みんなのシネマレビュー |
|
|
|
ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
5.カーク・ダグラスの魅力。というか、チャラさ、ですね。チャラ男。 陽気に歌って見せたり、曲芸のごとき見事なガン捌きを見せたり。器用で調子よく、天真爛漫。こういうヒトは、合コンの席では一番目立つけど、最終的にはモテないタイプだと思う。いや、最近の合コンがどんな雰囲気かは知らないので適当な事を言ってますけども。髪型もバッチリ決まっていて、鋼鉄のごとくガチガチに髪を固めているかのように見えますが、頭を掻きむしると一応ボサボサにはなるんだなあ、と。 そんな彼にも一応は暗い過去、とまでは言わなくとも、体と心にかかえた古傷があるらしい。そんなとってつけたような弱みなんか、どうでもいいでしょ、と言いたくもなるのですが、これはこれで重要な物語のポイント。有刺鉄線に対する嫌悪感。 そんでもって、彼を取り巻く2つの勢力がそこにはあるのだけど、この両者、どっちもどっち、という感じ。管理経済をとる有刺鉄線派か、それとも自由経済を標榜しつつ傍若無人に牧草を食い荒らす反・有刺鉄線派か。主人公にしてみれば、前者の有刺鉄線は嫌いだし、後者の連中はさらにイケ好かないし、と言う訳で、勧善懲悪路線ではない、微妙な力学の上に物語が成り立っているのがユニークなところ。ラストは元祖(?)有刺鉄線デスマッチへ。 この作品、画面に「遠景」がダイナミックに取り込まれていて、広大な牧草地帯、牛の群れ、といった光景がまた、大きな見どころになっています。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-05-03 10:24:20) 4.《ネタバレ》 主人公は最初はただの無賃乗車状態だし、丸腰だし、棚ぼたの50ドルだけが頼りだし、再会したお姉ちゃんと大騒ぎする。およそウエスタンヒーローっぽくない主人公が自然と変化していく過程がポイントです。一方でその媒介となっているのが、牧場同士の牧草の争奪!そしてその対策である有刺鉄線!という呆気にとられるような斬新な着眼点です。通常ならヒロインの立ち位置なはずの女主人がやたら強欲なのも面白いし、最後はばっさりそれを無視する強引な着地も楽しい。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-06-28 21:09:19) 3.《ネタバレ》 非常にシンプルで明快で爽快な話。 私は昔銃器マニアで西部劇関連であるムック本を読み、有刺鉄線が西部を開拓した、というような物を読んだことがあるが、本作を見るとやはりそう単純な話ではなく、こうやって無法に公地を我が物にしている事例もあったのかもと考え直した。 共有地を有刺鉄線で区切って隣接の牧場主と平和的に共存したい土着の牛飼いと、東部からやってきた資本主義者で法第一主義の女とぼ土地を巡る諍いに巻き込まれる男の話。 前述したとおり単純な話ではないのだが、牛にとっては迷惑な話だ。で、東部資本の女に対立することになった主人公は、最初嫌っていた有刺鉄線側につくが、最後にはそれをも捨てて放浪のたびに出る。カッコいい。 でも、欲を言うと主人公の実戦でのガンさばきをもうちょっと見たかったかも。 【Tolbie】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-03-10 16:41:07) 2.《ネタバレ》 カークダグラスが、星のない、憎めないがイマイチ「男」として物足りない人物を 好演している。 まるで「OK牧場の決斗」のドクホリディの若いころを描いたような映画。 無名の作品だが、このサイトで高得点なので鑑賞。 前のレビュワーさんが的確なコメントを寄せてますね。 高得点を与えるだけの思い入れの強い作品だったんでしょうね。 僕も観て、色々考えさせられました。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-06-30 23:36:40) 1.《ネタバレ》 私評として文句なしに西部劇のベスト1だ。オープニングは機関車の疾走に合わせF・レインの歌声が響く。飄々としながらも影が漂う主人公のガンマンを演じるK・ダグラスの演技は絶品。流れ者のガンマン(ダグラス)が惚れた女性から「何が欲しい」と聞かれ、帳簿に「you」と書くシーンは粋な演出だ。主人公を慕う若者との交流・師弟愛が心地よい。若者に拳銃の扱い方を教えるシーンはガンマンの真骨頂、軽快に銃を捌いて凄腕ぶりを見せつける。その後銃の腕を上げた若者が人を殺してしまった時、主人公はそれまでの飄々とした態度から一変、鬼気迫る表情で軽はずみな行動を窘める。牧場に雇われた彼には、有刺鉄線で傷ついた苦い記憶がある。やがて牧草地の有刺鉄線をめぐって牧場同士の対立が起り、主人公を巻き込むことになる。この過程で描かれる、スタンピートを織り交ぜた銃撃シーンは躍動感が溢れている。終盤、有刺鉄線をバックに繰り広げられる決闘シーンは、拳銃を使わず殴り合いで決着というのもメッセージ性がある。ラストはトラブルを解決し、「俺に境界は無用だぜ」とばかりに去ってゆく流れ者・・・星を持たない、放浪する男の美学。この映画では「有刺鉄線」という境界(しかも人を傷つけるもの)を問題事の象徴として描いている。現実に境界なしで社会は成り立たないものだが、それがために争いの元でもある。宇宙飛行士が地球へ帰還後に語る「宇宙から見れば国境はない」の精神を連想した。 【風小僧】さん [地上波(吹替)] 10点(2015-09-23 15:52:54)(良:1票)
【点数情報】
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS