みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
14.《ネタバレ》 気分が良くなるようなドキュメンタリーではないし、面白いというようなものでもない。 ただひたすら原爆の悲惨さを目の当たりにした。 今までに観た、どの原爆関連の映像より、過激で激しい。 容赦のない悲惨な映像の数々。 顔を歪めずにはいられなかった。 この映画を観て意識が変わったのは、どんなに外見が酷い方々を見たとしても、それを好奇の目で見たりはしないだろうということ。 日本が今後、兵器を保持するべきかどうかについては、この映画を観ても尚、分からない。 同じ過ちを犯さないという点では、日本は今後も兵器を持つべきではないかもしれないが、世界の中で日本だけが兵器保持を放棄しても意味がない。 ただ一つ間違いなく言えることは、世界の全ての国々が核兵器を持たないというのが理想だということ。 でもそれは理想であって、現実にはほぼ不可能だということを考えると、どうにもやりきれない思いにかられる。 広島と長崎で被爆した方々の気持ちを察すると、今だあちらこちらで戦争が起きているという現実は、どうにもやりきれないに違いない。 この映画を観たところで、その悲惨さは理解できるものの、世界の戦争を未来永劫、廃絶することが困難である以上、心に残るのは、その無力感のみである。 今自分が生活している平凡な幸せに、ただただ感謝するしかない。 【にじばぶ】さん [DVD(吹替)] 6点(2016-07-08 02:08:19) 13.《ネタバレ》 ナレーション一を切排除し、当時の写真、映像資料を交えてインタビューをつなぐ。シンプルだが力強い。映像の中には貴重なものが含まれていて、資料的価値は高い。 被爆体験は思い出したくもなく、当然語るのは苦痛だが、被爆を知らない人達に真実を知ってもらいたい、反戦を伝えたい、原爆の被害者は自分で最後にしてもらい、また死者は語ることができないのなら、その分まで生き残った者が語るしかないではないか、という様々な思いが、彼らにカメラの前で証言するという選択をさせた。 努めて淡々と語っているが、被爆者達の証言は重く、鬼気迫るものがある。 被爆者であると告白しても何一つ善いことはなく、差別や偏見としてはね返ってくるだけだ。 原爆で即死した者よりも、生き残って「被爆者」として生きてゆく者の方がずっと苦しい。 醜い姿を人前にさらすのは毛頭嫌だが、醜い姿をさらすことにより、被爆者の現実を知ってもらい、戦争の悲惨さが伝わるなら、あえてそれをやる。そんな証言者の思いが切々と伝わってくる。 内容は重く、決して容易に人に語れるようなものではない。それは何十年もの苦悩と悲しみの果てに、ようやく絞り出されるように吐き出されてきたものだ。 例えば中沢啓治氏。爆風で潰れた家の下敷きとなった父と姉と弟が目の前で生きながら炎に焼かれていくのを見た。そんな体験は誰にも話したくはないだろう。思い出したくもないだろう。思い出すたびに、怒り、憎しみ、悲しみ、罪悪感等の感情がないまぜになって、氏をどれほど苦悶、懊悩させたのは想像すらできない。その体験を「はだしのゲン」という作品に昇華させた氏の強靭な精神力には頭が下がる。彼らの証言は、原爆の悲惨さを伝えるだけではなく、人生に絶望した人間が、生きる希望を見いだして再生してゆく物語でもある。彼等が絶望の果てに見出した希望にこそ人類の未来がある。そう思いたい。 記憶は歳月と共に薄れていくものだ。冒頭のインタビューにあるように、8月6日が何の日か知らない日本人も増えていくだろう。しかし日本が唯一の被爆国である以上、被爆の真実と悲惨さを世界に知らせていく義務があるだろう。そのようなことを思わせる一編だった。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-01-18 13:13:11) 12.《ネタバレ》 広島の原爆資料館に行った時もものすごい衝撃を受けたが、この生々しいインタビューの数々は胸に突き刺さる。あざとさのない演出や冷静な構成がよりこの事実を語っています。日本は世界で唯一の被爆国であるということ。戦争という名のもとに人類史上最も最悪な兵器が実際に使われ多くの方が亡くなったということ。そして、今、私たちはその国に暮らしているということ。S・オカザキ監督(日系3世だそうです)が長い時間をかけ紆余曲折を経て制作した本作。是非ご覧になって下さい。 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 10点(2013-09-01 09:49:32) 11.「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」、「未知への飛行」。本作を触れると、これらの高評価2作品がとてもじゃないが観られなくなります。少しでも早く平均点ベストランキングで肩を並べて欲しくてこの点です。みなさん、どうか観てレビューしてください。 【なたね】さん [DVD(吹替)] 9点(2013-07-11 21:48:33) 10.目を背けたくなる場面や怒りを覚える場面などいろいろあるが、まずは何もかも事実として受け入れなければならないだろう。どう向き合いどう考えていくかはそれからのこと。原爆直後のフィルムは他にもいろいろあるが、これはこれで日米両方の面からありのままを伝えたドキュメントであり、必ずや後世に伝えていかなければならないものだろう。点数はその必要性を込めたものである。 【ESPERANZA】さん [DVD(吹替)] 10点(2011-08-08 11:37:36)(良:1票) 9.正直言って怒り、絶望を覚えました。日本人は核の実験台にされたんですね。残虐過ぎて正視できない映像もあるけど、とてもリアルでわかり易い。今まで生きてた人はよく頑張って耐えたなと思いました。 戦争は意味が無い、くだらない。戦争なんて二度としてはならないと教えてくれる映画。 【将】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-10-22 17:22:22) 8.点数のつけられない作品です。原爆によって被爆者達がどんな苦しみを抱えているのか、私達はこの映画を観て知るべきですね。インタビューだけでなく、当時の写真や映像が、原爆の恐ろしさ・戦争の愚かさを物語っています。 【たけたん】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-07-16 22:35:40) 7.心を揺るがされました。過去の日本の戦争、この映画では原爆投下、というと知ってはいるがどこか現実感のないものに感じてきてしまっていましたが、この映画では現在の被爆者の方々の生のインタビューにより、どこか地続きな感じがして、より現実的にこの出来事をとらえることができました。日本は生き残った被爆者の方々の悲しみを受け止めて今後に活かしていくことが大切なんじゃないかと思いました。 【しっぽり】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-01-29 20:31:58) 6.「伝える」事に真摯に取り組んだ作品。息苦しささえ感じさせる映像からは、受け取らないわけにいかない重要なメッセージが伝わってくる。受け取ったものを語り継ぐのも心にしまうのも、また廃棄するのも個々人の判断次第であり、伝承を強要する時代ではないけれども、一人でも多くの人がこの作品を通じてこの歴史を知り、8月6日の8時15分と9日の11時2分に思いを寄せるのであれば、それは素晴らしい事だと思う。最後に、まさに骨身を削る思いで辛い体験を語り伝えてくださった被爆者の方々に、心から尊敬の意を表したい。 【wood】さん [映画館(字幕)] 10点(2008-09-15 15:39:31) 5.《ネタバレ》 同感ですね。これに点数は便宜上だけになります。 一番個人的に印象が強かったのはタイムズスクエアでアメリカ人がものすごい群集で戦争の勝利を喜んでいるシーンでした。そのタイムズスクエアの現在の画像を自分が見ても過去に日本が関係した歴史的な出来事でそこでそんな事があったとは今まで生きてきて思う可能性は無かった。 ここが象徴的に自分にはショックだった。知らないとはこういう事なんだと思った。 原爆を実体験してみる事は当然できない。だから、核の恐怖を人はいろんな手段でバーチャルに共感するしか手段が無い。この映画は端的にその共感を体験者の話と映像でかなり感じる事ができるものだと思います。 これは知らなきゃならない事ですね。正に全ての事には理由があり、被爆された方もおっしゃっていましたが皆さんの悲劇を体験し生き延びてこられた事には理由があると私も思います。 他の戦争の体験の映画のコメントにも『そんな事があったとは思えない』というものを見たりします。それは一概に認識合っている間違っているとういう事では無く、経験していない人にはそうだと思えない部分はしょうがないとこの映画を見て思いました。 自分だってこの映画を見るまでは今でも苦しんでいる人々の事を具体的には思い浮かんではいなかったし。 だからこそ、よりバーチャルリアルに感じる事、共感する事が重要だと思います。 歳のせいもありますが、泣かずには見られませんでした。 余談ですが、監督のスティーブン・オカザキさんは長崎の平和祈念の像に雰囲気が似てると思った。髪形を意図的に意識したのか? 【森のpoohさん】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2008-08-29 00:56:35) 4.《ネタバレ》 物心のついた頃から自然と広島、長崎で起こったことを理解していた思う。それは低学年の頃から学校やテレビで教えられてきたから。黙祷もいっぱいしたし、8月6日は登校日だったりもした。そして小学校の修学旅行では原爆ドームや資料館へもいった。僕は資料班だったので、図書室の「昭和史」などの文献を写したりもしたことがある。所々すりきれた分厚く大きな本を1ページづつめくって見たあの写真の重苦しさは今でも忘れられない。それからも様々な媒体から蓄積された知識をもとに本作を鑑賞したわけだが、本作はこれまでの膨大な資料の総集編といった趣きがする。ドキュメンタリーではあるが、これまでの資料をかいつまんで映画的に上手に仕上げたという感じがした。そういえば本作の公開当時、ある番組でニュースキャスターが日本ではこういった作品は作れないのか、アメリカ人に作られてどうすると言って嘆いていたが、その足元の自社HPでは「夕凪の街、桜の国」の特集が組まれていたことが思い出される。これまで多くの人があらゆる媒体を使い残してきた資料の山の中にあって、僕はこの作品が特別だとは思わない。でも原爆を再認識するにはいい作品だとも思う。冒頭のなんの違和感もなくアメリカナイズされた現在の日本。そして少女がこの日を知らないという。たとえ日本人が忘れてもアメリカだけには忘れてほしくない。 【カリプソ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-07-31 23:59:17) 3.以前、原爆製造に関わっていた科学者が被爆体験者の目の前で「原子爆弾を作ったことに、何の後悔もない。私に罪があるというならば、私にも言わせてもらいたい。リメンバー・パールハーバー、と。」と、語っていたのを思い出す。 彼は「リメンバー・パールハーバー」というキーワードで原子爆弾に対する罪悪感をオフにできるのだ。 「ヒロシマナガサキ」に登場していた元アメリカ兵の「悪夢にうなされた事は、特にない」というコメントを聞いて、同じように「戦争だった」という一言で、原子爆弾の投下についての罪悪感をオフにしていると、感じた。彼個人が投下した訳では無くとも、被爆した広島・長崎の惨状をみて、もう一度、「あなたのスタンスは〈戦争だった〉で、いいんですか?」と、問いたい。 担保となる理由さえしっかりしていれば、人間はいくらでも無自覚的に残酷になれる。そして、その無自覚な人間が、「永遠にわかり合えない世界」の構築を担っている。悲しい事だと、思う。 そんな悲しい世界は真っ平だ。私ももっと学ぶべきであり、考えるべきだと感じた。 これは、「被爆国である、というを徐々に忘れつつある平和な日本」に暮らす私の平和ボケした傲慢な物言いだろうか。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-05-06 14:09:31)(良:2票) 2.【まず、投稿上、点数をつける必要がありますが、私が便宜上つけた「点」は無視いただきたいと思います。 点数をつける映画ではないからです。】 オカザキ監督が生存者の方々の「その日から始まる人生」を、冷静に静かに丁寧に描いています。 センセーショナルな音楽もなく、衝撃や政治的な意図もなく、「人」を「人生」をえがいていることで、何年も心に残る深い作品になっていると思います。 私も「夕凪の街、桜の国」を観て、「夕凪の街、桜の国」の原作を読んでからこの作品を観ました。 2作品を観ていただけると「その日から始まった人生」を少しでも理解できるかもしれないと思います。 「解ったつもり」・・には決してなれませんが・・。 【グレース】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-04-06 00:34:47) 1.教科書やニュースで知ってはいても、やっぱりどこか自分とは他人事のように思っていた部分があります。でもそれじゃイカンよな、丁度「夕凪の街、桜の国」も観たばかりで、日本人が日本の事を知らないってのは情けない事だし、一度くらい真剣に向き合ってみよう、なんて思って劇場に足を運んでみました。・・・もう言葉も出ません。これをたかだか「歴史の1ページ」にしてしまうのはやっぱり違うよな、と。過去を知り、それを受け入れ、同じ過ちを繰り返さぬよう学び、新しい道を模索していく事、それが未来を切り開く術となるはずだと信じなければ、人の歴史はあまりにも哀しいです。 【ぽーち”GMN”ありしあ】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-09-09 14:58:18)
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