みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
12.《ネタバレ》 冒頭、何の説明もなされないまま、とある一人の女性が荒れ果てた荒野をザクザクと歩くシーンから始まる。同行者は誰も居ない。たった一人、いかにも重そうなリュックを背負い、見渡す限りの荒れ地をただひたすら歩いてゆく。聞こえてくるのは彼女の荒い息遣いと風の音のみ。日が暮れればテントを張りリュックの中から取り出した自炊用具でまずそうなお粥を作り腹を満たす。朝日が昇ればまた彼女は旅を再開する。来る日も来る日もひたすら歩き続ける。途中途中でチェックポイントのようなものがあり、どうやらこれが何らかの競技であることが分かってくる。そんな彼女の孤独な旅路に過去の辛い記憶がフラッシュバックされてゆくのだった。最愛の人の死、寂しさを満たすためだけのセックス、離婚、そしてヘロインへと溺れた最悪の日々。いったい彼女は何のために歩き続けるのか――。答えは、メキシコ国境からカナダにかけて徒歩で走破するパシフィック・クレスト・トレイル(PCT)という競技。本作は無謀にもそんな過酷な競技へと挑んだ一人の女性の苦難と再生を描いたロード・ムービー。極めてシンプルかつ地味な映画でしたが、これがなかなか惹き込まれる佳品に仕上がっておりました。やはりそれは主役を演じたリーズ・ウィザースプーンの説得力ある熱演の成せる技でしょう。ほぼ全編を通して彼女の一人芝居が続くのだけど、その旅路が本当に辛そうで、実際に何か月もの旅路を追ったドキュメンタリーに見えるほどリアル。アカデミー賞の候補となったのも納得です。そして、その旅路にフラッシュバックされる過去の出来事も壮絶なもので、僕は彼女のそんな人生やり直し旅に思わず共感せずにはいられませんでした。そう、人生何もかもリセットして一休みしなきゃいけない時期ってきっとあるんですよね、誰にだって。厳しい雪道や途中で出会う男たちの卑しい目にも耐え、ただひたすらゴールを目指す彼女。心優しい仲間たちにも出会い、旅が終わりに近づくにつれそれまでのやさぐれた表情からどんどんと自然な笑顔となっていくのが本当に魅力的でした。でも、映画はそんな彼女のゴールまでを追ったりはしません。困難な人生はいつまでも続くということを表しているのでしょう。切ない余韻に満ちた美しいラストシーンでした。「コンドルは飛んでゆく」の哀愁に満ちた調べも作品にとてもマッチしていて印象的。地味ではあるけれど、なかなか良作と言っていい。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-04-19 11:50:05) 11.若い女性が自分探しのために一人で山道を1600キロも歩くという設定が非現実的というか、日本ならまだしもアメリカでそんなことをするなんて、自殺行為です。もし犯罪に巻き込まれてしまっても同情の余地もありません。シェリル・ストレイドさんという女性の実話が原作ということですが、それでシェリルさん本人が自分を見つけられて幸せになれたのならそれで良いですけど。。。一人で1600キロ歩いて自分を見つけられるものなのでしょうかね。。。単なる歩ききったという自己満足だけのような気もします。リース・ウィザースプーンは全編を通じてほぼ出っぱなしでまさに体を張った演技をしたのでアカデミー賞主演女優賞ノミネートは分かります。同時にアカデミー賞作品賞にノミネートされなかったのも納得です。サイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んでいく」のイントロ部分が映画の中で何度も繰り返し流されて効果的に使われています。 【みるちゃん】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2019-12-20 13:27:02) 10.《ネタバレ》 1600キロを歩いてかぁ~、あまりにも長すぎて正直ピンとこない (笑) アメリカはスケールが違いますね。道中の大自然は本当に素晴らしく、仲間同士が集う山小屋や靴を受け取れる中継ポイントなど、まさにPCTならではの見どころも多い。そしてそして、、見渡す限り誰もいない大自然の中を、女がたった一人で歩いてるわけです。なので、バッタリ出くわす男たちが怖いったらありゃしない。畑の男も最初は思わせぶりな怖さがあったし、ハンティングの二人組には心底ゾッとしましたね~。そうして長い長い旅路の果て、最後の少年の歌声は心に響きます。果たして彼女の心の傷は浄化されたのだろうか・・。しかし、映画は素晴らしいのにこの残念な邦題はヒドイ。原題のままじゃなくてもいいから、せめてもっとワイルドな邦題にしてくれ!(笑) 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-10-16 23:22:21) 9.《ネタバレ》 この映画大好き。女性の再生の物語。この先には希望がある。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 9点(2019-01-12 22:31:54) 8.《ネタバレ》 だいぶ期待してしまっていたせいか、肩透かしを食らった。自分を変えるためにお遍路をするロードムービーなわけだが、「これまで」ばかりが描かれてあっさり終わりを迎えてしまうので「これから」がよく見えず説得力を感じないので、主人公はこれで何か変わったの?と思ってしまった。 そしてこの邦題は合っていない。おそらく生きるための指針を求めるアラサー女性をターゲットにしたのかもしれないが、このタイトルだとまるでラブコメ系のおしゃれ恋愛女子映画だ。 【eureka】さん [DVD(字幕)] 4点(2017-02-18 20:40:32) 7.特典映像で、シェリル本人の当時の写真を見た。本人の方がよっぽどかわいこちゃんだった。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-04-07 16:15:28) 6.《ネタバレ》 リース・ウィザースプーン主演だったのでコメディ(またはその要素が散りばめられた)映画だと思って鑑賞。シリアスでした。。。アメリカ版お遍路ですかね? としてもかなりハードです。45歳で若いとはいえ親の死は必然、で離婚もよくある話。どうしてここまで自分を追い込んでしまったのか? 実話のようなのでしょうがありませんが。映像と音楽はとても良かったです。 【kaaaz】さん [インターネット(字幕)] 8点(2016-02-20 00:00:31) 5.《ネタバレ》 この手の作りの映画は好きな方だけど、なんだか伝わってくるものが薄かった。これだけの距離を歩いたの見たのに、最終的に、それで?と思ってしまった。過去の様々な出来事を見せつつ、歩いていくわけだが、なんだかいまいちふわ~としている感じがしてしまった。それと、彼女の悩み(暗部)に共感しきれなかったのもあるのかもしれない。ただ、リース・ウィザースプーンは好演していたと思うし良かった。 【スワローマン】さん [インターネット(字幕)] 5点(2016-01-31 12:44:41) 4.《ネタバレ》 内面の汚さをぶちまけ、悪臭を発しながらトレイルを制覇するが泥臭さがあまりなく、女性でも安心して観る事ができるお洒落な映画にまとまっている。回想を詳しくやり過ぎて、道中の過酷さが薄れてしまっていると思う。リースだと強すぎるので、主人公はもっと弱そうな人が良かった。道中のノートに書いてきた事が他の冒険者に音読されるのが照れくさい。人間は大自然の中で何千万年も人生や大切な人について考えて歩いてきたとすると、われわれの一生は人間本来のものとはあまりにもかけ離れ過ぎていてゾッとする。 【DAIMETAL】さん [映画館(字幕)] 4点(2016-01-13 15:01:26) 3.《ネタバレ》 山上から誤って片方の靴を落としてしまったヒロインは、もう一足の靴も潔く放り投げる。 それを実際にシェリル・ストレイドが行ったかどうかはまったく問題でなく、何よりも映画の要請として投げる。 『ダラス・バイヤーズクラブ』は主人公が病に冒されつつも行動的に世界各地を飛び回る、何ともフットワークの軽い映画に思えたが、 こちらはフラッシュバックを交えながらの地道な歩行の映画だ。 出発の朝、荷物を詰め込んだバックパックを何とか背負おうと悶絶格闘するヒロイン。 その重みの感覚、テント設営の不慣れな手つき、旅と共に身体じゅうに出来た傷や痣などの描写が実に丹念である。 劇中で、森で出会った子供が歌いだす。その清らかな歌声が不思議に沁み入る。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2015-10-18 18:06:36) 2.いい映画だった。 何よりローラダーンが良かった。 彼女、久しぶりに観たけどいい歳の重ね方をしてたし、主人公が苦しい旅を諦めなかった理由に説得力を持たせたのは、間違いなく彼女の存在だったからね。 ただ…、「大自然」の中で「力強く」、「素のままの」自分に生まれ変わるっていう物語の意味から考えると、原題の「Wild」がホントしっくりくる。 それだけにこの邦題…、もうちょっと何とかならなかったかなぁ。 【チャップリ君】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-10-08 11:04:05) 1.《ネタバレ》 PCL(パシフィック・クレスト・トレイル) メキシコとの国境からカナダとの国境まで。アメリカを南北に横断する、険しい自然の中をひたすら徒歩で行くロードムービー。 メキシコ国境付近の果てしなく続く砂漠。険しい山岳地帯に雪原に、連日雨が続く鬱蒼とした森林地帯。 ロケーションを変えながらリースが重い旅の装備を背負い、重い過去を背負いながら徒歩で旅する様を追い続ける。 そんな旅の風景にテーマ曲的に使われる「コンドルは飛んでいく」がピタリとはまっている。 本作は実際にこのコースを3ヶ月かけて踏破した女性シェリルの体験に基づいています。 旅の風景に頻繁に彼女の過去の姿が挿入される。ドラッグにセックス依存に離婚、愛する母とのエピソードと悲しい別れ。 フラッシュバックされる彼女の過去は思い描いていたよりもシリアスな内容でしたが、 旅の風景やサバイバル描写はソフトに抑えられており、見やすさのある作品になっています。 この旅を通じて人生をリセットし、新たな人生を歩みだそうともがき続けるシェリル。 旅の1日目、テントを立てるのにも一苦労、重い旅の装備を背負い、立ち上がるのにも一苦労。 バーナーの燃料を間違えてしまい調理も出来ない。砂漠の真ん中でポツンと1人でテントの中。怖くて眠ることも出来ない。 最初は不安で一杯だったけど、旅を通じて少しずつ強くなっていく。 そんなシェリルを演じる、顔も服も汚れて化粧気も無いリースの熱演に、 母親を演じたローラ・ダーンも印象に残る演技を見せてくれます。 旅のゴールは「ヤッター!」と声を上げることも無く意外なほどあっけなかった。 でも、1人旅のゴールってこんな感じなのじゃないかな。 いつまでに帰らなければならないとか、2泊3日とか、そんな期限の無い旅。 僕もいつかそんな旅をしてみたいなと思う。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-09-03 20:16:56)
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