みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
16.原作を読んだことのない私としては、とても面白く観ることが出来た。森繁久彌に淡島千景、そして、大阪とくりゃあ、つまらないはずがない。二人の会話、間の撮り方、そして、何よりも演技の素晴らしさがあればこそ成り立つ作品です。話としては湿っぽいものの、二人の演技の上手さのおかげで見応えたっぷり!森繁久彌の駄目さ加減が絶妙な上に引き立つ淡島千景のはかなさ、哀しさみたいな部分、どう考えたってあんな男とはとっとと別れてしまった方が良いに決まってる。それでも離れられない女のどこか哀れな気持ち、それを淡島千景が身をもって尽くす姿はとても魅力的です。これ、川島雄三監督の作品にも似たようなのがあるけど、あちらに比べると最後までしんみりしたまんまな所は大きな違いを感じるものの、ラストの余韻の残し方も上手い。それにしても森繁久彌、やはり上手い俳優だ!森繁久彌を観ずして、日本映画は語れない。 <追記>2009年11月10日:本日森繁久彌さんの死という悲しいニュースを聞いて本当に寂しい。悲しいです。そんな森繁久彌が単なる喜劇役者でない上手さ、喜劇だけでなくこういうドラマでも素晴らしい演技をやれることを証明して見せた作品である。ここに名優、森繁久彌さんのご冥福をお祈りしつつ、もう一度、この映画をはじめとする森繁久彌主演映画を全て見直したい。そして、一人でも多くの方に、今まで日本映画なんてと日本映画を馬鹿にしてきた人達にも日本にはこんなにも凄い俳優がいたんだということを知って欲しいと思います。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-08-08 21:16:03)(良:1票) 15.正にこれ、ド演歌「浪花恋しぐれ」の世界。まだあの歌の男には芸の精進っていう言い訳があったけど、森繁扮するこの柳吉はんには何もなし。勘当された金持ちのボンボンという肩書きだけ。女が稼いだ金ちょろまかすわ、妹に金を無心するはやりたい放題。それでも不思議と憎めない人物像になっているのは、当時の森繁自身のキャラクターと役柄が絶妙にマッチしているせいか。淡島千景扮する蝶子も男をふわっと包み込むような優しさと強さを兼ね備え、何ともいえない雰囲気がある女性像を創り上げ極めて魅力的。ちなみに大阪ミナミの「自由軒」東京西新橋に支店あります。この映画観て「生卵かけライスカレー」に興味を持った方は是非! なかなかイケますよ。 【放浪紳士チャーリー】さん 7点(2005-03-21 14:46:10)(良:1票) 14.《ネタバレ》 森繁一世一代の名演。そして、淡島千景の受けの名演。素晴らしい。関西文化圏に住んでいるものには、特に響く。関西弁の素敵さ。ダメ男としっかり女の道行。惚れ惚れする。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 10点(2019-01-28 21:49:52) 13.ダメ男なんですけどどいつもそばには尽くしてくれる女性がいる。男として羨ましい限りですね。何がそうさせるのか、やはり相性ですかね。また違った味わいがあるという原作も一度読んでみたいですね。素直に面白かったです。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-08-09 22:45:55) 12.日曜日の正午、あまりに眠たくて2歳の娘の世話を妻に任せて、居間のソファで居眠り。ふと目が覚めると2時間以上寝てしまっており、ちょうど帰宅した妻に呆れられた。 眠気が治まらぬまま反省しつつ、再び外出する妻をソファに寝転んだまま送り出した後、この映画を観始めた。 この作品における映画体験としては、何ともいいタイミングだったと思う。 お椀二杯で一人前の“夫婦善哉”のように、詰まるところ“良い夫婦”というものは、二人揃ってようやく一人前になるものなのかもしれない。 この映画に登場する“夫婦”の男女は、二人ともどうあっても結局のところ一人では行きていけない。 森繁久彌演じる柳吉は、どこからどう見ても大店のどら息子であり、駄目男ぶりが甚だしい。 淡島千景演じる蝶子も、しっかり者の人気芸者ではあるけれど、最後の最後まで柳吉無しで生きてはいけない駄目女だ。 駄目男と駄目女が連れ添い、愚にもつかないすったもんだを延々と繰り返す映画である。特筆する程のストーリー的な面白味もあるとは言えない。 しかし、この映画が多くの日本人に愛されている映画であろうことは容易に理解できる。 やはり魅力的なのは、駄目男と駄目女の主人公夫婦に他ならない。 つくづく愚かな二人なのだけれども、どうしたって彼らのことを憎めるわけがない。 その理由は明らかで、この二人の姿こそ、世の中のすべての男女が持ち得る愛すべき愚かさだからだ。 どんな男も柳吉のようになろうし、どんな女も蝶子のようになり得る。 この映画を観た多くの人が、「馬鹿」と蔑みつつも、どこかこの二人の“寄り添い”に憧れを抱いてしまうのだと思う。 中盤、何度目か知らないが愛する男が再び自分の元に帰ってきて、女は心から喜ぶ。 お互い軽い悪態をつきあいつつ、女は真っ昼間なのに部屋のカーテンを閉める。 男は勘弁しろよという表情だが、実のところまんざらでもなさそうだ。 森繁久彌、淡島千景、二人の名優の一挙手一投足を含め、このシーンの総てが可愛過ぎる。 さて、僕自身、決して甲斐性があるわけではないので、せめてこの映画の夫婦のように愛らしい二人で居続けたいものだと思う。 「頼りにしてまっせ」を連発しつつ。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-08-25 23:42:24) 11.《ネタバレ》 <原作未読>柳吉は女房子供がいながら、芸者と駆け落ちするようなひどい男だけど、憎めないというか同情までしちゃうってのが森繁久彌の凄さなのかな。蝶子と縁を切れば家に戻れるし、愛娘とも一緒に暮らせるのに、なんだかんだで別れられない。商売を始めてもすぐ飽きちゃうし、養子には強く言えないし、そういうダメっぷりはあっても、蝶子のことはずっと好きでい続けた。自殺未遂後、かつての明るさはまだ戻らない蝶子。親父亡き後も家に戻れず、お金も取れなかった柳吉。そんな二人の時間がしみじみと良い。二つの椀で一人前の夫婦ぜんざいが二人の関係を見事に表していた。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-08-14 18:48:35) 10.《ネタバレ》 古い映画でしたが十分楽しめました。 どうしようもないぐうたら男と尽くす女。 よくある話をさらりと描いた名作。 最後の雪のちらつく中を歩くところは好きだな。 【KINKIN】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-03-20 09:05:06) 9.いやあ、名作だと思うなあ。あんなダメ男の若旦那に尽くす売れっ子芸者。何度も愛想尽かしても、またけなげに・・・。その人情味あふれるドラマを実に鮮やかに、描き出している。原作もすばらしいんだろうと思う。そして森繁も淡島千景さんも、そしてまた監督豊田四郎も・・・。これぞ日本映画だと思うし、淡島さんの追悼にふさしい。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-03-02 21:09:52) 8.これは面白かったね。森繁のダメ男ぶりが妙に板についていて、 文句を言いながらも、かいがいしく世話を焼く淡島千景が良かった。 ややコミカルタッチで会話にテンポがあり、二人のかけあいが夫婦漫才を見ているようで絶妙。 夫婦間の機微や情感もそこはかとなく描かれているので、後味の良さも感じさせてくれる。 お薦めのクラシック邦画。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-08-16 21:36:25) 7.《ネタバレ》 セリフが聞き取りにくいので、前半は話がいまいちよくわからなかった。ケンカしたりくっついたりを繰り返していたようですが。柳吉が病気になったあたりからついていけるようになり、内容としてもまあよかったと思います。ただ、実家に何も貢献していないのに、長男であるということを笠に着てわめき散らすのは、当時はともかく今から見れば甘すぎてバカバカしいくらい。蝶子もそんなものを当てにすべきではないと思いますが、こちらは本妻として認めてもらいたいという気持ちもあったのでしょうね。そういうわけで、主人公2人にあまり共感できなかったので、評価もそこそこです。蝶子の両親がもっともよかった。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-01 19:43:05) 6.原作とは随分違う。始めは良い感じにアレンジしているなぁと思ったが、だんだんテーストの違いが気になった。もともと、森繁久彌はイメージとは違う。寧ろ蝶子の親父さんのイメージに近いか。もう少し細身だとなぁとか。放蕩感も随分薄い。原作では何度も金を使い込んで本当にどうしようもないボンボンだったが、この映画ではうっすらその印象を見せるだけで大人しい。どもりも殆どない。うーん。既に書かれている方もおられる通り、妙に湿度が高めなのが何より気になる。題名にもなっている最後の夫婦善哉のシーンも何故か夫婦善哉を単体として映してくれない。それはしっかり撮ってくれないとなぁ。そしてそのあと原作にはない湿っぽい人情劇が続くのも蛇足としか言いようがない。やはり原作とは別物という割りきりが相当必要のようだ。原作知らなければ普通の人情喜劇として楽しめるだろう。森繁さんは上手いし面白いしね。という訳で、原作は度外視して、レヴュー内容に反した、この点数。 【MARK25】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-05-24 04:14:46) 5.《ネタバレ》 男から見れば女の扱いにくさ、ちょっと誤解があるとガス管くわえてたりする。女から見れば男の頼りなさ。こういった互いの欠点が、でもつまり愛のニュアンスなわけで、人の世の“味わい”というものも実に複雑であります。蝶子だって本妻が死んだときは義理を感ずるが、すぐその後でお礼参りに行ったりする。スカタンならスカタンなりにすべてを放擲すればいいのに、けっこう船場の実家に執着する(なるほど本当のスカタンはこうでなくちゃならないのだな)。こういうどっちつかずの曖昧にダラダラした気分を繊細に描き込むってのは、日本の映画だけが成し得た境地ではないだろうか。これ原作も読んでみたが、原作のほうはもっとサッパリした味になっていて、それもまた別の感触の傑作だった。蝶子の実家の親父、総菜屋がいい。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-11-17 12:11:31) 4.『猫と庄造と二人のをんな』の森繁と同じノリの森繁が見れた。 間寛平の様なシャベリ方に、渥美清の様なキャラクター。 何とも愉快だ。 そして森繁は紛れもなく天才である。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2007-09-03 15:02:32) 3.たぶん森繁の映画初めて。関西版渥美清みたいなめちゃくちゃさがある。淡島千景は覗き込むような仕草がかわいい。最後の善哉のシーンからはかなり名シーンだと思う。名作と聞くだけあってなかなかのものでした。 【バカ王子】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-01 23:36:02) 2.船場のぼんぼんのダメ男は仕事もろくにせず遊んでる放蕩息子のくせに、自分が跡継ぎだとプライドだけは高く権利を主張。どこがいいのかこんな男に惚れて「私が一人前の男にして見せます!」、と尽くすしっかり者の芸者蝶子は一見献身的でけ なげな女に見えるが、彼女もまた男に愛想尽かしをしながらも別れられないダメ女。かくしてくされ縁とも依存関係にあるとも見える二人は、どんなにすったもんだしても元のさやに戻っていく。 これは女が男に尽くす人情話かと思うと実は「人間て弱くて愚かなものなのね」「男女の仲は摩訶不思議」というあたりの人間くさい話で、これを森繁久弥と淡島千景が素晴らしくうまく見せてくれる。 淡島さんはどの作品でも魅力的で大好きな女優さんだが、ここでも表情豊かにはつらつとしてて森繁さん共々惚れ惚れする。 これは演出なのか時折挿入されるクローズアップの顔が白っぽく、男の顔が卑屈で小心っぽく見えたり、美しい淡島さんでさえちょっと汚く小ずるそうに見えたりするのが意味ありげで面白い。 【キリコ】さん 8点(2004-08-18 21:07:13) 1.どうやら世間では名作ってことになってるらしいんですけどね、原作をこよなく愛する私にはダメです。こんなの認められません。テンポがノロ過ぎだし、湿度が高すぎ。川島雄三が撮ってくれてたらなー。 【じゅんのすけ】さん 5点(2003-08-24 12:27:35)
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