みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 69分しかないとわかっていても、もういいからみな死んで早く終われと思っていた。点数は2点くらいかと思っていたが、終盤になって話の意味がわかって急に評価を上げた。中間部のほとんどはどうでもいいが、最初と最後がつながって効果を出している映画だった。どうしようもない俗悪映画のようでもちゃんと最後まで見なければならないということだ。 [以下説明] 英題にはApril Foolsと書いてあるが、実際は4/1ではなく12/28の「幼子殉教者の祝日」(聖イノセンテの日)を題材にしている。スペインではこの日がエイプリルフールのように嘘や悪ふざけの許される日だそうで、人型の紙を他人の背中に貼ってはやし立てるとか、他愛ない嘘で人を騙すなどして「イノセンテ~!」と言って笑う習慣があるとのことだった。この映画では、この日の悪ふざけが度を越して死者が出た事件が全ての発端だったという設定だが、人型の紙がこの日を象徴することはスペイン系の観客でないとわからないので、あまり世界向けとはいえない映画である。 また原題のLos inocentesとは “イノセンテな人々” という意味である。スペイン語のinocenteは英語のinnocentに当たる言葉で、形容詞としては「無罪の」「無実の」「悪意のない」「無邪気な」「純真な」「お人よしの」といった意味であり、また名詞として子ども・幼児を指すこともある。12/28の祝日名には名詞としての「幼子」が出ているが、原題の方は登場人物が形容詞の意味に当てはまる人々であることを意味している。こういうことも英語やラテン系言語以外の話者にはわかりにくいと思われる。 視聴時には当然ながら日本語字幕を見ていたが、原語の台詞でこのイノセンテが多用されていることに終盤で気づいた。「引っかかった、引っかかった、ホントにバカだね」のイノセンテは12/28の他愛ない悪ふざけのレベルだが、過去の事件に関して「奴らに悪気はなかった」と言った箇所でもこの言葉を使っていて、また最後の「私、何もしてない」でも「無実」という意味で言っていた(Soy inocenteか)。さまざまな意味のイノセンテにこだわった映画のようである。 これにより全体的には、ガキのやらかす凶悪犯罪を「無邪気な」おふざけとして「無罪」にしてしまう現代社会への皮肉を込めていたと取れるので、日本的感覚でいえば少年法関連の映画ということになる。ガキと違って世間一般の常識はちゃんとわかった大人が、あえて "こんなクソガキ連中は全員死刑だ" と無邪気に放言してみせた感じの映画になっていた。 ただしラストの出来事は、悪意がなければ警察が無実の人間を射殺してもいいのか、という別方向からの指摘のようでもある。なかなか考えた映画だと思った。 【かっぱ堰】さん [DVD(字幕)] 6点(2024-09-14 10:31:08) 2.《ネタバレ》 色ボケクソガキ共が盛大に盛ってるところ、殺人鬼が参上して仕置きして回る、といういつものアレなのは全く以てそうなのだが、本作は複数監督によるアイデア持ち寄りの作品であり、まんま各シーンを寄せ集めただけなためにストーリーは(申し訳程度にも)無いも同然、というか流れ・繋がりというものがまるで存在せず、映画として全然統合できていない(ガキ共は各個撃破もいいところ)。率直に言ってここまで来るとこれは映画とは言えないレベルで、その意味では69分という短尺なのが勿怪の幸いな残念さ加減。 ただし、個々のショックシーンの出来映え・独創性自体は、全体の出来に比べれば決して悪くもない(のも幾つかある)。あくまでホラー映像クリップとして観るなら、本作にもいくぶんの観る価値はあるかと(だから映画としては3点だが、その観点で1点を加点してこの評価としたい)。 もう一点、本作はエロも(短尺な割には)比較的豊富なのだが、ひとりクリーチャーレベルで爆乳な女の子が乳放り出すシーンがあり、ここだけは超必見(というかこれは、一般映画では映しちゃダメなレベルでさーね)。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 4点(2020-04-13 00:44:49) 1.《ネタバレ》 一連の虐殺事件は、殺人鬼(人間)による犯行だったワケですが、本当に蜂を使った攻撃など可能なのか疑問です(一体どうやって仕込んだ?そもそも蜂ってあんなに凶暴?ヒトガタの染み作成方法は?)。もしかして犯人は『ノミのサーカス』も真っ青の超養蜂家で蜂を自由に操れると、それに毎日たっぷりローヤルゼリーを頂戴しているから、あんな体型なのかと。なら納得、ってなるか~い。それよりも、呪術的な力を持ち合わせていた(怨みのパワーで悪魔的な能力を獲得した)と考える方が、まだ腑に落ちます。やたら彼女に謎の紅茶を飲ませようとしていましたし(呪い?)、見た目も黒い呪術士ことA.T.ブッチャーみたいですし(失礼)。ナイフがお腹に刺さらなかったのも、魔術なのでしょう。冗談はさておいても、複数の新人監督による共作らしく、「オレ、こんな画を撮ってみたい」「私にいいアイデアがある」みたいなノリが窺え、作風に統一感はありません。脚本も然りで、多少の祖語や矛盾は仕方ないのかも。よくある設定、見た事ある筋書き、ただ言葉はスペイン語。そんな定番スプラッター(血飛沫少なめ)という理解でよろしいかと思います。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 5点(2015-02-12 20:20:35)
【点数情報】
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