みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
4.《ネタバレ》 ずっと観たかった鈴木英夫監督作品。 昨日、念願叶ってようやく渋谷の映画館、シネマヴェーラにて鑑賞した。 鈴木英夫監督は、基本的に社会派ドラマに向いていると思っているのだが、本作のようなサスペンスはどうだろうか。 『黒い画集 第二話 寒流』でも感じたが、鈴木英夫監督とサスペンスとの相性はそれほど良いとは感じなかった。 緊迫感はあったが、どうも刑事の鈍感な対応に苛立ちを感じた。 サスペンスとしての緊迫感を盛り上げるためとはいえ、刑事の対応の鈍さに無理を感じた。 終盤のシーンで、宮口精二が洋裁店に押しかけるシーンがあるが、あの時、木村功が看板の電気をチカチカさせているのに、外の刑事達はその異変に気付かないというのは、少し無理があったかな。 それと、暗い中とはいえ、あれだけ至近距離で犯人が銃を撃ちまくったら、普通助からないだろうに・・・ まあ、気になったところを羅列しても仕方ないが、良かった点としては、モノクロ映像の醸し出す不気味な味わいと、ロケによって実現した当時の街並みを見る面白さがあったことだ。 当時の商店の立ち並ぶ街並みや、まだジャリ道のだらけの住宅街、そして新宿のワシントン靴店やタカノなどを見渡す風景など、相変わらず鈴木英夫監督は風景描写が素晴らしい。 でもやっぱり、鈴木英夫監督には、サスペンスよりも社会派劇の方がより似合うと思う。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-05-02 11:34:30) 3.こいつは面白い。知り合いからのオススメ映画てことで以前、CSで放送したらしいのを録画してあるというビデオを借りて来て見たけど間違いなく傑作!まずは木村功に志村喬に土屋嘉男に宮口精二、何たるメンバー!この名前を見て真っ先に黒澤明監督の「七人の侍」を思わずにはいられない。そこにきて、津島恵子である。もうどう考えても「七人の侍」しか最初に浮かばない。オープニングの電車に合わせたかっこ良いタイトルの文字、そして物語は前半は犯人の姿が解らない、見えない犯人からの脅迫に怯える恐怖に後半は目の前の犯人がいる中でのどうやって逃げだそうかという緊張感、とにかく最初から最後までダレることなく進むのでハラハラしっぱなし!それにしても、津島恵子の可愛いこと、可愛いこと!この監督、噂には聞いていたけど他にもまだまだ凄い作品が幾つもあるらしい。中でも私は司葉子主演の「その場所に女ありて」が見たい。物凄く見たい。まあ、それはさておき、この映画の緊張感は最近の映画じゃなかなか味わえない本物の映画俳優達による演技合戦と凌ぎ合い、モノクロの画面と汽車の走る瞬間の揺れ動く木造の家だの、そしてこの時代の庶民の暮らしぶりも味わうことも出来て、とても興味深く見る事も出来た。しつこいようだが傑作!傑作!こういう作品こそ多くの方に見て欲しいし、見せてあげたい。DVD化を希望!こんな傑作を眠らせておいては勿体無い。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2008-12-22 22:17:11)(良:1票) 2.鈴木英夫監督の映画を初めて見たのだけど、殺人事件の犯人を目撃したことにより、捜査に協力を求める警察と、いつ自分を殺しにくるかもしれない犯人の両方に追い詰められた主人公の心理がとてもよく描かれていたサスペンス映画の隠れた傑作だと思う。クライマックスである犯人とのやりとりも緊迫感が非常に見ごたえがあり、とても面白かった。ところで主要な俳優陣を見ると「七人の侍」に出演していた人が多く出ているのに気づく。主役の七人の侍のメンバーだった志村喬、宮口精二、木村功の三人が刑事、犯人、目撃者という立場で共演しているのが面白い。木村功の奥さん役が津島恵子というのも「七人の侍」での勝四郎と志乃を思い出して思わずニヤリとくるうれしいキャスティングだ。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-02-01 03:35:58)(良:1票) 1.コンクリートの土手を背にして一本の道が走っており、その両脇にはささやかな商店が並んでいる。このオープンセットが素晴らしい。主人公である若夫婦は、時に土手を背景にした閉鎖的な空間を背を丸めながら歩いてくるのだし、時には活気のある商店街を手をつなぎ闊歩する、あるいは警察の目を避け道を走るローラー車に隠れながら通りを横切る。このオープンセットは物語の要請に応じて、その背景や視点を見事なまでに変え、そのとき折々の登場人物を演出する。またこのオープンセットは物語上の現実を的確に描き出すだけではなく、超現実的な光景を繰り広げる場ともなる。「幻想」シーンではなく、あくまでも日常と地続きになった白昼夢の風景を現出させること。■このオープンセットだけでない。若夫婦の住む小さなアパートの廊下、やや俯瞰気味に捉えられた縦構図の素晴らしさ。二間続きの室内は、窓からの光によって妻の姿を逆光で捉え、あるいは灯りの有無によって寝室と居間の差異を際立たせる。さらに商店街からアパートへ続く運河沿いの道。■これらの場とその中での登場人物を的確に演出する鈴木英夫の才能は、クライマックス、若夫婦の経営するラジオ修理の店の室内でピークを迎える。暗殺者に迫られた夫は妻に「ニゲロ」というサインを机に描く。これを見た妻は、そのサインを犯人から隠すように、夫の手に自分の手を重ねる。サスペンスという現在の物語は、若夫婦の愛情の物語へと一瞬で変容する。サスペンスを構成していた様々な記号がくるりとその意味を変えていく。これには感動した。「疑惑の影」じゃないか、これは。 【まぶぜたろう】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2005-12-03 00:26:24)(良:2票)
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