みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
2.《ネタバレ》 社会を震撼させた、パナマ文書流出事件――。多くの政治家や大企業が違法すれすれの手法を駆使し、多額の納税を免れていたのだ。幾多のペーパーカンパニーを介した迂回融資や資金洗浄によって、巨万の富を貪っていた世界の金持ちたち。あろうことか、彼らの金の流れは中国の人権弾圧や汚職、事件を追及していたジャーナリスト殺害にまで繋がっていた。そしてそれは、アメリカの片田舎でセカンドライフを楽しんでいた老夫婦のささやかな幸せまで奪ってゆく……。実際にあったそんな経済事件を背景に、メリル・ストリープ&ゲイリー・オールドマン&アントニオ・バンデラスという豪華俳優陣を揃えて映画化したというそんな本作、監督がスティーブン・ソダーバーグと言うこともあり今回鑑賞してみました。なるほど、これは最近流行りのこっち系の映画だったのですね。いわゆる、「難しい経済問題を庶民の皆様にも分かりやすく解説みました」的な感じ。アカデミー賞を受賞した同じような経済ドラマに『マネーショート』がありましたが、正直、僕はこういう感じの映画は苦手です。登場人物がカメラ目線で観客に話しかけてくるという、ね。なんだか軽く馬鹿にされてるような感じがするのは僕だけなのかな?「すんませんねぇ、僕たち庶民は不勉強なもんで。でも、あんたらセレブに言われたくねー」なんて思ってしまった自分は卑屈すぎ?うーん、そんなわけで僕は全く嵌まれませんでした。4点! 【かたゆき】さん [インターネット(字幕)] 4点(2020-05-07 17:13:22) 1.「パナマ文書」とは結局のところ何なのか? その知見を得ることを目的としてこの映画を観たならば、もしかすると逆効果かもしれない。 なぜならば、ストーリー展開に伴いその「真相」が詳らかになるほどに、関連する人物や物事はぐちゃぐちゃに入り組んで、わけが分からなくなることが必至だからだ。 それくらいに、この「パナマ文書」と称される機密文書に絡む一連の租税回避行為は、悪意に溢れた巧妙な責任転嫁の上に成り立っていて、その実態が見えてくればくるほど、怒りを超えた虚無感を覚える。 世界を股にかけたペーパーカンパニーを用いたマネーロンダリング。 その“合法行為”がもたらした「悲劇」と「裏切り」に対する怒りと虚無感が、稀有な映画手法で見事に描きつけられている。 呆れて失笑してしまうくらいに煩雑な相関関係も、それ故に入り乱れるストーリー展開も、本作の狙い通りであり、そこには明確な「意思」があった。 ラストカットでは、主演のメリル・ストリープが、劇中で演じたキャラクターを“二段階”で越え、更には“第四の壁”までも越えて、大女優メリル・ストリープとして断固たるメッセージを発する。 彼女は、観客である我々に向けて「まずは疑問を紐解くこと」の重要性を諭す。そして、自由のシンボルを模した姿と強い眼差しで、今この瞬間にも蔓延る“危機”を訴える。 事件当事者である実在の人物と狂言回し、そしてメッセンジャーとしての女優本人が、次々と立ち代わり入り乱れるストーリー展開は、前述の通り非常に分かりづらい。 ただし、だからこそ生じる愚かさや可笑しみも含めて、この映画のつくり手達の目論見通りであろう。 この世界の“真相”に対しては、大女優と同様に怒りに打ち震えるが、その感情も含めて面白味に溢れた作品だった。 それにしても、こんなにも時事的であると同時に実験的な映画を、こんなにも豪華なキャストで作り上げた監督は誰だ? と、思いきや、なんだスティーブン・ソダーバーグか。只々納得。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-04-07 22:53:06)
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