みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
22.《ネタバレ》 よかったし、泣いた。 映画・自転車泥棒を思い出した。 それでも、人生は続くのだ。 ダメになっても、また白紙のノートを携えて、前を向いて歩くと、きっと気持ちがよくて、誇らしい。 【よこやまゆうき】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-03-21 01:42:19) 21.《ネタバレ》 多分、ジム・ジャームッシュ監督映画初体験となります。 冒頭から、主人公パターソン(アダム・ドライバー)が詩を朗読し、画面に英文がタイピング表示されるので、「詩」がこの映画のモチーフと気づかされます。 メインストーリーはパターソンの日常とその中で起こる些細な出来事を扱っただけです。そうなのですが、随所に小さな仕掛けがあるため、淡々としているのにハラハラさせられたりして、うまいなあと思います。そんな素敵な脚本もさることながら、自然体のアダム・ドライバー(カイロ・レンとしてフォースを扱っていたとはとても信じられない!)と妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)にも目が離せません。理想の夫婦の姿がそこにあります。イングリッシュ・ブルドッグのマーヴィンくんの存在感たっぷりな名演にも癒やされます。 エンディングで突然に日本人(永瀬正敏)が現れて、その瞬間は必然性がなくて違和感が止まらないのですが、、、その彼が---「詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなもの」とこれまた唐突に言うので、この言葉を印象付けるための演出だったのだと感じました。 ちょっと心が疲れたときや落ち込んでいる時に見ると、きっと元気が出ると思います。名作! 【めたもん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-02-04 12:14:38) 20.《ネタバレ》 これといって何も起こらない日常の中の幸福?そんな感じの映画なんですが、何か隠されているものがそこかしこにあるんじゃないかとも感じる映画でした。 まずパターソンが毎日運転しているバスの番号の「0936」が頻繁に目について、この数字に何か意味があるのかと感じたり、やたら出て来る双子にも何かあるのかと気になる。 携帯も持たない、ネットもしない、同じ毎日のパターソン、でも何かしらあるわけ。まずローラの趣味です、帰宅するたびに家の中の何かがモノトーンにされているとか、マーヴィンの日課とか。出掛ければコインランドリーにラッパーはいるし、バーでの出来事、通りがかりの人が「犬に気をつけろ」と忠告してくれる。 この忠告が伏線になっていたと気付いた時がいちばんうれしかったな。いつもバーの外で待たされるわ、土曜の夜は置いてきぼりにされるわでマーヴィンにもいろいろ言いたいことがあったんでしょう。ブルドッグのマーヴィンの存在感はかなりのものでして、できたらラストシーンにも登場させてほしかったな。「おまえなんか嫌いだ」と言いながら監禁されたガレージから出したパターソンがいいわね。 考えてみればコピーはしなくて済んだってとこはあるかな?ヘンなパイを文句は言わず水で流し込んで食べるパターソンは怒るってことはないんでしょうか。 彼はバスを運転しながら街の情景をよく見てるし、乗客の会話を聞いて楽しんだり、初めて知るようなこともあるんだろうな。 映画館でも周りの観客を確認してる、マッチ箱のデザインにも見入る人。 地元を出る、都会に行く、海外へと、知らなかったものを見て、経験することを勧めるってことをよく耳にするし、いいことだと思いますけど、自分の周りの小さなこと、普段は目に入らない、気にとめないような物事の中にもいろんな気づきがあり、一般人の中にアーティストがいたりすることがわかるのかもしれません。高くて遠い視野ばかりもいいわけじゃないと感じた次第です。 ジム・ジャームッシュの作品には翻弄されます、いい意味で。 【envy】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-10-28 19:19:21)(良:1票) 19.《ネタバレ》 ジム・ジャームッシュは相変わらず一期一会の描き方が魅力的だ。 永瀬正敏との公園でのやり取り、これが特にいい。 見知らぬ人間とのほんの少しのやり取り、しかも最後はノートまでプレゼントしてあげて、でもアッサリさようなら。 見知らぬ人間同士の、ほんの短い時間のやり取りなのに、お互いの人間性、そして生きてきた歴史まで垣間見た気がするのは、やはりジム・ジャームッシュならではの魅力なんだろう。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-02-09 11:42:27)(良:1票) 18.《ネタバレ》 アダム・ドライバーがパターソンの街でバス・ドライバーのパターソンって (笑) 遊び心がすぎるぞ、J・ジャームッシュ。 かつての彼の映画は、ビリビリとした個性を放っていて近寄りがたい空気があったものだが・・。今作はずっと優しく温かくて、監督ご自身が丸みを増したかのような印象を受けました。 家と通勤路、バスからの風景、BAR、滝を望む公園。陽光、行き交う人たち、色づく街路樹。さりげない日常の反復のようでいて、毎日違う顔を魅せる、いつもの風景。大きなドラマはないが、一画一画がとても洗練されていて、まるで写真集のページをめくっていくような味わい深い映画でした。 一つ、インパクトのある台詞があります。「詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなもの」 これは、音や韻が持つ響きも含めて "オリジナル" を愛せよ、と解釈したい。 そして本当の個性とは、個性的なことではなく変わらないこと。 一見すると変化しているように見えて、変わらないその本質は、J・ジャームッシュのスタイルそのものです。 【タケノコ】さん [映画館(字幕)] 7点(2020-08-10 12:18:58)(良:1票) 17.《ネタバレ》 バスの運転手さんパターソン君の規則正しいルーチン生活と、その周りで生活する家族や仲間、通りすがりの見知らぬ誰かと交わる一瞬の日常。ただそれだけなんだけど、何とも心地よい作品。平凡な生活と、稀に起こるちょっとした出来事の間をちょろちょろと水のように流れるパターソン君のしたためる詩。秘密のノートに根気よく記したその詩たちは、一瞬にして滝の如く流れて行ってしまいました。また一滴ずつ集めて、激流の滝にしていってください、パターソン君。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-07-24 11:54:03) 16.《ネタバレ》 いけませんねコレは。羨ましすぎるじゃないですか。平穏。ひたすらな平穏だからこそ、むしろ些細な出来事がみな愛おしく見えてゆく。この生き方には確かにひとつの真理が在る様に感じられるし、大袈裟かもしれませんが一種、人のあるべき最善の姿の様にも思われます(ちょっと大袈裟ですね)。それこそ、種々の宗教において定義される「隠者」の要素を、多分に、かつ現代的に持ち合わせている様な、とでも言いますでしょうか。 また、彼の仕事がバス運転手だというのも如何にも洒落込んでいるじゃあないですか。世の喧騒を離れて静謐に暮らしつつも、日々バスに乗っては降りていく数多の人々は必ず何かしらな葛藤を抱えて彼の傍を通り過ぎてゆく。そこから彼は確実にインスピレーションを拾い得て、自分の世界をより深化させていくのだと。 駄目ですね。人が皆この生き方を選べる訳ではないし、仮に自分はそれを選べたとして、選ぶべきなのか。人と人が欺き合い、出し抜き合う混沌の現実から逃避することは許されるのか。 精神もまた、老いるものだと思います。この映画から抗い難い魅力を感じ取れるように為ったということ自体が、自分の精神的老化を示しているように思えて仕方が無いのです。何とも複雑な気分にさせられる映画体験でしたね。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-06-19 00:31:10)(良:1票) 15.《ネタバレ》 ♩ 何でもないような事が幸せだったと思う ♩ を地でゆく展開。笑いどころも含めてひたすらに物静かながら、かったるさを感じる事のない不思議な味わいある作品。「この人は永瀬正敏なのか?」思わずリプレイ確認タイム「違うような気もするけど永瀬正敏やね」(正解でした)唐突過ぎると言うか嬉しいと言うか加齢が寂しいと言うか唯一の仰天シーンに+1点。 【The Grey Heron】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-05-17 01:42:23)(良:1票) 14.《ネタバレ》 ジャームッシュの作品は、ストレンジャー・ザン・パラダイスとダウン・バイ・ローしか観ていないが、あのジャームッシュの作品でないと蘇らない、不思議な感覚に最初から囚われてしまう。 とりたてて大きな物語はなくても、とぼけた演技や出来事に失笑しているうちに、濃密な映像体験をいつしか「させられている」。神は細部に宿るみたいな感じですべての細部が寓話のように浮き上がってくるようだ。 他には、例えばドライバーがドライバー役のパターソン市のパターソン氏とか、ちょい役の方でもバックグラウンドにこだわっていたりとか、現実には歌さえ歌わせてもらえなかった女優にお気軽に歌わせるとか、この映画を使ってなにを目指しているかわからないところもそれはそれで混乱して面白い。 圧巻はワンちゃんの演技? ポストを倒すのも良かった。大切なものを食いちぎって顔だけ出しているのも。 詩は生き物なのだから、その程度で落ち込んでいるようではまだまだだな、って言っているかのよう。 天使? を呼んだのはワンちゃんかも。 【woo】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-13 14:03:27) 13.“パターソン”とは、バス運転手の朴訥な主人公の名前であり、彼が住む街の名前。 この映画は、“彼”と“彼が住む街”の「7日間」を極めてシンプルに映し撮っただけの映画、のように見える。 何か“特別なコト”が巻き起こるわけではない。慎ましく、平凡に生活する男と妻と愛犬の日常が、淡々と綴られる。 でもね、と、この映画を観ていた多くの人々はふと立ち止まり、思うだろう。 「“特別なコト”とは何だろうかと」 大災害に遭遇してサバイバルを余儀なくされるコト?殺人事件に巻き込まれて無実の罪で追われるコト?宇宙人襲来に脅えるコト?大恋愛をして人生を変えてしまうくらいに感情を爆発させるコト? 数々の映画的娯楽の中で表現されてきたそれらのコトは、無論“特別なコト”に他ならないだろうけれど、果たしてそういうことだけが「特別」なのだろうか。 裕福でもなく、貧困でもない普通の小市民が、何気ない日常生活を決まったルーティーンで繰り広げるということ。 決まった時間に起床し、たまに寝過ごし、妻にキスをし、シリアルを食べて出勤し、同僚の愚痴を聞き、決まったバスルートを運行し、帰宅し、妻の料理を食べ、愛犬を散歩させつつ馴染みのバーに立ち寄って、一日を終える。 そんな当たり前のことが、「特別」であるということを、この静かな映画は雄弁に伝えてくるし、今この世界の私たちは、事程左様に深く感じ入る。 そして、そんな普遍的な「生活」の中で、忘れてはならないことは何か? それは「表現」をするということだ。 「表現」とは、何もこの映画の主人公やその妻のように、「詩」を創作したり、「アート」や「料理」や「音楽」に没頭したりするような“クリエイティブ”な活動に限ったことではないだろう。 「愛してる」「美味しい」「ありがとう」「大丈夫?」「お前なんか嫌いだ」……生活の中の様々な事象に対して、ちゃんと自分の感情を相手に伝えるということ。 それが、もっとも大切な「表現」だと思えるし、そういうことを積み重ねていくからこそ、代り映えなく見える「生活」そのものが、何にも代えがたいものになり得るのだろうと思う。 半ば強制的に自らの「生活」に対して向き合わざるを得ないこのご時世。 ささやかな生活の中のささやかな喜びや多幸感を感じ、それを表現するコト。 このさざ波のような映画には、今この世界にもっとも必要なコトが満ち溢れている。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-05-07 10:31:13) 12.《ネタバレ》 ジャームッシュが綴る心穏やかで美しい日常の一篇。彼の作品は映像で表す「詩」であると、改めて認識させられる一本です。 生活の一つ一つに、それこそパートナーからマッチ箱に至るまで愛と関心を抱いて日々を送るパターソン市のミスター・パターソン。運転するバスの故障を除けば波乱らしい波乱の無い彼の一週間。だけど無味なんかじゃなく、彼のフィルターを通して、淡々と過ぎる日常の豊かで尊いことが饒舌に語られます。 出会う詩人仲間は深夜のランドリーでラップを刻む男だったり、10歳の女の子だったり。双子の乗客や通行人らが作品のリズムを生みます。 静かで何気ないこの世界観に大きく貢献しているのがアダム・ドライバー。大げさな表情やアクションを要求されない本作において、アダムの繊細な役作りは見事です。優しく温厚なパターソン氏、静かだけれどその表情が多彩なのです。モノトーンに凝る彼女には譲歩しっぱなしにも見えるかな。でもお互いにこの上なく優しいカップル。カップケーキ売れてよかった。 そしてこの映画、小さく笑わせてくれるシーンがたくさんあるのです。会社の配車係であるインド系同僚の愚痴(もはやボヤキ芸の域)には笑ってしまうし、毎日かしぐ郵便受けの謎が解けたときは「オマエかーい!」と誰もが突っ込むことでしょう。 そうそう、本名はネリーというワンちゃん、亡くなってしまったのだとか。名演技でしたねえ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-05-03 23:45:05) 11.《ネタバレ》 パターソン君、家でも名前で呼ばれたことないんじゃないかな。内股で歩いていくパターソン君、繊細な詩を書くパターソン君、携帯を持とうとしないパターソン君、いろいろお楽しみいただけます。永瀬さんがとてもいい味をだしていたので、儲けもののようなラストでした。滝も美しい、現場を訪れてみたい、一日眺めてみたいと思ってしまった。 【HRM36】さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-05-20 09:18:44) 10.《ネタバレ》 ニュージャージー州、パターソン市。その街で長年バスの運転手として働く、寡黙な青年パターソン。毎日同じ時間に家を出て、毎日同じルートを辿るバスを運転し、毎日同じ時間に帰宅すると一緒に暮らしている彼女のあまり美味しいとは言えない手料理を食べ、そして一日の締めくくりとして愛犬のブルドックの散歩がてら行きつけのバーでビールを一杯だけ飲む。そんな何処にでもいるような平凡な青年の唯一の趣味は、大事な秘密のノートに書き綴っている詩だった――。何気ない日常を生きる平凡な青年のさして何事も起こらない一週間をしっとりと切り取ったポートレート。インディペンデント映画界の巨匠ジム・ジャームッシュ監督の約4年ぶりとなる待望の新作は、そんな地味ながらも光り輝くような詩情が随所に散りばめられた佳品でありました。事件らしい事件など何も起こらない淡々とした作品なのに、最後までずっと観ていられるのはこの監督の人に対する暖かな視線の賜物なのでしょう。急にギターを弾きたいと言ってみたりカップケーキを売りたいとオーブンでひたすらまずそうなケーキを焼き始めたりする彼女、いつも家族に対する愚痴ばかり言う会社の上司、一人でチェスをするのが趣味のバーのマスター、そして彼女に振られて狂言自殺をするダメ男まで誰しもがそれぞれに憎めない魅力を持っています。主人公がささやかな日常をヒントに豊かな想像力を働かせて書く数々の詩も、そんな平凡な人たちの生活を魅力あふれるものに変えてゆくのに一役買っています。愛犬である悪戯好きのブルドック(最後の最後にこいつがやらかしてしまいます!)なんてまさにキュート!最後に唐突に現れる、永瀬正敏演じる日本の詩人もこの何気ない物語の締めくくりとしてこれ以上ないくらい良い雰囲気を醸し出していました。それ以外にも一瞬だけ登場するキャラクターたち――コインランドリーでラップを歌う黒人やパターソンと同じく秘密のノートに詩を書く少女、バスで猥談する下世話な乗客たちまでもそれぞれに他にない魅力を発していました。まさにジム・ジャームッシュの円熟の技が光る、大人の魅力に満ちた良品と言っていいでしょう。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-03-10 18:23:06) 9.《ネタバレ》 この手の作風、好きなんです。 実は不味い妻の料理をさも美味そうに食べる描写や、とても売れるとは思えない妻の黒いケーキが売れた時の表情は可笑しかった。 後、最後まで愛犬が誘拐されるんじゃないかと気が気では有りませんでした。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-02-05 10:13:03) 8.《ネタバレ》 自分の経験なので共感が得られるかわかりませんが、癌でもう残りの人生がわずかと思いそれが間違いだったとわかった直後の日常の風景に対して感じたのと同じ雰囲気をこの映画には感じました。特に何の変哲もない景色、生活がいとおしい。永瀬正敏が最後に非常にいい感じの役で出たのがうれしかったです。予告ではなんかどうでもいい役で出てるかと思ったので。テンポが良い。 【壱歯科医師】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-02-04 16:10:38)(良:1票) 7.《ネタバレ》 彼はパターソン。バスの運転手。詩人。 普段見ないタイプの映画なのですが、アダム・ドライバーが出演していて、評判もなかなか良いので視聴。 毎日を規則的に過ごす彼の一週間を切り取った作品で特にこれと言った大きな事は起こらない。でもちょっとした出会いや、耳に入った雑談、恋人との会話、そしてパターソンが書く詩。独特で静かな空気が不思議と心地よい。 あまり感情を表に出さない彼であるが恋人に対する愛や、様々な感情が登場する詩に描かれているようにも取れる。 そのスローなペースで送られる毎日にちょっと眠たくなるかもしれないが、なにか自分がいつも見ている光景が本作を観た後だと少し違って見えてくるかもしれません。 良い映画でした。 【えすえふ】さん [DVD(字幕)] 6点(2018-12-20 00:50:26)(良:1票) 6.《ネタバレ》 パターソン市で生まれ、今もこの街で生きるバスの運転手で余暇に詩作をする若者パターソン君が本作の主人公。 朝、恋人と一緒のベッドで目覚め、出勤し、バスの発車前のわずかな時を利用しノートに詩を書きとめる。 同僚との会話の後バスを発車させる。運転中はパターソン市民である乗客の会話が作品をうまくつないでいく。 仕事が終わり、恋人と食事をしその日あったことを話し、犬の散歩、そして行きつけのバーで人のいいマスターと常連客達とのやりとり。 毎日ほぼ同じ行動の繰り返し。時にトラブルはあるが基本的に大事件は何も起こらない。淡々としたパターソン市とパターソン君の日常。 でも、多くの人にとって、日常ってそういうもの。 パターソン君の行動範囲に定点カメラが据えられているか如く、規則正しく彼の毎日を映し出していくので、 淡々と抑揚のない作品でありながら、作品のテンポがとてもいい。 今日は同僚とどんな会話をするのか、どんな乗客が乗り込んで来るのか、 さて、日も暮れてそろそろバーに出かける時間だな。意外性の無い彼の日常が次第に楽しみになってくる不思議な心地よさ。 パターソン君とパターソン市の人々や恋人とのやりとりに挿入される、 クスッと微笑ませてくれるような普通の人々の日々の暮らしの中にあるささやかな笑いドコロ。 このあたりには実にジャームッシュらしい独特の空気、そして楽しさがあります。 特に今日は何を言い出すのか、明るく朗らかな恋人の存在が淡々とした日常を描く作品の中でいいアクセントとなっています。 架空の町ではなくアメリカに実在する町パターソンで生まれ、 仕事の傍ら詩を発表し続けた実在の詩人に捧げるという意味合いもあるであろう本作「パターソン」の主人公は パターソン君であると同時に、この詩人を輩出し、様々な愛すべき人物が登場したパターソン市そのものでもあったのでしょう。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-08-12 20:15:28)(良:1票) 5.《ネタバレ》 ジャームッシュが好きだ。 彼がいるから、また生きていける、そういう感じだ。 彼の映画がまた観られるから、また生きていけるとも言える。 もの言わぬ隣人のような映画だ。 あの「事件」が起きて、最後、永瀬正敏が天使のように現れるとこなんか 最高だ。 また好きな映画ができた。 今宵はジャームッシュの昔の作品でも観てみるか、という気持ちになった。 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-06-09 22:11:32)(良:2票) 4.詩的な映画。 静かな映画。 どこに向かうともなく、淡々と退屈な日常が描かれる。 何か事件が起こったり、恋人とのラブストーリーが展開されていくわけでもない。 カメラはひたすらパターソンという青年のぱっとしない日常を映し出す。 映画にする意味があるのか?とも思う。 しかし、彼の表情はどことなく物憂げで、何かをしたいんだけど踏み出せ無いような、そんな弱さを感じさせて一体何処に向かうのか妙に気になってしまう。 はっきりとした物語を好む観客にはまるで向かない映画だと思う。 【ヴレア】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-06-02 15:55:19) 3.当たり外れのばらつきの大きい監督の外れの方。 当たればどでかいし、外れるととってもつまらない。 【aimihcimuim】さん [DVD(字幕)] 3点(2018-05-28 00:02:36)
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