みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(9点検索)】
3. 過去、日本は貧しく遅れていました。みんなで一生懸命努力しました。しかし、その努力の先に待っていたものは敗戦でした。きっと、少し努力の方向がずれてしまったのでしょう。明治維新で開国したころの欧米との科学技術の違いを思うときそれから70年ぐらいで国産兵器で欧米と肩を並べる処まで来たのは奇跡と言えます。黒船に腰を抜かした民族が世界最大の戦艦大和を建造しました。欧州から購入するだけだった航空機も世界レベルのものを生み出しました。戦闘機においては96艦戦、爆撃機では96陸攻がその嚆矢でしょう。 物理学を研究したその先に原爆がありその実現に向け研究を重ねてい湯川秀樹がいたように飛行機に夢をかけ戦闘機を設計した堀越二郎もいたのです。欧米へのキャッチアップに成功した96艦戦は幸福な機体ですが、負け戦の前面に立たされたゼロ戦はつらいことになりました。結果にとらわれずその努力をあの時代性の中で表現できたこの作品、9点ですかね。素晴らしい作品だと思います。 【たこのす】さん [地上波(邦画)] 9点(2021-09-23 01:18:01) 2.宮崎アニメのなかで、もっとも美しい作品ではないかと思います。そこに「悪」の要因があるにせよ、その美しさを讃えずにはいられません。もっとも愛があふれた作品だろうとも思います。しかし、その愛こそが、大いなる「悪」なのでしょうね。ひたすら「善」を求める観客には拒絶されるでしょうが、そもそも美や愛は、かならずしも「善」であるわけではなく、ときとして大いなる「悪」だと言わざるをえません。宮崎本人の言葉を借りれば、この映画にあふれる美や愛こそが悪への誘惑=メフィストフェレスです。 まごうことなき「善」の映画など存在しない。それどころか、武器をもって闘ってきた宮崎アニメの過去作品のすべては、たえず「悪」を美化(あるいはエンタメ化)しつづけてきたはずです。その意味では、むしろ『風立ちぬ』こそが、その矛盾にもっとも向き合った作品だといえる。鈴木敏夫が意図したように、この矛盾にこそ、宮崎駿が描かねばならない真実があったのだといえます。 戦争技術者をあからさまなマッドサイエンティストとして描く紋切り型にくらべれば、むしろ慎ましく美しく生きた戦争技術者の生き様にこそ、真実の一端があるのかもしれない。一部のエリートが民衆の善良な生活を破滅させたとする紋切り型にくらべれば、むしろエリートの美しい技術を愚かなナショナリストたちが応用したという醜悪な実態にこそ、真実の一端があるのかもしれません。 では、科学技術者はいったいどうすればよいのか? その答えが映画のなかに用意されているわけではありません。強いていえば、その答えは、破壊し尽くされた飛行機の残骸を見つめる観客のほうに投げかけられています。 もともと久石譲の音楽は好きじゃないけれど、この映画の音楽は率直に美しく感じられました。荒井由実の曲も、死と飛行機の描写にティンパンアレーの透明なサウンドが重なり、さらには彼女のコンサバな姿勢までもが相俟って、まるであらたに意味付けされた楽曲のように生まれ変わっていました。 【まいか】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-01-13 23:59:12) 1.完全肯定! カリオストロから34年、ナウシカから29年、当初の大人も子供もという重圧から開放されてきた近年、創りたいもの自分の好きなものに特化してきた「紅の豚」以降の作品は、宮崎駿の作家性が客を選ぶようになった、特に死にまつわる描写が。 それでもジブリ、客は入るのでいろんな批判的意見も目に付くが、同じく年齢を重ねた自分には常にビタビタはまる。もしかして俺に見せるために創っているのか?などと勘違いしてしまうほど。 煙草をバカスカ吸い、震災の重厚な演出、軍人をアホのように描写、詳細な飛行機設計製作過程の表現、避暑地のドイツ人に忍び寄るもの、特高なんていうバカの扱いと物作り企業のプライド、帰ってこなかった戦闘機と戦争は町の炎上シーンで一瞬、レンズ越の目は歪み、信じられないサナトリウムでの治療から菜穂子が戻った訳、などなど・・・どれも素晴らしい、監督の言いたいことがリアルに伝わり涙が溢れる。 まだまだ良い作品を見せてくれる事を願ってやみません。 ※映画館入場時に渡された、鑑賞後に見てくれと言うかさばる紙切れ、高ぶって開いてみるとau宣伝の上に文章の不可解さ、あれは興ざめ鈴木P、監督の才能を再認識した上で己の仕事に専念してください。 【カーヴ】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-07-30 11:04:12)(良:2票)
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