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【クチコミ・感想(9点検索)】
4.暴力の「衝動」なのか「歴史」なのか。“ヒステリー”なのか“ヒストリー”なのか。主人公の日常に兆し始める暴力の陰は、最初は、不連続な衝動的なもの・理性の中に埋もれ稀に姿を現すもの、に過ぎないと思われたが---後半、様相は一変する。実は人間にとって暴力こそが日常であり背景であり、理性などその上でかろうじてバランスをとっている危うい存在に過ぎない、のではないか。「暴力の歴史」ではなくむしろ「暴力こそ歴史」(そしてそれは事実、そうなのだ)。物語の理不尽な面ほど、よりストレートに描いているこの映画の語り口は、かえって何にもまして雄弁である。・・・すみません、観た直後の感想はそんな感じだったと思うのですが・・・人間「以外」のもたらす暴力の恐怖をまざまざと見せつけられ・・・何を語る言葉もないけどとりあえずは「そこ」で終わってちゃいけないんだな、と。(そしてそう思ったとき、この映画もまた、「そこ」で終わらせることなく、次へと向かおうとする作品であったのだな、とも) 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-04-01 04:46:59)
3.食前酒は深紅のネグローニ。カンパリ特有のピリッとした苦味が舌を刺す。それからうって変わってまったりとしたニョッキのポタージュがやってきた。食べごたえ十分の、ホッとする家庭的な味。だが一緒に出てきたビーツと赤ピーマンのサラダが、熾火のような紅をチラチラと自己主張して目に痛い。その後に巨大な巨大なステーキが来た。席に着く前からレアステーキだとはわかっていたが、これが実際に目の前に置かれると途方もないコッテリ感だ。ふうふう言いながら食べ終わるが、これでメインディッシュは終わりではない。仔牛のテールシチューがやってきた。デミグラスソースの複雑な香りに、ひとつまみ置かれた血のようなパプリカ。ひとさじ口へ運ぶと濃厚な酸味が食欲を奮い立たせる。もうこれ以上こってり系は食べられない。もう無理だ。絶対に食えないよ…などと思いつつ、気がつくと平らげていた。何という恐ろしいシェフだ。容赦なく客を肉責めにするとは…そう思っているうちにやってきたデザートの抹茶アイス。甘みを抑えた脂肪たっぷりのアイスクリームに、手摘みの玉露を挽いた抹茶の苦味が加わって、それまでの胸焼けが消えていく。決して爽やかな後味ではないのに、味わうほどに奥深い甘みを感じる。食べながらいつの間にか泣いていた。周囲の席でもかなりの人が泣いていた。いまこれを打ちながら、舌に残っているのは最後のデザートの心地よさだけだ。ここのシェフは普段ゲテモノばっかり出してくるが、ちゃんとしたディナーを作るとそこらのレストランでは太刀打ちできないモノを出してくるのが、自分が通い続けている理由だろう…でも今晩はもう、お腹いっぱいです。しばらく肉はいらないや。 【エスねこ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-28 21:10:09)(良:1票)
2.戦慄の映画である。一見、ひねりのない平凡な映画に見えるが、同時にこんな映画は見たことがないかもという不思議な感覚がある。この手の映画はふつう、傾く。暴力を映画で扱いきれず、奇抜な脚本とか編集あるいは特殊な映像表現という、いらん飾りをつけてしまう。そうすることで暴力の危ういバランス感覚がどこかへいってしまう。だがこの映画は暴力をスタイリッシュという文法に乗せないで、極めてシリアスに扱っている。スタイリッシュ暴力はそのほとんどが「痛み」感覚を追求しており、映画でしか味わえない暴力体験を擬似的に与えようとする。しかしヒストリー・オブ・バイオレンスはそんなに甘くない。痛いじゃ済まない。そもそも痛みは猶予でもある。痛がる前にもう死んでるのがこの映画。そして素早いカット割りで無駄のない殺しを実行するヴィゴ・モーテンセンの目にこそ暴力の本質が現れるのである。そしてバイオレンスとくればセックスという安易な発想から逃れた、バイオレンスの地続きとしてのセックスがあの階段でのシーンとなり、観る側の血を凍りつかせる。ラストは、暴力というバランスの危うさに傾き堕ちることを免れたこの映画だからこそ到達できた屈指の名シーンだと思う。この映画を見てしまうと、あれほど面白いと思った「オールドボーイ」や「ファイトクラブ」が単なる曲芸のように見えてしまうのだから恐ろしい。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-11 12:26:41)(良:1票)
1.冒頭のシーンが最高です。 【たま】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-02 16:17:14)
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【点数情報】
Review人数 |
97人 |
平均点数 |
7.20点 |
0 | 0 | 0.00% |
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1 | 0 | 0.00% |
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2 | 0 | 0.00% |
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3 | 0 | 0.00% |
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4 | 2 | 2.06% |
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5 | 10 | 10.31% |
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6 | 20 | 20.62% |
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7 | 22 | 22.68% |
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8 | 26 | 26.80% |
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9 | 12 | 12.37% |
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10 | 5 | 5.15% |
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【その他点数情報】
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