みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
12.《ネタバレ》 セルフリメイク公開記念でYouTubeで期間限定配信されていた。 劇場公開されたもののすぐにVHS化して、Vシネマ(=低予算の極道もの主体)のイメージが強いようだが、 黒沢清の無機質で不条理あふれる世界によって異色の作品になっている。 何せ主要登場人物の背景が台詞でぼんやり明らかになるくらいで、 幾何学的な数式を教える新島の元には何故か幼い少女から高齢者まで集まっている不可解さ。 何度も繰り返され反復される、殺された娘の死因を述べる死亡報告書はただのルーティンに変わり、 静かに不安を煽る演出は杞憂に、行方知れずの男の居場所を淀みなく突き止める破綻した展開も、 まるでストーリーを何度も繰り返して知っているかのように。 娘を殺された宮下は被害者遺族であるのだが言動にどこか違和感があり、 裏社会と繋がりがあること、そして新島の教え子である少女への眼差しに、宮下もそういう"嗜好"だったのだろう。 新島にとってスナッフビデオに関わっていた宮下も、自身の娘の敵討ちの一人。 実の娘のスナッフビデオを見せられる地獄は彼にとって奥底に否定しがたい性的対象だったはずだ。 そこから場面が一転して、新島と宮下の出会いが再度描かれて映画は終わる(微妙に台詞が違う)。 もしかしたらそれぞれの理想のシナリオを求めて、ループしているのではないかと言わんばかりに。 '90年代後半はセカイ系やメタ要素が幾分流行っており、捻りに捻ってモヤっとした感がある。 26年経った現在の価値観で如何にリメイクとして調理していくか、黒沢清の手腕を見届けたい。 【Cinecdocke】さん [インターネット(邦画)] 6点(2024-06-05 22:41:25) 11.《ネタバレ》 最後の「私の娘も殺された」はあまりに唐突すぎてちょっとピンとこなかったです。 【紫電】さん [DVD(邦画)] 5点(2022-03-12 22:13:37) 10.正直言って、なんか訳わかんない映画を見せられたなってのが感想です。怖いって言うよりも不条理の不気味な世界という感じですかね。高等物理(?)を教える塾、そこの生徒の天才的な少女、ヤクザの情婦みたいな一言もセリフを発しない(口がきけない?)足が不自由な熟女、普通の作品なら明らかに何かの伏線のはずなんですけど、何の説明や展開もなし。この映画には普通の意味での伏線らしきものがそもそも皆無なんです。哀川翔はもちろんのこと、香川照之についてもそのキャラクターの背景は全くのことスルー、ほんらい説明過多にならないストーリーの映画が好みの自分ですけど、本作はダメでした。劇中で一度も声を荒らげなかった哀川翔の不気味さはやはり特筆すべきでしょうが、なんかこれは自分が求める哀川翔像ではなかった感じが残ります。やっぱ自分には黒沢清の映画は合わないんだと再認識させられました。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2021-10-26 23:00:01) 9.《ネタバレ》 これは最後がしっくりくるかどうかで大分評価が分かれる作品かなと思います。意味はなんとなくわかったつもりですが、宮下を中心として復讐を展開するのがちょっと解せないですね。加害者のくせに被害者ぶってたのが逆鱗に触れたのでしょうか?それとも同情心と復讐心の半々だったから?単純に手伝わせるため?(それにしてはなんか引っかかる所も)途中までは文句なく面白かったのですが、ラストの新島がこのような復讐劇にしあげた理由がハッキリせずにモヤモヤしてしまいました。 【映画大好きっ子】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2013-07-13 21:55:57) 8.有名な作品を何本も撮った黒沢清監督だが、この作品は比較的マイナーであるにも関わらず、かなり面白かった。 黒沢清監督の作品としては、隠れた傑作と言えるだろう。 哀川翔が、とてもいい演技をしている。 控えめな中に、とてつもない狂気を孕んでいて、それが最初から最後まで持続する。 サスペンスな中にも、ミステリー的な謎解き要素もあったりで、非常に面白い。 ただ微妙に分かりづらい部分があるのも確かで、スピーディにみせるタイプの作品だけに、もう少し分かりやすく作られていたら、更に傑作度がアップしたに違いない。 人間の持つ“復讐心”。 それを題材に、ここまで緊迫感を持たせながら、最初から最後まで飽きさせることなくみせる。 自分の黒沢清監督に対するイメージ、そして哀川翔に対するイメージが、非常に良い意味でくつがえった満足感アリ。 日本映画で隠れた傑作を探している方は、必見の作品! 【にじばぶ】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2010-12-16 00:03:05) 7.塾?の先生である哀川翔がある生徒の答に対して「そんなことしたら空間が裏返って時間が逆に流れることになる」と言う。また奇妙な計算式を書くなかで「デュアリティを組み合わせて・・・」と言う。教室には花束があった。デュアリティ=二重性。生者と死者。教室にいた者たちは家族の誰かを亡くした者たちか、あるいは亡くなった本人たち?ラストシーンの香川照之の前に突然フッと現れた哀川と女の子を見てそう思った。どちらにしても哀川が非常に危険な人物であることは間違いなく、まるでゲームのように人がどんどん殺されてゆく様は背筋が寒くなる。ゲームのようにと書いたが、哀川は全ての主導権を握っているだけでけして楽しんでいるわけではなく、ただ無感情に全てをコントロールするだけ。まるで人間ではない何か。『地獄の警備員』の大男が「暴力」そのものだったように、哀川は「悪意」、、いや「復讐」そのものか。 死者はここではないどこかでは生者なのか。殺された娘はモニターの中で永遠に生きている。死者と映画の関係は、その後『蜘蛛の瞳』そして『回路』へと繋がってゆく。 【R&A】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-06-14 18:52:06) 6.極道映画っぽいですが、極道映画ではなかってん。ホラーに近い。結局、事の真相はよくわらへんかってんけど、哀川翔を初めて怖いって思った。すごむおっさんの怖さじゃなくて、淡々として何の感情もあらわさへん怖さ。日常的な話題をしながら人を殺す感じの怖さ。素の怖さ。復讐映画やけどなんのカタルシスもえられへんし、色々な解釈もできるから鑑賞後はしばらく、この淡々とした日常的な怖さを考え込んでしまうわ。これは演出、そして演技力にやられた感じやわ。後、コメットさんとかの脇キャラも不気味でおもろい。「GONIN」のキャラに通じるユニークさ。ただ、先に続編にあたる「蜘蛛の瞳」を観てしまった為に、おもろさが半減してもーてん。こっちを先に、しかも深夜、何気に観てもーてたら、きっと、かなりの衝撃&緊迫感を味わえたはず。後、バカやから、わかりにくいのも、ちょっと苦手なんで、もちっとちゃんと真相を映像化して欲しかったです。なんで、満足度的にはこんな点数になりました。 【なにわ君】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2006-01-11 00:14:47) 5.翔さんと香川照之のダブル主演という時点でありえないコワさで、予想を通り越したマッドな演技にガクブル。 【カイル・枕クラン】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-09-20 19:56:40) 4.CUREが気に入ったので、続けてみた黒沢映画がこれ。CUREのような怖さとはちょっと違う怖さが十分に出ていたと思います。とにかく主演二人の存在感が素晴らしいっすね。アクション映画でもないのに妙に力の入るなかなか良い映画でした。 【シネマレビュー管理人】さん 7点(2004-04-05 01:41:44) 3.黒沢清の隠れた傑作。主役二人がそれまでのイメージもあるせいか凄い迫力があり、 なおかつ不気味。特に哀川翔は、こんな役も出来るのか、と感心した。全編緊張しっぱなしで見ていたので観賞後は疲れました。 【新井】さん 9点(2004-01-06 23:28:12) 2.香川照之といえばピン子と春恵くらいしか浮かんでこなかった俺のイメージはこの作品を観た後に一変した。傷口を針で抉るかのように執拗な高橋洋の脚本も素晴らしい。それにしても哀川翔は「自分では普通のつもりだけど端から見ると物凄く変」な男を演じさせたら右に出る人いないね。 【ナクサライト】さん 9点(2003-11-14 06:42:56) 1.《ネタバレ》 黒沢清監督作品の割には、あまり知られていない作品。娘を殺された男・香川照之が復讐を誓う。そして行動を共にする男・哀川翔。しかしこの哀川翔は何の為でもなく共に行動している。べつに香川照之の知り合いでもない。一体、哀川翔の真の目的はなんなのか?ってこんな感じのお話。娘を殺した犯人らしきヤクザ者を連れてきては鎖で繋いで目の前にモニターを置き娘のホームビデオを見せながら死亡報告書を読み上げる。挙句に食事も与えずトイレにも行かせずでまぁほんとこわいことします。とくに哀川翔の感情を出さない演技が不気味です。 【カズゥー柔術】さん 7点(2003-10-16 11:07:57)
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