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【クチコミ・感想】
3.ぼくには、むしろアンドレイ・タルコフスキーの映画に近いものを感じさせてくれる映画でした。禅仏教の「真理」を探求することより、火・水・土・風というもののなかに摂理を見出していくかのような、東洋的というよりはむしろ「西洋的」な、ただ「物質」そのものと化した映像。思えばタルコフスキーの最良の映像もまた、あらゆる象徴や隠喩に還元されない火や水、風、草や樹木といった「物質」それ自体の現前で見る者を圧倒するものではなかったでしょうか。…およそドラマとしての「面白味」を望みようがない作品ではあるけれど、映画が「映画」じゃなくなるぎりぎりの地点で成立したこの作品には、言葉の真の意味で「孤高」の輝きがある。もっとも、これは劇場で集中して見ないと、その2時間10何分という長さはそれこそ生理的忍耐度を試す禅的(?)苦行になりかねない…と、ご忠告申し上げます(笑)。 【やましんの巻】さん 9点(2004-02-16 17:51:00)(良:1票)
2.渋い題材を、渋い顔した人たちで、渋く描いている。深く深く沈んでいこうという意志。タルコフスキー的なものを予想してたんだけど、違った。タルコはかなり自分の世界を作っていく方なのに対して、こちらは自然をそのまま切り取ることことをルールとしてるみたい。タルコだと、水の中に壊れた自転車を置いといたりするけど、この人はしない。老師の灰を撒く水面は、枯葉が彩りを添えるだけ。自然物だけの、手を加えない美しさ。与えられただけの美しさ。西洋と東洋の感性の違いでしょうか。鳥は「畏れ」、牛は「平穏」の象徴か、なんて考えちゃうのも西洋的かなあ。老師を荼毘に付すときの鳥の鳴き声の効果が素晴らしい。そして牛に引かれてもとの寺に戻っていく。別に「禅とは何ぞや」という映画ではなく、「禅のある風景」と思えばいいんでしょ。夏から冬への森のたたずまい。夏の夜の虫の声、秋の枯れ枝のシルエット、といった味わい。少年が漂いだす瞬間は息を呑みます。無責任な西洋観光客の気分で、「う~んZENだ」などと禅を齧った気分になるのが一番いい鑑賞法かも。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-07-24 09:54:11)
1.韓国の禅仏教をテーマにした、地味ぃな作品。十牛図を映像化したといえば、わかる人にはわかるし、わからん人にはさっぱり。仏教理解の精度を云々言うよりも、映像を楽しめばよいのだが、やや図式的すぎるし、映像もきれいすぎて退屈かもしれない。もうすこし俗っぽさと「笑い」を出しても良かった。さもなければ自画自賛の、しかし他方でオリエンタリズム的な毒を免れがたいと思うから。なんとなくベトナム映画『青いパパイヤの香り』に雰囲気が似ている。もっとも、韓国の仏教は日本のそれよりもまだ真摯なところがある点には感心できた。 【バッテリ】さん 6点(2004-02-12 19:02:39)
マーク説明 |
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【点数情報】
Review人数 |
3人 |
平均点数 |
7.67点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 0 | 0.00% |
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5 | 0 | 0.00% |
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6 | 1 | 33.33% |
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7 | 0 | 0.00% |
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8 | 1 | 33.33% |
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9 | 1 | 33.33% |
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10 | 0 | 0.00% |
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