みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
249.《ネタバレ》 “SINGIN' IN THE RAIN”邦題まま。1929年にはこの楽曲はあったらしい。ライバル映画の『ジャズ・シンガー』が1927年だから、細かく言えば、ややフライング気味?ジーン・ケリーにドナルド・オコナー凄いですね。フレッド・アステアの流れるようなダンスに比べ、パワフルでスピーディ。人間離れした動きに圧倒されました。 コズモのソロ『奴らを笑わせろ』なんてまるでジャッキー・チェンのスタントアクションのよう。計算された動きが笑いに繋がる。 3人共演の『グッド・モーニング』息ピッタリの完璧な動きの影に猛特訓アリ。わずか3ヶ月ほどの練習でこのダンスしてるデビー・レイノルズも凄い。 どれも極力全身が映る(動きを隠すアップに逃げない)撮影で、ワンカットが結構長く、演者には笑顔が要求されるから、これは大変だ。 そしてこの映画のための曲と言える『雨に唄えば』は圧巻。水たまりを踏みつけ、激しく動きつつ、止まるところでピタッと止まる。雨の中上を向くドンの笑顔。たぶんスタジオで大雨を降らせながらも、ケリーの顔には極力水が掛からないよう(雨粒で顔が歪まないよう)工夫してるな。 時代背景がサイレントからトーキー映画に移行する時代。ライバル社は『ジャズ・シンガー』というトーキーのヒット作を作ってきた。 声が独特すぎるリナのように、サイレントでは名女優でも、時代を乗り越えるのが難しい女優もいる。 またキャシーのように舞台女優(たぶんだけど、嘘や見栄でなく売れない舞台女優なんだろう)の傍ら、サプライズダンサーで生活費を稼ぐ女優もいる。 新しい時代は雨のように苦難をもたらすけど、捉えようによっては雨すら楽しく出来る。どんな逆境だってチャンスにすることは出来る。 そんな、観ていて明るくなれる楽しい映画です。 【K&K】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-09-05 15:43:47)(良:1票) 248.《ネタバレ》 いや~、ジーンケリー良いですねえ。歌って踊って監督してスタントもしちゃう。右に出る人はなかなかいないハイスペックな人物です。そのキレキレにしてコミカルな動きは日本のコメディアンにも大きく影響を与えたでしょうし、名シーン「シンギンインザレイン」は鬱陶しい雨(とりわけどしゃ降り)の日の歩行を少しだけ悪くないかなと思わせてくれるような素敵なダンスシーンです。ヒロインのキャシーのデビューを邪魔する事になるリナは憎まれるはずの役なのに、ジーンヘイゲンがまた可愛く魅力的に演じていました。もちろんドナルドオコーナーもデビーレイノルズも素晴らしくて、みんな何てダンスが上手で楽しそうなんだろうと、見ているだけで笑顔になっちゃいます。このように古いけど良いエンターテインメントを、ゲームとYOUTUBEとSNSとディ〇ニーにしか面白さを感じない若者たちにも見てもらいたいし、どうしたら見てもらえるんだろう、って厚かましくも真面目に考えてしまいますね最近。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 10点(2023-02-22 13:37:08)(良:1票) 247.《ネタバレ》 数か月前に某ローカルTV局で放送されたのを機に投稿しようと思ったのですが…諸事情が重なり、気がつけば年末に…今さらですが、ようやく投稿させていただきます。 私が当作品に出会ったのは、小学校低学年の頃のTV放送時。両親が「いい映画だから」と勧めてくれて一緒に観ました。私にとって初めて観た【往年のハリウッド映画の名作】です。 当時のブラウン管のカラーテレビの画面はとても小さいものでしたが、映像は色鮮やかで、音楽には温かみがあり、楽しい歌やタップダンスと共に展開される物語は、とても新鮮でした。何故なら、それまで私がTVのCMや街頭ポスターで目にしていたアメリカ映画といえば、人間が食べられたり、悲鳴をあげて命を奪われたり…というパニック・ホラー・オカルトものばかりだったからです。「昔のアメリカ映画って、こんなに素晴らしかったんだ!」と子供心に感激したものです。 一方、同じ郷里で少年・少女時代に地元の映画館(その地域ではとても立派な施設だったとか…)で当作品を観た両親にとっても、大変、懐かしかったようです。なお、両親によると「キャシーがスターになってから、皆で歌い踊るミュージカルシーンがあったはずなんだけど…カットされている。TV放送だから仕方ないかな…」と残念がっていました。 その後、高校生の頃にTVで観たときは深夜帯の放送。当時、ビデオレコーダーは無く、両親は眠っていたので一人で鑑賞しました。 前振りで「以前のTV放送ではカットされていたシーンを、今回はお見せします!」という解説があってからスタート。それが【ブロードウェー・メロディー】の場面でした。本筋とは独立したものであって確かにカットしても支障が無いものでしたが…大がかりで熱のこもったシーンであることは伝わってきましたし「ストーリーを追うだけが全てではなく、歌と踊りを前面に出して魅せる。これもミュージカル映画の在り方の一つだろう」と好意的に受けとめました。 ただし、上述の両親の解説は明らかに記憶違いだということもわかりました。当時、私は思春期で両親に反発することが多々あったものの、さすがに二人の思い出を傷つけてはいけないと思い、翌朝になっても「小さい頃に観たときと同じで素晴らしかったよ」と伝えるに留め、違いの指摘はやめておきました。 あれから何十年経ったでしょう…これまでにもビデオやDVDで何度か観てきましたが、幼い頃に観た感激が色褪せることはありません。 特に今回のTV放送(字幕)では「Nothing can keep us apart, our love will last 'til the stars turn cold」という台詞のアフレコのキャシーの声が、実はリナ役のジーン・ヘイゲンさんの本当の声である、という予備知識のもとに鑑賞。これまでビデオやDVDで聞いていたはずでしたが、知識のおかげであらためて「ああ!こういう声だったのか!」と再認識できたことに感激しました。 同時に「公開当時は、感情移入したお客さんから『キャシーを苛める悪声女優』と勘違いされ、キャリアに傷をつけるリスクも予想されただろうに…よくこの役を引き受けたものだ」と、ジーン・ヘイゲンさんへの敬意も沸いてきました。否、新人だったわけではないから「あのジーン・ヘイゲンが、こんな裏声を出して面白い役を!」と、今でいうところの“ギャップ萌え”でファンを増やした…かもしれません。 さて、採点ですが…まず、鑑賞環境は今回のローカル局放送に則って地上波(字幕)とさせていただきます。上述の通り、思い出深い作品のため、減点はしたくないですね…。 敢えて批評的なことに言及するなら…当作品の設定は、初のトーキー映画“ジャズシンガー”が発表された1927年頃=公開当時の約25年前の時代であり、当時のアメリカの人達には昔懐かしいレトロな風俗を再現した物語だったはずです。このようにもともと【昔懐かしい=心地良い古さ】を醸し出しているからこそ、現在に至るまで【時代を越えて愛される普遍性】を獲得したと言えるのではないか…と思ったりしております。もし1950年代当時の最先端のファッションで見せる作品だったなら、時代と共に急速に“流行遅れ”など悪い意味で古びて見づらくなり、忘れ去られていたかもしれません…。 ちょっとこじつけがましいかもしれませんが、そうした普遍性もあり(無いかもしれませんが(笑)…)、当サイトの採点基準である【傑作中の傑作】として10点を献上させていただきます。少なくとも私にとっては、これからもずっと【昔懐かしい作品】であり続けることでしょう。 【せんべい】さん [地上波(字幕)] 10点(2021-12-29 18:46:54)(良:1票) 246.雨で踊る有名なアレ 無声映画の時代から移り行く映画を、 ミュージカル映画として仕立てた作品 ミュージカル調の踊りやタップダンス、 「動き」がとても視覚的に楽しかったです。 ラストもキレイにまとまってて良い映画。 さすが名作と呼ばれるだけはある。 【愛野弾丸】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-07-28 17:22:18) 245.《ネタバレ》 ミュージカルとしては名作でしょう、間違いなく。 洗礼された動き、キレ、タップダンス、魅了度は高い。 ただ、現代ミュージカル映画と比較するとストーリーに捻りが無く、単調。 ラブコメしかもベタ好きという方にはどストライクでしょう。 個人的にはドンの土砂降りの雨よりコズモのソロが良かった。 【mighty guard】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-26 14:45:27) 244.嘗てはいきなり歌い出すのに拒否反応が起きるミュージカル作品ですが、情熱が迸るジェームズ・キャグニー、妖艶なジョージ・ラフト、そして二人を併せ持つフレッド・アステアに接し嵌っています。本作でのジーン・ケリーは踊るジャッキー・チェンとも言えるアクロバティックさで身体能力の凄さに目を見張りますが、先の三人から受ける胸の高鳴りは感じられません。しかしながら、雨中の Singin' in the Rain は、土砂降りの中ずぶ濡れになっても 濡れて行こうや! 陽気に行こうや! の心意気に心震えた名場面で「これを見ずして死ぬなかれ」サイレントからトーキー移行期の大きな時代の変化に適応出来るか否かをコミカルに表したストーリーもしっかりしており(ジャズ・シンガーは鑑賞済。部分トーキーで、ある意味驚きました)、ジーン・ヘイゲンの憎まれ役に拍手喝采。シド・チャリシーの脚線美に見惚れるものの、冗長だったブロードウェイ・ミュージカルに-0.1点。 【The Grey Heron】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-12-06 10:29:20)(良:1票) 243.《ネタバレ》 サイレントからトーキーへの過渡期を背景に、映画界の人間模様を明るく陽気に描いた作品。芝居・音楽・ダンスを巧みに融合させた、まさにミュージカルの金字塔。ドーネンとケリー、二人の演出に乾杯! G・ケリーの名人芸、ワンサ・ガール役D・レイノルズの愛らしさ、D・オコーナーの芸達者ぶりがいいね。そしてJ・ヘイゲンの名演がお見事。 スカーフェイス男のコイン投げはG・ラフトを彷彿させ、1920年代の雰囲気を醸成。深読みすればギャングとショ-ビジネスの腐れ縁をにおわせている。悪声の俳優が淘汰されるという厳しい現実が描かれ、楽しいだけでなく影の面も重層的に織り込んでいる。 最後はD・レイノルズの涙にやられちゃったよ。彼女は後に「あの頃は毎日が楽しかった」と述懐している。その言葉を裏付けるように、楽しい雰囲気が観ている側にも伝わってくる。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2020-11-08 14:04:01)(良:1票) 242.《ネタバレ》 ジーン・ケリーとフレッド・アステアというのは、剛と柔と言うか、『北斗の拳』で言う所のラオウとトキと言うか。ケリーの踊りにはアステアには無いパワフルさ・アクロバティックさを感じ取れ(躰のナリもだいぶんゴツイですしね)、アステア一派の私としてもこっちはこっちで確実に素晴らしいと思うのですよね。 ミュージカル映画の史上最高とも称される今作、力強い踊りのクオリティについては、確かに他の作品に頭一つ抜きん出ていると言えるかも知れません。ケリーの種々のシーンに加え、ドナルド・オコナーの『メイク・ゼム・ラフ』も高度にアスリートな優れた出来だし、私は終盤の『ブロードウェイ・メロディ』も好きですよ(ただ確かに、冗長と言うよりはちょっと挿入が唐突、かつ脈絡も薄いというのは確かなのだけど)。そして『雨に唄えば』という20世紀屈指の名曲と雨中のその挿入シーンは、これも確実に映画史に残る名場面と言えるのだし。 一点、今作はケリーが絶対的メインで、故に女優が活躍するパート(踊りにせよ演技にせよ)がやや少なめだという点が、好みの問題ではあるが私としては少しだけマイナス。ただ、そうは言っても例えばジーン・ヘイゲンのコミカルで特徴的な演技とかは、これも個人的にはかなり面白く観れますのですけどね。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 8点(2020-09-21 23:15:19)(良:1票) 241.歌や踊りは頑張っているとは思うが、ストーリーが雑過ぎる。ミュージカルにストーリーを求めるのが間違いなのかもしれないが。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-07-26 02:26:47) 240.《ネタバレ》 突然、意味もなく踊り出すシーンは、インド映画を思い浮かべる。これはこれで楽しいが、同じ踊り映画でも、「死霊の盆踊り」とは大違いだ。(笑) ※デビー・レイノルズ、動きが人形みたいだ。 キャリー・フィッシャー、美形な親に似ず、ブサイクだったな~。一体、どっちの親に似たんだろう・・・ 【festivaljapan】さん [インターネット(吹替)] 6点(2020-01-20 21:38:47) 239.正直面白かったか言われるとそうとは言えない。でも印象に残る素敵なシーンも数多い。メイクラーフ、モーニング、インザレイン。ラストのキャシーのの笑顔。多くのエンターテイメントでこの作品をリスペクトしてる場面に遭遇してるのに気づき尊敬に値する。必ず一度は見ておかねばいけない作品。3人プラスジーンヘイゲンの素晴らしさ光る。 【タッチッチ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2019-09-01 17:38:12) 238.あの有名シーンをみるために鑑賞。 「雨に唄えば」はすごく好き。 ミュージカル映画としては、お手本となるような作品なのかもしれないが、退屈で眠くなった。 終盤のミュージカルシーンは長すぎだろ。 ラストは痛快かもしれないが、ちょっとかわいそうと感じた。。 【へまち】さん [DVD(字幕)] 5点(2019-04-20 15:40:04) 237.《ネタバレ》 アメリカのミュージカル=MGMミュージカルで一番好き。ストーリーはどうでもいい。ジーンケリーの雨の中のダンスシーン。最高。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 9点(2019-01-29 23:01:17) 236.ダンスを見る作品。 軽快で卓越したダンスは見ていて飽きない。 年代を超えた名作の一つ。 気になったのはダンスシーンのタップ音が後付のせいで ちょっとずれてたり水たまりでのタップなのに音が水の中っぽくない。 もっとバシャバシャいいそうなんだけどな。 もう少し臨場感があっても良かったかな。 【Dry-man】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-11-12 01:01:25) 235.《ネタバレ》 この映画はジーン・ヘイゲンが支えていると言っても過言ではない。 MGM映画の最高作。人によっては『バンド・ワゴン』や『巴里のアメリカ人』 を選ぶ人もいるだろうし、『若草の頃』が最高作だという揺るぎない主張があっ てもおかしくないと思うが、私にはこの『雨に唄えば』が最高作だ。 「Singin’IN The Rain」の開放感や「Make’Em Laugh」の名人芸や「The Broadway Melody」という大プロダクションナンバーも素晴らしいのだが、この 映画の現代性(今でも決して古びない尋常でない荒唐無稽な映画らしさ)を如実 に表しているのが、「All Do Is Dream Of You」のシーンだろう。この大きな ケーキの中から飛び出したデビー・レイノルズが唄い踊りまくるシーンの常軌を 逸した可愛らしさといったら! 【ゑぎ】さん [映画館(字幕)] 10点(2017-03-28 05:45:46) 234.《ネタバレ》 本作を見ていると今の時代に映画を作る事が気の毒にさえ思えてきます。 大袈裟に言うとほぼ一通り出尽くした感がある創作表現の世界では、如何に今までにない話にするかで脚本や設定で裏の裏の裏までかいて奇抜なものにしなければ認めて貰えない様にも感じてしまいます。 まるで隅々まで発見し尽くされたこの世界で現代の冒険者と言われている人達がリヤカーを引いての世界一周やエベレスト登頂の最年長記録等、自らにハンディを与えたり、本質ではない所に拘ったりしているのと同じに見えます。(それらを否定している訳では有りません) 本作が作られた1950年代等は映画そのものに開拓の余地がまだまだ残されていたようにも思え、本作の様にミュージカルを真正面から撮る事が出来た余裕のある時代に感じられます。 それは大航海時代にマゼランやバスコ・ダ・ガマが「とにかく船を走らせろ、そうすれば見た事もないようなものを見せてやる」といった様な時代にも重なります。(彼等がそんな事言った史実は有りません) しかし勝利要因は時代に恵まれていたからというものだけでは決してなく作品そのものの質も非常に高く、それを裏付ける様に出演者達の表情や演技から「この作品は絶対に間違っていない、絶対に傑作になる」という自信が伝わってきます。 そんな自信に満ち溢れた彼等の演技が活き活きと表情豊かで魅力的になるのは当然です。 私自身も作中のそんな彼等に無条件で自分自身を委ねてしまいますし、その瞬間からG・ケリーやD・オコナー、D・レイノルズと一緒になって楽しむ事が出来ました。 作品を見ていて気が付いたのはハンナ&バーバラの初期のトムとジェリーに似ていると思った事でした。 勿論追っ掛けっこはしませんし、アニメと実写、猫とネズミと人間等違いは有りますが演出や音楽の使い方、音楽そのものが作品を通して結構似ています。 冒頭のレッドカーペットからドンがコズモとの捏造された下積み時代の回想シーンまではそれを彷彿とさせる演出(見せ方)になっています。 インストゥルメンタルの音楽等は同一人物がスコアを書いたのではないかと思う程そっくりです。 制作は何方もMGMなのでスタッフがリンクしていたのかもしれません。 何方が何方をマネをしたかどうかとかはどうでも良い事です。 大好きなトムとジェリー同様にお気に入りの映画が一本増えただけの事です。 【しってるねこのち】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-06-27 01:40:56) 233.《ネタバレ》 ミュージカルって甘ったるいメロドラマや悠長な歌で退屈してしまう映画が多いが、この作品はとにかく踊って踊って踊る面白さ! ジーン・ケリーやドナルド・オコナーの物凄いダンス、デビー・レイノルズのパワフルな歌声。何気に暗黒街の情婦役でシド・チャリシーも出てんだね。「バンド・ワゴン」のチャリシーは凄えぜ。 ジーン・ケリーが剣戟映画のような動きをする場面は、自身も出演したジョージ・シドニーの「三銃士」へのオマージュがあるそうだ。 スケート靴で街を走り抜けるシーンが良い例だ。雨が振るなら土砂降りの中でも歌い続ける!そういう腹の底からエネルギーが沸き立つ作品だぜ。「雨に唄えば」の旋律が心地良い。 物語はサイレントからトーキーに移り変わろうとする時代。 「ジャズ・シンガー」のエピソードや、サイレント作品を無理やりトーキーにしようとする話はハワード・ヒューズの「地獄の天使」辺りのエピソードだろうか。 ジーン・ヘイゲン演じるリナは、サイレントという「温床」で悪声でも問題なかった時代の終焉を物語る。 「ハリウッド・レビュー」の“悪声オンパレード”で一体何人の俳優が地の底に堕ちていった事か。 舞台出身で声は問題なかったキートン等も、サイレント時代のイメージと合わないというだけで姿を消していってしまう。 サイレント時代の終わりは、同時に舞台でセリフやダンスを磨き上げた叩き上げのトーキー(喋る)役者たちの時代の到来。 ボードヴィル等で活躍したジェームズ・キャグニーやポール・ムニといった語りで魅せる役者たちのな。 そういうストーリーがあるが、終盤の華麗なダンスの数々はセリフが無くとも圧巻なサイレントの「魅せる」演出。それが面白い。美しい映像だ。 ジョージ・ラフトもどきが何人も出るのがまた楽しい。 キャシーが表舞台に出るラストは感動的だけど、リナはちょっと可哀想だなあ・・・なんて。 それにしても、ジーン・ヘイゲンは本当に名演。 ジーン・ヘイゲンの事を甲高いオバサンくらいに思っている人は、ジョン・ヒューストンの「アスファルト・ジャングル」を見てみると良い。低いトーンの女性らしい声なのだから。これが本来の彼女の声。 本当は上手いのに、ワザと下手なフリをするというのは簡単に出来る芸当じゃない。正しく彼女は女優です。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 10点(2015-01-21 19:55:39)(良:2票) 232.ミュージカルって思ったよりも楽しい。この映画を見てそう思った。 これまで観てきた映画はどうにも違和感が先にあったが、この作品は自然に感じられる。ストーリーも分かりやすいし、とても好感が持てる。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-04 16:45:38) 231.しかし本当によく「動く」映画だ。ミュージカル界のとなりのトトロだな。…いや、待てよ、「となりのトトロの方がミュージカル的なんだ」というべきなのか…。ま、ともかく「走る、跳ねる、回る、叫ぶ、笑う、バンザイする…などといった、一定以上の複雑な思考を必要としない、人類が太古の昔からやってきた本能的な感情表現を、「サイレントからトーキーへの移行期」という設定をなんともまあ巧~いこと使って、違和感なく流れの中に盛り込んだという天才的作品です。もう「唄うついでに動く」のではなく「動くついでに唄う」の領域ですもんね。「♪ローゼス、モーゼス…」なんて、思考などという上等なものはほとんど働いてなくって、掛け声を叫んでるみたいな感じですからね。そもそもここのシーンでのミュージカルに入っていく動機というのも、まず発声練習させられてるジーン・ケリーが退屈でいかにもかったるそうな様子であるのを見せておいてから「さあ、観ている方もぼちぼちイライラしてきたよね?動きたくなってきたよね?ハイ、じゃ、ここでちょっとふざけて茶々を入れて、ほ~ら、一息つこうよ、先生」という風な、実に子供じみた理由ですから。また、オコナーがアクロバチックなダンスを披露するシーンでも「なに?自分に自信が無くなった?そんなときはとにかく動いて無理やりにでも笑うんだ!」というやはり子供じみたパッパラパー本能で入っていきますから。「ここで動きたい」というときにミュージカルに入ってます。結構これが分かってないミュージカル映画が多くって、「ここで唄わせたい」という理性的な理由でミュージカルシーンに入っていこうとした結果、「…さて、それじゃ、ただ唄わせるだけなのも芸がないからちょっくら動かしてみるべ」という本末転倒な行為に及んでいるノーセンスな作品のなんと多いことか。「お前ら、本当にそこでそんな動きをしたいと思って動いてるのか?」とつっこみを入れたくなる作品のなんと多いことか。人間、動く必要のないところで動くことほど不思議で気色悪いことはないのである。その点、この作品は本当に「そもそもなんで踊るのか、唄うのか」というのをよく分かってるし、わざわざミュージカルでやる意義のある作品だと思います。「唄うついでに動く」というタイプの作品の大半は、比較的容易に小説化が可能ですが、この作品の面白さを小説で表現するのはさぞや骨が折れるでしょうね。 【バーグマンの瞳】さん [地上波(字幕)] 8点(2014-09-26 20:33:18)(良:1票) 230.《ネタバレ》 何度も見てきたが、今更ながらこのタイトルが素敵だ。トーキー時代に突入する映画界の舞台裏を舞台にした本作。彼らのダンスは誰かに見せる、もしくは一緒に踊ることで成立しているが、この「雨に唄えば」は主人公一人だけだ。吹き替えを思いつきお互いの気持ちを確かめ合ったあとでキャシーと別れたあとのシーン。それは主人公にとってどれほど嬉しかったことだろう。急に流れてくるBGMは感情移入している観客にとっても全く違和感がない。心から嬉しく最高の表現に昇華した瞬間だ。さらに雨が嫌なものでない、という捉え方も素晴らしい。このシーンを作品のタイトルにするセンスは今も見習いたい。全体の雰囲気を匂わせるタイトルが多いなかで、このネーミングは秀逸だと改めて感じた。そして今更ながらもう一つ、この作品のヒール・リナ役のジーン・ヘイゲンは実際はとても美しく穏やかな声の持ち主。キャシーによって吹き替えられた声も実はジーン本人によることを後に知る。この映画を名画たらしめる要因はジーン・ケリーたち主役陣によるものと思いがちだが、同じジーンでもヘイゲンもそれと同様の功績があったと思う今日このごろ。 【やしき】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2014-09-20 21:43:01)
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