みんなのシネマレビュー

うつせみ

3-Iron
(빈집 Bin-jip/空き家)
2004年【韓・日】 上映時間:89分
ドラマロマンス
[ウツセミ]
新規登録(2006-03-02)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2011-08-27)【ESPERANZA】さん
公開開始日(2006-03-04)


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監督キム・ギドク〔1960年生〕
キャストジェヒ(男優)テソク
イ・スンヨン(女優)ソナ
クォン・ヒョコ(男優)ミンギュ ソナの夫
イ・ジュソク(男優)老人の息子
イ・ミスク(女優)老人の息子の嫁
パク・チア(女優)チア
チェ・ジョンホ(男優)看守
チュ・ジンモ〔男優・1958年生〕(男優)チョ刑事
脚本キム・ギドク〔1960年生〕
製作キム・ギドク〔1960年生〕
製作総指揮チョ・ヨンベ
鈴木径男
配給角川ヘラルド・ピクチャーズ
ハピネット・ピクチャーズ
編集キム・ギドク〔1960年生〕
あらすじ
男はチラシの束を携え、バイクでやってきた。家々の戸口にせっせとチラシを張ると、数日後にまたやって来るのだ。チラシの状態で空き家を判断した男は、その錠をためらいなくピッキングで破った。全ては家主が帰るまで、その家の主として生活するために。だがその日は目論見が外れた。彼の入った豪邸には女がいたのだ。籠の中の鳥のように、鍵のかかった家に囲われた女が…平凡な生活空間を異世界へとイリュージョンさせるギドク・マジック。ほぼ全編が無言劇という異色作。

エスねこ】さん(2007-09-25)
全てのをあらすじ参照する

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【クチコミ・感想】

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23.《ネタバレ》  人が消える。消えて消えて育む愛。あの決定的なキスシーンに皆さん、本作を観ながらたどり着いてほしい。ありえない、でも本作ではありえた奇跡の場面。心をつかまれた。

空き家を探す少年と呼ぶには少し大人な感じの主人公。家々に貼り紙をし、破れていない家は人がいないと確認し、迷わずピッキングする。侵入し、料理し、風呂に入り、ベッドでくつろぐ。家の壊れたものを修理する。そんな家の一つにいた女。顔があざだらけの女。夫のDVに耐えていた自己主張のできない女は侵入してきた主人公と行動を共にする。家や死人をも癒す主人公に惹かれる女。愛も。

 3番アイアンは見落とせない。

 シームレスにやってくる異次元の愛は、私としてはまるで村上春樹の小説のよう。暴力も性描写もあるがここは異次元。全く見たことのない愛の形、また見つけることができた。2人の愛は言葉がいらないようだ。

 キムギドク。ここまできたか。 JFさん [DVD(字幕)] 8点(2015-07-29 22:47:47)

22.キム・ギドク監督の作品には奇妙な人物や設定が出てくる。
ここでの二人もそう。
留守宅にピッキングで上がりこんで、修理や洗濯をする男。
夫に暴力を振るわれている女との不思議なラブストーリー。
これは夢か現実か。
メタフィーに満ちたこの手の映画はまったく肌に合わない。
ほとんど無言劇というのもダメだった。 飛鳥さん [DVD(吹替)] 2点(2014-10-16 01:11:09)

21.《ネタバレ》 無断で留守宅に住みつく男が主人公。原題の「空家」は心の空虚を意味する。男は社会との接点を持たない。その象徴として彼は“無言”。彼は留守宅に侵入すると、音楽をかけ、洗濯をし、料理を作り、風呂に入り、寝る。人が居ないと寛げるのだ。壊れものがあれば修理する。これは男に“癒す力”があることの象徴。ある家で、心に空家を持つ女と出逢い、一緒に行動するようになる。男と居ることで女は癒される。始めは言葉を失っていたが、最後は言葉を取り戻す。愛の言葉だ。英題の「3-Iron」はゴルフクラブの3番アイアン。低い弾道で長距離を飛ばせるが、扱いが難しい。この映画の隠れた命題は「暴力」だ。3番アイアンはその象徴。クラブは護身用、凶器にもなる。この世に暴力はなくならない。女が心を喪失したのも夫の暴力による。ボクシングも一種の暴力で、男が修理した子供用ピストルも使い方次第で暴力となる。警察の取り調べでも暴力が横行する。男は護身用としてクラブを持ち、常に技を磨いている。心の防御を固めていたのだ。が、時には凶器としても使われる。男が女の夫と刑事に、夫が男に痛打を加えた。暴力の危険性を知っている女は男にゴルフの練習を辞めさせようと邪魔をする。しかし、男の誤打した球が車のフロントガラスに当って事故が起る。落ち込む男。今度は女が癒す番となり、二人の心は接近した。冒頭の揺れるゴルフネット越しの女神像は、暴行される女を表現する。洗濯物を手洗いするのは、洗濯機の音や動きが暴力的だから。家庭には温かみが必要だ。が、実際には諍いや暴力が絶えない。だから男は留守にしか入り込めない。長椅子のある家は夫婦仲が良い。温かみのある家庭だ。だから、女も自然に入っていけたし、夫婦も受け容れた。あの家は「理想の家」の象徴である。世の中が理想の家になれば男にも住む場所ができる。暴力のある家に入るには、不可視になるしかない。男はその術を身につけ、夫には見えない人物となり、女の家に侵入した。そして二人は結ばれた。お互いが相手の心の家に住みついたので、二人合わせても体重はゼロだ。恋愛の姿を借りて、暴力ある社会を批判した眩い幻想譚。その奇想と整合の取れた脚本、映像の美しさには瞠目する。消極的な解決策に異論もあるが、口にするのは無粋だ。雰囲気を楽しめばよい。男が納棺士の技術を持つ。女がアナログ体重計を操作する。この二点は不要と感じた。 よしのぶさん [DVD(字幕)] 8点(2014-09-13 05:39:42)(良:1票)

20.コメディ的要素もありながら、不思議な感覚にさせてくれる。緊張感のあるシーンが多く、息を呑むような美しさも散見。民家に勝手に入って昼寝をするシーンが素晴らしかった。最後の体重計も一瞬で言いたいことを表現しており、むしろモノローグが余計。 Balrogさん [映画館(字幕)] 7点(2013-05-30 11:29:40)

19.《ネタバレ》 とても中途半端な映画。最初は音楽が入らない中で物語が静かに進行し、映像も綺麗だったため期待したが、中盤以降、突然抒情的な音楽が入りはじめ、話もどんどんくだらない方向に流れてしまった。テソクがソナの家に戻るのも簡単に読めるし、ソナの旦那が超分かりやすい悪人なのもどうかと思う。そもそもなんであんなやつと結婚したんだか。ソナが気の毒とも思えないし、笑うのも憚られるし、対応に困る。
また、キャラクター造形でも、テソクが極端に無口なので、心の動きが何がなにやら分からない。あんだけ人の家で寛いでたら、これまで何度も逮捕されていて可笑しくないのだがなぜか初犯扱い。ゴルフボールで人を殺しといて逃げる。当然ああなることは予測すべき。頭の悪い男だとしか思えなかった。こういうお馬鹿さんな上に辛気臭い二人が主役だと俄然鑑賞のテンションが下がる。
あとはコメディかと思えるほど酷い箇所も何箇所か。まず、3番アイアン(邦題も邦題ならこの原題も原題だ)をああいう風に思うがままに振るのはかなり難しい。これは経験者として言えるが、あんなに一瞬でゴルフは上達しないし、テソクのあのフォームできちんとボールが標的に当たると思えない。他には監獄の気配を消すシーンも笑えた。実際は監獄で死んだという解釈も出来るのだろうが、それにしても香港映画みたいな妙な動きで看守の後を付回したり、スパイダーマンみたいにドアの上の壁に張り付いたり。もうちょっと観念的な撮り方は出来なかったか。期待していただけにガックリ来た。 枕流さん [DVD(字幕)] 4点(2011-12-05 21:03:47)(良:1票)

18.《ネタバレ》 これ実はラブロマンス風に見せかけたホラー映画やと思うんですが。いや、間違いないです、妖怪空き家ババアです。青年は本来透明な存在である空き家ババアを見てしまったがために、不幸に見舞われたり、生気を吸われて透明な存在へとなってしまいます。その二人の質量が0なのも当然です。なんか得体の知れない気持ち悪さに寒気しますね。わりと本気で書いてます、これ。 ///気持ち悪さの理由がわかったので追記します。変容し適応するのが人間なのだとしたら、これは人の業そのものだと、それがとても生々しいので気持ち悪いと感じたんだと思います。 長谷川アーリオ・オーリオさん [DVD(字幕)] 6点(2011-09-13 05:18:49)

17.行き場のない女性を、非日常的な視点で理解させてくれる秀作だと思います。 Malandroさん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-27 00:07:19)

16.理想のコミュニケーションが描かれており快適だった。 アイランド・ジョーさん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-24 09:13:05)

15.《ネタバレ》 不思議な映画だ。こういう映画を撮る監督はよほどの天才なのだろう。問題は視聴者がどうとらえるかだろうが、私は好きである。
役者には台詞が重要とされるが、もし台詞がなければどう表現する? 表情(特に目)、しぐさのひとつひとつだろう。この映画はそれで十分すぎるほどよくわかる。
ラストの体重計、二人で併せて0というのにはしびれたが、欲を言えばあの間違えて飛んでいったゴルフボール、けがを負った女性はどうなった? あのままほっといて良いのか? ESPERANZAさん [DVD(字幕)] 9点(2011-05-21 23:15:35)

14.男女二人が何もしゃべらない。誰もが想起したように私も北野武の『あの夏、いちばん静かな海。』を想起する。だけど、目指すところがそれぞれ違う。北野は言葉を映像に置き換えるという映画の原点を見せてくれた。キドクは男女がしゃべらないことで他のしゃべる人たちから浮かせているに過ぎない。非人間化してゆく男のミステリアスさと相まって摩訶不思議な世界観を作り出しているが、けして北野のように映画そのものの豊かさを目指したものではない。要するにレベルが違うってことを言いたいのだが、けしてこの作品が駄作だと言ってるわけでもない。目指すところが違うんだから。そもそもこの男と女の間には語らなきゃならないほどのいろんなものが根本的に欠けている。空虚。そして互いが互いの空虚を埋める存在。そのことを描いてみせたという点では素晴らしいのかも。これ、二流以下の監督だったら「世にも奇妙な物語」になっちゃうんだろうな。 R&Aさん [DVD(字幕)] 6点(2010-03-30 17:40:14)

13.主演の二人が殆ど台詞をしゃべらない。女優は二言程度でしかなく、男優にいったてはゼロである。しかし、その表情や演技、特に男優は目力があり、それによってものすごく引きつけられるものがある。ファンタジーとも言えない現実と幻想が入り交じっており、この辺は好き嫌いが分かれるかもしれない。 茶畑さん [DVD(字幕)] 6点(2010-01-07 22:43:10)

12.《ネタバレ》 最後に女性が発する「愛してる」以外は全て無言劇という異色作。
その独自性は評価するが、リアリティの欠如は否めず。
しかも、女性の夫や汚職警察官が完全なる悪役を演じているなど、アメリカ映画にありがちな「勧善懲悪」的志向が鼻につく。
でも、独房シーンにおける主人公の“かくれんぼ”は趣向が凝らされていて楽しめた。
映像と音楽もなかなか良い。 にじばぶさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-02 03:35:06)

11.《ネタバレ》  静かでミステリアスな、そして幻想的な作品です。内容は抽象的なので、いろいろと考えさせられる作品でした。ラストに「私たちが住んでいるこの世が夢なのか現実なのか誰にも分からない」とテロップが流れますが、まさに夢と現実が入り混じったかのような印象ですね。最後にソナが見たテソクの姿は幻であったのかもしれないし、もしかしたら全てがソナの見た夢もしくは幻なのかもしれません・・・・。
 
 蛇足ではありますが、これからはポストやドアに挟み込まれたチラシはそのまま放置せず、すぐに取るようにしようと思いました。 TMさん [DVD(字幕)] 6点(2007-12-07 12:41:46)

10.《ネタバレ》 留守の家に男が忍び込んではいるのだが、どうも主体は男より家のほうに感じられ、その家の空気に男が溶け込んでいってるような感じ。むりやりの闖入者というより、空き家の空間が男を招き寄せたような。だからボクサーの部屋に入り込めば、男はグラブをつけてボクサーになってしまう。男の方に主体がないから、かえって男はその部屋の住人として違和感なく自在にふるまえる。特定の個人の部屋でない牢屋で、気配を消してしまえるのも当然のことかもしれない。現代人にとって夢のような、あるいは悪夢のような話。家に溶けてしまうこういう愛人を妻に持たれたら、もう亭主には手の打ちようがないのだ。 なんのかんのさん [DVD(字幕)] 6点(2007-11-03 12:20:13)

9.そこにいないこと、そこにいないはずなのにいること、またそこにいること。 michellさん [DVD(字幕)] 9点(2007-10-13 23:03:47)

8.感覚で見て感覚で感じる余韻のある面白い映画でした、日本でもっと良く知られている男優が演じたらまた感想は違ってくるかも、これはこれで良しです。
でも、いつも思うが韓国映画のテレシネ(フィルムをビデオに直す事)は汚いのが多いです、惜しい、さらにもっと美しい映像で見たいです。
5001stellaさん [地上波(字幕)] 8点(2007-05-02 17:58:30)

7.面白い映画でしたが、困った。
最初から最後までオイラ、ほとんど人間を見てませんでした。ミヒャエル・ハネケの『セブンス コンチネント』と、そしてヤン・シュワンクマイエルの『ワイズマンとの休暇』と同系にある、家具と日用品の群像劇でした。オイラがタイトルつけるとすると『第七大陸から来た男』ですな(笑)。
…という風に解釈しながら観ていたので、後半から結末にかけては「前半でオイラの脳が観ていた絵」をご丁寧に繰り返してくれてるだけで、すっかり飽きてしまったという…嬉しいようで全然嬉しくない体験でした。しっかりした土台を作って、その上にまた丁寧な土台を築いたような感じ。入居しようと思ってたビルがない。
キム・ギドク監督、この程度で観客を煙に巻いたと思ったんなら甘い甘い。その先をお願いします。 エスねこさん [映画館(字幕)] 5点(2007-04-03 22:52:38)

6.《ネタバレ》 ソナが初めて口にする「愛してる」。それは夫に対してじゃなく後ろにいる青年。夫は勘違いしてソナを抱きしめるがソナが口づけを与えて求めているのは見えない青年。夫が仕事に出かけ、ソナはそれを見送ってから青年を探す。青年を捕まえ抱きしめる。二人は抱き合ったまま体重計に乗る。その針はゼロを指している。二人はもうこの世界にはいないのだ。 アンナさん [DVD(字幕)] 8点(2006-12-09 13:25:41)

5.《ネタバレ》 テレビの映画紹介で見た時には、留守宅に忍び込む話っていう部分ばかりがクローズアップされていたので、そこが主軸となって展開する物語なのかな、と思っていましたが、実際はもっと不思議でヘンな映画でした。この監督の作品を見るのはまだこれが二作目なのですが、やっぱりかなりブッ飛んだ人なのかな? メイン二人が最後の方まで話さず、ヒロインがラストで二言だけ。物語は波乱に富んでいて、どういう方向に進むのやら皆目見当が付かず。断片的に見えてきたかな?って思ったのは家族って存在の不確実さ、ひとつの空間に一緒に存在する事の意味・・・だけども、ラストのクレジットでそれもまた、ん?違った?みたいな。家族の作り出した形跡の中だけに存在する状態から、家族の中にいないけれどいる存在、家族の中の0.5人としての存在へと変わってゆくことで、彼自身の内面に変化が訪れたのか?って考えると、存在証明を残すあたりは変わってないんでないの?とも思えるし、半透明な存在(生と死の中間に位置するような)でいる事を彼は目指しているのかな?なんて思ったり。彼にとっては車の事故の一件が転機になってたりするんじゃないかなぁ、なんて考えたり。明確に存在してしまう事で罪を犯す、みたいな。まー、あまりに深くて私のアタマじゃ理解の限界越えちゃってます。こんなところでひとつ、ごめんなさい。 あにやん‍🌈さん [DVD(字幕)] 7点(2006-11-09 00:36:52)

4.キム・ギドク監督のファンとしては、待ちに待った作品。
相変わらず痛いけれども、柔らかく仕上げてあって、監督の心境の変化かな?と思いました。
美しい映像も素晴らしい。
たんぽぽさん [映画館(字幕)] 10点(2006-08-25 19:54:02)

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マーク説明
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【点数情報】

Review人数 23人
平均点数 7.00点
000.00% line
100.00% line
214.35% line
300.00% line
414.35% line
514.35% line
6730.43% line
7313.04% line
8521.74% line
9313.04% line
1028.70% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 8.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 9.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人

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