みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
36.原作を先に読んだのが失敗だったかもしれません。 けっして戦争や星条旗のことを話さなかったというところが、 死の間際に海で泳いだことを語るよりももっと雄弁ではないでしょうか。 また、原作ではなぜ父が口を閉ざしたのか、 その一番大きな理由ではないかというエピソードがありましたが、 イーストウッド監督はあえてそこははずしたのでしょう。 おもしろくない、とは言いませんが、原作を超えていないように感じました。 硫黄島からの手紙もとりあえず見てみます。 【Skycrawler】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-01-24 00:06:36) 35.日本側の結末がどうなるかわかってるから、硫黄島からの手紙よりもストーリーを楽しめたと思います。 【AIRS】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-01-20 18:52:44) 34.18世紀プロシアの軍人クラウゼヴィッツは、その古典的著書『戦争論』で言っている。戦争の「本領」とは、「憎悪と敵意」を伴って遂行される暴力行為だ、と。 戦場において国民(=兵士)たちは、ただこの「憎悪と敵意」を増幅することだけを課せられ、そのエスカレーションとともに相手国民(=兵士)を殺し・殺される。そして、そんな「憎悪と敵意」をむけるべき〈敵〉としてのみ、本作の日本兵たちは描かれるのだ。だから、彼らは「顔」がない。徹底して得体のしれない“脅威”としてのみ、アメリカ兵たちの前に現れる。その時『父親たちの星条旗』は、これ以上なく端的に戦争の「本領」をぼくたち観客に見せつけているのである・・・。 一方クラウゼヴィッツは、「戦争とは異なる手段をもってする政治の継続である」とも言っている。「憎悪と敵意」をぶつけ合う戦場とは別に、国家にとって戦争とはあくまで政治的な「外交(!)」の手段なのだ、ということか。事実、映画のなかで政治家たちは戦争を継続するために、何とか戦場から生還した兵士たちを、国民が国債を買うための“道具”として利用する。兵士たちは、否応なくもうひとつの戦争の「本領」に巻き込まれてしまう。いわば、彼らは「憎悪と敵意」と「政治」という二重の「戦争」を戦うハメになったのだ。 そう、これまで常に〈体制〉からハミ出した「個人(アウトサイダー)」を演じ・描き続けてきたイーストウッドは、そんな「個」を単なる“道具=消耗品”としてしか扱わない戦争そのものの〈本質〉、ただそれだけをこの映画のなかで表出しようとした。声高に「反戦」を叫んだり、賛美・正当化する「反動」に走ったりするのではなく、いかに戦争が〈個人〉をないがしろにすることで遂行=継続されるものであるかを、ある痛み(と、悼み)とともに観客へと伝えようとしたのだと思う。同時にその時、本作が、ジョン・フォード監督の『コレヒドール戦記』(原題は、「They Were Expendable(彼らは消耗品)」だ…)に呼応し共鳴しあうものであることも、ぼくは深い感動とともに確信する。 その上で、『硫黄島からの手紙』を撮ることによって、あらためて「兵士たち」を人間として、〈個人〉として追悼しようとしたイーストウッド・・・。この「硫黄島二部作」において、彼はジョン・フォードをすら“超えた。この2作品と「今」出会えたことを、ぼくはただただ幸福に思う。 【やましんの巻】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-01-17 15:43:55)(良:2票) 33.英雄となった米兵の孤独がよく描かれていました。われわれ日本人の知りえない貴重な事実を目にすることができました。 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-01-11 01:16:15) 32. 監督の手腕にはいつも感心させられます。反面から描くという性格上、日本人を意図的によくわからない、不気味な存在にしたのもいいと思いました。ただ、映画の中で殺されているのが日本人だと思うと非常に複雑な気持ちになり、深い感動にいたることはできませんでした。映画館を出るとき、私の周りにいたのがおじいさんばかりだったのが印象的でした。 【海牛大夫】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-01-01 22:02:35) 31.当たり前のことではあるけれど、戦争は「全ての国民同士」ではなく「国と国のご都合同士」がやるものなんだな、と思える作品でった。2部作の「硫黄島からの手紙」とは異なるアメリカ側からの視点だが、徹底的な戦争の客観視という姿勢は同じく一貫していた。国のために勝負の駒となるしかない兵隊の立場から、戦争の悲しさをよくもここまで描ききったと思う。…国のため、故郷のために戦い、力を尽くし、傷ついて帰った彼らを待っていたのは、戦争の現場を知らない役人や民衆からのご都合主義。彼らのやるせない気持ちが痛いほど伝わってくる。純粋に故郷を想って戦い傷つき死んでいった仲間達の、自分たちだけがその真実を伝えられるのに、国の都合の前でそれも叶えられない現実が悲しい。…国の為に尽くした人への畏敬の念を疎んじる。この映画と全く同じことが、現在の日本にはまだ続いている気がする。言葉だけの幼稚な平和主義や教育の前に尊い犠牲は封殺され、この映画を観た存命の旧日本軍帰還兵の方々は、何を思うだろうか。戦争の悲しさと一緒にイーストウッドが言いたかったのは、現代の社会の為に歴史の犠牲となった人々への畏敬の念、そんな気がしてならないのだ。 【six-coin】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-01-01 01:22:02) 30.火炎放射器だけは許せません。 【チヤルカ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-29 21:50:29) 29.全体的に灰色。まぁそれはいい。 時間が行ったり来たりしてよくわからなかった。 残念。硫黄島からの手紙のほうが好きだ。日本人だからかな? 【甘口おすぎ】さん [映画館(字幕)] 4点(2006-12-29 21:45:37) 28.まず、この映画、観てちっとも楽しく映画です。戦闘シーンはあくまでストーリー展開上の背景でしかないので、戦争スペクタクルを期待する人にはちっとも面白くないでしょう。でも、これはイーストウッド自身がインタビューでそういうことを期待する人は別の映画を観てくれと言っているように、硫黄島の戦いでヒーローに祭り上げられた兵士達の顛末を描くことにより、アメリカが戦争遂行のためにいかにプロパガンダを繰り広げ、そのかげで一般兵士がどのような運命をたどったかを後世に残すための作品です。そのためにイーストウッドの描き方は恐ろしいまでに中立的立場を貫き、けっして個人の主張を打ち出していません。結果、娯楽作品にはなり得ないものだけではなく、テーマに共感したり感銘を受けるといった事も難しくなってます。時間軸が前後しすぎることも含め、きちんと映画を観ること自体に努力を要する作品ですが、戦争における国家の実態を知るということでアメリカ人は是非観るべき映画でしょうし、戦争の怖さが単に戦場のことだけではないことを知らしめる作品として、世界中の人々が一度は観て欲しい作品です。「硫黄島からの手紙」のほうが米国でも評価は高いようですが、戦争と国家の対応について後世語り継ぐ題材としては、この作品に勝るものはないかもしれません。 【はやぶさ】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-12-23 01:17:19) 27.アメリカさんもあの戦争は十分痛かったんだなぁと感慨深く考えさせられた。全般的にやや盛り上がりに欠けると思ったのは「お涙頂戴」を意図的に排除したんだと、CSで「プライベートライアン」を観ながら感じた。でも、私にとって何よりも主人公やその仲間の生死云々よりも脇役でゾンビのように数秒登場しては「うぅっ」と簡単にやられて死んでいった日本軍の痛みに毎回ビクっと身体が脊髄反射してしまい、「うーむ、この映画の観方としては間違ってるのかな」とちょっと悩んだ。 【りんす】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-12-22 18:43:04)(良:1票) 26.映画のホームページに「クリントイーストウッドからの手紙」があります。名文です。そしてこの映画のすべてを語っていると思います。映画はもちろん名作です。http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/letter/index.html 【爆裂ダンゴ虫】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-22 00:07:28) 25.見る前はもっと爆弾がドカン!ドカン!的な戦闘シーン満載な映画だと思ったが、意外にもメインの戦闘シーンが最初のみで、後はずっと戦後の苦悩を描く、という展開に驚いた。この辺りは完全に硫黄島戦のみに物語を絞った「硫黄島からの手紙」と対照的だ。これは恐らく、両者のウェイトの違いをイーストウッドが明確に表現したのであろう。アメリカにおいて悲惨だったのは「戦後」だった、ということだ。 【ドラりん】さん [映画館(吹替)] 7点(2006-12-20 14:42:19) 24.「硫黄島からの手紙」に引続き観たのですが、本当に心に残る素晴らしい映画です。とにかく、この 作品は大画面で見て欲しいですね。戦争というものの姿を迫力ある映像で伝えてくれています。(かなりショッキングな映像もありますが・・・・・。) この映画を観て「戦争に於いて英雄は存在するものでは無く、作られるものなんだな」とつくづく思いましたね。作られた英雄たちの、「その後」の姿を見てつくづくそう感じました。 しかしながら、本当に良く出来た作品ですね。題材・映像・音楽・ストーリーの流れ・・・・全てが上手く出来ています。 本当に、この硫黄島2部作は、戦争というものについて考えさせてくれる素晴らしい作品でした。本当にイーストウッドに感謝したい位です。これは、是非多くの人に見てもらいたいですね。 【TM】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-12-14 12:59:06) 23.イーストウッドの映画には常にイーストウッドがいた。本人が出ていなくても彼の分身がいた。前作『ミリオンダラー・ベイビー』のレビューで私は「イーストウッドはどこに行くのだろう」と書いた。現実に打ちのめされたアウトローはどこに行くのだろうと。彼は帰ってこなかった。この映画にイーストウッドはいない。それは私がずっと望んでいたことでもあった。だから作品の内容とは別のところでこのイーストウッドの到達点に感無量になった。しかし同時に寂しくもあった。この作品は英雄を否定する。英雄は作られる。映画のヒーローもまた作り物なのである。映画が現実味を帯びるにしたがいヒーローはヒーローとして存在しにくくなり、もはやイーストウッドもイーストウッドの分身も入る余地がなくなってしまった。何度も言うがそれは私が望んだものであったはずなのにとてつもなく悲しいことのように思えてならない。英雄の否定は戦争を題材としているからであって、イーストウッドの不在は偶然なのかもしれないけど、これまでの彼の映画の軌跡からするとやはり、ひとつの到達点と考えるのが自然だと思う。私の心境は複雑です。 イーストウッドの新しい映画を拍手をもって歓迎すると同時にイーストウッドの帰還を待ち望む自分がいる。 【R&A】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 13:01:32)(良:1票) 22.国債が集まらなければアメリカは戦争から手を引いていた(つまり日本が勝っていた)…この事実を知ったのが一番衝撃的。 「『負けるのが判りきってる』戦争を始めた責任がどうたら」言ってるのは何処の誰よ…って感じ。ここに到ってもまだまだ日本人に隠されている事実って多いんですね。 簡単に言えばあの戦争の勝敗を分けたのは、国力ではなく、マスメディアの能力の差。戦勝国であるアメリカがそう言い切っちゃってます。 GHQにより軍隊、財閥、大企業、農園等々は解体されたのに係わらず、マスメディアは無傷で残されたのは「こういう無能な連中は残しておいた方が都合が良い・・」とでも思われていたんでしょうか。 戦争シーンは迫力。「英雄」のその後の描写は何かしらロードムービー的味わいで良かったです。 【番茶】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-12-05 23:19:16) 21.兵士の顔と名前を覚えるのに必死でしたが、主要人物が3人ということに中盤で気付きました。 戦闘シーンもトーンを抑えているからでしょうか、砲撃や残酷なカットなども刺激は少なく、淡々とした感じを受けました。ドキュメンタリー番組といった感じでしょうか。 【winger】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-12-02 00:17:41) 20.映画自体は紛れもないクリント・イーストウッド作品として仕上がってますが、テーマ的にはスティーブン・スピルバーグ作品として、「ミュンヘン」と同じ反「対テロ戦争」に主眼が置かれてます。戦時下に於ける国家の嘘と、その犠牲となる国民(兵士やその家族)という構図は、正にブッシュ政権下のアメリカの姿そのまま(その不信感が今回の選挙結果に現れている)。従って骨太の問題作としての風格は備えてますけど、話が散漫に感じられて、個人的には有名な写真(私には「写真」より「モニュメント」の印象の方が強い)の裏に隠された知られざるエピソードを勉強しただけで終わってしまいました。これは現代のシーンをカットするだけで大分すっきりすると思います(そうなると「父親たちの」星条旗じゃなくなっちゃいますけど…)。あと、本作の硫黄島戦はその背景でしかないので、「硫黄島からの手紙」はあくまでも日本向けの「おまけ」という位置づけだと思います、6点献上。 【sayzin】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-11-30 00:07:59) 19.「許されざる者(1992)」を思い出した。 【センブリーヌ】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-11-29 03:01:31) 18.「ミスティック・リバー」は正直ムカついたが10点出した。だが二度と見たくない映画だ。何様のつもりだと思った。しかし、その淀みのどす黒さに10点つけた。だが、ようやくにしてイーストウッドも分かってきたようだ。遅すぎるが。というか、日米戦争で2部作作るよりも、南米辺りを舞台にしたものだったら1点加算しただろう。イーストウッドには、そこまでの度胸はないらしい。少しはまともに客観視できるようになっただけでも、ほめてやる。ともあれ、911の感想がミスティックリバーだなんて幼児レベルから脱却できただけでも8点をあげてやってもいいだろう。甘すぎだが。 【解放軍2003】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-11-29 01:41:16) 17.イーストウッドとスピルバーグのコンビだけに相当な期待をしましたが、残念ながら私はイマイチに感じました。もちろん戦闘シーンは完璧。さすがは軍事おたくのスピルバーグがついているだけあって、ビジュアルのインパクトだけでなく艦砲射撃や爆撃などの現実的な作戦もきっちり見せ、かつ当時の兵器も続々登場して戦争映画の醍醐味を味わわせます。残酷シーンも手抜きがなく、硫黄島の場面はスピルバーグが演出したのではないかと思うほど良くわかってる仕上がりです。一方で問題なのが脚本の構造で、戦争映画において時間軸を解体するという前代未聞の試みが完全に裏目に出ています。読書家のイーストウッドは、かねてから原作の改変をせずほぼ忠実に映画化する監督さんですので、今回の原作の膨大な要素を切り捨てることなく2時間強に収める苦肉の策として時間軸の解体を行ったのだと思います。複雑な要素をすっきり整理するにはエピソードのコラージュは確かに効果的ですが、それが機能するのはパルプ・フィクションのようにエピソードによって演出の色合いを変えることで観客の頭を混乱させないという手続きが取れる場合のみです。「兵士ひとりひとりの区別がつきにくい」という弱点を元々持っている戦争映画でそれをやってしまうと、「さっき死んだのは誰だったっけ?」という混乱が当然生じるのです。また、本作は戦場における死が大きなテーマですが、それを描く上でも時間軸の解体はまずかったと思います。死を悼む気持ちには2種類あります。他人だろうが何だろうがとにかく人が死ぬことは悲しいという倫理的なものと、親しい友達や家族が死ぬことが辛いという個人的な感情とです。そこに来て「仲間が死に行く中で偶然英雄にされた男達の苦悩」を扱った本作においては後者が強調されるべきだと考えられますが、時間軸の解体をやってしまうと各キャラクターへの感情移入ができていないまま「さっき登場したあの人が死にましたよ」みたいな描き方となってしまうので、戦場で多くの人が続々と死んでいくことのやるせなさは伝わりますが、かけがえのない仲間が死ぬことの悲しみは伝わりません。上映時間が3時間を越えてもいいから、戦場での友情ドラマをまずやって、そうやって観客達も好きになった戦友たちがどんどん死んでいき、にも関わらず本国へ帰ると英雄扱いされて戸惑うという正攻法な流れで描くべきだったと思います。 【2016/11/7追記】 ブルーレイで見直しましたが初見時と同じ感想でした。この内容ならば戦場場面と戦後パートは不要であり、戦時国債発行ツアーに焦点を絞ってもよかったような気がします。戦場の描写がほぼ皆無でもちゃんとしたベトナム戦争映画になっていた『ランボー』第一作みたいな作りにすればよかったわけですから(ただし、そうすると『硫黄島からの手紙』という副産物ができなかったのですが)。 また、ライアン・フィリップ演じる主人公ジョン・ブラッドリーの個性が薄くて観客にとっての感情移入の依り代になれていない点にも問題があったと思います。実際の戦場では使えなかった奴なのに英雄扱いにノリノリだったレイニー・ギャグノンとか、戦友達に対する敬意が大きすぎて英雄扱いに耐えられず精神を病んだアイラ・ヘイズとか、言うことを聞かない広告塔達をなだめながら国債ツアーを進めるキース・ビーチとか、キャラ立ちした登場人物が大勢いる中で、なぜジョン・ブラッドリーを中心にしたのだろうかと思いました。特にレイニー・ギャグノンとその婚約者の低俗さは最高で、この人物が国家と大衆に消費された後に落ちぶれていく様を描くだけでも、一本の映画として十分に成立したのではないかと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-11-26 02:41:07)(良:1票)
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