ。高虎との合戦に出かけて行った又兵衛を心配して廉姫が思わず駆け出していくシーンは、彼女の心情が伝わってきて感動的。そして、又兵衛が撃たれるシーンからエンディングまでずっと泣きっ放しだった。こんなことここ何年かではなかったことだ。本当にみんなに見てもらいたいと思う傑作中の傑作である。 【イニシャルK】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2005-03-11 00:24:56)(良:4票) 237.《ネタバレ》 ひねくれ者と思われるかもしれないが、最近のジブリ映画より10倍は面白い (確か、千と千尋がアカデミー賞を受賞した日に放送してた) とにかく声優陣が素晴らしい。観客動員のためにへっぽこ芸能人や知名度だけの大根役者ばかり声優に使い、作品の質を下げているジブリも見習ってもらいたい。もし芸能人を声優に使うとしても、今作の雨上がり決死隊のようにチョイ役でいいのだ。もはやスタジオジブリの「志」はテレ朝のアニメ部門以下。声優は、プロまたは声優経験の豊富な舞台俳優にすべき(オタ向けの声優は勘弁だけど)。 その「志」の高さが「オトナ帝国」や「戦国大合戦」を傑作にしているのだと思う。そればかりでなく、映画本編も面白い。前半はギャグまたギャグのいつものしんちゃんなのだが、後半からは涙なしには見れません・・・・・(私は本編95分中3回泣いた) その中でも特に泣いたのは・・・・お姫様の最後の台詞 「おい、青空侍・・・・」アニメでこんなにも泣くとは自分でも少し驚いた。タオルが必要なくらい泣いた。キーボードを打つ今も泣いている。もうこんな素敵な映画には二度と出会えない。本当に素晴らしい映画です。涙・・・涙・・・涙・・・ 【こわだりのインテリア】さん 9点(2004-04-21 13:57:48)(良:4票) 236.《ネタバレ》 こんな作品を子どもの頃に観たかったと思う。そして大人になってから、もう一度観返したかった。それがいちばん幸せな観客でしょう。 姫が池のほとりに佇んでいるだけの、一切の台詞がないプロローグだけでちょっと感動。又兵衛と姫の関係そのものがそうだけれど、大事なことを言葉にしていない。というより言葉にしたら失われるような微妙な心の動きを、徹底して人の動作や、その目に映っているであろう風景を通して表現している。とてもやわらかで、細やかな視線だ。 侍と姫の恋物語はとても素朴で、単純とすらいえる。けれどもその繊細な描写が二人の息遣いまでも伝えるようで、素直な物語のなかにも汲みつくせない美しさがある。「言わぬが花」という言葉が、ほんとうの意味で生かされた作品だ。 また本編の主役であるしんのすけが脇役でしかないという批判もあるようだけれど、ちょっと違うと思う。 たとえばいざ合戦となって野原家が脱出しようというとき、悲壮な表情の両親とは対照的に、しんちゃんはあっけらかんとしている。つまり幼さゆえに絶望的な戦であることが理解できていないわけで、だから戦場の真っ只中に巻き込まれても両親ほど怖がったりはしない。それがラストで又兵衛が倒れて初めて、大声で泣き喚く。あのときようやく、〝死〟というものがしんのすけのなかでリアルになった。 つまりこの物語は侍と姫の悲恋譚である一方で、幼い少年が初めて〝死〟を知るまでの成長物語でもある。 この映画には子どもからはわかりにくい部分も確かにあるだろう。けれど、子どもにとっては世界はわからないことだらけであるのが当たり前のはず。そんななかでしんのすけは、大人の恋や死といったままならない出来事を垣間見て、少しだけ大人になる。人生は楽しいことばかりじゃなく、どうしようもなく失われていくものがあって、だからこそ輝きがあるということを知る。ほんとうの成長はいつも、苦い。 この映画が子ども向きではないという意見もあるようだけれど、ほんとうにそうでしょうか? これはとても真っ当に、本気で子どもに届けられた作品だと思います。 【no one】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-04-14 13:28:16)(良:3票) 235.史上最強の親子映画。普通、親子映画って言ったら大人が子供目線に降りて見るもの。そして鑑賞後、子供が楽しめたことを確認して満足するもの。 ところがコイツは全然違う。親が子供とまったく同じ目線で見て、子供のことを忘れる映画。そして鑑賞後、親が子供の胸倉つかんで、人生、恋愛、親子愛、戦国時代を熱く語ってしまう、そんな映画。 この映画を見たのは公開最初の日曜、真昼間。親子連れで超満員の中。前作をビデオで見て良かったんで、そのお礼のつもりだった。内容は期待していなかった。 ところが、だった。子供の爆笑につられて大笑いしたこと、ラストで涙をこらえるのが大変だったこと。忘れらない映画体験になった。 あれからもう5年。だいたい1年に1回のペースで見直している。ハズレ映画に連続して当たった後なんか、特に見たくなる。 【まかだ】さん [映画館(邦画)] 10点(2007-03-21 02:51:12)(良:3票) 234.《ネタバレ》 クレしん映画でベストの評価を得ているこの作品。私自身の観賞は2作目になりますが、ビックリでした。初めて観たクレしん映画「雲黒斎」は子供向きじゃないなぁと思うところもあったけれど、今作は子供も大人も一緒に観賞できる。そんな良作だと思います。ざっと他の方々のレビューを見ました。しんちゃん必要ないじゃん論に対して私見を述べますね。あのタイムスリップには何らかの契機があったはずで、さらっと廉姫がそのことを口にしました。「この場所で、又兵衛が戦で死なぬように祈っていた」。その願いが、あの水辺の未来で暮らす野原家に届き、しんのすけが使者として召喚されたということでしょう。まず、タイムスリップ直後に彼はその使命を果たしましたね。お尻を出して。続いて、又兵衛や廉姫、そして殿様に21世紀のこの国の状況を伝えます。それは幼稚園児なりの形容だったが、難しい理屈が省かれているだけに身分差のない平和な時代というエッセンスが強調されたようです。しんのすけの話を聞く人達の姿勢が礼を尽くしていて大変心地良い。そして、その話を聞いた殿様が廉姫を他国へ嫁がせない決心をします。これは再び廉姫の秘めた願いに応えた、ということじゃないだろうか。同時に高虎との合戦の引き金になったという意味で、それはそれは重大な転機にしんのすけは関わっています。彼がいなかったら、このストーリーは無いですよ。確かに、重みという意味では又兵衛と廉姫の悲恋に負けていたけどね…。「おい、青空侍」には私の涙腺も少し緩みました。クレヨンしんちゃんで、そんなことになろうとは! 鑑賞中、自分は宮部みゆきの「蒲生邸事件」を思い出しました。過去へタイムスリップした人物が、歴史を変えるのではなく、歴史に関わって成長する類似性。たぶん生まれて初めて近しい人を亡くす経験をしたしんのすけが、何を感じたのかにもう少しフォーカスできると良かったかな。でも、それは大人目線の話であって、あの又兵衛の生き様を観た子供たちは充分に何かを感じたことでしょう。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-05 02:47:33)(良:2票) 233.妻投稿。前作は先の見えない21世紀において「家族のために未来を生きる」という力強いメッセージが込められた作品で、だからこそ多くの人を感動させることができたわけですが、監督が本当にすごいところはこうした大感動作も決して万能ではないと理解し、今作品では前作のメッセージに諸刃を突き付けかねない難題に挑んでいるというところだと思います。というのも前作のメッセージが届くところは自分も家族も殺されたり死んでしまう可能性がほとんどない「未来のある」世界。でも世界には、いいえ日本にだってオトナ帝国に惑わされた大人たちが感じていた絶望とは別の「暴力」「死」という名前の絶望に苦しんでいる人がいて、この映画はその人たちに捧げられたのだと思います。死や暴力が日常的な世界の住人を「生きることに必死で何かを考えたりはしない」と決めつける心理学者も多いみたいですが、彼らだって恋をするし、笑ったり子供に嫌われて焦ったりもします。そして「自分がどうあるべきか」に対してとても真摯です。この作品はラストサムライ的武士道や戦争や平和よりも、人間はどんな状況下でも美しく生きられるのだという事を力強く訴えているのだと思います。 【はち-ご=】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-03-10 21:21:03)(良:2票) 232.「おい、青空侍」このセリフから感じられる優しさと深い愛。もう傑作という言葉しか見つかりません。世界の中心で愛をさけぶ事も無く春日の国でひっそりと愛を成就する事すら出来なかった二人の悲しい物語とひろしの獅子奮迅の活躍、みさえのしんのすけを守る母性の美しさなどの色々な感情が凄い勢いでおれの体を駆け巡りました。廉姫様、今の春日部はのどかで平和ないい所ですよ。近所にロビンソン百貨店もTSUTAYAもあります。 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-08-05 01:30:26)(良:2票) 231.《ネタバレ》 敵が城に攻めてきたことを知って、又兵衛の身を案じ、ひとり裸足で駆け出していく廉姫の姿を延々と画くシーンのみずみずしさは、活劇ならではの躍動感と美しさの極みを感じ、繰り返し観ても映画ファン冥利につきます。リアリズム溢れる合戦シーンでも唐突に訪れる又兵衛の死の瞬間でもなく、私にとってこのシーンこそが最良の”サムライ”映画の名シーンであり、ラストの廉姫の微笑みとともに一生忘れることの出来ない感動の記憶となることでしょう。 【おまけ】上映が終わった後、後ろの席で中学生くらいの少女がこんなことを言った。「わたし、もう3回も観ているのに、どうしてこんなに泣けるのかしら?」。お嬢さん、それでいいんですよ。映画はいかにして泣けるか。それしかないのです。どうぞ、何度でもお泣きなさい。 【なるせたろう】さん 10点(2004-04-07 17:19:23)(良:2票) 230.《ネタバレ》 アニメの最高傑作のひとつ。もうひとつはオトナ帝国。池のほとりでノブセリを帰らせたあとの二人のシーン…向かい合ってて、うつむいて、お互い黙ってて、周りには子供たちしかいなくて、風が穏やかで、…。だから最高傑作なんです。 【no_the_war】さん 10点(2003-12-12 11:12:35)(良:2票) 229.皆さんが言いたいことを全て書いてしまっているので自分なりにひとつ。勝って戻ってきたしんのすけたちにお姫様が手を振るシーンで、ばあやが「まあはしたない」と慌てながらお姫様の袖を上げるシーンありますよね。あれを見たとき、静かに感動しました。何気ないシーンですが、時代考証をきっちりやっていないと二の腕=はしたないという考えはわかないでしょう。「大人帝国」でもお菓子を食べまくったひろしが、テーブルの上を横切ってから寝っころがるシーンで同じことを思いました。テーブルの上を歩くという行為は、常識のある大人はやらないですよね。あれでひろしが「今、普通の状態ではない」ということが端的に表れていると思います(「大人帝国」のレビューに書くべきですが、ご容赦を)どうやらクレしんはまたもとのギャク路線に戻るようですが、この監督さんにこの路線でつくり続けて欲しいと個人的に願います。 【かなかなしぐれ】さん 9点(2003-10-29 19:47:23)(良:2票) 228.《ネタバレ》 ストーリーはクレしんらしい単純さ。 戦国時代が舞台というと「雲黒斎の野望」を思い出す。あの映画も戦闘描写が凝ってて面白かったぜ。 本作も「クレしん」らしからぬリアリティ、「クレしん」らしい散々笑ってアホみたいに泣かされる。 タイムスリップした先が戦国時代で、そこに居合わせた武将と姫を野原一家が助けるというシンプルなもの。 だが今回のクレしんは馬鹿馬鹿しいドタバタや「陳腐」を「爆笑」に変える破壊力は控えめ。 論点になって来るのが、クレしんの単純な娯楽性に「戦国時代の「リアリズム」をねじ込んだ点。 確かに合戦の様子はリアル。 当時の合戦のルールを娯楽映画の「お約束」として利用する方法は素晴らしい。 とまあ、合戦に関するリアリティは良いが、肝心の姫様側はリアルとは言えない。 何故なら姫君がそのまま後を継げばそれで良いのだから。 実際の戦国武将は、後継に男がいなければ女でも城主になれた。 巴御前や甲斐姫といった女武将がまかり通っていたなら、女城主が認められないわけがない。 鶴姫という実例もあるし。 本多忠勝の姪だか妹も城を任されていたっけな。 あと秀吉の嫁の茶々とか淀殿とか。 あの上杉謙信だって「実は女だったじゃないか」と疑惑が向けられるほどだ。 まあ余りにリアルにしすぎたらそれこそ「つまらない」。 「七人の侍」のようにリアリティとありえない描写をマッチングさせた「娯楽活劇」とするか、 「乱」みたいな城下町すら無い「悲劇」を描くか。 その点で言えば本作は「親子に見てもらいたい」からこそリアリティをねじ込んだ。 でも、それよりも大きな論点はラストの「唐突な最期」だろう。 戦場のリアリティにこだわった結果、いつものクレしんには無い哀しみが訪れた。 いままでの「クレしん」からは予想も出来ない事さ。 俺だってガキの頃は又兵衛があんな事になって泣いたよ。 ちくしょうちくしょうって悲しくなった。 死ぬ間際に大切な刀をしんのすけにあずけてさ・・・。 戦国武将のクセに女に弱かったりさ、人間臭い又兵衛。 静かな静かな幕引きはちょっと切ない。 クソ・・・もう100回見ても又兵衛のシーンで泣く自信があるぞコンチクショウ。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-12-19 19:20:13)(良:1票) 227.《ネタバレ》 ずっと見たくてずっと見てなかったのですがようやく観賞。 想像以上にコンパクトに纏められていましたが、色々な思いが凝縮された傑作と思いました。 時代考証を相当やりこんだとのことですが、合戦シーンはさすがの一言。 無駄にBGMを載せずに淡々と、ゆっくりと展開していく闘い、派手ではないものの勢いを感じました。 要所要所に細かく光る演出も見事。 これは声優さんの力量もあると思うのですが、侍と姫の許されざる恋物語が空気で伝わってくる、いい。 下手な恋愛映画より全然切なく、感情移入できる。 野原家の使い方も好き。 主役ではなく脇役、だけどやっぱりいなくてはいけない存在。 5歳の子どもが戦争を理解できるわけがない。それが最後の最後で涙を流す。 苦くて辛いけれども子どもが大人への階段を上った様子が突き刺さるほど伝わってくる。 唯一気になったマイナス点は、しんのすけに対する両親の対応。 戦場に飛び出したしんのすけを追いかけ、捕まえるひろし。あそこは本気で怒ってほしかった。 何やってんだ、馬鹿野郎!くらいの怒りと愛情が欲しかったなぁ。 【HIGE】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-06-24 14:53:40)(良:1票) 226.戦国時代の男女の悲哀さは誰もが理解できるモチーフであるが、それをここまでしっかりとドラマ化した作品がかつてあっただろうか。さらにしっかりとした考証に基づいた合戦描写はそれだけでこの映画の価値。ドラえもんのび太の海底鬼岩城を見た時に感じた、かつてのドラえもん映画はあわよくば大人も楽しませてやる、泣かせてやるという気概があった。この映画のスタッフにはその気概がある。子供はこれを楽しめるのだろうか、というかなぜクレヨンしんちゃんなのだろうか。子供向けアニメということを忘れた大暴走、そして戦国映画屈指の名作。 【Arufu】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-04-25 17:15:33)(良:1票) 225.《ネタバレ》 お正月に観る映画は特に気を遣う。できればハズレのない名作を観たいのだが、あまり時間がないので、上映時間は短めが良い。そんなわけで、ここ数年はお正月にはアニメを観ることにしている。そして、笑いと感動を同時に味わえる作品と言えば…『クレヨンしんちゃん』しかない。中でも、『アッパレ!戦国大合戦』は10点以外つけようがないほどの傑作だ。今年もまた、しんちゃんを観て笑い転げて、感動のあまり涙するのだろう。 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 10点(2012-01-04 23:28:18)(良:1票) 224.ラストシーンは置いておいて、とりあえず前半のお笑いパートが楽しかった。しんのすけ&ひろしの似た者エロ父子のエロ顔と怒り顔のみさえという毎度のパターンが楽しい。おそらく意味もよくわかってないだろう幼稚園年中の我が家の娘も大笑い。たぶん顔が面白いのだ。うちの子たちの反応だけを見れば数あるクレしん映画の中でもトップクラスの笑いを提供してくれている。女の子が大好きな「お姫様」がいるのも好条件。戦場で人が簡単に殺されてゆく様に若干引いたが、ひろしとみさえの脅えきっている様を映すことで必要なシーンなのだと納得。怖さに説得力がある。それでももちろん野原一家は観客の期待に応えて大奮闘。怖さがしっかりと描かれていたからこの予定調和がいつも以上に盛り上がる。そしてラストシーン。こんなん「クレヨンしんちゃん」ちゃうやん。とも思う。うちの小4娘に感想を聞くと「面白かったけど・・・」とその後の言葉が出てこない。その反応を見て思った。「面白かった」で終わる「クレヨンしんちゃん」もいいけど、映画を見て戸惑うということもたまにはいいかなと。 【R&A】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-13 15:20:45)(良:1票) 223.《ネタバレ》 当時、映画館で観た。典型的な「人の死で感動させる」映画という感じがして、あまり感動しなかったのだが、久々に観返してみると、「死」を感動させる道具として描くのではなくて、「死」というものを純粋に、鮮烈にただ見せつけている、と感じた。その点でその他のお涙頂戴映画とは一線を画している。 そして、ラストシーンは…。あれは泣く。絶対泣く。おまたのおじさんは死んでも時間の枠を超えて皆の記憶の中で生き続ける。「死」とは一番大事な人を奪ってしまいかねない無慈悲で圧倒的なものだが、「死」にも奪えないものがある。 【bolody】さん [地上波(邦画)] 8点(2010-08-07 00:26:51)(良:1票) 222.《ネタバレ》 実は初めて劇場で観たときはちょっと物足りなさを感じていました。春日部防衛隊やひまわりがほとんど活躍していなかったりすることもあるのですが、何よりもラストの「死」が唐突なものだと感じたからです。 でも再度観たら全然違う印象になった。しんのすけは命を存続させただけではなく、彼や周りの人間をちょっとだけ変えていて、戦争や死があふれている世界の中で彼らの人生をよりかけがえのないものにしていた、と実感できたからです。 さらにしんのすけは全然戦争や死を知らなかった、これはしんのすけが愛する人の死を知るまでの物語でもあると思う。人の死で安易に涙を誘わせる映画とは全く違います。 ラストの余韻も素晴らしく、争いのない世の中が幸せであることを教えてくれる映画です。傑作。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 9点(2010-08-03 23:07:19)(良:1票)
【点数情報】
【その他点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS