みんなのシネマレビュー

男はつらいよ お帰り 寅さん

2019年【日】 上映時間:116分
ドラマコメディシリーズものTVの映画化
[オトコハツライヨオカエリトラサン]
新規登録(2019-08-14)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2022-09-26)【イニシャルK】さん
公開開始日(2019-12-27)
公開終了日(2020-07-08)


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監督山田洋次
助監督朝原雄三
キャスト渥美清(男優)車寅次郎
吉岡秀隆(男優)諏訪滿男
後藤久美子(女優)イズミ・ブルーナ(及川泉)
倍賞千恵子(女優)諏訪さくら
前田吟(男優)諏訪博
美保純(女優)朱美
佐藤蛾次郎(男優)源公
浅丘ルリ子(女優)リリー松岡
夏木マリ(女優)原礼子
池脇千鶴(女優)高野節子
桜田ひより(女優)諏訪ユリ
富田望生(女優)早苗
北山雅康(男優)三平ちゃん(カフェくるまや・店長)
カンニング竹山(男優)飯田編集長
濱田マリ(女優)書店の客
立川志らく(男優)噺家
出川哲朗(男優)山中(出版社社員)
松野太紀(男優)トミー
小林稔侍(男優)窪田
笹野高史(男優)御前様
橋爪功(男優)及川一男
出演桑田佳祐
森川信車竜造(アーカイブ映像)
松村達雄車竜造(アーカイブ映像)
下條正巳車竜造(アーカイブ映像)
三崎千恵子車つね(アーカイブ映像)
太宰久雄桂梅太郎(アーカイブ映像)
笠智衆御前様(アーカイブ映像)
中村はやと諏訪滿男(少年時代)(アーカイブ映像)
光本幸子坪内冬子(アーカイブ映像)
佐藤オリエ坪内夏子(アーカイブ映像)
新珠三千代お志津(アーカイブ映像)
栗原小巻春子/真知子(アーカイブ映像)
長山藍子三浦節子(アーカイブ映像)
若尾文子明石夕子(アーカイブ映像)
榊原るみ太田花子(アーカイブ映像)
池内淳子六波羅寛子(アーカイブ映像)
吉永小百合高見歌子(アーカイブ映像)
八千草薫志村千代(アーカイブ映像)
田中絹代旧家の奥様(アーカイブ映像)
岸恵子柳りつ子(アーカイブ映像)
十朱幸代木谷京子(アーカイブ映像)
樫山文枝筧礼子(アーカイブ映像)
太地喜和子ぼたん(アーカイブ映像)
京マチ子柳生綾(アーカイブ映像)
檀ふみ柳生雅子/奥村寿子(アーカイブ映像)
真野響子堤鞠子(アーカイブ映像)
藤村志保島田藤子(アーカイブ映像)
大竹しのぶ福村幸子(アーカイブ映像)
木の実ナナ紅奈々子(アーカイブ映像)
大原麗子荒川早苗/富永ふじ子(アーカイブ映像)
桃井かおり入江ひとみ(アーカイブ映像)
香川京子高井圭子(アーカイブ映像)
伊藤蘭すみれ(アーカイブ映像)
松坂慶子浜田ふみ/坂出葉子(アーカイブ映像)
音無美紀子倉富光枝(アーカイブ映像)
岸本加世子小田島愛子(アーカイブ映像)
いしだあゆみかがり(アーカイブ映像)
田中裕子螢子(アーカイブ映像)
都はるみ京はるみ(アーカイブ映像)
竹下景子朋子/上野りん子/江上久美子(アーカイブ映像)
中原理恵木暮風子(アーカイブ映像)
樋口可南子江上若菜(アーカイブ映像)
志穂美悦子島崎美保(アーカイブ映像)
秋吉久美子高井隆子(アーカイブ映像)
三田佳子真知子(アーカイブ映像)
吉田日出子聖子(アーカイブ映像)
風吹ジュン蝶子(アーカイブ映像)
かたせ梨乃宮典子(アーカイブ映像)
原作山田洋次
脚本山田洋次
朝原雄三
音楽山本直純
山本純ノ介
作詞星野哲郎「男はつらいよ」
作曲山本直純「男はつらいよ」
編曲沢田完
主題歌渥美清「男はつらいよ」
桑田佳祐「男はつらいよ」(オープニング唄)
撮影近森眞史
製作大谷信義(製作代表)
製作総指揮迫本淳一
プロデューサー深澤宏
制作松竹
配給松竹
特撮IMAGICA(VFX)
浅野秀二(VFXスーパーバイザー)
美術倉田智子
出川三男(美術監修)
編集石井巌
石島一秀
録音岸田和美
その他木下グループ(特別協賛)
山本純ノ介(指揮)
東京現像所(ラボ)
渥美清(献辞)
高羽哲夫(SPECIAL THANKS)
森川信(SPECIAL THANKS)
松村達雄(SPECIAL THANKS)
下條正巳(SPECIAL THANKS)
三崎千恵子(SPECIAL THANKS)
太宰久雄(SPECIAL THANKS)
笠智衆(SPECIAL THANKS)
山根成之(「男はつらいよ」プロジェクト)
あらすじ
六年前に妻を亡くして高校生の娘と二人で暮らす満男(吉岡秀隆)は、サラリーマンを辞めて作家になっていたが、ようやくサイン会も開くほどになっていた。そこに、国連の職員としてヨーロッパで働いている泉(後藤久美子)が突然現れる。二人は行きつけのスナックでリリー(浅丘ルリ子)と昔話に花を咲かせ、更に柴又の実家に行きさくら(倍賞千恵子)や博(前田吟)と再会を喜んだ。翌日、泉は養護施設に入っている父親(橋爪高)を訪れる。母親(夏木マリ)も来るが二人は対立する。自らも苦悩を抱える満男は、泉が置かれている厳しい現実と泉に対する自分の立ち難い思いに揺れる。こんな時、おじさんはどうしただろう。確かに、おじさんは言ってくれた。「困ったことがあったら、風に向かって俺の名前を呼べ」

パセリセージ】さん(2020-01-11)
全てのをあらすじ参照する

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未見の方は注意です!




【クチコミ・感想】

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39.《ネタバレ》 シリーズ50作目というか、後日譚ですかね。これ、もしシリーズ最終作品数が43作目とか74作目とか、中途半端な数だったら、果たして本作は創られていたかどうか。“50年50作”という節目の作品数になるから創られた、そんな数合わせ作品かもしれません。
オープニングの桑田佳祐。うん、前作の八代亜紀には感じなかった『作品に馴染んでない感』が湧いてしまいました。寅さんのコスプレしたご本人登場も、桑田さんのMVを観てるようです。

本作は満男の今と回想で進んでいきます。満男は後半の準主役だったので、本作でも語り部になるのは自然な流れですよね。でも満男が期待の新人小説家になっていたのは、思いっきり不自然な流れでした。
海外生活が馴染んでしまった後藤久美子を活かすための、国連云々の職員設定。それはわかるけど、小説家なんてどこから出てきたんだろう?夢はパイロットでなかった?大学は経済学部でなかった?小説家になったのは、クワッと見開いた目があまりに怖いからかなぁ?いややっぱり国連職員の泉と靴のセールスマンでは釣り合わないと思ったからかなぁ?きっとそっちだな。
回想でも出てきたけど、小さな印刷所で働く肉体労働者の博と、オフィスビルでキーパンチャーをしていたBGさくらとの、釣り合わない恋が実ったのが第1作目。制作陣はかつて自分たちで創った“理屈じゃない恋の面白さ”すら忘れてしまったのかなぁ。
最後のキスシーン。昔の別れのキスシーンとシンクロさせたかった意図はわかるけど、きっかけが唐突だったのと、泉と夫の関係も不透明で、まだ小学生の子供が居るママが自分からキスするとか、ホッペならともかくだけど、強引な気がしないでもないです。

懐かしい顔として、朱美復活は嬉しかった。当時のまんまだったわ、今も昔も変わらないなぁ。リリーは年相応になってたけど、良く言えば内面が落ち着いたんだな。一方、泉ママの美熟女っぷり。かつてのマドンナの中で、唯一(?)現役で“女”をやってる礼子が素敵。夏木マリってタバコの吸い方うまいよね。あれだけの灰を落とさない吸い方は流石。

個人的には本作の主人公はさくらに演じてほしかったです。男はつらいよは、時々帰って来るダメな伯父さんの物語である前に、20年ぶりに帰ってきたダメなお兄ちゃんの物語なんです。そんな兄妹の、(紅の花から)更に24年後の物語を観たかったなぁ。
最後のニュー・シネマ・パラダイスは良かったです。アッチは借り物だけどコッチは26年積み重ねた本物!…なんて変な誇りを感じてしまいました。
でも満男が寅の恋愛に首を突っ込んできたのは、29作目あじさいの恋からだったろうか?満男は初期のマドンナ知らないからなぁ。
だから本作はさくらを主役にして、あのシーンはさくらの回想にした方が、シックリ来るんだけどね。
オープニングの違和感を吹き飛ばしてくれた、歴代マドンナ・ラッシュだけでも充分満足。
リリーと礼子以外の、歴代マドンナの“今”も観たかった気がするけど、それは贅沢な望みよね。
本当にこれでお腹いっぱいです。良い最後でしたよ山田監督。最後最後。

数え間違いがなければ、全作レビューした人、私含め7名。特別編は飛ばして本作はレビューした人3名。49作までレビューした人1名。48作までレビューした人1名でした。本当に皆さんご苦労様でした。これからも男はつらいよのレビューがもっと増えると良いですね。
全50作品。寅さんは重すぎず長すぎず、他の映画を観たときの口直しに丁度良かったです。昨年5月からスタートし、およそ11ヶ月で完走。中身の薄っすいレビューもあったけど、長く楽しい旅路でした。私の寅さんレビューも、これでおしまい。さぁ次は何のシリーズに挑戦しようか。 K&Kさん [CS・衛星(邦画)] 5点(2024-04-26 02:55:59)(良:1票)

38.《ネタバレ》 「男はつらいよ」シリーズの50周年の50作目。山田洋次監督の映画は「幸福の黄色いハンカチ」を初めて見た時から好きで、もちろんこのシリーズも好きなのだが、シリーズ全作を通しては一回通りしか見ていなかったので、ちょっと今まで見るのを迷っていたが、ようやく見た。満男(吉岡秀隆)と泉(後藤久美子)の再会物語に回想としてシリーズこれまでの名シーンを絡めた同窓会的な作品という感じだが、ツギハギ感を感じることなく見れたのは良かったし、過去作の名シーンだけではなく、とらや(くるまや)の周辺やさくら(倍賞千恵子)をはじめとしたレギュラー陣も雰囲気はそのままなので新しく撮影された部分も懐かしく感じて実家に戻ってきたような安心感を持って見ることができた。さくらはどことなくおばちゃん(三崎千恵子)を思わせる風貌になっているように感じたのには驚いたが、やっぱりいちばん懐かしかったのはあけみ(美保純)が登場したことだった。とはいえ、満男と泉の部分だけ見ると何か薄みで付け足し感があり、合間のおまけのように見えてしまうし、ゴクミの風貌や喋り方がすっかり外国人のようになっていて、回想シーンで登場するときとの落差が激しい。それに、満男が作家になっているという設定はたぶん「三丁目の夕日」シリーズの影響なんだろうなぁとつい思ってしまう。それでもラストの走馬灯のように出てくる歴代マドンナの映像にやっぱり感慨深いものがあり、最後まで見て本作は山田監督が渥美清が亡くなって突然終わったこのシリーズをちゃんと完結させておきたくて作った映画なのだと素直に感じることができた。本作は結局いちばんそれに尽きる映画で、そしてそれはじゅうぶんに果たされていると思う。少し甘めに7点を。 イニシャルKさん [DVD(邦画)] 7点(2022-08-31 22:23:49)(良:1票)

37.正直、この作品を作る意義があったのか疑問です。満男とゴクミのストーリーだけでは2時間もたないので、寅さんの回想シーンをインサートすることで、なんとか1本の映画の尺にしたという感じ。寅さん映画ファンとしては納得のいかない1本でした。。。 みるちゃんさん [インターネット(邦画)] 4点(2022-01-16 09:42:56)(良:1票)

36.店名が変わった後は見ておらず、ストーリーは良く分からないところがありますが充分楽しめました


出版者の女性や娘さんの言葉遣いがきれい過ぎですが、寅さん自体が、昭和の終わりでも既に寅さんのような恰好をして歩いてる人なんかいなくて、あの頃から既にファンタジーだったし。なんだか同じ感じで観てました。

歴代マドンナが次々に現れる最後のシーンは、三田佳子を過ぎてからホントに涙が出て止まらない amickyさん [インターネット(邦画)] 6点(2022-01-05 20:27:04)

35.《ネタバレ》 やっぱり寅さんというキャラクターは苦手。あの言動は俺にはキツくて、そのせいかシリーズをほぼ見たコトがない。(伝説の「メロン事件」はやはりツライ!)。ですから立ち位置としては【『シン・エヴァ』が初エヴァです!】みたいな状態での鑑賞となりました。
まずオープニングの桑田圭祐に「マジか!」と一瞬度肝を抜かれましたが、これは儀式の一環(降霊術?)なのだと考え、なんとか自分を納得させました…。

そして、今作の奇跡はゴクミが出演したことでしょう!長期間芸能界を離れていた分の演技のぎこちなさが、かえって不思議なリアルをかもし出していましたね。しかしながら、満男との蘇る青春の日々的なアレコレは「いやいや、そうはならんやろ?」と思いましたけど…。まぁ海外在住だからキスくらいなら挨拶みたいなものだったのかなぁ…。満男、いい夢見たな!(涙)

そして浅丘ルリ子のリリー、夏木マリのゴクミの母も良かった!そして…病室でのくしゃくしゃの万札には涙腺大崩壊(笑)ひょっとして『北の国から』の泥万札のオマージュだったりして…なんてコトを考えながらも【怒涛のマドンナメモリーズ】に俺が謎の懐かしさで泣いてしまうこのカンジこそが、寅さんの存在感なのだなぁと!シリーズ全然見てないのに!←ソレを言っちゃあオシマイよォ… 幻覚@蛇プニョさん [インターネット(邦画)] 7点(2021-11-05 17:48:50)

34.《ネタバレ》 過去の映像が出てくる度に、涙が止まんない。
なんでここまで涙が出てくるのか、自分でもよく分かんない。
シリーズ全体の思い出か、寅さんが懐かしすぎたからか…

言葉では言い現せない、涙腺を直接刺激される感覚。
おそらく他のどんなに感動する映画を見たとしても、この感覚の涙は出てこない。
とにかく、訳も分からず涙が出てきた。
こまった。

でも、まだ涙がひかないうちに、今度は寅さんの面白いシーンが出てきて、笑ったり。
やっぱり、渥美清さんの演技は絶妙に面白くて、何度同じシーンを見たか分かんないけど、何度見ても笑ってしまう! にじばぶさん [インターネット(邦画)] 9点(2021-09-28 01:36:06)(良:1票)

33.総集編というだけでなく、後藤久美子が登場した新作ということで評価できる。安心して観られるし、いい感じで物語は進む。
そして、振り返りだとしても最後はちょっと感動した。加点したくなる。
寅さんは現実的では無いが、いたらいいかな、でも付き合うのはやだな、でもいて欲しいな...という不思議なキャラ。 simpleさん [インターネット(邦画)] 7点(2021-08-12 19:47:33)

32.本シリーズをキチンと観たことはありません。親父が好きで、金曜ロードショーで放送していたものを小中学生の頃に家族で何本か観たくらいでしょうか。
寅さん、良いですね。めちゃくちゃで面倒くさいおじさんなんだけど人情に溢れて暖かい。ご存命だったら新作を撮ったのかな?どんな作品になったのかな?懐かしい街並みも大変興味深かったです。昔の作品も観てみようかな。 Kの紅茶さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-08-02 12:02:08)

31.主役不在でどうやって映画にするのかと思っていたのですが、意外によかった。
一般に評判がよろしくないシリーズ終盤(満男シリーズ)の中でも、特に酷評喧しい「寅次郎の休日」が私はけっこう好きでして。満男が新幹線に飛び乗るシーンとか、その後に車窓の映像とともに德永英明の「最後の言い訳」が流れるシーンとか、自分の若かりし頃を思い出して胸がキュンキュンするわけです(そういう実体験があったわけではないが)。実際、寅さんにはけっしてできない芸当であり、満男がとうとう寅さんを追い越した瞬間だったようにも思います。その意味で、全シリーズの中でも重要な、記念碑的なシーンだったのではと勝手に解釈しています。
で、本作はそんな経緯を折り込みつつ展開したわけで、その後の年月の重みのようなものを感じさせてくれました。シリーズ中の暖かい雰囲気はそのままながら、しかし時間を遡ることのできない悲しさとか、人が離れていく寂しさとか、冷徹な現実も突きつけられた気がします。
しかし「作家」ってのは安易だよなぁ。よほど人気が出ないと、今どき食えないでしょう。もし第51作があるとすれば、満男父子は「とらや」の2階に居候してるんじゃないでしょうか。それとも池脇千鶴に食わしてもらっているか。 眉山さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-07-31 03:26:34)

30.《ネタバレ》 総集編に、滿男のストーリーをくっつけた感じの内容なので、とりあえず総集編を見せられるだけよりは良かったかなと。
なによりも、久々のゴクミ。このゴクミが演技をしているのを見るだけでも価値があるかなと。
ただ、最後のシーンは、光雄の奥さんが亡くなったと聞いて、急にイズミが軽い女になったように見えてしまうので、どうかなと思いました。 シネマファン55号さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-07-19 23:08:10)

29.《ネタバレ》 映画として観たらつまらないんだけど
シリーズ物の締めとして感慨深いものがあり+1点した。
満男と泉が結婚していなかったのは予想外で何があったのか気になった。
たしか泉の結婚式を満男が妨害しにいって半分駆け落ちっぽくなってたはずだけど・・・。
あと泉の旦那はいないのかな。もしかして見落としたか?
バツイチ同士なら再婚もありえるかな。
そして肝心の寅さんは死んだという設定でいいのかな。
過去形で語られたし。
その辺もすっきりしない。 Dry-manさん [インターネット(邦画)] 6点(2021-07-19 00:27:02)

28.そりゃもう、一種の、怖いもの見たさ、ではあるんですけどね。寅さん抜きの寅さん映画、だなんて。そういやピンクパンサー映画もピーター・セラーズ亡き後に、クルーゾー失踪ということにして途轍もなくツマラない作品を作ってましたけどねえ。あるいはブルース・リー亡き後の『死亡遊戯』(いや、『死亡の塔』の方は悪くないと思いますけども)。
というか、過去のシリーズ諸作の映像を流用するという時点で、『宇宙怪獣ガメラ』を思い出してしまいます。それだけはマズい。さすがに。
ですけれども、マッハ文朱をわざわざ呼ぶまでもなく、こうやって、シリーズを支えてきた俳優陣がほぼ全員集まり(御前様代替わりを別にすると、代役は橋爪功くらいでしょうか?)、新作を撮り上げる。これってもう、一つの事件と言ってよいのでは。山田洋次監督の人徳、みたいなもんですかね。
ただ内容はと言うと、ちと薄い印象。舞台は関東近郊に限定され、満男と泉の出来レース的なやりとりだけ。シリーズとして見れば、満男の一言多い病も泉ちゃんのセリフ棒読み病も健在、ではあるけれど、そのどちらも作品にとってのマイナスでしかなくって。
過去のエピソードの引用も多分につまみ食い的。少なくともあの伝説のメロン事件は、私もちょっとこだわってしまうところ。こんな表面的な形での引用なら、して欲しくなかったなあ。
しかし皆さん、イイ感じにお爺ちゃんお婆ちゃんになって、特に倍賞千恵子は、「さくらがお婆ちゃんになったら、そりゃこんな感じになるよなあ」というのを見事に体現していて、そりゃ本人なんだから当然だといわれりゃそうなんだけど、いい歳のとり方だなあ、とつくづく思います。
それにしても気になるのは、満男と、池脇千鶴との今後。ウソです、全然気になりません。再婚するなり何なり、勝手にしてちょうだい、もう。
だいたい、満男ごときが作家になる、ってのが、あり得なさすぎ、なんですけど、まあどうせシリーズ最終作(ですよね?)なので、この際何でもアリ、ですかね。 鱗歌さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-05-03 20:32:20)

27.《ネタバレ》 21世紀に入ってからは大駄作を頻発するようになってしまった山田監督だけに、見るのが結構怖かったのですが、まあ無難な内容にまとまっていました。とはいえ、結局は、自分たちで作り上げた製作対象に、自分たちがおんぶにだっこになっているというだけなのですが。実際、インパクトが発生するのって、回想シーンばかりだしね。●すでに指摘されていますが、ここまでやっておいて、泉の父の役者変更はないでしょ。御前様の方は「先代が・・・」の一言で何とか乗り切ってましたが、こっちはどうしようもありませんでした。ある時期から寺尾さんは映画に出てないようなのですが、もしどうしても無理なのなら、このシーン自体を入れるべきではありませんでした。●最後の歴代マドンナ総出演シーン、結局はこれがやりたくてそこから逆算したんでしょ、とは思いつつ、やはり見入ってしまう。しかし、(1)何でわざわざ逆順にしたの?(2)しかもそれでも数箇所、順番が前後してない?誰もチェックしなかった?(3)複数回出演したマドンナは、やはりそれぞれの回で出すべきでした。異なる役の場合はなおさら(女優が共通するだけで、寅さんとの関わりという意味では別人物なのですから)。(4)これでいくと、岸本加世子とか檀ふみとか大竹しのぶも、マドンナ扱いということになるんですかね(あ、田中絹代も・・・)。●で、最後にこうするんだったら、そもそもこの作品はさくら視点で作ってほしかった、ということに後で気づきました。●それから、この作品のMVPは、何といっても源ちゃんこと佐藤蛾次郎さんです。とらやファミリーの生き残りとして、よくぞここまで出ていただきました。第1作からここまで出続けているのは、博とさくらを除けば源ちゃんだけです(一作だけ事故で欠席ですが)。本当におつかれさまでした。 Oliasさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-03-30 01:19:07)(良:1票)

26.《ネタバレ》 某BS局で昨年から放映された全作品をコンプリートした後に鑑賞。
まさに50周年だからこそ企画製作された作品だろう。

他のレビューアーもご指摘のとおり、内容については気になる点は少なくない(ゴクミの棒読み、泉の父役の改変など)が、諏訪家とそれを取り巻く人々の「その後」を見たい、懐かしい寅さんの映像も見たい、という欲求にはきちんと応えてくれたと思う。
スター・ウォーズのジョージ・ルーカスではないが、多くのファンをもつ作品ほど、皆が納得できる続編を作るのは難しい。
でも、これは他でもない山田組による続編なのだからと納得するしかない……

「男はつらいよ」は、極端に一言にまとめてしまうと、フーテンの寅さんが故郷・柴又にふらりと帰ってくるお話だ。
なぜか間の悪いタイミングで帰ってくる寅さんに、とらやの面々はいつも慌てふためいてしまい、なかなか普通に「お帰り」と迎えることができなかった。

だから、今回は観客も含め、みんなで「お帰り、寅さん」と迎えてやろうじゃないか、というのが本作の魂ではないだろうか。
その時、寅さんの横にはきっと「女房」が伴われているに違いない。さくらはどれほど嬉し泣きをするだろうか……

ラスト、歴代マドンナの回想シーンが流れ、合間にあの懐かしい寅さんの笑顔が挿入される。
そうしているうちに、あのテーマ曲が聴こえてきて、渥美清さんの歌声と共にエンドクレジットが流れる。

私はこれでやっとこのシリーズが完結したのだと、瞼を熱くしながら思った。 田吾作さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-03-23 11:57:16)(良:3票)

25.《ネタバレ》 この映画ではないが、30年ほど前に単身赴任で東京にいる時、正月明けの休日に上野の映画館で、「男はつらいよ」と「釣りバカ日誌」の二本立てを見た。それまでも出身地の大阪で何回も見ていた時と比べて、上野の映画館では初めから終わりまでお客さんたちがみんなげらげらと大声笑っており、映画館にいることだけでも楽しい気分になった記憶があります。さすが下町の寅さんだなあと思いました。映画とはかくあるべきでお客さんを幸せな気持ちにさせただけで満点を上げたいと思います。なので、寅さん映画は全てに9点をあげましょう。すべての映画に地方の四季折々の景色が抒情的にカットインされている場面があり日本のよさを映画の中に記憶としてとどめているのもよい。惜しむらくは毎作、さくらに動揺・抒情歌を1曲歌わせる場面を作って欲しかったなあと思います。 黒部の太陽さん [映画館(邦画)] 9点(2021-02-09 10:20:16)(良:2票)

24.鑑賞するにあたり不安もありましたが、観られて良かったです。
ただ冒頭の桑田佳祐さんによる主題歌部分によりテレビスペシャル感が増してしまったのは否めない。

お祭り映画としても、またあの人たちに会えて良かった。しばらくぶりだ。
もはや親戚のような感覚。ヒロシが座椅子に腰掛け、さくらも階段で手摺を使う。
団子屋で普通に暮らしている。おいちゃんとおばちゃんはもういない。
でも寅はどこかにまだ存在する、そんな世界。

今作は個人的に泉ちゃんの家庭問題に感情移入してしまいました。
そして最後の空港のシーン。ミツオが初めて頼もしく見えました。
観られて良かった。けど続編はもういいです。 movie海馬さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2021-01-04 13:58:38)

23.《ネタバレ》 大好きな寅さんがスクリーンに帰ってくる。お帰り寅さんだけど、なんだかお帰りというよりもさよなら寅さんて気がしてならないのはスマホを扱うさくらやら、満男の仕事の環境を始めとするインターネット社会を見せられると、もう寅さんはこの世に居ない現実と仮に居ても寅さんの居場所が無い様な違和感を感じてしまい寂しくてなりません。冒頭の主題歌にしても渥美清しか考えら無い。誰が何と言おうと男はつらいよは渥美清のものなのだ。満男と泉のストーリーに関しては寅さんは亡くなってるから仕方ないけど、せめて主題歌ぐらいは渥美清が歌うのを見たかったと思ったがラストで渥美清の歌う主題歌が流れて来て涙が出て来て参りました。寅さんの元気な頃の姿とマドンナとのやり取り、そして何よりも寅さんへの愛に満ち溢れた山田洋次監督からのメッセージと取れる満男の乗ってた車のナンバーが1969という拘り、1969が意味するもの、映画男はつらいよの 1作目の公開された年が1969年である。そんな拘りを感じさせる山田洋次監督の演出に感動しました。話的にはある程度予想していた通りの結果、渥美清不在だから、渥美清の居ない男はつらいよは男はつらいよというより編集編、寅さんを一度も見た事の無い今の若い人達に少しでも寅さんに興味を持って貰えたらという山田洋次監督を始めとするこの映画に関わって来た全ての願いを感じることもできた。一人でも沢山の方に渥美清の素晴らしさ、映画男はつらいよの素晴らしさを知って欲しいと思うし、この作品を見て寅さんに興味を持った方は一度で良いから 1作目だけでも見て欲しいと思う。山田洋次監督もきっとそういう願いで撮ったはずです。 青観さん [映画館(邦画)] 6点(2020-12-31 10:16:03)(良:4票)

22.《ネタバレ》 CMが秀逸。寅さんの面白おかしいセリフの数々、少し寂しそうな現在の登場人物の表情。寅さんの迷言、名言が今を生きる人々や観客に突き刺さる構図を予想させる。過去作の「男はつらいよ」で描かれていることを知っているから当然だ。
しかし鑑賞してみると、その予想はかなりの肩透かし。なぜか湘南ボーイの桑田佳祐の「ひとり紅白」が唐突に始まる。おそらく数多くのひとがラストの渥美さんの歌唱でほっとするのを考えれば、彼の起用は失敗だったとおもう。渥美さんなき作品の宣伝フックのためとはいえ、この発想は間違いだ。寅さんファンである桑田さんとしてみれば、OPの歌を断るわけも無い。彼が悪いわけではない。ただ、この話を彼に持ちかけた松竹側の自信の無さが残念だ。でもこの中身に不安を覚えたのは仕方ないと、見続けると痛感する。
光男は「三丁目の夕日キャラ」とダブるのは致し方ないとしても、別に何かに行き詰っているわけではない脱サラ小説家。娘もストーリーや妻の死別に絡んでこない都合のいい存在。妻の3回忌に再婚を勧める周囲を描くのであれば、妻との思い出が必須なのにそれもなし。そうなるとただただ後藤久美子との再会に誘導されるだけだ。これはまさに「ニューシネマパラダイス完全版」を見た気分。見なくてもいいものを見せられていく感覚。特にがっかりしたのが、空港最後で妻の死別を告白するという行為。これは私だけでなく寅さんもがっかりしたに違いない。男は最後までかっこつけるもんだ。寅さんの「顔で笑って心で泣いて」を続けているからこそ「男はつらいよ」なのだ。光男ではなくさくら目線で作った方がよかったのではないかとすら思える。
テーマがぶれているというか、見えないままという意味で本作品は直感で3点。寅さんと過去のマドンナの登場シーンも「ニューシネマパラダイス」を彷彿とするというレビューを散見するが、入れ方が唐突過ぎて登場シーンの段積みという表現以外はまったく違う。「ニューシネマ~」はアルフレッドがつないだフィルムの試写という現実シーンの体裁だが、本作の過去シーンは、光男も生まれていないころのマドンナも登場するいわゆる回想シーンだからだ。渥美さん亡き作品は過去を振り返るしかないし、見る側も当然それを望む。それならば、あの回想シーンを生かすストーリー展開になぜしなかったのか?光男の生まれていないころのマドンナまでも思いをはせるストーリーに出来なかったのはあまりに残念だ。そういった意味でも、内容面のちぐはぐさを隠し、期待を持たせてくれたCMがやはり秀逸といえる。もし内容が素晴らしければあのようなフェイクCMにはしなかっただろうけど。
ただ、そのことを差し引いても寅さんと当時のマドンナの輝きには圧倒される。そこだけでプラス3点。それほどまでに寅さんの表情が素敵だ。 やしきさん [映画館(邦画)] 6点(2020-12-30 06:08:49)(良:4票)

21.寅さんに関しては素直に見たいんです。斜に構えて見たくないんです。
ゲラゲラ笑って泣いて見たいんです。
でもこの50作目・・・・・・う~~ん微妙っていうか、複雑な気持ち
いまさら映画にする意味があったのかとすら思いました。

桑田佳祐の主題かも違和感あるし、なんで渥美清の声じゃないの?って思ったし
渥美さんがこれ見たらなんて言うかな・・・・
「まだ俺で儲けするの?」って笑うかな・・・・・

DVDでもう1回見てみます ひろみつさん [映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2020-12-22 16:04:12)

20.《ネタバレ》 物語は終わっても、人生はダラダラと続いていく

寅次郎という「祭り」が消えた後、取り残された身内の者たちは、「男はつらいよ」という年に2回の「祭り」を失った我々の象徴のように感じました。 TMさん [DVD(邦画)] 8点(2020-12-20 21:01:49)

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【点数情報】

Review人数 39人
平均点数 6.97点
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【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.00点 Review1人
2 ストーリー評価 7.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review2人
4 音楽評価 7.50点 Review2人
5 感泣評価 8.50点 Review2人

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