みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想(10点検索)】
2.これはまたただならぬ映画ですね。 一切の妥協を排してひたすら一人の女の人間性を問い詰めて行く。この執念深さには脱帽としか言いようがない。 日本映画なのにどこか北欧の映画を見ているような、妙に普遍的な感覚を覚える。 ことに人生の重圧に耐えてなお気丈に立ち向かうお春(田中絹代)が、居並ぶ羅漢像の前で過去を振り返り 感極まって気絶する前の、あの突き詰めた表情は、どこか崇高さすら帯びている。 また、夜鷹に落ちぶれたお春が、客の求めに応じて、化け猫のふりをしてお金をもらうところなど実に秀逸。 まさにこれは溝口健二にしか撮れない傑作。 【kinks】さん [映画館(邦画)] 10点(2015-11-28 03:10:58) 1.カメラが「もっと田中絹代を!」と求めているみたい。それは欲情に近いかもしれない。仏像を眺める田中絹代の頭にかかる布がスウッと落ちるところや、竹やぶの中での壮絶な自殺未遂のシーンのような圧倒的な映像を見せる部分はもとより、堕ちるところまで堕ちて遂には化け猫扱いまでされてしまうところでも、あるいはラスト、屋敷の中で成長した息子に一目会いたいがために男たちの間を軽快なフットワークですり抜ける、そんなシーンでもカメラは田中絹代を決して離さない。田中絹代が役柄を超えて内面の魂を表に出す瞬間、そしてその瞬間をずっと持続させるかのような溝口の長回し。凄い。雨月や山椒大夫には無かったユーモラスな雰囲気の前半がまた良い。嫁選びの長回しシーンなんて、自分の撮影スタイルをもネタにしているみたいで二重に笑える。戦後の低迷期から上昇するきっかけとなったといわれるこの作品を是非。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 10点(2005-12-02 00:48:45)
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